何とかしてジョルノはルーミアの闇から逃げ出すことができた。
そしてジャイロと仗助は無差別計画を始めようとするテレンスと戦うことに決めた。
「ようこそ、紅魔館へ」
入ってすぐに、時を止めることができるというメイド、咲夜が僕たちを待っていた。
「あなたがジョルノ・ジョバァーナさんですね?お待ちしておりました。お嬢様がお待ちです」
咲夜はジョルノのみを奥へと遠し、館の前で僕を止めた。
「ジョニィ様はその馬をどうするのですか?まさか、館の中に入れる気ですか?」
「だが、僕は・・・そうだ。車イスとかないのか?」
「あるにはあるのですが、どこにあるのか生憎検討つきません。とりあえず、繋ぎ場とは言いがたいのですが、そこに停める場所があるのでご案内します」
そう言い、咲夜は僕を案内した。
冷静沈着に動く咲夜は美鈴のときとは違い、メイドとしての仕事を完全に、忠実にこなしていた。
「ここがその繋ぎ場です。先にお客様がいらしているので、他の馬がいるのですが、大丈夫ですよね?」
「あぁ。それくらいなら・・・!」
僕はこの瞬間に、あらためてジャイロがここにいるということに気づかされた。
「この馬・・・ジャイロの馬だッ!今、ジャイロはここにいるのか!」
僕の言葉に咲夜は首を横に振ると、それに続くように、
「今はここにいません」
と、断言した。
僕は馬から降りることなく咲夜に近づいた。
だが、咲夜は僕が近づく度に、瞬間移動をして後ろに下がる。
「ジャイロ様は今、ある事件によって、全く違う場所に行ってしまいました。おそらくですが、死んではいないと思います」
「そうか・・・。」
咲夜は時を止め、その間に車イスをもってきたのか、彼女の前には車イスがポツンと置かれていた。
「馬を降りしだい、すぐに乗ってください。乗れますよね?」
「あぁ。それはできるが」
僕は車イスに座ると、咲夜の後ろを進み紅魔館へと向かった。この先何があるのか、何が起こるのかはそのときの僕には全くもってわからなかった。
☆
愉快な音楽と共にゲームが始まる。
ジャイロさんはこのコントローラを握ったことも、ゲームというのをやったこともない。
つまり、俺がやらなきゃならない。このゲームなら、俺もやっとことがある。
「さぁ、始めましょう。・・・そういえばいい忘れてましたね」
テレンスはコントローラを置いて立ち上がると、ゲームの近くに置かれた重々しい箱の扉を開けた。
「ォォォ・・・」
おぞましい声が耳のなかで響く。その中にはたくさんの人形が声をあげ、こちらを見ていた。
「私の趣味はこれでして、ゲームで倒した相手の魂を人形としてコレクションしています。ほら、あなたたちのもありますよ」
テレンスはそう言い、俺とジャイロさんに似た人形を取り出し、机の上に置いた。
「ぜってぇーにならねぇ。お前の操り人形になんかな! ここでお前を倒して、里の人を助けてやる!」
「それでは、私はこの人形達の魂をかけましょう」
「いや、てめぇのかけるのはお前自身の魂だ。俺も魂をかける!」
「Exactly!面白くなってきました!さぁ、どのチームを選びますか?」
「選ばねぇぜ。俺はランダムで選ぶ!」
俺はチーム欄の下に存在する『ランダム』というボタンを押す。ランダムによって決められたチームはジャガーズだった。
「あのときと同じみたいですね。以前承太郎と戦ったときもそのチームでしたね。なら、あのときと同じく私はドラゴンズを選びましょう」
「さぁ、始めようぜ。ジャイロさんはこいつがイカサマをしねぇか見ていてください」
「了解。任せとけ」
画面上に俺たちのスタンドの顔をした選手が並ぶ。このゲームでは使う選手の顔を作ることができる。きっと、こいつが俺のスタンドの顔を書いたのだろう。
「どちらの魂が奪われるのか・・・。さぁ、始めましょう」
試合が始まり一回の表ですぐに、俺はヤツのスタンドが能力を発動していることに気付いた。
「二点目・・・この程度ですか」
この一瞬で場外に二度も飛ばされた。
あまり、イカサマをしているとか、卑怯な手を使っているとか言いたくないが、こいつはそんなやつだ。
「おい、大丈夫なのか?仗助・・・」
「二点くらい平気ッスよ」
ジャイロさんにはそんなことを言うが、内心焦っていた。だが、前に承太郎さんとゲームをやっているとき、こんなことを言われた。
「仗助。俺がDIOの野郎を倒しにエジプトへ行ったとき、心を読むヤツと戦ったことがあった。ヤツは俺の仲間の魂を人形にした」
「へぇ~。そんな気持ち悪いスタンド能力持ったヤツどうやって勝ったんスか?」
「イカサマだ」
「イカサマ・・・承太郎さんが?」
「ジジイの力を使ってな。そして、ヤツを倒すにあたって、俺はあらためて実感したことがあった・・・。負けることを考えてはならない・・・だぜ」
承太郎さん・・・。わかりました。
「俺は負けねぇぜ。絶対にな」
その頃、ジャイロは・・・
イカサマしないか見てろって言ったけどよ、わからねぇよ。始めてみたぞこんなもの。これはなんだ?なんで、この四角の中で野球をやっているんだ?
まぁ、何となく仗助とテレンスの顔を見た感じ、仗助が負けているのはわかるが・・・。
そうだ。今、この四角の中に鉄球を詰めれば倒せるんじゃないか?この四角をじっと見ている時に・・・
あー、ダメだ!確かにこの策は面白いが、仗助に言われたもんな、イカサマしないか見てろって。審判がイカサマをしてどうするってんだ。
まぁ、ちょっとでも、仗助が負けそうだったら、この手を使うか。
といったように、心の中でイカサマを考えていた。
ジャイロさん、いったい何を考えているんだ?あれ以来、ずっと黙り込んで・・・。
まさか今の状況がわかっているのか?
今、俺はヤツに圧倒的に負けている。一回の表だけで五点もとられた。
「どうしましたか?次の球種を選んでください、直球ですか?カーブですか?」
落ち着け、落ち着くんだ。もしも、ここで俺が負けたら、ジャイロさんじゃあ勝てるわけがない。ジャイロさんの時代的にゲームなんて存在しないはずだ。
「何を焦っているんですか?もしかして、負けるとか考えてるんじゃあないですか?」
「いや、んなことはねぇぜ!」
「いつでも、魂をもらう準備はできてますから・・・」
そう言い、テレンスは人形をテーブルの上に出した。人形の目はこちらを見ている。まるで、俺の魂をねだっているかのように。
「遊んでいるところをすみません」
俺たちの会話に、今までずっと黙っていたジャイロさんが入ってきた。
「おや?イカサマでも見つけましたか?」
「いや、俺がイカサマをした」
「な、なんだと!?審判であるあなたが」
「いつから、俺が審判だと決めたんだ?仗助か?仗助はイカサマをしないか見ていろ、と言っただけだァ。俺がイカサマをしてはいけない、とは言ってないぜ」
「ッ!・・・だが、イカサマをしたってことはお前の敗北だな、ジャイロ」
「お前がゲームをできれば、だがな」
「何を言って・・・こ、これは!」
テレンスの指にはコントローラの配線が巻き付き、ボタンを押せない状態になっていた。
「この短時間で一つ面白いことがわかった。その凹凸を押すことで、この中にいる選手は動く。・・・つまり、そのボタンを押させなければ、この選手は動かない」
「き、キサマ・・・」
「焦ってんのか?そんなに負けるのが怖いのかァ~?よし、あとは頼むぜ。この試合を終わらせて帰ろうぜ」
「いや、もう終了だ。後ろの人形箱から魂が溢れてますし。・・・それにしても、やっぱりその回転すごいッスね」
「まぁ、鉄球はもう一つしかないけどな。今ので失っちまった」
テレンス・T・ダービー。コントローラと指が二度と離れなくなり再起不能?
後に人里の住民に、見つかって助けてもらったが、コントローラやゲームを盗られてしまう。