僕はこの世界で英雄になりたいんだ!   作:サンマ味のヨーグルト

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祝!お気に入り600突破!!

嬉しすぎて踊っちゃう!! ₍₍(ง˘ω˘)ว⁾⁾


あと適当にまだプロット段階なんですが
【施しの英雄がサポーターで生活するのは間違っているだろうか】
という題名で転生し憑依した一般人がカルナさんのように振る舞う勘違いストーリーを考えています。憑依カルナさんは戦闘が苦手でサポーターとして行動しているのに皆は「Lv.8なのになんて謙虚なんだ!」って感じ。勘違い物なんて全く書けないがな。

も一つはゴールデンこと坂田金時として転生しオラリオの快男児として活躍する物語。ヒロインはテンプレの如くアイズですがね。


ダンジョン〈上〉

ミ゛チャッ

 

鈍い音が耳に入る。肉が引き裂き、骨を砕いた音だ。音を放出した本人は当に絶命しており、断末魔すら挙げる事もなかった。

目や鼻、口といういたる所から深い赤の色の血を限り無く垂れ流しており、慣れていない者ならば見るだけで不快な気分になる事だろう。

 

ブチュウッ

 

続けて甲高い声と共に肉に刃物がめり込む音が聴こえる。突き刺さった刃物は腹部に刃が綺麗に入っており、血すら吹き出てこない。これは技量を持つ者ならば簡単にできる芸当だ。絶叫を挙げるモンスターは刃物に突きあげられており、身動きが全く出来ない。動いたら動くだけ激痛と共にぱっくりと開き血を噴き出すだけで死を迎える刻を早めるのみだ。しかし動かないわけにはいかない。目の前に死神が微笑んでいるのだから。

 

それ以降似たような音が連続して繰り替えされた。頭蓋が粉砕され、その衝撃で舌を噛み切りながら断末魔を挙げ絶命する者。人間の肋骨に値する部分を粉砕され、苦悶の声を挙げながら絶命する者。唯一無二の生命線である核を破壊された者。

 

そして漸く音は途切れた。

夥しい程の死体の山。残った者は一人のヒューマンだけだった。ヒューマンの少年は疲労ながらも、武器を手放さない。油断は死と繋がると知っているのだろう。戦闘中、一言も話さなかった少年が肺に酸素を目一杯運びながらぽつりと呟いた。

 

 

「はあ……はあ……凄いな、恩恵があるとここまで戦えるのか……」

 

アストルフォだ。アストルフォは額から流れる一筋の汗を拭いながら自身の恩恵の加護の凄さを驚嘆する。

 

アストルフォは昔、住んでいる村にモンスターの襲撃を経験したことがあった。

襲撃は思う他激しく、まだ少年だったアストルフォが助太刀に入った物だった。故郷の村には恩恵を持っている者は一人しかおらず、モンスターと戦うのはかなり危険なものだったが、恩恵を持っていない連中は何故か大体武闘派だったのでかなり楽に終わったのだが助太刀を必要とする程モンスターの数は多かった。

アストルフォが担当したのは討ち漏らしのゴブリンだったが、10歳にゴブリンを10匹以上倒せというのもかなり無理な話で、9匹以上先からは意識を失っていた。

 

翌日に目を醒ました際、筋肉痛と怪我で一週間は動けなかったのだ。その際全裸で添い寝していたローランの尻に見舞いの薔薇の花を突き刺したのだが、これは関係ないだろう。

 

それに比べて恩恵を持った彼は苦も無く、というか多少疲労してだがゴブリン5匹、コボルト7匹を討伐したのだ。これを驚かずとして何になる。

 

「そして………これが【スキル】の力、か…。何か今まで損していた気分になるねー。ははは」

 

乾いた笑いをするアストルフォは自身が握っている武器を見つめる。アストルフォが握っているのはハルバード、と言えば良いのか…。ハルバードにしては比較的小さめだがアストルフォの丈位の大きさのある斧槍。優に15㎏以上ある。それを華奢なアストルフォが持つのは見た目上、不可能だろう。しかしそれを可能とするのが恩恵でありスキルだ。

 

 

縁下力持(アーテル・アシスト)

 

 

恩恵を貰い、羊皮紙に書かれたステイタスをアストルフォが一目で記憶し、覚えたモノだ。その際は興味も無かったことからどうでもよかったが、今ではこのスキルの凄さがわかる。

 

・一定以上の装備過重時における補正。

・能力補正は重量に比例。

 

つまり一定以上の重たい物を無理に持てるという小柄、華奢な者には素敵すぎるスキルだ。

高レベル保持者の、チビ代表の【勇者】フィン・ディムナは種族上小柄だが、Lv.6という次元に達している為武器の重量は気にならないだろう。

だがLv.1のアストルフォにとって武器の重量はとても重要な物だ。かの英雄アキレウスが踵を気にするくらい重要だ。故にこのスキルを重宝する。高レベルに達する時、このスキルは無用の物となるだろう。

 

 

「その時は重量級の物を持ったらいいよね。でもこのスキルが無ければ全然使えない事になっていたよね。まったくもー、キントキと社長は気を回し過ぎなんだよーー。まったくもー」

 

息を完全に整えたアストルフォは知人の配慮に苦言する。しかしその顔は嫌という顔では無く仕方ないという顔をしていた。

 

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

時は少し前、太陽の陽射しが賑わう町、オラリオを完全に照らし始める時間に遡る。

 

朝食は皆で、大勢で食べるという習慣があるロキ・ファミリアの本拠、黄昏の館での出来事。例外も無くアストルフォも大食堂で朝食を取っていた。トレイを取り空いている席を見つけたアストルフォは肩を叩かれ振り向いた先に居たのはラウルと呼ばれるヒューマンの男性だった。アストルフォを男として認識しているが少し顔を赤らめていたが関係無いだろう。

 

「とどけものー?」

 

「ああ、本拠の前に置いてあったんだけど。お前の名前が書いてあったからお前のじゃないか?」

 

ラウルはそれだけを言うと傍から離れた。特に言う事はないのだろう。接点の無い者はそういうものだ。アストルフォは差出人不明の届け物は妖しさ満点だが一応を貰っておくことにした。

 

「おは、よう」

 

パンとスープを一気に口に含ませようとしたアストルフォに声が掛けられる。もごもごとパンを咥えているアストルフォは声の主を知っている。先日ギルドに訪問した際にジャガ丸くんを共に議論した仲だ。故にふり返り笑顔で挨拶を返す。

 

「おーはよー。アイズ」

 

アイズ・ヴァレンシュタイン。

Lv.5の一級冒険者でありロキのお気に入りだ。この際気を付けて欲しいのだが、アイズ・ヴァレンシュタインだ。決してヴァレンタインではない。この名を呼んでしまうと国旗を持った謎の大統領が謎の掛け声と共に次元を越えてやってくるだろう。

アイズの金髪金目の美貌は神々にも評価され、ふざけた二つ名を命名する事も無く【剣姫】と名付けられた。名前負けすることのないその美貌は間違いなく人々を魅了するだろう。

 

アストルフォは狼人の一人が睨んでいる事も知らず、アイズを近くの席に座らせるよう誘導する。アイズと知り合ったのは三日前。神ヘスティアがバイトするジャガ丸くんの露店で知り合った。アイズのジャガ丸くんへの熱弁にアストルフォは負ける事なくジャガ丸くんへの弁論を繰り広げた。その際朋友としての契りを交わした。自身がお薦めするジャガ丸くんの味を相手に渡すという盃として。両者は共に同じファミリアだとは知らなかったが、昨晩紹介され発覚した。

 

『……男性だとは、わからなかった』

 

『趣味だよ趣味』

 

昨夜ロキによる新たに眷属となった団員の紹介が行われた。紹介と言っても二つ名が付く冒険者など一部、そして直ぐに死んでゆくのが目に見えている為古参、既存は殆どスルーしていた。冷たいように見えるが、親しい者ではない限り死んでもそれだけだ。

 

アストルフォの紹介も実に簡素に行われた。

 

『ニコラ☆テスラ。アイドル事務所所属アストルフォ・イルマ!これでもオトコノコだから間違えないでよね!』

 

『エエエエエエ!!』『男の子だったのおおお?!』『うそん』『けっ、カマ野郎かよ』『こんなにかわいい子が女の子なわけがない!』『私よりかわいいなんて……』『げふっ……』『チャドの霊圧が……消えた……!?』『ううう、うううううんんん!!』『ヤメロブロリー!落ち着けぇえ!』『なんと』『わ、私は知らずの内に男にべたべたされていたということか……』『……あ。ジャガ丸の時の、人』

 

大勢の人物が集まる大食堂は阿鼻叫喚の地獄と化していたが時が過ぎれば次第に落ち着きを取り戻していた。アストルフォを男か疑う者もいたが露骨にはしていないもので騒ぎにはならなかったのは幸運だろう。強引に確認すれば烈火の如く主神が下手人にデンプシーを叩き込むだろう。狡知は伊達ではない。

 

「んぐんぐんぐんぐーー……ぷへっ」

 

「(意外にいっぱい食べる……)」

 

アイズとの雑談をそこそこにアストルフォは胃にスープを流し込んだ。意外に大食いなアストルフォは二人前のスープを一瞬で飲み干し食器を片付けた。

 

「んじゃ、僕用があるから!今度一緒に【ジャガっしー】のショー見に行こうねー!」

 

「うん」

 

席を立つアストルフォに対し、眠たげな眼をキリリっと開きサムズアップするアイズ。ジャガ丸くん狂いは伊達ではない。いつものテンションを五倍以上に上げている。子供が明日一緒に遊ぶ約束を取り付けるような微笑ましい雰囲気だが、一人の狼人が血の涙を流しているのは気づいていない。

 

 

 

 

 

「……なにこれ」

 

バナナを片手に持ったティオナは目の前の存在するモノを見て立ち竦んでいた。

 

目の前にある箱……。茶色一色と一見地味だが側面にでかでかと【Am○zon】と描かれている。

それが問題なのではない。傍にいる男が問題なのだ

 

「あらぁん、かわいい子ねえ。私オラリオに来たのは初めてだけどぅ、皆レベルが高くて私が霞んじゃうわぁ~。でも都の踊り子、貂蝉ちゃんは負けないわん!漢女としてぇ!負けるわけにはイカないのよイヤなのよん!!」

 

箱を抱えながらくねくねと科を作る男。実に気持ちが悪い。ティオナはこの異常事態に理解が追いつかないでいた。

目の前に仁王立ちする男、筋肉隆々なのだがそれはいい。下着以外何も穿いていないのだ。

つるつると太陽の光を反射するスキンヘッドの頭にまるでそこ以外生えた事が無いかのような三つ編みのおさげが二つ。小さなピンク色のリボンにチョビ髭。

そしてピンク色の紐パン。そして女を自称する大男。このような事象に対し、受け入れるような反応ができようか?

 

「ぎゃああああああああ!?モンスタアアアアアアア!!!?」

 

故に理解を超えた出来事に対し、パンクすることは無理も無い。頭が真っ白になったティオナは身を護るように後退し、貂蝉と名乗る男を警戒する。武器の大剣を持っていない事が悔やまれる。

 

「だあれが『全身青タイツで喜々として英雄を殺しまわるクレイジーサイコなモンスター』ですってえええ!!?あちしは人間。アマゾネスよぉ!貴女と同郷よお!!」

 

「嘘つけえええ!!あんた男でしょうがあああああああああ!!」

 

アマゾネスは女性のみの種族。高い戦闘技術を持ちどの種族とも子供を儲けることが出来るが、アマゾネス以外の子は産まれないのだ。故に男など存在しないし貂蝉と名乗る男を女には絶対に見えない。褐色肌であるが女ではない。

 

「んもう、失礼ね。これでも漢女よ。恋の相談もお手の物よ」

 

「ひいいいい!!!」

 

ティオナは冒険者になって史上、未だかつて感じたことのない程の恐怖を貂蝉に抱いた。これは生物の本能とも言える。この恐怖は怒り狂った姉以上に恐ろしい。

怯えているティオナは気づいていないが、貂蝉は先ほどよりも少し離れた位置にまで離れていた。

 

(何コイツ?!何コイツ?!なんなのゴライアスの親戚?!)

 

 

「何やってるのー?ティオナ」

 

そしてアストルフォがやって来た。怯えていても長年磨いて来たプライドが残っているのか、木剣を握っているティオナに対し怪訝な表情をしている。

 

「あ、あ、あ、アストルフォ………ここここれこれこれももモンスターだよねだよね」

 

ぷるぷると震えながら貂蝉を指さすティオナ。アストルフォはティオナが指指している方向、貂蝉の方を向く。そして

 

 

「ああー!貂蝉!久しぶりだねえ!」

 

笑顔で近寄った。呆気にとられ呆然として大きな音を立てて棒を落とすティオナだったが、そこに気を回していない為無視している。アストルフォは笑顔で貂蝉と会話しており貂蝉もまた旧友と会ったように笑っている。

 

「あらあらん!アスちゃん相変わらずぷりちーねえ!あちしも最近お肌が荒れ気味なのに貴女はぴっちぴち!」

 

「貂蝉も相変わらずだねー。ピンクの紐パン気に入ってくれたんだね!」

 

「ええ、アスちゃんがプレゼントしてくれた紐パン、私にジャストフィットっていうのかしら~。かんなり気に入っちゃったわ。あ、そうそう。アスちゃんにお届け物。村にいた皆からよふんぬううああああ!!!!!」

 

野太い声を挙げながら横にある箱を持ち上げる貂蝉。持ち上げアストルフォの眼前に鎮座させる。とても重そうに見えないが貂蝉が持つととても重そうに見えるのは気のせいだ。

 

アストルフォは不思議そうに箱を開封させる。そして一枚の紙を取り出し読み上げた。

 

『拝啓、親愛なるアストルフォさんへ。貴方がオラリオへ旅立ってから5ヶ月が経ちました。貴方がかの高名な狡知の神ロキの眷属になった事は既知であります故経過報告の手紙は結構です』

 

「流石社長。未来予知系アイドルもいるんだねー」

 

手紙を読みながらしみじみと呟く。ニコラ社長とは幼い頃に村に流れてきた頃の付き合いだ。ローランと違い紳士然としたテスラは村にいる狐人(ルナール)の住人からも信頼されている。

芸能事務所なるものを経営していてアイドルなるものを集めていたがアストルフォには理解できない範疇だったので殆ど覚えていない。が、愛怒流(アイドル)なるものを名乗る人物が悉く異能を持っている傑物ばかりなのは覚えている。

今回の未来予知しアストルフォの恩恵を刻んだファミリアの事をテスラに伝えたのだろう。他には十二回殺さないと死なない愛怒流も居たがこれは別の話なので気にしなくともいいだろう。

 

『今回私がMs.貂蝉に頼み、手紙を出した用件は唯一つ。貴方に使って欲しい武器があるからです。そこにAma○onと描かれている箱を開けてください。貴方のスキルと相俟って非常に役に立つ筈です』

 

手紙を腋に抱え、Amaz○n箱を開封する。予想以上に複雑に梱包された箱に四苦八苦し貂蝉に手伝ってもらいながらも開封する。

 

「これって…………」

 

梱包された箱を開封し、プチプチに包まれた先にあったのはまるで炭に焼かれたような真っ暗な色の【ハルバード】だった。いや、ハルバードにしては形状が歪だった。斧部が槍部と一体化し、刀身がサーベルに似ていた。

 

『【黒騎士の斧槍】というハルバードです。これは天才にして雷電たる私と雷神の子であるMr.黄金(ゴールデン)と共にアノールロンドという旧き神々が支配する地に殲滅に出かけた際に拾った物です。旧き神々の尖兵が持っていたとされていますがこれは貴方の役に立つと思った所存。奇矯を愛する私はこれも面白いと思いMs.貂蝉に運んでもらったという事です。どうぞお元気でご活躍されますように。

 

ニコラ☆テスラ芸能事務所取り締まり役  ニコラ・テスラ』

 

『追伸 ローランからの手紙もありますのでそちらも拝見してあげてください』

 

「相変わらず手紙になると口調が変わるなー。でもテスラ社長もキントキも元気そうで良かったよ」

 

テスラからの手紙を懐に仕舞い、黒騎士の斧槍を持ち上げる。多少重かったが特に問題は無かった。これも恩恵の影響か。

 

黒騎士の斧槍にはかなり繊細な文様が刻まれており、この斧槍がかなり価値あるものだと判別できる。それほどの品をプレゼントしてくれたのだ。使わずして何になる。

 

「あ、ローランからの手紙あったんだっけ。ふむふむ…」

 

テスラから贈られた斧槍の脇に羊皮紙が転がっているのを掴み読み上げる。しかし次第に苦虫を噛み潰したような表情に変わって行く。

 

「『町中で興奮して全裸になったら捕まった』……あーっ、やばいやばいうっかり捨てちゃったー」

 

うっかりと棒読みで手紙を引き裂き放り投げるアストルフォ。最早見る価値も無いようだ。今の心境は関わりたくないという負の感情に溢れているだろう。

タイミングを見計らっていたのか貂蝉は声を掛ける。

 

「んじゃあ私はもう行くわん。アスちゃんも身体大事にしてよね」

 

「うん。貂蝉もそんな恰好で風邪とかひかないでね」

 

ぶるうあああああああああ!!!!!!と野獣の咆哮を彷彿させるような野太い掛け声を挙げた貂蝉は地面を蹴り、宙を跳んだ。その速度は【(テンペスト)】を使ったアイズと同じ速度、いやそれ以上の速さに達していた。蹴り抜いた地面は陥没しその威力が窺える。

恩恵を持っていない貂蝉は一体なんなのか…。

 

「一体何が遭ったの……………」

 

残ったのは朗らかな顔を浮かべるアストルフォと理解が追いつかないティオナだけだった。

 

 

◇ ◇ ◇

 

〈その頃のベルくん〉

 

宇宙、いや銀河体系総てを飲み込む程の神域が世界に広げられていた

森羅万象などというチャチな言葉では語れない。これはそれら総てを超越した物語だ。たった一人が永劫に渡って組み上げてきた脚本。これはその最終幕。総ての仕上げ。目的は違えども至る道はたった一つ。

 

 

一人は人を肌が焼き焦げたような色をしていた。髪は紅蓮の怒りのように染め上がり、しかし怒りなどが存在しないかのような理性的な眼をしていた。

 

―海は幅広く 無限に広がって流れ出すもの 水底の輝きこそが永久不変

Es schaeumt das Meer in breiten Fluessen Am tiefen Grund der Felsen auf,

永劫たる星の速さと共に 今こそ疾走して駆け抜けよう

Und Fels und Meer wird fortgerissen In ewig schnellem Sphaerenlauf.

どうか聞き届けてほしい

Doch deine Boten,

世界は穏やかに安らげる日々を願っている

Herr, verehren Das sanfte Wandeln deines Tags.

自由な民と自由な世界で

Auf freiem Grund mit freiem Volke stehn.

どうかこの瞬間に言わせてほしい

Zum Augenblicke duerft ich sagen

 

 

時よ止まれ 君は誰よりも美しいから

Verweile doch du bist so schön――

 

永遠の君に願う 俺を高みへと導いてくれ

Das Ewig-Weibliche Zieht uns hinan. ―

 

彼の背後には歯車が、針が停まっている時計が鎮座している。これは彼の顕現した能力の具現である。

 

 

 

一人が声を挙げた。

一言で言うならば黄金。世界が理想とする美貌と才覚。そして総てを呑み込まんとする覇気の器。

浮き上がっている金色の髪は正に獣を彷彿とさせる。

 

―怒りの日 終末の時 天地万物は灰燼と化し

Dies irae, dies illa, solvet saeclum in favilla.

ダビデとシビラの予言のごとくに砕け散る

Teste David cum Sybilla.

たとえどれほどの戦慄が待ち受けようとも 審判者が来たり

Quantus tremor est futurus, Quando judex est venturus,

厳しく糾され 一つ余さず燃え去り消える

Cuncta stricte discussurus.

我が総軍に響き渡れ 妙なる調べ 開戦の号砲よ

Tuba, mirum spargens sonum Per sepulcra regionum,

皆すべからく 玉座の下に集うべし

Coget omnes ante thronum.

彼の日 涙と罪の裁きを 卿ら 灰より 蘇らん

Lacrimosa dies illa, Qua resurget ex favilla

 

されば天主よ その時彼らを許したまえ

Judicandus homo reus Huic ergo parce, Deus.

 

 

慈悲深き者よ 今永遠の死を与える エィメン―

Pie Jesu Domine, dona eis requiem. Amen. ―

 

彼の背後には黄金の獣が口を開けている。そして彼の背後にはまた、彼の総軍が狂喜の笑みを浮かべている。

 

最後の一人が詠唱を始めた。彼の存在はあやふやなものだったが、存在が確かになったのかはっきりと見て取れる。

 

―武器も言葉も 人を 傷つける

Et arma et verba vulnerant Et arma

順境は友を与え、欠乏は友を試す

Fortuna amicos conciliat inopia amicos probat Exempla

運命は、軽薄である 運命は、与えたものをすぐに返すよう求める

Levis est fortuna id cito reposcit quod dedit

運命は、それ自身が盲目であるだけでなく、常に助ける者たちを盲目にする

Non solum fortuna ipsa est caeca sed etiam eos caecos facit quos semper adiuvat

僅かの愚かさを思慮に混ぜよ、時に理性を失うことも好ましい

Misce stultitiam consiliis brevem dulce est desipere in loc

食べろ、飲め、遊べ、死後に快楽はなし

Ede bibe lude post mortem nulla voluptas

 

彼の背後には巨大なカスケドゥスが顕現している。これは水銀と呼ばれた彼のシンボルである。

 

 

 

 

「……時間が止まればいいと思っていた」

 

「いまが永遠に続けばいいと、思っていた。――この日常が終わってほしくない……いつか終わると、わかっていても…!」

「ただ、そこにあったんだ。優しい空気が存在して」

 

「だったらそれを――――欺瞞だなんて言わせない!」

 

「…奪わせない。堕とさせない」

「そして何より――壊させない」

「もう、これ以上俺の刹那を……なにひとつ、お前たちに奪わせない!」

「【カール・クラフト】。【ラインハルト・ハイドリヒ】……今から俺が、望み通り…………絶命という未知をくれてやる!」

 

この祈りは覇道の願い。

自身が愛する世界、この瞬間の刹那を永遠に。ずっと繰り返していたい。この刹那が永遠に続いていたらいいのに。刹那を永遠にする法。

 

これは仕組まれて想った渇望ではあるが、彼が純粋に想ったものである

 

 

「我が愛は破壊の慕情。愛でる為にまずは壊そう。頭を垂れる弱者も、傅いて跪く敗者も、叛逆を目論む不忠も、総てが愛しい」

 

「――故に、壊す。愛でるべき者を愛でず、労り過ぎて放置するなど、無粋の窮み。

だからこその――【死を想え(memento mori)】だ」

 

「総べてを愛そう、例外はない。

そうだ、私は――私は総べてを愛している。ゆえ諸共に壊してやろう!来るがいい!!

 

この祈りは覇道の願い。己が全力を出していたいという渇望。純粋な願いである。自身が愛しても壊れない世界を…。総てを愛する世界の法。

 

 

 

 

「……私は、こんな展開など望んでいない」

 

「未知を求めた。それのみを願った。その果てに筋書きが外れたならば

確かに是と言えるのかも知れんがね」

 

「……だが違うのだよ。

座に在る私は『否』と告げる。ああ、嫌だ。認めない。このような終わりなど、赦せない。

ゆえにおまえ達はもう要らん。

此れより先は女神の独り舞台でなくてはならぬから――用済みの役者には、退場願おう。

それが私の―――【座】の意思と知れ」

 

この祈りは覇道の願い。自分が望む結末以外を認めない。やり直しを強制させる渇望。

万象、宇宙の星を操り、永劫の回帰を繰り返す世界の法。

 

Atziluth(流出)

 

Du-sollst(混沌より溢れよ)――――――Dies irae(怒りの日)!!」

 

Res novae(新世界へ)―――――Also sprach Zarathustra(語れ超越の物語)!!」

 

Acta est fabura(未知の結末を見る)

 

 

 

 

 

 

「ジークハイル!!ラインハルト閣下アアアアアア!!!」

 

ベルくんは知らずのうちに、ラインハルトの総軍に入っていた。魂が創造位階にまで至る魂だったので城で活動できるように顕現していたが、本編では隅っこでシュピ虫と座っていた。

 

 

原生林から抜け出したベル君は、いつの間にか諏訪原市に流れ着き、宇宙開闢バトルに巻き込まれていた

 

 

第三回 その頃のベルくん 〈終〉

 

 




ベルくんのコーナーが手抜きに見えるのは気のせいだ。だってDies世界ではベルくん役に立たないんだもの。

お兄さんが用語を説明するコーナー。

・貂蝉
某恋姫に出てきた出オチ担当の変態だよ。声がやたら有名な人で更にインパクトがあったよ。相方がいるんだけど相方は東方不敗だよ。

・ローラン
今回捕まった事が明らかにされたよ。アストルフォが疲れ果てて熟睡している時も全裸で添い寝していたことがわかったよ。

・ベルくん
いつの間にか死んでいたよ

・ジャガっしー
ジャガ丸くんのマスコットキャラだよ。
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