幻想回転録   作:駿駕

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あらすじ
ジョニィは白玉楼へ行き、聖から頼まれた妖夢へのプレゼントを渡すことに成功したが、そのプレゼントは呪われた刀だった。

ジャイロはディアボロを倒したが、傷ついた早苗を治すために、東方 仗助のいる紅魔館内の図書館へと向かっていた。



迷いの回転

妖夢の目はまさに『悪』だった。

 

「ククク・・・この女はできあがってるな。日頃から刀を握っている身体だ」

「お前は何者だ!」

「俺はアヌビス神。この刀に憑いた幽霊さ。川底で錆びかけていた俺をあのお方が拾ってくれたのだ」

アヌビス神。ついに神までもが敵になったのか?

それにしてもまずいことになったぞ。僕のスタンドでは彼女を殺しかねない。それに本体はあの妖夢自身ではなく、あの細い刀と考えると爪弾を当てるのは不可能だ。

できるわけがない。

「どうした?撃ってこないのかァ?・・・なら、こちらから行くぞ!」

アヌビス神の気迫は目の前まで前進し、刀は僕の右腕を切り落とそうとする。

幽々子にはあんなことを言ったが、僕にはそんなことができるわけがない。

僕は避けるために、回転を使って左へと跳んだ。

ここらへんは全体的に石が敷き詰められていて、砂漠地帯のようなクッションにはならないだろう。

「お前は避けることはできない!」

それよりも大変なことになったぞ!

妖夢は僕が跳び上がったことをチャンスと考え、自身も追いかけるように跳んだ。

「タスク!」

僕はすぐにact.3に変えると、僕自身に人差し指の爪弾を撃ち込む。

「何ィ!?」

角度的に地面に弾痕は移動する。

つまり、着地など全く考えずに、地面に着地できるのだ。

「宙に跳んだのはお前だけだ!アヌビス神!」

「だが、これならどうかな?」

アヌビス神は自らを守るために、妖夢の身体の前に刀を構えた。

「少しでもミスったら、この女を傷付けることになるぞ!さぁ、どうする?」

「アヌビス神・・・僕にもう・・・迷いはない!」

タスクをact.2に変えると、妖夢の肩や腕を狙って二発の爪弾を撃ち込んだ。もちろん、左右に一発ずつ。

「回転は、穴になっても死なないぞ!」

穴は妖夢の肩から胸の前まで通り、刀であるアヌビス神目掛けて爪弾を撃ち込んだ。

「ここなら、確実に当てることができる!」

刀は左右から挟まれた爪弾によって、砕かれてしまった。

「な、なんだとーーーーォ!」

アヌビス神がその事態に気づいたときにはもう遅く、刀は近くの池に落ちてしまった。

「ま、また俺は、水のなかで誰かに拾われるのを待たなきゃいけないのかーーーーッ!?」

妖夢からアヌビス神の魂は抜け、その場に膝をついて倒れ込む。それもそうだ。爪弾を何発か身に受け、肩かは胸にかけて、爪弾の穴を進ませた。

それなりに体力を奪われるだろう。

「妖夢!」

倒れ込んだ妖夢を優曇華は起こす。

「ん・・・あれ?・・・鈴仙さん?」

「妖夢ぅ!うぅぅ・・・」

僕はタスクをしまうと、妖夢に近づく。

「ジョニィさん・・・本当にごめんなさい!私の信念が弱いばかりに・・・」

「いいよ。それよりも、僕の方が悪いことをした。僕がこの元凶を持ってきたから・・・」

「ジョニィさん・・・」

 

「どうしましたか?何事ですか?」

 

声。この声はアイツだ。

いっきに身体の芯から逆撫でされるような感覚が、身体の隅々まで行き渡る。

「あら、プッチさん。もう帰ったんですか?」

「あぁ、お使いに出たものの全然売ってなくてね・・・おや?そこにいるのは・・・」

プッチはこちらに気がつくと、こちらに向かって歩いてきた。一歩一歩がどす黒く、黒い何かに襲われそうになる。

「確か、ジョニィ・・・とか言ったね。新聞で君の活躍は知っているよ。色々と、異変を解決しているようだね」

「・・・」

「そんな固くならないでくれ。私は君を誉めているのだ。君の正義に、神をも褒め称えるようなその正義にね」

「・・・」

僕はただその言葉の攻撃に耐えるのみだった。

爪弾でこいつの心臓を撃ち貫くことは可能だ。だが、彼の近くには三人の関係者がいる。

ここで攻撃した場合、僕は完全に犯罪者として、この世界で生きることになるだろう。

「君のその正義。天国に行くべき称号だ」

「・・・」

もう耐えられない・・・

「・・・何だ?その目は・・・その目の黒い炎は」

もう耐えられない・・・。こいつは・・・

 

僕が殺す!

 

 

「クレイジーダイヤモンドッ!」

仗助のスタンド、クレイジーダイヤモンドは早苗の頬に拳を擦らせる。

すると、早苗の身体の傷は少しずつ回復し、少し経つと、ほとんど傷は回復していた。

「今の俺にはこれが限界っす。しかし、残ってる傷はあまり深くありません」

「やっぱり、お前のそのスタンドすごいな。だいたいのもんは治せんだろォ?」

「自分の身体が治せないくらいっすね」

仗助はスタンドをしまうと、近くの椅子に腰掛け、パチュリーの元で働いている小悪魔にいれてもらったコーヒーを飲んだ。

「前よりは元の状態に戻ってますよ。もうカップを壊しても完全に修復できるくらいに」

「まぁ、魔導書みたいな複雑な物は無理だけどね」

パチュリーが口を挟んだことに、仗助は少し口を固めてしまう。

そんななか、俺は一つ気になるものを見た。

誰かが二階からこちらを見ている・・・。帽子をかぶった誰か・・・

「そこにいるのは誰だ!」

俺は立ち上がり、鉄球を掌の上で回転させた。

帽子をかぶったそれは、手摺の近くからスッと姿を消す。

「パチュリー!ちょっと、二階に行ってもいいか?」

「いいけど・・・また侵入者かしら」

俺は行儀悪いが、本棚をはしごのように上り、それを追いかけた。

本棚の間を縫うように走るそれは、その身長と服装から小学生くらいの女の子というのがわかった。

「ちょっと野蛮だが・・・そぉらッ!」

俺は隠れた本棚の裏にいるそれを捕まえるために、鉄球を投げる。

「もいっぱぁぁぁぁつッ!」

その本棚の裏で挟み撃ちをするように投げた鉄球は、その先で相撃つ音が聞こえた。

どうやら、その裏にそれはいないらしい。

「どこにいったんだ!?」

「ちょっと待ってくださいよ!ジャイロさん!」

そこに仗助が走ってきた。階段を大急ぎで上がってきたのか、息が荒れていた。

「そんな若いくせによォ、体力ないなァ・・・。まぁ、戦力が増えるにこしたことはないがな」

鉄球は本棚の本をぶっ飛ばして、俺の元に帰ってきた。

そして、散乱した本は仗助のスタンドで元通りの場所に戻す。

「それじゃあ・・・仗助は左からこの先の本棚の間を探せ!俺は右から探す!」

「はいッ!右は任せましたっすよ!」

俺らはその通りに走り始めた。

ここから先、本棚は十数個と続く。

鉄球を察知し、避けた人間だ。ただものではない。

「仗助!侵入者はいないか?」

「こっちには来てないっす。ジャイロさんの方は?」

「こっちにも来ていない」

俺と仗助が再会したとき、上から何かが降ってきた。

「これは・・・帽子か?」

仗助が帽子を拾おうとしたとき、上から女の子が仗助の頭目掛けて飛び下りてきた。

「!?」

女の子は驚いた仗助の手から帽子を取ると、仗助の頭を踏み、壁脇の装飾品である細い手摺を渡って、向こう側へと行く。

「待ちやがれッ!」

仗助は頭を踏まれたことに腹を立て、その場から跳んで向こう側に行こうとした。だが、向こう側にある手摺を掴んだ瞬間、手摺が壊れてしまった。

「落ちるぞ!」

「しかし!クレイジーダイヤモンドッ!」

手摺は元通りになり、その手摺を掴んでいた仗助は宙に浮いた後、向こう側に着地した。

「ジャイロさん!ぽけーッとしてないで、来てくださいっすよ!逃げられますよ!」」

「お、おう!」

俺は助走をつけ、ギリギリ向こう側に着地する。そして、仗助を追った。

「もう、逃げられないぜ!侵入者よォ・・・」

女の子は帽子の下からでもわかるような笑顔を見せると、壁の中へ消えてしまう。

「待ちやがれ!ドラララララララララッ!ドラッ!」

仗助は壁をぶち壊し、道を作った。

その壁は崩れたかと思いきや、どこかの空間へと続く、歪みのようなものを作り出した。

「な、何だ!この力は!吸い込まれていく!」

「じょ、仗助!走れ!」

「んなこと言われても無理っすよ!これは!」

仗助はギリギリ持ちこたえていたが、吸い込まれていく本に躓き、空間へと引きずり込まれてしまう。

そして・・・

「な、本棚が!」

掴んでいた本棚すら壊れ、俺は空間の歪みへ入ってしまった。

 




次から新章突入。

ジャイロ&仗助
邪悪なる遺体を探す旅

ジョニィ&?
罪滅ぼしのために異変を解決する旅

続く
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