幻想回転録   作:駿駕

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あらすじ
地霊殿に現れた謎のサメ。サメは水を移動し、さとりやジャイロを無差別に襲う。

ジャイロはサメの狙いはさとりと判断し、さとりのところに向かうが、ネズミによって足止めをされていた。



私の名は・・・

突然のことに、俺は何が起こったのかわからなかった。

 

次の砲弾が放たれたとき、ネズミ達の頭上にシャンデリアが落ちてきた。

そのシャンデリアはネズミ達を倒すだけだなく、砲弾の軌道をも変えてしまった。

「大丈夫っスか?」

階段の手すりを飛び越えて着地した仗助は、俺の溶けた部分を回復させる。

どうやら、仗助がこのシャンデリアを落としたみたいだ。

「あのネズミ・・・どこにでもわくっスね。昔、承太郎さんと狩りに行ったのを思い出しました。」

仗助はシャンデリアを殴って、元の形に戻した。シャンデリアは宙に浮く。

「あの・・・ジャイロさん?」

「ん、なんだ?」

「これで終わりじゃないみたいっスよ・・・」

俺が抱いていた安心感は、周りを見て一瞬で消え去った。

俺たちを中心に少しずつだが水が集まってきている。

どんな原理でこうなっているのかわからないが、水が確実に俺たちのところに近づいてきていた。

「おいおい、どうすんだよこれ・・・」

「まさか、トイレや水道があのサメによって壊されているのか?ジャイロさん、今は二階に行くべきだと」

「いや、ここでヤツが顔を出すのを待つ。」

俺はこの危険な状況で、逃げることよりも戦うことを選んだ。これまで一人だったため四方八方から飛び出してくるサメに対処できなかった。

だが、今は仗助がいる。

「仗助ェッ!背中は任せたぜェ~~ッ」

「ウッス!」

サメは俺たちの周り、水でできた円上の道をぐるぐると回り、攻撃する機会をうかがっている。

そして・・・

「来たぞッ!」

サメは飛び出してきた。その大きさは水が張られた面積で変わるのか、俺たちの身長と同じくらいの大きさになっていた。

サメは俺を狙う。

「俺の鉄球を、ナメるなァーーーーッ!」

鉄球はサメを貫通した。

俺の回転は日々進化している。このオリジンの力があってか、スタンドに攻撃することもできるようになった。

「ぐあぁぁーーーッ!」

屋敷の外で叫び声が聞こえた。

俺はスタンド使いの顔を見るために外へ出た。

外には胸に穴の開いた男が倒れていた。

 

スクアーロ 再起不能。

黄金の光に導かれて遺体は消滅・・・

 

 

目を覚ました私はすぐに辺りを確認する。

今度こそ、私の願う"平穏"に辿り着いたのか・・・ということを。

「ここは・・・いったい」

人里の真ん中を通る川に下半身を浸かるように私は倒れていた。

「大変だ!人が溺れているぞ!」

橋の上から人を呼ぶ男の声が聞こえる。

「あー、呼ばないでくれ。一人で上がる」

私は川から出て、崖を上ってやっと地面に立つ。

「いやー、川を流れてきてそこで止まったから、助けを呼んだんだかね。アンタ、何者だ?」

 

「私の名は吉良 吉影。違う世界の人間だ」

 

「違う世界の、ぇっ・・・」

次の言葉を放ったときにはもう遅く、男は消し飛んでしまった。

「キラークイーンはすでに君の服に触れている・・・。」

 

早く、早くさとりさまに伝えないと!

あのサメが消えてから数日後、あたいたちは平和に暮らしていた。だけど、あんな怖い人間が来たとなれば、平和な時間は、

「おっと君、どうしたんだい?」

「!」

見つかってしまった。

あたいは恐怖でヤツの顔を振り向いてみることができない。

「まさか、今のを見ていたのかね?」

ヤツの足跡が近づいてくるのがわかる。あたいはおもいきってヤツの顔を見た。

「きれいな手と髪をしているね・・・。君を殺すのはちょっと惜しいな」

「ひぃぃぃッ!」

あたいは恐怖心に足が動かなくなる。男はあたいの手を握ると、前髪を指で捻りながら不適な笑みを見せた。

「とても良い。滑らかな間接ときれいな指、だが・・・少しだけ臭う・・・。普段、死体を扱ってますね?」

男は手を離すと高笑いし、少しだけ後ろに下がった。

あたいの仕事を知らないのか、その臭いを疑問に持っているようだ。さとりさまほどではないが、人並みには今、何を考えているのかわかる。・・・妖怪並みか?

「よ、用がないなら、あの、か、帰ってください。」

「おっと待ってくれ。まだ本題が終わっていない」

やっぱり帰してくれないよね・・・。ここで死ぬのかな。

こんな殺人鬼みたいなヤツにあたいは殺されちゃうのかな。

「私の名は吉良 吉影。ここがどこか教えてくれないかなぁ?私はここにたどり着いたばかりで場所がわからないんだ。

「え?え、えっと・・・ここは地底です。」

「わかったよ。ありがとう」

男はそれを聞くと、あたいの横を通って、路地への入っていった。

あたいはその瞬間、一気に安心感に包み込まれた。

だが、

 

「そしてさようなら・・・」

 

私は爆発音と共に気を失ってしまった。

「だ、れか・・・助け・・・て」

 

 

俺は遺体探しから帰ってきて、ずくに玄関の石段に座り込んだ。

馬を紅魔館に置いてきてしまったため、移動手段の全てが自分の足になる。

この地底の町中を探したが、本当にここにあるのだろうか。

「ジャイロさん、帰ってたんですか。」

玄関の扉が開き、さとりが現れた。さとりは俺の横に立つと、俺を見下ろす。

「仗助はちょっと用があるってよ。俺はもう疲れたぜぇ」

「あの、お燐見ませんでした?昼頃からずっと帰ってきてないんですが」

「途中にちょっと見掛けたが・・・アイツだってちょっとは休憩したいんだよ」

「いや、休憩するときはいつも私に一言話してからするんですが、今日は何も言わなかったから」

「・・・それは心配だなァ。」

俺は鉄球で地面に子供の落書きのような絵を描く。それほどにさとりの話はどうでもいいと思っている。

猫や犬など動物は遠くからでも自分の家に帰るという帰巣本能を持っている。だから、心配しなくても帰れるだろう。

「まぁ、確かにそうですね。」

さとりはそう呟くと、館の中に入ってしまう。

「・・・少し探すか」

 

俺は町を歩く。地底だというのに昼夜がちゃんと分けられているのはどういうことなのだろうかと、未だに疑問に思う。

それに夜じゃないと見えないものもあるだろう。

さとりには誰かしらわかるように、ちょっとお燐を探してくると地面に書いておいた。

「夜の町は不気味だなァ。何か化け物でも出そうだぜ」

いつもは煩いくらいなのだが、今日はやけに静かだ。何か起こりそうな予感がする。

「おいアンタ・・・こんなときに何外に出てんだい?」

隣の店から声をかけられる。女は震えた声を放った。

「ここらで何か起こったのか?」

俺は話を聞くために店に入った。

女の歳は50くらいで、少し年期の入った着物を着ている。顔には小じわも見えた。

「殺人だよ。昼間に橋の上で人が殺されたんさ。何よりその死に方が奇妙でねぇ、内側から爆発でもしたかのように、四方八方に肉片が・・・話しただけでも気持ち悪い」

「まさか・・・。もう少し情報をくれ!」

「アタシが話せるのもこれくらいさ。ほら、今日は店はやってないんだよ!帰った、帰った!」

俺は女に押され、店の外に出される。

「ったくよ・・・オタクが俺を入れたんじゃねぇか。それにしても、その話気になるな・・・」

俺の脳裏に一人の男が過った。だが、アイツは俺の目の前で吸血鬼によって殺された。生きてるはずがない。

「いや、まさかな・・・痛ッ」

俺は考えながら歩いていると、何かに躓いた。

俺は後ろを見て思わず、腰が抜けてしまった。

「な、おおお、お前は!」

そこにあったのは血だらけの状態で気を失っているお燐の姿だった。俺はその腕に躓いたらしい。

「おい!しっかりしろ!おい!おい!」

お燐は頭から血を流している。前髪を上げ額を見ると、皮膚がグチャグチャになっていた。

「う、これは・・・」

「男。金髪の・・・スーツを着た男。自分の名前を、

 

吉良 吉影、って言ってました・・・。

 

俺はその名前を聞いて背筋が凍った。

 

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