吉良はその力で勇儀を倒した。
そしてジャイロと仗助は吉良を探すことに決めた。
地霊殿の一部屋にて・・・
「まさか鬼が人間に負けるとは・・・」
「仕方ねぇスよ。逆にアイツの爆弾を食らって身体があることじたいがおかしいっスよ」
勇儀の寝る部屋の前で仗助がテーブルに頬杖をつきながら、椅子に座っていた。
その近くで冷静なさとりが静かに目をつぶる。
さとりは吉良を知っているのか、仗助に吉良の能力について詮索はしない。
「ヤバいな・・・」
俺は吉良に勝てる気がしなかった。
二度の戦闘、吉良には他人頼りで勝ったようなもんだ。
あの手数の多さと爆弾の威力。鉄球は通じないと思われる。さらに鉄球を爆弾にでもされたら・・・。
「吉良が直接、私のところに来ないのがあなたならわかりますよね?」
さとりは俺たちに問う。
俺にはなんとなくだが、理解できていた。
「ヤツは・・・戦闘を嫌う。だから、障害になるものしか倒さない」
「そして、お燐と勇儀はヤツにとって障害となった・・・ってことッスか?」
「なら、わかりますよね?これから何を心掛けるか」
俺の心にはある言葉が生まれた。きっと仗助の心にもその言葉が生まれたのだろう。
「ヤツの障害にならないように行動する・・・」
☆
ジャイロ達が吉良について話しているなか、本人はある家を襲い、その家で寛いでいた。
その家の家主はとっくに爆弾へと変えられて粉々になってしまった。
「これでいいだろう。・・・私の障害は消えた」
家のなかには、壺や掛け軸など金目の物がたくさんあったが、吉良はそんなものに目はつけていなかった。
「よろしく・・・」
吉良の手のひらの上には、さっきまでその先、本体が付いていた女の手が置かれていた。
「ん?君、キレイな指輪を付けているね」
吉良はその指にはまっている指輪を抜く。
指輪の装飾の小さな宝石は、照明の光を反射して壁に穴を開けるかの如く、一戦の光を放った。
「これはッ!」
吉良は思わず、彼女を床に落としてしまう。
その彼女は灰になって消滅した。
「この宝石!その先に何があるんだ!」
部屋のドアを開け、その光が指すの方向の部屋に入った。
そこには一辺1メートルくらいの大きさの立方体の金庫が置かれていた。
吉良はその金庫の扉をキラークイーンの爆弾で破壊した。
「なぜ、これがこんなところに!」
吉良の目に入ってきたのは、見たことのある形状の矢だった。
その矢はキラークイーンに引き付けられたのか、吉良に向かって飛んできた。矢は吉良の腹に刺さる。
「ぐおぉぉぉぉッ!な、なぜ!」
その矢は吉良に刺さると吉良の中に入っていく。
そして完全に吉良と合体した。
私はすぐに立ち上がった。その痛みはしだいに消え、身体の底から力が溢れてきた。
「この力は・・・キラークイーン!」
キラークイーンは矢と合わさり、その身体に矢のような模様と鎧のような装備を纏っていた。
「新しい爆弾が・・・。ここに仗助がいるのは知っているぞ、ククク・・・」
新しい爆弾・・・第四の爆弾の誕生だッ!
その屋敷から高笑いする声が地底に響き渡った。
☆
ジャイロさんは自分勝手だ。
俺を無視して館から出ていった・・・。
「障害にならないだと?そういうのは俺の勝ち方じゃねぇ。相手が逃げるとか、相手が標的を見失うとか、相手がミスするとか、そういうのは俺の勝ち方じゃねぇぜ!俺はヤツを探す!」
そんなことを言って出ていったが、さとりに聞いた話だと、ジャイロさんが力を出すためには『馬』が必要とか言っていた。
馬が必要・・・ということは、ジャイロさんはこれまで本気の力を出せていなかったのか?
俺は考え事をしていて前をよく見ていなかった。
そのせいで、前から歩ってきた人にぶつかってしまった。
「おい、前を向いて歩・・・け、ってお前!」
そこにいたのは顔見知りの男だった。
「お前は、岸部 露伴!?」
「・・・で、ここはどこなんだ。山奥に来たら、穴に突き落とされて。・・・おい、その格好でこの町を歩っていたのか?」
地霊殿近くの茶屋で、俺たちは話していた。
「もう一週間以上はいるッスね。どうかしたんスか?」
「いや、なんでもない」
露伴は周りの空気にソワソワしている。
それが、どんな感情でソワソワしているのかは知らない。さとりならわかるだろうな・・・。
「・・・ところで、康一君はいないのか?」
「いないっスよ。・・・吉良はいるけどな」
「何?仗助、それは本当か?」
「まぁ、アンタが爆発しても俺には関係ないっスけどね」
「仗助!本当かと聞いているんだ!」
「・・・本当スよ。」
露伴はそれを聞き、ため息をついた。
俺たちは吉良 吉影を倒し、平和な生活を送っていた。そんななか、露伴は鈴木 麗美が成仏したことに少しの間だが、ダメージを受けていた。
なんとか連載は康一の声援によって再開したが、康一や間田の話によるとどこか絵に前のような読者を引き込むような感じがないらしい。
「・・・仗助。吉良を倒す気にはならないのか?前みたいに自分の足で仲間と探して、情報収集して」
「無い・・・と言ったら嘘になるッスね。今、俺の仲間が吉良を探してるんスよ」
「そうか。・・・僕は探す。ヤツは生きてちゃあならない存在だからな」
露伴はスケッチブックとペンをバッグにしまうと、茶屋から姿を消した。
「露伴先生。・・・俺も探します」
露伴はバッグの紐を掴むと肩から提げ、俺の方をチラッと見てそのまま、行く先の見えない場所の方へ進んでいった。
そんなすぐに見つかるわけがない。吉良がそう簡単に姿を見せるわけがないと俺は思いながら歩っていた。
露伴は気になる場所を見かける度に、数分でスケッチブックに描いていく。
こんなどこから何が襲いかかってくるかわからない場所で・・・危機感がないと言うべきか、仕事熱心というべきか・・・
「あの、露伴先生?」
「何だ?今、集中してるんだ」
「吉良は、こっちの吉良は俺たちの手に終えるような相手じゃあない。これ以上の詮索は」
「何を言っているんだ?仗助。」
露伴は俺の肩にさっきまでペンを握っていた手を置く。
「主人公ってのはな、最終的に勝つんだ。例え、相手がどんなに強い敵でもな」
「何か露伴先生らしくないッスね」
「・・・まぁ、僕だったらこんな不良に主人公を務めさせないがね」
露伴がそう言い、前を向く。
そして足が止まった。
俺たちは・・・前から歩いてくる吉良を見た。
「おやおや、岸部 露伴に東方 仗助じゃあないか。奇遇だね~」
「吉良・・・」
「吉影・・・。てめぇこそこんなところで何してんだ!」
「あぁ、私かい?私は今、散歩中さ。新しい彼女とね」
吉良は内ポケットから何かを出した。
人外の『手』だった。
五本指だが、完全に人間のものではない。肌は紙のように真っ白で、指はスラッと細長かった。
「きれいな指と間接と肌の色。美しい・・・フフッ」
「お前の握ってるその手が誰の物だか知らねぇがよォ。俺がお前を倒す!」
「主人公気取りかい?別に、主人公なんて物はどうでもいい。私は私の障害になるものを、このキラークイーンで消し飛ばすだけだ」
吉良の後ろから現れたキラークイーンは今までとは違う、甲冑のような鎧をつけていた。甲冑のあらゆるところにドクロマークがあり、こちらをさらにつり上がった猫のような目で見ていた。
「これが私のスタンド、キラークイーンのさらなる進化形態さ」
キラークイーンはその鎧を纏いながらも、素早い動きで露伴に一発、蹴りを入れた。
「露伴ーーーッ!」
露伴の持っていたペンやら何やらはその衝撃でそこらにばらまかれ、本体は近くの建物の壁を突き破って中に入った。
「さて、ここからさ。本当の力は・・・」
キラークイーンは倒れた露伴の頭を掴む。
すると、露伴は気を失い、白目でこちらを見る。
「仗・・・す・・・け」
「フハハハッ!私のスタンドは進化した!仗助、君を始末するためにな!」
露伴は自我を完全に失っている。自身のスタンド、ヘブンズ・ドアで、俺の足を動けなくさせる。
「君の足は動かない。ここで爆発するんだ・・・」
そして、露伴は俺の体に覆い被さるように倒れる。
露伴のなかからカチカチと時計のような音が聞こえる。
「な、爆弾だ!露伴自体が爆弾になっている!」
俺は露伴の着ていた服のポケットに、さっきの壊した壁から出た破片が入っているのがわかった。
俺はすぐにその破片をクレイジー・ダイヤモンド殴るが、時すでに遅し。
「今だッ!」
吉良の親指はスイッチを押していた。
爆発音と共に露伴の体は肉片と化して爆発する。俺は何とか露伴から離れることができたが、体の下半身をその爆炎で焦がした。
そして仗助は川に落ちた。
流れの強い川は足を動かせず溺れ沈んでいく仗助を黄泉へと運んだ。
仗助、露伴 再起不能・・・