幻想回転録   作:駿駕

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ジョニィのいた時代、まだテレビゲームが無かったと考え、ジョニィはそういった機械を知らない状態で書きました。
自分もあまりゲームの知識はないため、ほとんどわからない状態です。



法皇の緑

そこにあったのは、勝利する姿と敗北する姿だった。

僕では見せることのできなかった接戦が繰り広げられ、勝者は汗ばんだ手を握り締め、そしてその拳は天を仰いだ。敗者はその拳をテーブルを揺らした。

 

☆

 

文字が消えると共に動き出した二人の手と、画面のキャラ二人は僕にはわからない動きをしていた。

画面に映ったキャラの上に並んだ棒が少しずつだが減っていっているというのはすぐにわかった。

拳が当たる音や二人から放たれた攻撃の音がこの光景を見ていた僕の心臓を昂らせた。

「何が起きているのか、僕にはさっぱりわからない!だが、これがとても熱いというのはわかる!さっきから、僕の身体を熱くさせている!」

「なかなかやるね。この実力なら、並大抵のバトラーなら圧勝できる力だ。でも、これならどうかな!」

最初に花京院が動いた。花京院の選んだキャラが少しずつだが、輝夜の選んだキャラを画面端へ押していっているじゃないか!

「これは!ぐッ・・・まだまだこれからッ!」

そして、今度は輝夜のキャラが押す!

熱い攻防戦が続き、二人のキャラの上に並んだ棒の間にある数字が0になる。

『Time up!』

時間切れということか・・・。

「ふっ・・・すばらしい戦いだったがラウンド1は僕がもらったよ」

どうやら、画面に映るキャラの感じ、花京院が勝ったようだ。だが、僅差。あと少し輝夜が押していたなら、輝夜が勝っていたかもしれない。

「でも、ひさしぶりだ、こんな激戦は。いや、ゲームをすること自体がひさしぶりなのか」

「そんな干渉に浸っている暇はないわ。次よ!」

画面では次のカウントダウンが始まっている。

二人が用意するとすぐに戦いが始まった。

今度は比較的、あとがない輝夜が押している。花京院のゲージの半分を削ったが、花京院も負けてはいない。すぐに同じ状況に輝夜を立たせる。

「やっぱり強いわ。君のような対戦相手を望んでたの」

「そういってもらうとありがたい。だが、これで終わりだ」

花京院のキャラが放った、相手を上に蹴り飛ばす攻撃は完全に顎に入り、輝夜のキャラは宙に浮いた。

そして画面には『K.O』の二文字が大きく表れた。

 

「ありがとう。今日はこれだけのために来てくれて」

「いえいえ。ひさしぶりにゲームができて、僕は幸せだよ」

次の瞬間、花京院は黄金の光に包まれる。

「これは!?」

「・・・そろそろ、僕も行かなきゃかな」

「おい!行かなきゃって・・・まさか」

これまでのピースがガッチリとはまった。僕にも仲間がいた。その言葉は自分が死んでしまったことを意味していたのか!?

「楽しかった。本当に楽しかった。・・・この世にもう未練はない」

花京院は消えた。

これまでの光と同じ光に包まれて・・・成仏した。

「・・・私は彼が死んでいることを知ってた。まさか、あなたが彼をつれてくるとは思わなかった。最初、人里で会ったときは驚いたわ。この世界には色々な幽霊が存在する。でも、彼がいるのはとてもおかしいことだと思った」

「輝夜・・・」

「・・・それで、約束だよね?私の知っている情報、というより、次にあなたが行く場所を教えるわ」

「どこに行けばいいんだ!教えてくれ!」

「・・・命蓮寺よ。そこにいる聖 白蓮という僧侶に聞きなさい」

「命蓮寺か・・・。どこなんだ?」

「一度、竹林から出た方がいいわ。人里に行けば、きっと誰かが教えてくれるはずよ」

輝夜はそう言い、ゲームを箱の中に入れ、永遠亭の中に入っていった。

それから少しすると、いつもの格好に着替え、右手に液体の入った瓶を持って出てきた。

「これを持っていきなさい。万病に聞く薬よ。永琳が作った薬だから、まず死ぬことはないわ・・・たぶん」

「ちょっと待て!今小さくたぶんってつけたなかったか?」

「大丈夫よ。毒性はまず無いだろうし・・・。だけど、無理だけはしないで」

「・・・あぁ。」

俺は馬に乗ると、永遠亭を背に竹林の中へ走っていった。

最後に見せた輝夜の表情を忘れる前に・・・。

 

「姫様。」

輝夜がジョニィを送り出し、門から戻ってきたとき、屋敷の縁側には永琳が立っていた。

「ここらへんに薬見ませんでした?」

「え?あのジョニィに渡すって言ってた薬でしょ!?もう渡しちゃったわよ!」

永琳は困った顔をして、頭を抱えた。

「あの薬はただの風邪薬です。午後来ますと言ってた患者に渡すための物です」

「・・・まぁ、いいか」

輝夜はそう言い、縁側から屋敷の中へ上がると堕落した生活へと戻っていった。

 

☆

 

一方そのころ、ジャイロは・・・

「おいおい。何だこれは・・・」

森の中で、射命丸 文と一つの箱と筒を前に話していた。

「何だって・・・この前の報酬ですよ」

報酬はいらないと言って出てきた俺に、全くもっていらない報酬をレミリアが送ってきた。

「何だよ、この長い筒は」

長い筒の中にあったのは、可愛らしいピンク色の傘だった。

「それって、レミリアさんが持ってる傘ですよ。外に出るときに咲夜さんにさしてもらってる」

「・・・俺は吸血鬼じゃねぇんだよ!」

俺は文に投げ渡した。

「あややや、勿体ないですね。こんなに可愛らしいのに」

「男がこんなん広げてたらよ、気持ち悪がられるぜ・・・ジョニィがこれを広げてたら俺はすぐに奪い取って捨てるぜ」

「ひどいですねぇ。でも、人里の質屋にでも売ったら良い値段になるんじゃないですか?」

「・・・お前の方がひでぇよ。で、こっちは?」

今度は小さめの箱を開けた。

そこには、前に貰った(盗んだ)のと同じ青に白星のボールが入っていた。

「これは咲夜さんからですね」

「これは使おう。使いやすかったしな」

「でも、鉄球二つありますし・・・どこに入れるんですか?」

「確かにな・・・。持ってるのも面倒だし」

「あ!ジャイロさん! それをずっと地面とかに回転させといて、後についてくる的な」

「・・・さすがにそれは無理だ」

「あ、じゃあちょっと魔法の練習でも受けます?咲夜さんはそんな感じの球体を浮かせてましたし」

「魔法か。一般人が魔法なんて使えるようになるのか?」

「もう、その回転は魔法の域ですよ」

そんなことを話していると、どこかから足音が聞こえるのがわかった。

音は森の中で響くため、ほとんどどちらから来るのか聞き分けることはできない。そして文によると、ここら一帯に結界が張られているらしい。

「どこから来る・・・」

俺は箱に入っていた青い鉄球を握る。

すると、木の間から190cmちょいはありそうな男が現れた。

男は安心した顔をすると、俺たちに話しかけてくる。

「すまない、道を聞きたいのだが。命蓮寺はどっちの方向だ?」

「・・・どうやら、敵じゃないらしいな。その命蓮寺っていう寺を俺は知らないが、こいつならわかると思うぜ」

「そうか、助かる。で、どの方向なんだ?」

文は安心すると、男に方角を教えた。

すると、男は素直にその方向へと歩いていった。それにしても、身長だけでなく、オーラまでもが大きかった。

「あの人もジャイロさんと同じみたいですね。この世界に迷い込んだ人の一人ですよ」

「アイツについていった方がいいかもな。だが、俺はちょっと気になることがあってな。守矢神社に行きたいんだ。今は他人の後をつけるほど暇じゃねぇ」

人里である話を聞いた。

守矢神社にいる東風谷 早苗という巫女が、俺たちのことを詳しく知っていると言っていた。

そしてこの前、レミリアが言っていた

 

あなたがファニー・ヴァレンタインに負ける運命

 

この言葉が気になっている。それが本当なのか。それを聞くために行くと言っても過言ではない。

「次の目的地が決まりましたか?・・・じゃあそろそろ私は仕事に戻りますので」

文は手を振ると、山の方へ飛んでいった。

「・・・傘持っていってくれよ」

俺は傘の入った筒を持つと、守矢神社に向かった。

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