幻想回転録   作:駿駕

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今回はジョニィの話です。

あらすじ
ジョニィは輝夜との対決の末、次に行くべき場所を知る。
次の場所は命蓮寺。ジョニィはそこへ向かっている途中、ある事件に遭遇するのだった。


命蓮寺へ

ジョニィは命蓮寺を目指して、人里を進んでいた。

 

「おい!テメェら!」

すると、むこうでそんな声が聞こえた。

事件か?と思いながら、その声の方へ馬を走らせた。

「テメェら!離れろ!この女の命が惜しくないのか!」

「た、助けてッ」

その女はこの人里でも有名な人間で、確か名前は本居

小鈴とか言ってたな。

人里のある貸本屋で働き、良く店の前をホウキで掃除していたり、暑い日は打ち水をしていることがある。

僕もここにきてまだ、一週間経っていないが、姿を見たことはあった。

あの強盗の狙いは、その貸本屋内にある高価な本だろう。他に奪うものもないだろうしな。

「近寄ったら、こいつにこの包丁をブッ刺すからな!いいか!近寄るなよ!」

僕はここから爪弾で狙い撃つこともできるんじゃないか思い、指を向ける。すると

「・・・何をやっているのですか?」

一人の女が僕の横に立ち、今の状況を聞いてきた。

「ご、強盗みたいだ。今、あの店の店員を人質して・・・え?」

白黒のドレスのような服を着て、ほとんど顔の見えない笠を被っているその女は持っていた錫杖を地面に刺すと、どこからか巻物を取り出した。

「助けないといけませんね・・・」

それはまるでオーロラのようなキレイな帯でできており、女はそれに書かれた文字をなぞり始めた。

女はその笠が脱げるような、速さでその犯人の正面に移動すると、犯人の包丁を取り上げた。

「ダメですよ。こんなことをしては・・・欲しいものがあるなら、ちゃんと働いて、そのお金で買ってください」

「ッ!何だテメェは!」

金髪に紫色のグラデーションがかかったような髪をしたその女は、小鈴を助けると、犯人の手首を掴んだ。

「こいつ!女のクセに何て握力してやがる!」

「罪を償ってください・・・南無三ッ!」

次の瞬間、犯人の男は女によって、取り押さえられてしまった。その力のせいか、地面にヒビが入る。

「ケガはないですか?辛かったでしょう?」

「は、はい」

女は小鈴を撫でると、落ちた笠を拾って被り、錫杖を取りにこっちへ来た。

「おい!確かあれって命蓮寺の聖 白蓮さんじゃないか?」

「キャーッ!聖さーん!」

歓声が包み込む。

だが、それよりも、あの女が目的地である命蓮寺の人間だということがわかった。

今、声をかけないと・・・

「あなたが命蓮寺の聖 白蓮さんですか?」

「えぇ、そうですが。・・・何か用ですか?」

「ちょっと、命蓮寺に用があるのですが。行ってもいいですか?」

「いつでも構わないですよ。私も今、修行から帰ってきたところですし」

 

十何分歩くと、そこに大きな門が見えた。

「あれが、命蓮寺・・・」

「あ、聖さん!おかえりなさい!ちょうど良かった」

犬のような耳を生やした少女が門の前からこちらに走ってくる。

「どうしました?」

「聖さんにお客様みたいです。今、一輪さんがちょっと話を」

 

ドゴォンッ!

 

寺の方から爆発音のような音が聞こえた。

「何ですか!この音は!」

門のすぐ横では、戦闘が繰り広げられていた。

制服のような服を着た男と青い服を着て、片手に大きな輪を持った女が、スタンドのようなものを出して戦っているじゃないか!

「スタープラチナッ!」

「来て!雲山!」

拳が当たるごとに轟音を放つそれは、まさしく死闘と言ってもおかしくはなかった。

「やめなさい!」

すかさず、聖が止める。一輪とそのスタンドはその声に戦闘から身を退いた。

「何をしているのですか!一輪!」

「姐さん!これは、こいつが悪いんだ!話してたら、いきなりキレてなぁ」

「・・・テメェは真剣な話をしているときに、笑われたらどう思う?俺は怒りがわいたぜ」

「・・・一輪!」

「何でだよ!姐さん!」

男はスタンドをしまうと、聖の方へ歩いていき、胸元のポケットから紙切れを一枚、聖に見せた。

「最近、この男を見なかったか?」

そこには金髪の男が写っていた。そいつはどことなく、ディエゴに似ていた。

「名前をDIOという。俺は今、こいつを倒すためにここらを探し回っていた」

「ごめんなさい。私はさっきまで、遠くで修行をしていたものですから」

「そうか・・・すまない」

男は写真をポケットにしまうと、門から出ていった。

「一輪・・・わかってますよね?」

「え?あ、ちょっと、あー、えっと・・・」

「・・・あなたから酒の臭いがするのは私の気のせいですか?」

「ち、違いますよ!そそそ、そんなわけないですよ!そんな姐さんのいない間に飲むわけないですよ」

「じゃあ、その調子で一ヶ月、酒を飲まないでください。いいですか?」

「は、はいぃ~・・・」

聖の威圧に一輪は逆らえず、返事をしてしまい、膝からペタンと地面に座った。

「それじゃあ、こちらに来てください」

 

入った部屋は家具は一つもなく、四方が襖と障子によって囲まれ、床は一面畳になっていた。

「ちょっと待っていてください。お茶を持ってきますので」

そう言い、聖は静かに部屋から出た。

聖は僕の脚が不自由なことを知ると、馬を庭まで入れていいと言ったのだ。まず、庭先に馬を入れることは間違っている気がするのだが、快く返事をしたのだ。

「アンタ、何者だい?」

僕は後ろからの声に、タスクを呼び出し、指をかまえた。

襖をほんの少し、指一本くらいの間から見えるその目は聖の物じゃなかった。

「久しぶりに違う世界の人間が来たかと思いきや、一輪を殴り飛ばすし・・・。今日は散々なのよね」

愚痴を吐くと、襖を開け、一人の女が入ってきた。

この和の空間に似合わない格好をした女は、僕の前に座ると、笑い始めた。

「前に来た客の帽子といい、アンタのその頭につけたソレといい、面白いもん付けるのね、異世界の人間って」

女は僕の頭につけた蹄鉄を指差す。

「こ、これはオシャレとかそんなやつじゃない!魔除けや幸運をもたらす、言わばお守りだ!」

「魔除け・・・ねぇ」

女は僕に近寄ると、蹄鉄を指でなぞった。

「魔除けを付けてても、私のような妖怪に会うんだよね~。その程度なのよ。お守りと言えど、フフフ」

女は僕の頭に手を置いて立ち上がると、入ってきた襖まで歩いていく。

「あ、忘れてた。私の名前は村紗 水蜜。よろしくね」

そして、襖から出ていった。

何だったんだアイツ・・・。だが、妖怪とか言っていたな。彼女は地縛霊のようなものなのか?

「村紗が失礼なこととかしました?」

少しすると、聖が帰ってきた。

聖は部屋にテーブルが無いことに気づくと、さっき外に出ていった村紗を呼び、隣の部屋から持ってきてもらうことにした。

そして、丸い木のテーブルを持ってきてもらうと、すぐにお茶を注いだ。

「それで、ジョニィさんはどんなご用件でここに?」

「あの、まずは僕のことを知ってますか?」

「えっと・・・ごめんなさい。今日、初めて名前を聞いたばかりで、あまり細かい情報とかは何も知りません」

「そうか・・・」

あの女・・・嘘を言ったな。今すぐ永遠亭に行って、爪弾をブッ放したい気分だ。

「ただ、あなたの中に黒い何かが存在するのはわかります。全てを破壊してでも、意志を貫き通すようなそんな黒い意志が芽生えているのが・・・」

「!」

「そして今、あなたは何かを探していますね?何かとても大切な物を。いや、人ですか?」

何だ?この人は、前者はともかく、後者は正解だ。今、僕は僕とジャイロの情報を探すと共に、ジャイロ本人を探している。・・・当たっているぞ!

「で、ご用件はそれだけですか?もしも、それだけなら、帰った方がいいかと思います」

「どうしてですか?」

「・・・悪い何かが近づいていている気がするので」

聖はそう言い、僕をその部屋から出した。

「まだ、聞きたいことがある!アンタはジャイロについて何か知っているか!今、どこにいるとか!何でもいい!知っていることを教えてくれ!」

聖は魔法のような力で、僕を馬に乗せると、この命蓮寺の敷地内から追い出した。

聖の言っていた『悪い何か』が僕には全くわからなかった。

 

「ここが命蓮寺か・・・」

 

それがもうそこまで来ていることを知らずに、僕は一度、人里へ帰った。

帰り道、今にも雨が降りそうな『天気』だったというのを人里に帰った今でも覚えている。




次の相手はまさかのアイツ。

自分でも彼を敵キャラとして扱うのはどうかと思うが、とにかくアイツだ!

天気といえば・・・あの人ですよ!

※次はジャイロの話です。ジョニィの話はその後になります。
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