幻想回転録   作:駿駕

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あらすじ
ジャイロと仗助はテレンスに、イカサマで勝利した。
そしてつかの間の休息を得た。


救世主

テレンス戦を終え、地霊殿へ帰った二人は少し休むことに決めた。

ジャイロは新しい鉄球を作るために、仗助は目を休めるために・・・。

 

地霊殿のある部屋にて・・・

 

「・・・それ、どうやって作ってるんスか?」

「それは内緒だぜ。この鉄球の回転の技術は他の人間には秘密だ」

「それと、あのコントローラの配線は」

「それは教えてやる。あれは鉄球を一本の鉄線にして、あの機械の中に忍び込ませただけだ」

「・・・まるで意味がわからない」

「理解するのは難しいだろーなァ。ジョニィですら、これを理解するのに何日もかかったからな」

俺は鉄球を完成させると、椅子に寄りかかった。

そして完成した鉄球を光らせて、出来映えをじっくりと見ていた。

ここ最近鉄球を見ていると、ふとジョニィの顔が思い浮かぶ。しかも、必死な顔をしたジョニィの顔だ。

思い出し笑いをして、仗助に気味悪がれるが・・・

 

「ここに奇妙な帽子をかぶった馬乗りはいるか!」

それは突然だった。

下で大きな声が聞こえたかと思うと、階段を上がる足音が聞こえ、この部屋の扉を開けた。

「お前か!お前が、あの山の上に存在するお地蔵さまの祠にまつられた箱の中身を奪ったのか!」

その言葉と同時に入ってきた男達は俺を取り囲む。

「な、なんスか!」

「今さっき、山から降りてきた老人から言われた。奇妙な帽子をかぶった馬乗りの若者が、お地蔵さまの祠にまつられた箱の中身を奪ったと」

俺は一度、右腕を見ると首を横に振った。

「とぼけても無駄だ。すぐに来てもらうぞ」

男達は俺の両腕を身体の後ろにまわすと、そのまま床に叩きつけた。

「ぐ・・・クソが、」

鉄球がコロコロと後ろへ転がっていくのが見える。

そしてその先で仗助は男達に銃口を向けられていた。

 

数分後、俺たちは腕に手錠をかけられ、この人里でも大きい建物の一つである、その時代の裁判所のような場所に連れていかれた。

「シュトロハイム様、連れてきました」

「ご苦労だった、下がれ」

この人里には似合わない名前の男は俺たちの前に現れると、俺たちを抵抗できないようにする銃をかまえていた男を、この建物の入り口まで下がらせた。

「我が名はシュトロハイム。外の世界からやってきた者だ、お前達もそうだろう?」

「あぁ、それとこれとは何が関係あるんだァ?」

「うむ、そうだな。脱線してすまない。・・・それでは本題といこう。お前はどうしてあの祠から物を盗んだ?」

「俺たちは盗んでないぜ。老人の見間違いじゃあねぇか?」

「戯言はいい。本当のことだけを聞きたい。まぁ、犯人が本当のことを言うとは思わないがなァ~~。足掻くだけ足掻け」

シュトロハイムは気持ち悪い笑い方をすると、俺たちの前に胡座をかいて座る。

「おい、こっちのリーゼントはもう逃がしていい。この帽子の男と話したい」

「な、ジャイロさん!」

シュトロハイムの命令通り、仗助は男達に両腕を掴まれると、そのまま部屋を出ていった。

「ジャイロさん!ジャイロさん!」

仗助は何度も俺の名前を呼び男達に抵抗したが、そのまま部屋から出されてしまう。

そして、部屋の中にいた人間は俺とシュトロハイムを残して外へ出た。

「・・・ジャイロ、と言ったな。お前の目的を俺は知っている。この世界に来た理由をな」

「!?・・・どこで聞いた?」

「あの屋敷の女主人にな。先にそれを話に来たのはあっちだ」

俺は心のなかで、アイツは何がやりたいんだ?と考える。俺はアイツの手のなかで遊ばれているのか?

「邪悪なる遺体を集めること・・・だろう?あの祠の遺体は罠だ。盗むところを見た老人なんてはなからいない。全てはお前を捕まえるための罠だ」

シュトロハイムは俺の手錠を外すと、椅子に座り、サイドテーブルに置かれたコーヒーカップを持った。

「この世界、日本のような和の部分がありながらも、コーヒーが飲めて、実に住みやすい世界だ。まぁ、空がないのは残念だがな。そこに座りたまえ」

俺は今がチャンスと思い、鉄球を取ろうとするが、鉄球を地霊殿に置いてきたのを思い出した。

「お前は何がしたいんだ?俺一人だけここに残して」

「お前に協力しようとしているだけだ。我らが見つけた邪悪なる遺体は一つしかない。その右腕に潜り込んだ『右腕』しかな。このことは仗助には関係ない、お前のみに関係があることだ」

「協力してくれるのはありがたい。だが、協力する理由はなんだ?」

「それか・・・」

シュトロハイムはコーヒーカップをテーブルに置くと、俺の方へと歩いてきて、右腕を掴んだ。

「それは後々、我々がその遺体を揃えて保管するためだ。ジャイロ、お前にはその目標への架け橋にでもなってもらいたい。まぁ、悪く言えば、踏み台か」

「それなら、俺は関係ないんじゃあないか?遺体は他の遺体と引き付けあう。アンタの身体で遺体を集めれば」

「それができたらやっている。遺体は人を選ぶ、このシュトロハイムや仲間に遺体は反応しなかった。そこで、お前ならと思ったのだ」

「シュトロハイムさんよォ。俺は人に言われて、遺体を集める気はねぇぜ。ましては、アンタみてぇな人を見下して話す人間にはな」

俺はそういい、シュトロハイムの鼻をピンと指ではじくと、その部屋から出た。

確かに遺体は仗助ではなく、俺を選んだ・・・。

 

これは何か関係あるのか・・・?

 

「大丈夫スか?ジャイロさん!」

建物から出ると、そこに仗助は立っていた。

「あぁ、別に拷問とかを受けていたわけじゃあないからな」

シュトロハイムはこれ以上、俺を追っては来なかったが、扉が完全に閉まるまで、こっちをずっと見ていた。

「シュトロハイム、とりあえず覚えておくか」

 

 

「やっと入れた・・・」

「遅かったですね。大丈夫でしたか?」

僕が紅魔館に入って早々、ジョルノがすぐに僕のところへやってきた。奥で紅茶を飲んでいたのか、ジョルノからいい臭いがする。

「それでは、ジョニィさんも中に・・・」

屋敷のなかはかなり広く、咲夜がいなかったら迷ってしまいそうだ。・・・というわけでもなく、玄関からすぐに応接間まで来てしまった。

そこで、ジョルノは紅茶を飲んでいたのだろう。

テーブルの上に、紅茶の入ったティーポットと空のカップが二つ置かれ、この世界に来て始めてみたマカロンなどの綺麗な洋菓子が並んでいた。

「どうぞ、お嬢様が来るまでここで休憩して」

「言われなくとも」

「・・・それでは」

咲夜はドアを閉めてその部屋から消えてしまった。

お嬢様が来るまでと言っていたが・・・。

 

それから数分すると、咲夜だけが部屋に入ってきた。

「今、お嬢様と会うことはできません」

「・・・何かあったのですか?」

「いえ、あなた方には関係のない話ですので・・・」

咲夜は心のない声でそう言い、僕たちを部屋の外へ出した。どうやら、本当にこの屋敷の主は忙しいのか、咲夜以外のメイドは忙しく動いているのが見えた。

「せめて図書館だけでも行けませんか?」

「今、図書館も入ることはできま」

 

「いかせてやれよ」

 

出入り口の扉を開けて、一人の女の声がやってきた。

そこにいたのは魔女のような格好をした

「魔理沙・・・たまには正門から入ってくるのね」

「おう、たまにだがな。今日はパチュリーのところにようがあってきたんだ。それと、そいつならこの事件、解いてくれるだろうな・・・そこの車イスの人間ならな」

魔理沙と呼ばれた魔女は僕の方へと歩いてくると、車イスのハンドル部分を掴んだ。

「確か、ジョニィとかいったな。アンタがやったことはもうとっくに人里中に出回っているぜ。どうするんだぜ?」

「ぼ、・・・僕は決心をしたから、あそこで行動できた。ここまできたら『途中で逃げ出す、ただのクズ』に戻るのはまっぴらごめんだ」

「あなたが犯罪者だとは・・・。ここまで情報が来るのは遅いからわからなかったわ」

咲夜は深呼吸をすると、僕に懐中時計を見せた。

 

『時よ、止まれ。』

 

次の瞬間、僕は大量のナイフに襲われ、車イスから落ちた。

 

 

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