幻想回転録   作:駿駕

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『だいたいは学校のせい』
また遅れてしまった。

高校生である自分は三年という立場のせいか、進路のことについて、時間が無くなっていく。

だが、やっと進路の話は解決した。

これからは遅れないようにします。


反発するもの

守矢神社・・・

 

宴会は今日の朝まで行われ、霊夢達が帰ったのは太陽が昇り始めるくらいの時刻だった。

宴会後、片付けをする早苗にあることを聞きにいった。俺にはレミリアに言われたときからずっと、引っ掛かることがあった。

「なぁ、早苗」

「何ですか?」

まさか本当にあるとは思わないが、この世界に来たときにも一瞬だけ感じる『何か』があった。

最初は何とも思っていなかったが、もしもこれが本当ならと考えると・・・とにかく、ゾッとする。

 

「この世界にも聖なる遺体があるのか?」

 

早苗が俺たちのことを知っているということを前提に聞いてみた。

早苗はスッと目線を反らす。動揺しているようだ。

「せ、聖なる・・・何ですか?そ、それは」

「知らないのなら良いが、その反応、アンタ知ってるのか?」

早苗は口をモゴモゴさせた後、口を開けた。

「聖なる遺体はこちらの世界にも散らばっていますよ。あなた達の世界にあるものとは能力が違いますがね」

「!・・・どこにあるか、知ってるのか?」

「それは知りませんよ。私は選ばれた人間じゃないですしね・・・まぁ、幻想郷内を歩いてれば情報が入るんじゃないですか?・・・それにあなたには、心強い情報屋がいるみたいですし」

「情報屋?・・・まさか」

次の瞬間、横のガラスが割れ、一人の女が入ってきた。黒い羽と頭につけた何かは、まさに彼女の象徴でもあるそれだった。

「あやや、呼びました?」

「残念ながら呼んでねぇな」

射命丸だった。

射命丸は胸ポケットから、ペンを取り出すと、先端を俺に向けた。

「それはそうと、情報です!昨日から人里で雨が降っているというのは知ってますか?」

「あぁ、それくらいはな」

「それが"異変"なんですよ。雨雲が人里のみに集まっていることやその豪雨から、どうやら異変として、霊夢さんも二日酔いながらも異変を解決しに出掛けたらしいです」

「なるほど・・・それで結果はどうなったんだ?やっぱりあの女だからな~」

「それが『あの雨に当たった瞬間、飛べなくなって下に落ちた』とか言ってました。私は最初からカメラやネタのつまったメモ帳を濡らしたくない理由で入りませんでしたけどね」

文は大事そうにいつもカメラを持っている。

マスコミの武器であるカメラを壊したくない気持ちは俺もわかる。俺もこの鉄球を壊したくない。

「・・・能力無効化の雨ですか」

「えぇ。でも、おかしくないですか?そんな強力すぎる雨を何日も降らせるなんて」

「・・・」

俺は『雨』と聞いて、一人の男を思い出した。雨を操るスタンドを使う不気味な男を・・・

「俺の知っているヤツの中にいた・・・」

「!・・・でも、私たちの能力に対応できるとは」

「これが試練と言うなら、その能力が強化されたのかもしれない。白玉楼にいるプッチみたいにな」

「・・・あの天国さんですか。たまに人里で布教活動を行ってますよ。天国を目指すとか何とか言って」

プッチは最初に会ったときは、とても狂った野郎だったが、白玉楼の警備兼執事(?)として所属したら頭のように丸くなった。

だが、そんなことをしていると考えると、何か裏がありそうだ。ヤツの言う、『DIOのため』という言葉に脳内で何かが引っ掛かる。

「悪い、俺も帰っていいか?」

そんなことを言えば、この場から離れ、その異変へと向かうことができると思ったがそうでもなかった。

無言で早苗は俺の腕を掴んできた。

「ダメですよ、まだここでやることがありますし。それに遺体のこと聞き出すんじゃなかったんですか?」

確かにそれもそうだ。

あの巫女のことなら、すぐにそんな異変など解決してしまうだろう。

「なら、まずはこの天狗から情報を貰わないとな」

「・・・何ですか?」

 

数分間、俺は聖なる遺体について話していた。

遺体について、二人はほとんど情報は無く、あることと言えば、同じ目的の人間をこの前見たという程度だった。

本当に予想に過ぎないが、その探している人間というのは、今人里で起こっている異変の発端である、ブラックモアだろう。そして、文に一度話している。

話終わった俺は早苗の顔を見た。・・・何か不機嫌な顔をしている。

「何か間違っているところでもあったか?」

「えっと、この世界の物とは逆ですね。この世界に散らばった遺体には正義というよりも悪に近い能力が付いています。つまり、"聖なる"と言うよりは"邪悪なる"と言った方が正しいですよ」

「・・・これは困ったな」

「何がです?」

「それを集めても意味がない。むしろ、そんなの厄が貯まる一方だ。正直、集めるだけ無駄じゃあないか」

「・・・わかってませんね。これを集めようとしている人間が何を狙っているのか」

「?」

 

「悪が悪を栄えるため・・・ですよ」

 

 

「ちょっと良いですか?」

命蓮寺での事件が終わった次の日、僕は聖に呼ばれ、離れの倉庫にやって来た。

移動は馬を許可され、遠回りだが庭を通って倉庫へとやってきた。

「少し頼み事をしたいのですが、これを白玉楼に持っていってくれませんか?今日から数日間は修行の方で忙しいので」

聖は棚から二尺以上ある大きさの筒を取り出し、僕に渡した。

「これはなんだ?」

「中身は教えることはできません。ただ、ジョニィさんが見てはいけない物だというのはわかります」

「おい、まさか・・・呪われた『何か』とかじゃないよな?抜いたら死んでしまう刀とか、見たら病にかかる巻物とか」

「・・・それは言えません。ただ、絶対に見てはいけませんよ」

僕はそれを渡されると、すぐに倉庫から出て、目的地まで馬を走らせた。

そのとき、その筒以外にも違う筒が置かれていることに聖は気づいていなかった・・・

 

小鈴のところで読んだ本の中にも、同じような話があった気がする。

見てはいけないと言われていたのにも関わらず、それを見てしまい、幸せが逃げてしまうというものを・・・。

もしかして、こいつもそんな感じなのでは?

「ぜ、絶対見ない・・・絶対見ないぞッ!」

「あれ?ジョニィさん?」

誰かに声をかけられる。

白いウサミミ・・・優曇華だった。

「どうした?こんなところで」

「仕事中ですよ。薬を買ってもらうために、人里に来てるんですよ。ジョニィさんこそ、こんなところで何を?」

「これをこの場所に持っていくように言われてな」

僕は筒と白玉楼の場所が書かれた地図を見せる。

「なるほど、馬借みたいな仕事もされてるんですね?」

「・・・ただの頼まれ事だよ」

「何かごめんなさい。・・・あ、白玉楼なら私知ってますよ。用もありますし、道を教えましょうか?」

「それは助かる!頼む、道を教えてくれ!」

正直、聖から渡された地図だけではよくわからなかった。人里ですら、まだ道を覚えられていないのに、さらに森や竹林を通ると考えるとさらにわからなくなってしまいそうだ。

僕は優曇華を後ろに乗せると、スローダンサーを白玉楼まで走らせた。

 

聖なる遺体、いや、邪悪なる遺体は引き付け会う。

今、何も遺体を持っていないため、反応することは絶対ない。

俺は退屈しのぎに、鉄球を独楽の要領で回して遊んでいた。台には頑丈な臼を使って・・・。

遺体の話をしてから、数日が経った。人里の異変は解決し、それのせいか少し前まで霊夢が守矢に来ていた。だが今回の異変に関係していない、と霊夢は言う。

まぁ、天気のことだ。自然消滅ということだろう。異変解決のプロを呼ぶほどの物でもなかったということだ。

「あ・・・」

臼の中から飛び出た鉄球は、石畳の上を転がり、段差で止まった。その段差というのは、石と石の段差とかではなく、早苗の足だ。

「ジャイロさんも遊んでないで、神社の掃除とかお願いしますよ。シーザーさんだってやってる・・・あれ?」

シーザーは波紋の修行なのか、石像を磨くために石鹸から出した泡を操り、新たな技を作っていた。

「んー・・・こうすればいいのか?名前は・・・」

「シーザーさん!」

ここはとても平和だ。一度はワムウによって、平和という名の城を壊されかけたが、今はとても平和な世界だ。

 

 

だが、それを壊す『帝王』がそこに向かっていることに誰も気づくことは無かった。

 

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