ジョセフィーヌ・ジョースターの奇妙な幻想譚 作:勇(気無い)者
霊夢の方はというと、長い通路を抜けて大きなホールに辿り着いた所であった。横長の長方形の部屋。入り口の玄関ホールよりも更に広い。
光源は天井に吊された三つの豪勢なシャンデリアと、壁に等間隔で設置された蝋燭。光は部屋全体に行き渡っており、廊下に比べればそれなりに明るい。
中央には長方形の机が設置されている。白のテーブルクロス付きだ。
ただし、長い。設計がおかしいんじゃないかというぐらいに長い。幅は普通の割に、長さは一体何十メートルあるというのか。
例えるなら、普通の道路に車百台分の長さのリムジンが走っている様なものだ。それぐらいに違和感がある。
此処にジョセフが居ようものなら「何だこの机、デッサンが狂ったか」とでも言っていた事だろう。夢の世界に引きずり込まれた時のポルナレフの頭の事の様に。
「ほんと、無駄に広くて嫌になるわ。鬱陶しいったらありゃしない」
異変などは手早く片付けて、縁側でのんびりしたいものだわ。霊夢は頭の中でそんな事を考えていた。
その次の瞬間。
入る時に潜った扉が、唐突に閉められた。近くに人は居ない。扉の外側にも居ないだろう。気配を感じない。自動扉、という訳でもない。
ならば一体何なのか。霊夢には何が起こったのか
「ようこそ、紅魔館へ」
霊夢の前方にメイド服姿の少女が現れた。
年頃は霊夢より一つか二つ程上といった所か。銀色の髪をしており、揉み上げを緑色のリボンで三つ編みにしている。上述の通り、ミニスカートのメイド服という出で立ち。
二人は空中で距離を置いて対峙する。
「話は聞いているわ。貴女が博麗の巫女ね」
「ええ、そうよ。私も貴女の事をジョースターさんから聞いているわ、メイド長さん」
互いにニコリと笑い掛ける。表面上は何の変哲もないやり取りだが、二人の間には火花の様なものが散っていた。
「早速だけど、アンタのご主人様の所に案内してもらえるかしら? あの鬱陶しい霧を止めてもらいたいのよ」
「する訳ないでしょ? ご主人様を危険な目に合わせる訳がない」
咲夜の返答に霊夢は小さく溜め息を吐き、懐から数枚の御札を取り出した。
「だったら力尽くで聞き出してやるわ。後悔しても遅いわよ」
わかりやすい宣戦布告の言葉。咲夜は薄い微笑を浮かべ、
「やれるものならやってみなさい!」
ナイフを象った光の弾を生み出し、指と指の間に挟んでずらりと三本。両手合わせて合計六本のナイフを構える。
睨み合う両者。動いたのは、同時。
互いに手に持つそれを相手へ投げつける。ナイフと御札はぶつかり合い、バチッという電気が走った様な音と共に消滅した。
続け様、咲夜が光のナイフを連続で投げる。人間とは思えぬ速さで投げまくる。
弾幕となって襲い来るそれらを、しかし霊夢は軽やかに躱してゆく。
その動きは、まるで風に舞う木の葉の様だった。ひらりふわりと風に吹かれる様な動きで、咲夜の弾幕を危なげなく躱している。衣服に掠る様子すらない。
「今度はこっちの番」
霊夢は呟くと、光の弾を打ち出す。その形は、札。妖怪退治に用いる、御札を象った光の弾。それを連続で撃ち出し、弾幕を形成してゆく。
対する咲夜もこれを避ける。しかし、霊夢と違ってかなり避けにくそうにしている。
何故ならば、霊夢の弾は咲夜の近くまで飛ぶと、突然方向転換して咲夜目掛けて飛んでくるのだ。まるで追尾弾である。
とはいっても、追尾してくるのは一度のみ。避けてしまえば、そのまま遥か後方へと飛んでゆく。
それでも避けにくい事に変わりない。
暫く弾幕合戦を続けていると、霊夢の弾が咲夜のスカートの端を破った。
「……っ!」
「遂に掠っちゃったわね」
飛んでくるナイフを余裕で避けながら口元を手で抑え、挑発する様にぷぷぷと笑う。
対する咲夜は怒った様に歯を食いしばり、一枚のスペルカードを取り出した。
「奇術『ミスディレクション』!」
宣言。光のナイフを投げる。
しかし、先程までとは違い、ナイフが枝分かれする様に分裂した。そこから更にもう一度分裂。
それは
とは言っても、咲夜のナイフを投げる手数が目に見えて減っているので、単純に密度が四倍になったという訳ではない。それでも、二倍近くになってはいるが。
しかし、それすらも霊夢は難なく躱してゆく。ナイフの合間を縫う様に飛翔し、避けられそうにないものは御札を飛ばして迎撃する。
一向に当たりそうな気配は無い。
そこへ咲夜がいつの間にか霊夢の背後へと回っており、ナイフを投げる。完全に死角からの投擲。気付く筈がない。
━━━だが、霊夢はどうやって察知したのか、突然バッと振り返ると御札を投げつけ、咲夜のナイフを迎撃した。
その上、弾幕の隙間を縫って飛んできた一枚の御札が、咲夜の左頬を掠めた。傷が僅かにジリジリと痛み始め、直撃ではないものの被弾したという事実を理解する。
「……くっ!」
思わず舌打ち。完全に捉えたと思った筈なのに。迎撃されたばかりか、反撃までされた。
苛立った咲夜は次のスペルカードを取り出し、
「幻幽『ジャック・ザ・ルドビレ』!」
宣言。
両手を大きく円を描く様に回す。その手の軌跡上には光のナイフが連続して連なり、滞空している。それを次々と作り出す。
そして、両腕を大きく振り上げ、突き出す。
同時、滞空していたナイフが一斉に霊夢へ向かって飛び出した。それは最早、弾幕というよりも一つの大きな塊である。小魚が群れて泳ぎ、一匹の大きな魚に化けるかの様な塊。まさしくスイミー。
「避けられるものなら、避けてみなさいッ!!」
更に腕を振るい、ナイフを曲射状に放つ。それは先に放ったナイフの塊を追い越し、横合いから霊夢に襲い掛かる。
対する霊夢はというと、ニヤリと笑みを浮かべて六枚の御札を手の中に作り出した。それぞれに番号が振ってある。「一」「二」「三」「五」「六」「七」の数字だ。
それを手に霊夢は、前方から迫るナイフの群れへ━━━突っ込んだ。
子供が一人通るのがやっと、という隙間を見つけてナイフを躱しながら前進。その姿はまるで、激流の中を泳ぐ魚。荒れ狂う流れに負けじと抗い、泳いでゆく力強い魚を思わせる。
しかし、その弾幕の密度は今までのものとは比較にならない程に濃い。中には避けて進む事の出来ない箇所も必ず出てくる。
それを霊夢は、先程作り出した御札で相殺して進む。その為の御札。
二枚、三枚、四枚と、次々に消費し、遂には六枚全てを使い切り━━━弾幕を抜け出た。
「なっ━━━!!」
流石に真っ正面から抜けてくるとは思わなかった咲夜は、驚きの色を隠せなかった。その所為でワンテンポ反応が遅れる。
其処へ霊夢の攻撃。数枚の御札を咲夜目掛けて飛ばす。
咲夜は何とか体を動かし、ギリギリで回避━━━出来たかと思えば、御札が追尾する様に迫ってくる。
眼前にまで迫る御札。距離が近過ぎる。躱す事は出来ない。
━━━次の瞬間、世界の全てが止まった。
否、咲夜以外の全てだ。
眼前の御札も、博麗の巫女も、自分の放ったナイフの弾幕も、全てが停止した。それが十六夜咲夜の能力、「時を操る程度の能力」である。
「……危なかった…」
額の汗を拭う。完全に直撃コースだった。時間を止めていなければ確実にやられていた。
時間の止まった世界の中で、咲夜は霊夢の背後へ少し距離を置いて回り込んだ。
そして、時は動き出す。
御札はそのまま明後日の方向へ飛んでゆき、博麗霊夢はその場にピタリと止まった。ゆっくりと振り返り、咲夜の方を向く。霊夢に動揺の色は無い。
「正直言って、今のは少しだけ肝を冷やしたわ。でも、私の弾幕が掠った様ね」
先程の弾幕を突破した際、霊夢の服は所々破けてしまったのだ。それだけ弾幕の密度が濃かったのだから仕方のない事なのだが。
しかし、咲夜の挑発に対して霊夢は自分の左頬を指差し、
「掠ったっていうのは傷にもならない、服を裂いただけの事を言うの? 新調したばかりの服は破れてしまったけど」
「……ッ!」
逆に挑発し返す。
そう、あれだけの密度の弾幕を突破し、これだけ服がボロボロにも関わらず、霊夢の肌には傷一つ無いのだ。
だが、咲夜は服こそスカートが少し破れた程度だが、左頬に傷をつけられている。
「……いいわよ。なら、決着をつけましょうか!」
咲夜はスペルカードを取り出し、宣言。
「幻世『ザ・ワールド』!」
瞬間、世界の全てが静止する。
それは、咲夜の世界。咲夜だけの世界。
今、この世界で動いているのは咲夜だけ。
この世界で動く事が出来るのは咲夜だけ。
「正真正銘、最後の攻撃よ!」
咲夜は霊夢の周囲を飛び回りながら、ナイフの弾幕を放ってゆく。前後左右上下、あらゆる方向からナイフを放つ。
それらは霊夢から少し離れた、数メートルから十数メートルの位置で静止する。
全方位からのナイフの弾幕を設置し終えると、咲夜は先程と同じ場所へと戻り、霊夢に背を向けたまま独り言の様に呟く。
「貴女の時間も私のもの……。避けられるものなら避けてみなさ━━━」
バッと振り返り━━━
━━━其処に居た筈の、博麗霊夢の姿が何処にもない。
「…っ!? 何処に…!?」
周囲を見渡すが、霊夢の姿は見当たらない。前にも横にも後ろにも居ない。上側にも居ない。
ならば下側かと、視線を下へ落とそうとした時、
「ひゃう…っ!?」
突然、下から霊夢が目の前にバッと現れ、咲夜は可愛らしい小さな悲鳴をあげた。
「な、なん……貴女、その姿は…!?」
霊夢の姿が、透けていた。ぼんやりと向こう側が見える程度に透けているのだ。俗に言う、半透明な状態という奴だ。
その霊夢は何を言うでもなく、不敵な笑みを浮かべて咲夜を見詰めている。
「……ッ! 馬鹿にして…ッ!」
それを挑発と受け取った咲夜は、光のナイフを霊夢に突き立てた。
「……ッ!?」
━━━手応えが無かった。咲夜の手には、スカッと虚空を突いた感覚のみ。
もう一度ナイフを振るって霊夢を切り裂こうとするも、矢張り手応えが無い。
博麗霊夢に触れる事が出来ない。
いや。そもそも、時の止まった世界で、何故動いているのか。咲夜にはそれが解らない。目の前で起きている現象が理解出来ない。
その動揺からか、時の支配を解いてしまう。止まっていた時間が、動き出す。
先程、咲夜の設置したナイフの弾幕が動き出す。それらは何も居ない虚空に向かって飛び出した。
その内の一本が、霊夢の身体を突き抜ける。進行上には咲夜がおり、慌てて身体を捻り、回避する。
視線を戻すと、霊夢は咲夜の首もとに御札を突き付けていた。半透明な状態ではなくなっている。
「どうする? まだやるの? やるって言うなら容赦しないわよ」
━━━強い。
自分では到底適わないと悟る。でも、お嬢様なら或いは━━━
「………いいわ。私の負けよ」
「そう。じゃあ、案内してくれるかしら」
「……この先の通路を出て真っ直ぐ進んで。二つ目の十字路を左へ。その先の玉座の間に、お嬢様はいらっしゃるわ」
「そう」
霊夢は素っ気なく呟くと、ホールから出て行った。
咲夜は静かに床へ降り立ち、霊夢の去った方を見詰める。
瀟洒なメイド等と言われて、いい気になっていたのかもしれない。十六夜咲夜は自分の未熟を知る。上には上がいるのだ。
「……本当、三年前のあの女性といい、今の博麗の巫女といい、幻想郷はとんでもない所ね…」
誰とは無しにポツリと呟く。
その時だった。
突然、ホールの隅からガシャンッという大きな金属音が部屋中に響き渡る。咲夜が音源の元へ向かうと、其処には一体の甲冑が倒れていた。
★
時間をほんの少し遡る。
霊夢がホールへと入った頃、ジョセフと紫は既にホールの隅に置かれた甲冑の後ろに気配を消して隠れていた。紫のスキマで先回りしたのだ。
気配を絶っているのは、紫の結界による効果である。ジョセフは何もしていない。
「あのメイドの少女、霊夢と勝負する気のようだな」
ポツリとジョセフが呟く。
霊夢と咲夜が今、対峙した所である。
「あの小娘、確か時間に干渉する能力をもっていたわね」
「ああ、スタンド『
「三年前はジョセフに手も足も出ずに負けていたけどね」
咲夜に対して棘のある紫。ジョセフが咲夜を評価しているのが気に入らないらしい。
「そりゃあ、私は色々なスタンドの能力を使えるんだ。仕方ないだろう」
「ふふん、私のジョセフに適うわけがないのよ」
得意気に呟く。ジョセフはやれやれと小さく溜め息を吐く。
「しかし、あの娘が相手となると……紫、早速霊夢のアレが見れるかもしれんぞ」
「そういえば神社でもそんな勿体付けた言い方していたけど、そんなに凄いの?」
「ああ、凄いぞ。初めて出された時は焦ったものだ。まだ未完成の様だがな。……始まるぞ」
霊夢と咲夜は数回のやり取りの後、同時に弾幕を撃ち出した。霊夢は御札、咲夜はナイフである。
咲夜の先制攻撃。ナイフを連続で投げまくるが、霊夢はこれを面白い様に回避。当たる気配が全く無い。
霊夢の反撃。御札を象った弾幕を撃ち出す。その内の一枚が咲夜のスカートを掠めた。
「どうやら、霊夢が優勢の様だな」
「ふふん、流石は私達の霊夢だわ」
矢っ張り得意気。どれだけ咲夜が気に入らないのだろうか。
咲夜が早速、一枚目のスペルカードを繰り出す。
「奇術『ミスディレクション』!」
撃ち出すナイフが分裂し、散弾の如くに霊夢へ襲い掛かる。
「ミスディレクションってアレだな。手品とかで観客の意識を手品の種から逸らさせるっていう技術」
「そうね。霊夢にそんなもの通じる訳がないでしょうけど」
実際、紫の言うとおりであった。
分裂するナイフに注意を向けさせて霊夢の背後へ回り込んだ咲夜であったが、霊夢にあっさりと気付かれる。
「幽幻『ジャック・ザ・ルドビレ』!」
二枚目のスペル。
最早、塊と言える量の弾幕を撃ち出し、更に横側からも弾幕を飛ばす。
対する霊夢は六枚の御札を作り出し、特攻。
「…うん? あの御札、数字が書かれていたぞ。一、二、三…五、六、七……ははーん、そう言う事か」
「ん? 何? どういう事?」
「ジョジョの第五部にミスタというキャラが居ただろう?」
「ええ、スタンド『セックス・ピストルズ』の使い手でしょ? それが?」
「ミスタの『幸運』に
圧倒的な密度の弾幕の中を、霊夢が突破した。透かさず霊夢は光の御札を撃ち出す。
━━━時間停止。
「今、止めてなかったら終わっていたな」
「そうね」
時間の止まった世界で平然と会話をする二人。ジョセフは
勝負が始まる前、
紫はというと、
「というか、紫。何で動けるんだ?」
「私の能力が境界操作なのは知ってるでしょ。概念として捉えられるものなら大概は干渉出来るのよ」
サラッととんでもない事を口走る。
「……紫って結構非常識な存在だよな」
「非常識が服を着て歩いている様な存在の貴女に言われたくないわね」
お前も大概だよ。ジョセフはそう思った。大体、いつの間にそんな事を出来る様になったのか。
そんな軽口を叩き合っている間に、時間が動き出す。
「しかし、霊夢の服ボロボロだな。サラシ巻いてなかったら完全に見えてるぞ、あれは」
「まぁ、後で貴女が直してあげたらいいんじゃない。それかあのボロ道具屋にでも頼めばいいし」
「酷いな紫。そんなボロとか本当の事を言ってやるな」
貴女も大概じゃないの。紫はそう思った。
そうこうしている内に、咲夜が新たなスペルカードを取り出す。
「幻世『ザ・ワールド』!」
時間停止。
咲夜が霊夢の周囲にナイフを設置してゆく。時間が動き出すと同時、それらは一斉に霊夢へ襲い掛かる。
設置し終えたらしい咲夜が、元の場所へと戻ってゆく。
と。ジョセフが「あっ」と小さく呟いた。
「どうしたの?」
「霊夢がアレを使った」
見てみろとジョセフに促され、霊夢へ視線を移すと━━━霊夢の身体が半透明な状態になっていた。
しかも、動いている。この時が止まった世界の中で普通に動いているのだ。
「……あれ、は…」
「何だ紫、何か解ったのか?」
「………」
数秒の沈黙。その間、ジッと霊夢を見詰める。
再び紫が口を開き、
「あれは、多分……この世界から自分自身という存在を
「どういう事だ?」
「あの娘の能力は知ってるわよね?」
「ああ。『空を飛ぶ程度の能力』だろう?」
「その能力の本当の意味は、何者にも縛られないという事。この地上の全ての人間が重力に縛られている。囚われている。しかし、あの娘は重力にすらも縛られない。だから空を飛ぶ事が出来る」
「………」
「そして今、あの娘はこの世界からも囚われてはいない。あの娘は、この世界と別の世界の狭間を浮いている状態にある。天才だとは思っていたけど、まさかここまで…」
「……そうか」
紫は目の前の光景に言葉が無い、といった様子だった。ジョセフは承太郎の様な雰囲気を漂わせている。
そして、一言。
「よく解らんが霊夢は矢っ張り凄いな!」
駄目発言が飛び出した。
この発言に、紫は呆れた様な視線をジョセフに向けている。
「な、何だ…?」
「……貴女、黙っていた方が賢く見えるわよ」
「いきなり酷くないか」
何処も酷くはない。よく解らないのに、一体何が凄いというのか。何ともお粗末な発言であった。
その後、霊夢に御札を突きつけられ、咲夜は負けを認めた。
「終わりか」
「そうね、お陰でいいものが見られたわ」
「ふふ、霊夢は矢張り凄いな」
「ええ。貴女のさっきの発言はバカ丸出しだったけど」
「だから酷くないか」
紫の中でジョセフの株価は大暴落を引き起こした。逆に霊夢の評価は鰻登りである。
「さて、それじゃあまた先回りして、玉座の間とやらにいきましょうか」
「ああ、そうだ━━━」
そう言って立ち上がろうとして━━━ジョセフの膝が目の前の甲冑にぶつかった。
ゆっくりと倒れ始める甲冑。
「ヤバッ…!!」
「ジョセフ、早く!」
紫がジョセフの手を引き、二人の姿はスキマに消えた。
ガシャンッ、と大きな音を立てて甲冑が倒れる。
咲夜は直ぐに倒れた甲冑の元へ向かったが、辺りには誰も居ない。
小首を傾げながらも、彼女は甲冑を立て直すのであった。
霊夢「掠ったっていうのは傷にもならない服を掠めただけの事を言うの? 新調したばかりの服は破れたけど」
本日のおまいうスレは此処ですか?
霊夢「うるさい」