幻想回転録   作:駿駕

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あらすじ
ジャイロはカーズを倒すことに成功したが、それまでの疲労もあってかそこに倒れ込んでしまう。

そしてジョニィはDIOに会った。



続く襲撃

ジャイロさんはとにかく疲れていた。

 

ジャイロさんを運んできた勇儀によると、カーズの消えたと思われる教会で、ジャイロさんが車庫から盗んできたバイクの横に倒れていたらしい。

ちなみにバイクのバッテリーは上がり、河童のところに出さなければならなくなった。

今、ジャイロさんは私の書斎のソファーで寝ている。

とりあえず、汗をかいていたので上だけは濡れたタオルで拭いておいた。お燐に何度も、

「私が拭きます!」

と言われたが、

「それくらいならできる」

と言って断った。

 

「うぃーっす、ジャイロさんいるッスか?」

部屋に仗助さんが入ってくる。もう私に敵意はないみたい。地霊殿に運ばれてきたのは知っていたみたいだが、ジャイロさんがここにいるのは知らなかったみたいだ。

「そこに寝てるわ」

「ジャイロさん、新しい遺体が見つかったみたいッスよ」

仗助さんが声をかけたが、ジャイロさんは目を覚まさない。本当に爆睡しているようだ。

仗助さんは思わず、ジャイロさんにクレイジー・ダイヤモンドを使うが、何を治すんだか・・・。

「死んでないッスよね?」

「寝てるだけですよ。ここ最近、色々とあって疲れたんだと思います。仗助さんだって昨日は爆睡していたじゃあないですか」

「確かに・・・。昨日は半日以上寝てたな。ジャイロさんが起きたら俺が呼んでたの言ってください」

そう言うと、仗助さんはポケットに手を突っ込んで、部屋から出ていった。

みんな心配しているんだ。ジャイロさんのことを・・・。いくら妖怪と言っても、ここの妖怪の根は優しい。ケガした人間や迷い込んだ人間には助けるし、杯を交わしあったり、一緒に歌って、踊って、笑って・・・地底はとても明るい場所だ。

私の能力は人や妖怪に気味悪がらたり、軽蔑されてしまうこともある。でも、ジャイロさんや仗助さんは会って時間があまり経っていないのにもう私に敵意はない。

「このまま平和が続けば・・・」

 

「大変です!さ、さとり様ッ!」

 

お燐が部屋に飛び込んできた。ここまで走ってきたのか息を荒げ、額に汗をかいている。

「どうしたの!?そんなに急いで・・・」

「し、侵入者です!この地底に!」

「侵入者って!?」

私はそのときお燐の言ったことにバカらしいと思ってしまった。だってまさか、

「サメです!」

なんて言われるとは思わなかったから。

 

「最初は何かと思ったんです、庭にある噴水の中を泳いでましたので。それで私が噴水を覗いたら、そこに姿はなくて・・・」

お燐から話は聞いた。

水から水へと瞬間移動をするサメ。噴水の後は水道から出た水。そしてトイレ、浴槽、洗濯機と移動しているみたいだ。

もう私はそのサメの正体がわかっていた。

「クラッシュね」

「クラ・・・何ですか?」

「なんでもないわ。とりあえず仗助さんを読んできて!」

「は、はい!」

私は考えていた。どうして、彼らはこの地霊殿を狙うのか、殺人じたいが狙いなら、里の妖怪を狙うだろう。だが、地霊殿を狙う。テレンスは別だったが、最初はここ狙いだった。心のなかでそう考えていた。

まさか、この地霊殿の秘密を知ってるの?

私は腕を組みながら、階段を降りる。

 

カチャン・・・

 

横で何かが聞こえた。私の横にある花瓶からだ。

まさか、

「この中に入っている水に!」

私の予想は悪い方に的中した。その花瓶を割って現れたそのサメは私に襲いかかる。

「危ねぇッ!」

次の瞬間、私の後ろから何かが飛んできた。

あれは・・・ボール?しかも、ただのゴムボールだ。確か、お空のものだったはず。でも、あの回転は・・・

「ッたくよ、少しは俺を休ませてくれよな」

「ジャイロさん・・・」

やっぱりジャイロさんだった。

いつもとは違うラフな服装で、腰回りのバックルやゴーグルの付いた帽子は被っていなかった。

「ニョホ、やっぱり力が出ねぇな。柔けぇボールだとな」

「・・・その回転でいつもの鉄球みたいに硬くできないんですか?」

「お、ナイスアイディア!やっぱり頭が回るなぁ、さとりは」

次に投げたボールはその接地面を尖らせてクラッシュに直撃する。だが、クラッシュはそのボールと共に、割れて出た花瓶の水のなかに入って消えた。

「あのサメは水から水へと瞬間移動するスタンドだわ。水のある場所は気をつけて!」

「気をつけてって言ってもよォ~、この屋敷の廊下のあらゆるところに花瓶やら植木鉢やらがあるだろ?あれらの下には水が溜まってるもんだぜ。なら、逃げながらスタンド使いの方を探すべきだ」

ジャイロさんにはまだボールのストックがあった。いくら急いでいたとはいえ、なぜ鉄球ではなく、そのボールなんだろう。

「・・・なるほどね」

どうやら、ここにくる途中、お空の部屋の前にボールが散らばっていたらしい。

「よし、逃げるぞ。狙いはどうせ俺だ。だから、さとりは仗助を連れてきてくれ!」

「それはできないわ。ヤツの狙いは私かもしれない。前にここに来たテレンスも、最初は私とここの所有権を狙ってた」

「なら、分かれてみるのはどうだ?もしも、俺を追ってきたら俺狙い。逆にさとりを追ってきたらさとり狙いということで」

「いいわ。その代わりもしも私だったらすぐに助けてください」

「俺だったら、仗助を呼んでこい。・・・それじゃあ、行くぜ!」

ジャイロさんは東側の廊下へ、私は西側の廊下へと別々の方向へ進んだ。

クラッシュは東側の廊下の花瓶を壊して、ジャイロさんを追い始めた。狙いはジャイロさんだったのか。

「最初に襲ったのは誰でも良かったってこと・・・」

 

 

と、言ったはいいが、このボールでは回転の技術を完全に発揮することができない。さとりの言った通り、鉄のように硬くすることは可能だが、あくまでもゴムボールだ。

「鉄の塊でもあればいいんだが・・・」

そう言いながら、俺は近くにあった燭台をチラッと見る。

「いけるか?」

一息でろうそくの火を消した後、ろうそくを抜き取る。

「うん、無理だな」

一瞬で俺は諦めた。そして、窓の外を見る。確かに外に噴水があるのが確認できる。

何度も見ているが、あの中にあのサメがいるの考えると・・・。それよりも今はあのサメを倒すことを考えなくてはな。

今、サメの姿は見えない。今さっきまで、花瓶を割りながら移動していたせいで、床に水が溜まっている。

「サメさんよォ~、水がないせいで、ここまで来れないのかァ~?ここまで来てみろよォ~」

俺はサメを煽る。・・・出てこないな。

「来ないのか?来ないのかァ~~?」

俺は片手に握った燭台を水溜まりに投げる。ただただ水に燭台が跳ねるだけで、いたってサメが出てくるようすはない。

あのサメの性質上、液体なら何でもありなはずだ。それが紅茶でも、酒でも、スープでも液体なら何でもありで飛び出してくる。

もしも、こんなヤツが村にでも放たれたら・・・

「ここで倒すしかないみてぇだな」

俺はゴムボールを水溜まりに投げてみた。やはり出てこない。

「まさか、狙いは俺じゃない。ヤツは瞬間移動ができる。俺がさとりに離れたところでさとりを襲う気なのか?・・・もしもそうだったら、さとりが危ない!」

俺は来た道を逆走する。躊躇なく、水溜まりの上を通ったがサメは顔を出さない。やっぱりさとり狙いだったのか。

俺はさとりを追いかけ、階段にたどり着く。

「な、なんだよ。どっから入ってきやがった!」

そこに待っていたのはスタンドを使う、五体のネズミだった。

スタンドは砲台のような形をして、俺に向かって砲弾を放ってきた。トゲのようなものがついた砲弾を鉄球で弾こうとするが、一発目に続いて他のネズミも撃ち始めたため、一発のみを弾き飛ばして、あさっての方向に飛んでいく。

「ぐあっッ!」

砲弾は二発、俺の右肘と左膝あたりを直撃する。

その砲弾の効果なのか、肉がドロドロに溶け始めた。

「と、溶ける・・・」

俺はネズミから目を離す。

 

ネズミはそのときを待っていたかのように、次の砲弾を撃ち始めた。

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