命蓮寺を追い出されたジョニィは、一度人里へ戻り、小鈴の家で雨宿りをすることに決める。
その頃、命蓮寺はある二人のスタンド使いに襲われていた。
ジョニィが命蓮寺から帰ってから、一週間が経った。
人里には一週間近く、雨が降り続き、異常気象から異変なのではないかと考えた霊夢が人里にやってくる、ということもあった。
霊夢によると、命蓮寺からこの雨雲は発生しているという。
僕はただ、聖の言ったことを思い出すと、とにかく心配した。さすがに、この爪弾で天候を変えるなんてことできるわけがない・・・
結局、僕は雨宿りをすることしかできないのだ。
僕は小鈴の店で雨宿りをしていた。
彼女はとにかく優しかった。
雨宿りと言いながらも、もう数日間はここに泊まっている。部屋だけでなく、一日三回食事までついてくる。
そして何よりも優しいと思ったことは、僕の愛馬を屋根のある倉庫のような場所に入れてくれたということだ。
「人だって、馬だって、雨に濡れたら風邪ひいちゃうでしょ。倉庫ならほとんど使ってませんし」
と言って、スローダンサーのために倉庫を貸してくれた。
確かに人里のアイドルと言われていても仕方ない。
「今日もずっと雨みたいですね。この一週間、ほとんどお客さんが来ないので、ちょっと退屈です」
「客が来た方がいいのか?ここは、ほとんど本の貸し借りとかが仕事だから、ほとんどお金は入ってこないんじゃないか?」
「ジョニィさん。お金が全てではありませんよ。私はお客さんとの交流が楽しいんですよ。本のことについて話したり、世間話をすることや、その人の武勇伝を聞いているだけでも、私からしたら楽しいんですよ。お金はその次です」
思わず、この人間の鏡のような言葉と彼女の人柄に、おもわず涙が出そうだった。
そして、その後に見せた笑顔にグッと心を掴まれた。
「あ、それと私は本の解読も仕事としているので、その報酬としてお金も入ってきますよ。あとは、占いもやってますし」
「仕事の幅が広いのか」
「まぁ、人並み以上には・・・」
少し話していると、ガラガラと戸を開ける音が聞こえた。客が来たようだ。
「ジョニィさん、ちょっと待っててくださいね」
そう言い、小鈴は部屋から出ていく。
「いらっしゃいませー!」
その声はこの部屋にも聞こえてきた。
だが、その声よりも、次に聞こえた声に僕は震えた。
「すいませェん。足に筒のついた鳩を見かけませんてましたか?」
その声と、言葉。僕はそれを聞いたことがある。
出てきそうだが、覚えていない。
「申し訳ありません。今日は、あまり外に出ていませんので」
「そうでしたかぁ・・・それでは、命蓮寺はどっちの方向ですか?」
僕はその言葉に思わず、部屋から出た。そして恐る恐る、店内へ繋がる戸をほんの少しだけ開け、その先に映る人を見た。
黒のレインコートに、頭につけたお面。そして、片手に持っていたハデな傘。あれは確か・・・
「ブラックモアッ!」
思わず、僕は戸を開け、ブラックモアに指を向けた。いつでも、爪弾が出せるように、タスクを手の甲に乗せた。
「・・・あなたですか。すいませェん、今日は戦う気ないのでこのへんで」
「ま、待て!」
ブラックモアは大雨のなか、雨粒を踏んで、どんどん遠くへ消えてしまった。
僕はすぐに出入り口へ跳んでいき、それに爪弾を撃ち込むが、当たらず全て避けられてしまう。
「ジョニィさん?」
「・・・アイツは死んだはずだ。僕はそれを目の前で見たからな」
「・・・そんなところにいると、風邪をひきますよ。それと今度から人里で弾幕を撃たないでくださいね」
「弾幕?あぁ、これのことか」
「チュミ?チュミミミ~ン」」
僕は手の甲に乗ったタスクact.1を撫でた。
最初はこいつを奇妙に思っていたが、今となっては可愛いものだ。
「はぁ・・・霊夢さんが来なくてよかった」
「?・・・どういうことだ?」
「え?あ!何でもないですよ。さ、その濡れた服ください。乾かしますから!」
僕は服を脱ぐが、ブラックモアのことが少し気になっていた。
アイツ、どこに行ったんだ?
確か、あの方向は・・・まさか!
「小鈴!すまない!ちょっと、用事ができた!」
僕は服をまた着直すと、スローダンサーを呼ぶ。
裏の倉庫の扉を壊して現れたスローダンサーは、僕の前で止まる。
「用事って!今日はずっと雨ですよ!」
「今日じゃなければならないんだッ!」
その後、小鈴は何か言っていたと思うが、僕は小鈴の声を無視して雨の中、ずぶ濡れになった人里を走った。
「行くぞッ!」
☆
体が・・・動かない。
どういうこと?
「目が覚めたか・・・」
男が私の顔を覗く。
私はすぐにそこから足のみ離れる。そして、巻物を取り出そうとするが手首を縄で締められているため、動かすことができない。
「ここが次のステージに選ばれた・・・運命は変えられない・・・」
「えっと、あなたは」
「ウェザー・・・」
私はすぐにわかった。この人は操られている。この人の本質は悪じゃない。正義なんだ。
「・・・ステージ?どういうことなの?」
「見ていればわかる・・・」
私は今ごろになって気づいた。暗いため、あまり周りを見ることができなかったが、目がなれてきたのか、周りが見えるようになると、他にも私と同じ状況の者がいた。
村沙や星だけじゃない。この寺の近くにある小さな家に住むお爺さんも捕まっているではないか。
「すいませェん。遅くなりました」
そこに黒い服の男が現れた。
男はお面をはずすと、部屋の壁に背中をつけ、ずるずると擦りながら、下に座った。
「・・・空気が変わった。ブラックモア、ちょっと 彼の相手をしてくる」
「・・・」
ブラックモアと呼ばれた男は寝ていた。どうやら、疲れているようだ。
そしてウェザーはそれを知ると、部屋から出た。
「ん・・・あれ?」
一輪が起きた。
「一輪!起きたのですか!?」
「え、姐さん!これはいったい!」
そうだ。雲山ならこの縄を切るための道具を持ってきてくれる!
「一輪!雲山でこの縄を切ってください!」
「え?あ、はい!雲山!」
いつもなら、一輪の声に反応し、すぐに来るのだが、全くもって来る気配がない。
「あ、あれ?雲山?」
「あの雲ならウェザーが持っていまァす。ウェザーの使うスタンドは天気を操る能力です・・・。そして、その能力で今、幻想郷のほとんどの場所で大雨が降っております。まず、この雨の中、家を出て、この寺まで走ってくる者はいない」
「・・・そうでもないみたいですけどね」
「?・・・どういうことだ?」
「さっき、ウェザーさんは空気が変わったと言ってましたよね?」
私は彼の動きやすい心を驚かした。
というよりも、不安にさせた。
彼はその言葉に、おもわず部屋から出ていってしまう。きっと、ウェザーの行った方へ向かったのだろう。
「あとは助けが来るのを願いましょう」
☆
「・・・この大雨のなか、馬に乗った王子さまは現れたか」
「お前は・・・」
雨の中、一人の男が立っていた。
そしてその男もまた、僕を狙っているというのに気づいた。
「君がジョニィだというのはわかっている。俺の名はウェザー。君を倒しに来た・・・正直、もう逃げ場はない」
僕は雨を切るように爪を回転させる。
「逃げるなんてことはしない!」
ウェザーという名前から、この大雨の原因だというのがすぐにわかった。
天気を操るに違いない。・・・だが、天気を操るというのが、そもそも何なのだろうか。こいつの後ろにブラックモアがいるのはわかっているが、こいつ一人なら力はないんじゃないか?
「・・・それじゃあ始めるぞ」
無口なウェザーが口を開けたと思った次の瞬間、ウェザーとウェザーのスタンドは俺の後ろ、馬の上に立っていた。
「い、いつの間に!」
「蹴り殺してやる・・・」
僕はその言葉によって、馬から転げ落ちる。受け身をとると、すぐに門から中へ入った。
「・・・逃がさない」
僕はあのスタンドから逃げるために中へ。ウェザーは僕を追いかけて命蓮寺の中へ入っていった。