カーズの襲撃を受けたジャイロはさらに成長した。
そして次の襲撃である作戦を思い浮かぶ。
そしてジョニィの前にある男が現れた。
たまにジャイロさんは奇妙なことをする。
ジョークとか、ギャグとかそういうことじゃなく。
今回もそうだ。
まさか俺や勇儀やシュトロハイム、シュトロハイムの仲間を捨てたのか?
「おい、ジャイロ!どこに行くんだ!」
シュトロハイムの声を聞かず、そのまま道を戻るように走っていく。
「な、何だよ、ジャイロ!逃げるのか!」
次に勇儀の声が聞こえた。それでも、俺は振り返らない。もしも、俺の記憶が正しければ・・・
「一人・・・怖くなったのか、あの男は。あの男の判断は正しい。だが、俺の前で・・・お前のその行動はむしろ間違いだ」
カーズはそういうと、仗助達の上を飛び越え、俺を追いかけてくる。
このまま走っても、まず追い付かれて殺されてしまうのはわかっている。なら、
「足止めするまでだな」
俺はそのまま真っ直ぐ走るのではなく、この人里の狭い路地を走ることにした。そこには、樽や木箱など邪魔になるものがたくさんある。そこに鉄球でワイヤーでも作れば、ヤツの足止めを罠くらいにはなるだろう。
「甘いな人間よ。俺がそんな人間の安易な考えに引っ掛かると思うか」
まるで俺の考えがただ漏れだったかのように、カーズは俺の鉄球ワイヤーをその刃で切断しながら進む。急いでバックルから新たな鉄球を作り、ワイヤーにする。
「逃げきれるとでも思っているのか?」
「誰が、逃げきれるといったァ~?俺はお前を罠にはめるつもりでこうやってるんだが?」
「ほぅ、次の策か。所詮、人間の安易な考えだ。どうせ大した物じゃないに決まっている」
カーズはついに俺の上を飛び越え、俺の前に立ち塞がった。
「輝彩滑刀の流法ッ!」
俺はその何度も見た攻撃を、今までヤツが切ってきたワイヤーを一繋ぎにしてカーズに向かって投げる。
「オリジンの能力!壊れたものを治す!」
ワイヤーの先には鉄球の形になったワイヤーの塊が付き、カーズの心臓目掛けて飛んでいく。
「そんなことが俺に通じると思っていたのかーッ!」
カーズは関節を一気に折り曲げ、鉄球を両手で挟むように防御した。
だが、俺はそれをチャンスに変えた。ワイヤーは鉄球の回転によって熱を持ち、カーズの腕に溶けて張り付く。
「お前、鉄球に好かれてるなァ。くっついて離れないみたいだぜェ」
「人間よ、そんなに寿命を縮めたいのか?」
カーズは肌に付いた鉄をその刃で焦げ付いた肌と共に削ぎ落とした。すぐにその部分は回復する。
その最中にまた俺は道を変え、目的地へと向かう。
「待て!人間よ!」
カーズはその場から一気に跳んで屋根に乗る。俺を見つけようとしている。
どうせ隠れてもバレるなら、少しでもそこを目指すまでだ。
「いたぞ!カーズゥゥゥッ!」
そこにシュトロハイムが現れ、砲弾を放つ。どうやら、仗助によって直してもらったようだ。
小さな砲弾がまたカーズに向かって飛んでいくが、今回は全てを切り落とした。
「あ、あの人間はどこにいった」
「時間稼ぎにはなったみたいだな、ジャイロ。お前がそんな簡単に逃げるような男でないことを俺は知っている」
シュトロハイムはやはり今回も上半身と下半身を真っ二つにされた。
俺はようやく、目的地にたどり着いた。
そこは地霊殿の倉庫。
そこに面白いものがあるのを知っていた。
「ジャイロさん、ここで何をやっているのですか?」
倉庫の扉を開けて、お燐がこっちを見ている。
「このバイク?とかいうの、借りるぜ」
「ちょっと!それ!さとり様の!」
俺はバイクのことについてこっちに来て学んだ。さとりの書斎にあったバイクを運転するための説明書を読んで学習していた。
それに仗助からも教えてもらった。
「ちょっと!ジャイロさん!」
「少し借りるだけだ!」
俺は借りた(盗んだ)バイクで地霊殿を出る。だが、そこにはカーズがすでに立っていた。
「そのバイクとやら、鉄の塊にでもなりたいのか?」
カーズの刃はその一瞬でバイクの前輪と後輪を切り裂いた。だが、俺のオリジンはそれを治す。
「ニョホホ、こりゃあいい。これなら、太陽を作ることも可能かもなァ」
バイクからさらに鉄球を作り出し、これで三つの鉄球が完成した。もちろん、オリジンが持つ鉄球のことを考えて、一つ多く作ったのだが・・・
「問題はどこに行くかだよな・・・そこは考えてなかったな。より多くの光が反射する場所・・・」
カーズの攻撃が止むことはない。
さっきから、このバイクが傷だらけになってはオリジンによって治してを繰り返している。
「人間!何をしたい?そのバイクとやらを俺にぶつけるのか?」
俺はある一つの場所を思い出した。この地底でキレイな場所を。
俺はそのまま直進し、川を飛び越えて里の中を直進していく。カーズはそれを追う、このバイクの最高速度と同じ速度で走る。
「人間、時間を稼いでも無駄だ」
そして俺はようやく、目的地にたどり着き、バイクごとその中へ入った。そして扉部分を照らすようにバイクのライトを扉へ向けた。
「ここは・・・教会か」
「ここがお前の最後の場所だ」
俺は鉄球を構えるとバイクのライトをつけ、カーズを照らす。
「鉄球の回転は無限大だ」
俺は鉄球を投げると同時にその場に伏せた。
鉄球はその光に照らされると、神々しく光始めた。
「な、なんだ!この光は!」
「光は波長だ。回転でその波長をいじったわけよ!今の鉄球から放たれる光は、太陽の光と同じものだぜ!」
俺が説明をしたとき、カーズはその鉄球を目視することはできなかった。その光はカーズを焼き払ってしまい、鉄球がたどり着いたときには身体のほとんどが灰になっていた。
「まさか!波紋戦士以外の人間に敗北するとはァーーー!」
カーズは灰になった。そして、 教会の中に入ってきた風が、灰を運び、地底の地面に消えてしまった。
☆
僕たちは紅魔館から出なかった。
次の場所へ行くと言い出したジョルノが突然、それを否定した。ここに残るべきだと・・・
ジョルノの目的はここで父親に会うことだった。
「それにしても、門の前で待つのはどうなんだ?しかも、こんな夜に」
「相手は吸血鬼です。狙うなら、日光のない夜の内だと思いますが」
「吸血鬼なのか?お前の父親は」
「・・・はい、それも元人間の吸血鬼みたいです」
僕の父親はある仮面を着けたことで吸血鬼になりました。あるとき、波紋という技術を使う紳士によって一度は敗北しましたが、次に会ったとき私の父親はその紳士の身体の奪い、自らの肉体として生き、世界の侵略を企みました。
「紳士・・・。」
僕はその話の中に出てきた紳士というワードに、嫌な記憶を思い出した。
「ほぅ、ここは人間が門番をしているのか」
どす黒い何かが、そう言って僕たちの間を通る。
金髪につり上がった目とこの館の主と同じカリスマが溢れ、近くにいるだけで、気持ち悪くなる。
「あなたが僕の父親・・・ですね」
「父親か。そう呼ばれるときが来るとは思ってもいなかったな」
次の瞬間、僕は何かに突き飛ばされ、館を守る壁に打ち付けられた。僕が乗っていた馬だけがその場に残る。
「この感覚・・・あのメイドと同じ・・・」
時を止められた。そう感じた。
「時を止めた世界のなかで・・・ジョルノ、お前は何事もなく動いていた。この馬乗りは全く動かなかったのにな」
「あなたの遺品があなたのスタンドの能力から守り抜いたみたいですね」
「遺品か、私が何かを残したというか」
ジョルノはポケットから矢尻を取り出す。
ジョルノの父親はそれを見ると、ニヤリと笑った。
「やはりあなたが僕の父親、ディオ・ブランドーですね?」
「DIOでいい」
僕は少しずつ、足を引きずりながら馬へと戻る。馬は驚きからなのか、言うことを聞かず、僕は落馬する。
「あの男・・・何をしているんだ?」
DIOと名乗った男は、壁に打ち付けられた僕に一歩ずつ近づく。僕はその気持ち悪いオーラに思わず、スタンドを出し、爪弾をかまえた。
「その回転する爪・・・。それがお前の武器か」
僕はDIOがプッチのときみたく、恐怖に思えた。
そして爪弾を放つ。
「お前は私に攻撃することはできない・・・」
次の瞬間、DIOのスタンドは俺の隣で拳をかまえていた。
「君とは『友達』になれそうだ・・・。その眼と、その決意、そしてそのスタンド。正義が罪を重ねて、悪になった。そんな顔をしている」
「いや、ぼ、僕は・・・」
「遠慮しなくていい・・・さぁ、」
友達になろう・・・ジョニィ・ジョースター。
僕は心を包み込むような安心感に敗北した。