実況パワフルプロ野球~二番手のエース~聖タチバナ学園高校   作:Reaflet

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三年目 夢を叶える選手達~The one player~
第三十一話 4月1週~2週 “次世代を担う者と先を見据える者”


 秋大会の決勝戦。

 逆ブロックを勝ち上がってきた帝王実業とあかつき。

 猪狩と山口の投げ合いとなり、投手戦になったが、猪狩進のタイムリー、六本木のスクイズが決まり二点を追加。

 そのまま猪狩が抑えて、あかつきが優勝した。

 昨年の鬱憤を晴らすかのようなゲームとなり、春の甲子園大会には恋恋、帝王、あかつきの三校が出場となり甲子園は盛り上がりを見せる。

 

 毎年、春の甲子園大会は完成度の低い……まとまっていないチームが出てくることが多い。

 例えば打撃だけに特化し、圧倒的な得点力を可能にする打線を率いて毎試合乱打戦に持ち込むチームもあれば、打線での得点が見込めず相手のミスだけでしか得点を入れられないために投手戦だけになってしまう極端なチームが多い。

 中途半端な完成度を誇るチームはすでに予選の時点で敗退しているからだ。

 だから秋はどのチームも弱点には目をつむり、得意な部分を鍛える。短期間で効率が良く最も成長しやすいチーム力向上の仕方だ。

 夏になれば弱点もある程度克服し、初めて“打撃力”を売りにしたチームや“投手力”を売りにしたチームという評価なのだ。

 その中でも一握りはすでに完成度の高いチームはベスト8まで食い込み、弱点を持ちながらもどのチームも引きよせないほどの長所を持つチームもこの枠に食い込むのだ。

 

 甲子園でも俺達の地区が健闘を見せた。

 まさか甲子園のベスト8で三チームが居合わせるとは思わなかっただろう。

 恋恋高校が堅い守りと勝負強い打線でベスト8まで進み、次の相手が栄光学院大付属。

 地区の奪三振記録を更新し、甲子園でも一回戦にプロ級とも言われるスライダーが冴えわたり17奪三振の好投を見せた久遠が先発。

 高校ナンバーワンとも呼び声の高い打線は好投手早川を襲った。

 

 攻撃対守備の戦いは非常に熾烈な戦いとなり、序盤は恋恋が堅い守備で守り抜いたものの中盤に栄光学院大付属打線が爆発。一挙五点を上げる。

 しかし、ここで崩れないのが今の恋恋高校。粘り強くチャンスを作ると南、小井田の連続タイムリーが飛び出し五対三。だが、八回に恋恋は二死満塁のチャンスを作ったが、外角へ逃げていくスライダーを小井田が捉えきれず無得点に終わり、六対三で栄光学院大付属が勝利。

 ハイレベルな攻守を持ち、エース山口の好調もあってかワールド高校、流星高校といった曲者のチームやレインボーハイスクールなどの実力者を倒していった帝王実業高校はベスト4で西強高校と当たり、非常に見応えの試合を見せる。

 初回に四番清本に特大スリーランを浴び、その後もピンチを作るが伝家宝刀のフォークは打者のバットを空に斬る。西強高校とは言うものの、例年とは違って清本中心としたチームはタレントぞろいとは言えずに帝王はジワジワと攻めていった。

 七回には蛇島の同点タイムリーが飛び出し、まさかの下馬評をひっくり返すような戦いをしていき、清本を完全に封じた山口は九回まで十三奪三振を奪うなどの大活躍。

 しかし、延長十三回まで回ると山口が肘の違和感を訴えて降板。すると、変わった犬河が清本にこの二本目のツーランを打たれてしまい試合終了。五対三で負けてしまった。

 あかつき大付属は相変わらずの強さで勝ち進んでいく。一試合だけ休んだ猪狩だが、投球そのものは完璧としか言えないほど。二回戦にあかつきは日比野を投げさせた以外はスタメン変更はなしという完全固定のオーダーでアンドロメダ、栄光学院大付属、西強高校を下し頂点へ立った。

 決勝戦の最後は完成させた決め球の最速150キロのライジングショットで空振り三振を奪って甲子園優勝投手となった猪狩。

 猪狩が、あかつき大付属が夏三連覇へ踏みを始めた。

 

 

 

 

 

――――――それを阻止するのは、どのチームか。それとも阻止せずに、あかつきが進むのか。

 

 

 

 

 

 

       

 

 

 

 

 

 

 

――――――そして季節は春。

 

 新入生を歓迎するかのように入学と同時に桜の花びらが舞い散る。

 もう、こんなに時間が経ったのかと思うくらいに。

 俺が目を閉じると一年生の時の記憶がよみがえってくる。

 確か俺がこの高校に入ったのは聖のおかげだったっけ。野球をしたいわけじゃなかったのに聖に誘われたからやることにした。

 そのあとは矢部君で猛田。喜多村、霧丘、真田達が入って、まさかこの高校に来ていた友沢が入って、今では守備の要の峰田が入って……野球部ができた。

 そして臨んだ夏は三回戦敗退。秋大会は出なかったよな。

 みんながみんなで頑張った冬に二人の新入生が入った春。

 守備に関しては便利屋な黒豹、そしてうちの頼れるセンター准が入った。夏大会にはあかつきのところまで上り詰めたけど、負けた。さらに秋大会ではまさかの敗退。

 一時期は立ち直れなかったけど、今はもう大丈夫。

 俺は成長しているだろうか、チームは成長しているだろうか。

 でも、俺は成長したっていうことは確信出来るんだ。

 なぜか?

 とうとう完成したオリジナル変化球は依然に全員と真剣勝負したときにをしたときに、初見では誰も捉えることはできなかった。

 突き進む、立ち止まるもんか。

 俺らは進み続ける。

 

「行くぞ」

 

 一度、その言葉を吐いてみる。

 うん、悪くはないな。今年の夏が最後のチャンスだからな、やれることはやるだけだ。

 

「おっす准、黒豹。早いな」

「おはようございます。僕らのクラス結構早く終わったんです」

「黒豹が言ってる通りで合ってるな。先輩は?」

「俺だけ違うクラスだったからな。一人で来た」

 

 黒豹と准、俺の三人が弁当を広げて部室で食べ始める。

 最初はクラスの面子や最近の調子などで話がはじまり、いつの間にか話は新入部員へと変わっていった。

 

「そういえば野球経験者の名前リスト聖名子先生からもらったから見るか?」

「本当か?」

「ああ、ほい」

 

 俺はカバンから一枚の紙を出して二人の前に差し出す。

 名前リストを見ながら、准が口を開ける。

 

「シニア出身とかは多いね。でも、聞いたことない選手がいたりするからあたしら二年にとっては少し悲報だね」

「どちらかといえば野球をしながら勉強をするスタイルを目指す人が多いからだと思いますけど」

「ま、それでも結構な数の野球経験者だから十人以上は入るだろ。大変だな」

 

 弁当を食べ終わって、弁当をしまおうとするところで友沢、聖、みずきちゃんが入ってきた。

 すぐに野球経験者リストの紙を見ながらそれぞれ反応を示し始める。

 聖名子先生が監督っていうことで先生目当ての野球部員も入るだろうし、もしかしたらってのもあるかもしれない。多ければ多いほど良いことはある。

 すると立て続けに生徒会メンバー、矢部君と峰田、喜多村が入ってきて猛田たちもようやくきたところでそれぞれ着替え始める。

 

「新入生が来るけど何をやるでやんすか?」

「いや、いたってやることは普通だ。ぶっちゃけ野球経験者しか来ないと思うし……」

「勧誘しなくていいのか? 一応生徒会の方でやっておいたらしいけど」

「ポスターだけで充分だろ。それより今日は新入生に合わせた練習をするのか?」

「基本的にはそうだけど、最後の方はさすがに全体ノックとか入れる予定だよ」

 

 夏までに時間はあるとはいえ、約三ヶ月なんてすぐに過ぎる。

 一分一秒を無駄には出来ないんだ。

 入部テストとかやるほど入ってきたりはしないだろうし、かといって勧誘するぐらい足りないとも思えない。ボーイズやらシニアとかいったところから入ってくる奴もいるし、中学野球からも入ってくる。野球に関してはそこそこ知ってるやつは入る。

 うちは他の強豪古豪の高校とは違って、最近芽を出してきた高校だ。三年生が多い分、二年生以下がかなり少ないということは昨年の夏大会で知ってるはずだし、レギュラーを狙ってくるやつも少なくもないはずだ。

 つまり、来年は来年でチームを作れるようにするだけで俺達三年生の役目の一つは終わりだ。

 後は夏終わるまでに一年生にこの高校の伝統、俺達の背中を見せつけてやるだけ。

 口でどうこう言うよりもプレーで見せるほうが一年生に良い影響を与えられるしな。

 グラウンドに出るとすでに一年生達が着替えて、待機していた。

 うーん、本当はミーティングとかやったほうがいいのかなぁ……。

 

「おはようございまーす!」

「うっす」

 

 次々に一年生が頭を下げて俺達へ挨拶をする。

 名前と希望ポジションを書いてもらって、俺らと対峙するように整列する。

 ざっと見て十五人程度か。まあ、この時間に来るやつで後は来ないだろう。

 面子を見てやっぱり驚いてるのか少し緊張しているやつがちらほら見えるどころか、いきなり顔がこわばってるやつもいる。

 友沢とかはまさにスーパースターって言っても良いくらいだし、聖や猛田、みずきちゃんもこの地区じゃ有名だからな。俺も入ってるかどうかわからないけど。

 

「じゃあ、最初は軽くランニングした後に体操、反復練習……要するに主に守備のペッパーを行う。その後はキャッチボールって流れだけど、付いて来れるやつでいいからな」

 

 仮入部でケガされて部の評価が下がるのも痛いしな。

 硬式になれてない奴がいきなりキャッチボールすると怖いから素手で少しでも感覚を掴んでほしいって感じだ。

 守備のペッパーはバットを使わない方のペッパーだ。手でボールを前後左右にトスされたやつを素手で反応して捕る練習。

 打撃のペッパーは要するにトスバッティング。投げて軽くバットに当てて投げた人が捕球し、また投げて……の繰り返しだ。どっちの練習にもなるが、まだ一年生には早い練習だろう。

 反復練習ってのはやればやるほど身に付くものだけど、しばらくやってないと離れるもんだし少しでもやっておきたい練習だ。

 

「今日は一年生のために時間を割くけど、絶対に練習をやめないこと!」

「「「「「はい!!!」」」」」

「よし、じゃあ行くぞ!」

 

 三年生、二年生、一年生の順番で並んでランニングを開始する。

 まあ、軽めとは言っても体を動かさないといけないから結構な距離走るんだけど、俺達は慣れてる。

 一年生にとってはかなりきつい距離かもしれないな。

 まあ、最初くらいは高校の厳しさってのを感じてもらっても良いか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んー、まだ体力に差があるよなぁ……」

 

 一週間経って案の定、体力に差があることがわかった。

 上級生と一年生に体力の差があることは当然だが、一年生の中にもそのような差がみられた。

 

「終わってない奴はしっかり走ってくるように! 終わった奴からペッパーに入るからな!」

「はぁ、はぁ……きっついな、響」

「そう、だね、……はぁ、飛鳥」

「俺ら……っ、三人だけか。双子すげっ」

 

 一年生の三人だけが時間内にメニューを終えていた。

 他の一年生は途中で遅れたり、休んだりしているのが見えている。

 まずは双子である如月響、如月飛鳥。

 彼らは双子のバッテリーとして中学野球で名の知れた選手だった。朱鷺らが知らなかったのは恐らく別地区の選手だからかもしれない。

 中学三年生から芽を出し始め、努力でエースをもぎ取った双子の兄の響。

 キレのあるスライダーとシンカーというオーソドックスな横手投げの投手であるが、サイドから放たれるノビのあるストレートは打者を翻弄する。

 抜群の野球センスをいかんなく発揮し、才能にあふれていた弟の飛鳥。

 彼の肩と試合を読む力は捕手としてはかなりのレベルに達している。さらには中距離打者として活躍できるほどの打撃力を持つ。

 二人は高校になってからこっちの地区に引っ越してきた。

 しかし、なぜ実力があるのにもかかわらず他の強豪校に行かなかった理由は昨年の夏の大会、秋の大会だった。

 優勝候補にすら上がることのなかった聖タチバナ学園高校が強豪校を倒して、王者あかつきの前へ駆けあがり、あわや勝利というところまで行ったのだ。

 さらには秋の大会で早々に敗退したというところもポイントに挙げていた。

 野球をやっていく上でどんなことがあるかは分からない。でも、彼らならば史上初の甲子園出場……いや、甲子園優勝へ突き進むことができるのではないかと考えたからだ。

 それをこの眼で確かめたかったのだ。

 そして優勝した暁にはその強さを自分たちで後輩たちへ語り継がせたくて入ることを決めた。

 

「良く走りきったな三人共。休んでいいぞ」

「ありがとうございます」

「すみません」

「おっと、涼は無理するなよ」

「大丈夫っす」

 

 軽く笑いながら膝を抑えているのが秋風涼。

 その膝はすでにプルプルと震えていて今にも倒れそうな子羊のようだった。

 彼は中学一年からボーイズで活躍していた選手であるが、右膝十字靭帯断裂という大ケガを負ってしまい三年生になっても最後の大会まで本格的に試合に出ることはなかった。

 元々は一年生ながら最速130キロを超えるストレートで三振を取る力投タイプであったが、ケガでポジション固定されることが無いままボーイズでの野球を終えた。

 だが、膝のケガを持ちながらも代打としての出場のみだが打撃に関してはかなりのものだった。

 膝の影響は未だに大きいものであったが希望ポジションは一塁手。

 一塁ならばこなせるということもあるが一塁を固定できていない高校というのを事前に把握していたのも希望した理由だ。すでにケガしていたということは伝えてあるが、最初で躓きたくないという気持ちで彼はランニング、ダッシュのメニューをしっかり走り切った。

 

「……先輩達はもうペッパー初めてるね」

「っ、それほど体力差があるってことじゃね? まだまだだよ、俺らは」

「一年生の中で上でも、先輩達についていかなきゃいけない」

 

 涼の発言に対して双子は頷き、立ちあがって朱鷺達が行っているペッパーに混ざろうとする。

 朱鷺がそれを見て、入るのを止めた後に近づいてくる。

 

「確か、双子はバッテリーだったんだっけ?」

「あ、はい。俺がピッチャーで響がキャッチャーです」

「……地区準優勝を経験してるんだよな?」

「はい。中二から最後の大会までずっと準優勝でした。全試合、最後は一点差で優勝チームに毎回のように負けちゃって……だから全国出場の経験がまったくないんですよね」

「ちょっと一度だけ俺らの打線と勝負してみないか?」

「……はい?」

「?」

「最近、俺達あんまり試合を入れてなかったし、実践的なことは出来なかったからさ。まあ、お前らがやりたくないのなら良いけどな。でも、夏の大会の背番号枠は三つある。できればその三つは実力があって戦力になる奴に配りたい……でも他の一年はまだ体力的にも追い付いていないのは確かだ。涼だってベンチに居たとはいえ、一年からエース級の活躍してたらしいし、打撃もできるんだろ?お前ら三人に配りたいと思ってるけど、実力があるかを確かめたい」

「まじっすか? 本当にもらえるんすか?」

「ノルマを達成したら、番号を渡すって約束する。双子は俺達の打線を三回のうち三失点以内に抑える。涼は俺達投手陣……俺、みずきちゃん、宇津、黒豹の四人を三打席ずつ相手して二回出塁出来れば合格だな。正直言ってノルマクリアできなかったら、他の一年と比べて選ぶだけだ。お前ら三人の経験がズバ抜けていることだけは見てわかる。やるか?」

「……」

 

 朱鷺の顔はいたって真面目だ。

 決して彼ら三人を試すような顔はしていないし、むしろ自分らの実力を確かめたいのはこの三人のはずだと分かっているからだろう。

 今年で最後だからこそ、来年にいなくなるこのチームがしっかり戦える姿をしたいからだろう。

 有望な、未来のこのチームを背負うだろう三人への挑戦状だ。

 三人の心の中は葛藤していた。

 自分の実力を確かめたいけど、果たして通用するのかどうか。

 でも、涼が口を開く。

 

「こんな手負いの俺にチャンスをくれるのなら、絶対にやります」

 

 頭を下げて力強く言った。

 それに感化されるように双子も頭を下げる。  

 

「……お、俺にもやらせてください! 先輩らを絶対に抑えて見せます!」

「僕は最高のリードで翻弄して見せますからお願いします!」

「よし。んじゃあ、最初は涼から打席に入れ! 投手陣四人から打ってみろよ? 最初は黒豹がマウンドに上がってくれ!」

「分かりました」

「うっす!」

 

 自分達は一年生。

 だけど、先輩達の役に立つ。いや、レギュラーを奪うつもりでやらなきゃいけない。

 

「俺ら全員合格しようぜ」

「そうだね、飛鳥」

「うっし、行こう」

 

 三人とも絶対に合格すると誓って、戦場へと歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あと三人。ベンチに入れる面子に困っていた。

 本当ならば一気に実力が伸びた選手を入れるべきなんだが、夏まで時間はない。

 戦力補強になれば一石二鳥だと思ってたけど体力的に技術的に、そして経験の観点からいえばあいつら三人が一年の中でもトップだ。

 おまけに調べたけど、双子は最後の大会二失点しかしていない。地区決勝で一対〇で負けたということはよほど何かを武器にしてるんだろうなと思って調べたけど、案の定だ。

 ストレートでの三振が多く、配球もしっかりとしているし、特に得意球であるスライダーのキレは正直レベルは高い。制球も良いし、サイドスローだったら合格以上の球威もある。

 シニアレベルではなかなかうつのは難しいレベルの投手を完璧にリードする捕手。

 友沢とか東條とか怪物らしい選手はいなかったみたいだが、それでも十分と言えるぐらいの投球内容。打撃のほうでチーム全体が物足りなかったから負けた。

 涼は調べたけどあんまり情報は得られなかった。

 一年生の時はすでに二番手として投げていて全国出場していたけど、オーバーワークのせいかわかんねえけどケガした。その後は三年の時しか代打で出てない。

 でも、一〇打席でヒットが七本。その内、長打が四本でさらにホームランが二本。

 巧打力、長打力はかなりのものなはずだ。

 

「お互い準備オッケーか?」

「はい!」

「大丈夫っす!」

 

 それを聞いて聖がマスクを被って座ってミットを構えた。

 そう言えば俺って黒豹が投げるところ見たことないんだよなあ。投手として使ってなかったし、もしかしたら黒豹の投球も試す機会になりそうだ。

 涼は剣道の上段構えのようにバットを高く掲げ、左腕が上がって口元を隠すようにする特徴的な構えをする。あのフォームって左足を大きく上げて踏みこむフォームだよな。膝悪くなりそうなフォームだけど大丈夫なのか?

 黒豹がゆっくりと振りかぶる。

 投手としては経験は浅いが実力は一年生よりはあるはずだ。スリークウォーターから放たれたまずは様子見として得意球のドロップカーブを低めに放った。

 完璧に投げ込まれた変化球を踏みこんで一に行くがバットは空を切った。

 

「ストーライーク」

「っぉ……」

 

 涼が思わず声を漏らした。

 投手としての黒豹の強みは縦に割れるこのカーブ、そして手元で変化させるカットボール。そしてこれを操る制球力と十分な球速を持つストレート。

 まあ、スタミナは抜群とは言えないが十分な程を持つ。中学卒業したての奴が初見で捉えるには相当な実力が必要だぜ。

 地味にフォームに癖が無い。小さなことだけど、これも一つの武器だ。

 二球目は内角へのカットボールを踏みこんだが涼はバットを出せない。

 審判の真田の手が挙がる。

 最後はまたもや大きなドロップカーブで涼が出したバットは空を切った。

 

「ストライーク。バッターアウトー」

「厄介っすね……このカーブ……」

 

 二打席目に入るとボックスの一番前に立って対策をする。

 そう簡単に打てるわけじゃないけど、すぐに行動に起こすところは評価するか。

 一番厄介なドロップカーブを変化する前に叩こうとするってのは良い。所詮、黒豹のストレートだ(・・ ・・・・・・・・・)。140キロ出るか出ないかのストレートについていけてないのなら、まずこんなテストはしていない。

 膝のせいか腰の回転が回りずらいのかわからない。内角を打つために少しベースから離れて立っているのも聖はすでに見極めてる。

 

(さあ、見せてくれよ。お前の実力をさ?)

 

 黒豹が放ったのは内角へのストレート。

 それを涼はきっちりと芯で捉えたが、三塁線を切れてファールとなった。

 

「っと……」

「もう少しタイミングを測って……」

 

 しっかり腰の前で球を叩いてるし、変化球は逆方向っていう意識で打ちに行ったんだろうな。

 たった数球で相手投手を攻略できる状態まで持ってきたのはさすがだ。後は聖との勝負になりそうだな。

 次は外角へのボール球で一球外す。

 涼は落ちついて黒豹だけに集中していて、決して視線をどこかに逸らしたりはしない。

 聖はその様子を見て高めのボールコースから落ちてくるドロップカーブを要求した。

 黒豹が振りかぶって投げる。

 軌道が変わり急ブレーキをして落ちてくるカーブを涼は逃げるようにカットした。

 さっきのストレートのタイミングで打ちに行ったから体勢は崩される感じになったけど、しっかりと逃げることができてる。

 四球目。黒豹はカットボールを外角へ外す。見逃すときもしっかりと踏み込んでるからもう対応しきったってわかる。

 黒豹が一息吐いた後、ゆっくり振りかぶって投げ込んだ。

 ッキィィン!! と金属の音が響き内角へのストレートを鋭いスイングがボールを捉える。

 サードの喜多村が一歩も動けずに三塁線を強烈に抜いた打球は勢いよくフェンスまで転がっていった。

 

「……よしっ!」

「見事なバッティングだ。してやられたな黒豹」

「一個分内に入ったストレートは打たれて当然ですよね」

 

 友沢も思わず声を漏らしてたし、猛田も少し顔を引き締めた。

 ……打撃センスに関しては抜群だな。膝をケガしているけど、レギュラーで使いたいくらいの対応力とスイングの鋭さ。違う高校で下手したら即クリーンアップ務められるぜ。

 変化球にも直球にも苦にしない打者。あのフォームだと力が逃げやすいんだけど、うまく使いこなせてるし無理にフォームもいじる必要もない。

 ……予定変更だ。こいつに本気で投げてみたくなった。

 

「みずきちゃん、宇津。悪いけど、さっきの話無しでいいか?」

「ん、まあいいけど?」

「どうするんだ?」

「いや、涼は合格。だけど俺が投げたくなった」

 

 テスト合格の喜びとはまた逆に真剣な顔つきになって話を聞く涼。

 俺の言葉を聞いた後、顔を上下に動かして頷く。

 

「……打っても良いっすか?」

「ああ。打てるもんならな」

「俺もいきなり勝負するとは思ってなかったっすけど、本気で行きますよ」

「来いよ、俺も本気で抑えに行く。三打席勝負だ」

 

 うっす、と涼はヘルメットをかぶって返事する。

 さて、昨年の秋から一気に成長した俺の姿を一足早く見せることになるけど……心配なんて全くない。涼にもしわけないけど、新しく高速シンカーを改良した球も投げられる。

 聖と少し話し合って、俺がゆっくりとマウンドに向かう。

 涼も俺に合わせて打席に立って地面を均して準備をする。

 

(一年生にしてはかなり落ちついてる。ジンクスかクセなのかはわからないけど、バッターボックスに入るたびにベースの四つの隅を確認してから打席に入るし、俺の時もそれは変わらない)

 

 だからこそ、こいつと勝負してみたいという葛藤に巻き込まれた。

 生まれ変わった俺の初めての相手として。

 聖がサインを出す。

 相変わらず慣れた手つきでサインを出す姿も珍しく感じる。しばらくサインを出したりしてなかったし、聖も俺をリードするのが楽しみなのかもしれないな。

 

(初球は低めにストレート。もちろん全力で来い)

 

 ゆっくりと振りかぶる。

 足、腕、膝、肘すべてを使って完成させたフォームで最高のストレートを投げ込む。

 体重移動、リリースポイント。あのとき、猪狩に投げた149キロのストレートを超すような勢いで腕を振って投げた球が聖の要求通りに決まった。

 ミットの音と同時に静寂が訪れる。

 

 

「ストライク!」

「っ……」

「1、151キロ! 朱鷺の最速更新したぞ!」

 

 涼は様子見だったはずが全く手が出せないような感じなる。

 やべー……最高に気持ち良い。

 久々だからなのかもしれないけど、あのコースに150キロ台に決まるなんて思わない。

 冬場にしっかりと足腰を鍛え直してフォーム修正したり、柔軟で関節を柔らかくしたし、自らの体幹も鍛え直してようやくここまで来た。

 再び振りかぶって二球目。外角へのスライダーを投げる。

 昨年よりも一段階上のキレ、変化を持つスライダーを涼の手が出ない。

 

「ナイスボール!」

 

 聖からの返球を受けて、一度プレートを外す。

 涼もさっきはストレートに呑みこまれていたがすぐに切り替えたみたいでいつものペースに持っていくためかバットでベースの四隅を確認して、バットを構えた。

 だがバッターボックスは外角を意識しているのか内側に立っている。完全にさっきのスライダーが無意識に残っているのだろう。

 たぶん、聖から出されるサインはあの新変化球だろう。

 

(真ん中から内角低めへ変化する“新変化球”)

 

 少し心臓がドキッ、と弾んだ。

 息を吐いて心を落ち着かせる。

 この球のために冬場に自分自身を鍛えに鍛え上げて、フォームも若干修正した。そのおかげかわからないけど、以前投げていたシンカーよりも使い勝手のいい変化球になった。

 ゆっくり振りかぶって左足を踏み込む。

 中指と薬指で握り、縫い目にかかるようにして右腕を振り抜いた。

 ストレートにしては若干遅い球は恐らく失投だと思ったのだろうか、それとも再びスライダーだと思ったのかは分からないが甘いと思って踏みこんできた。

 涼は完璧にもらったという顔でバットを出した。

 

――――――だが、ボールは軌道を変えた。

 

 バットが空を切る。

 それを涼が驚きながらボールの変化を見ていくのに俺は少し笑いながら見ていた。

 バシッ! と聖のミットへ決まる。

 

「ストライーク! バッタアウト!」

「どうだ、涼。これが俺の新変化球の『シエルアーク』。この球はお前に初めて見せたボールだ」

「……当たらないっすね。初見じゃあ、ただのストレートの投げそこないにしか見えないっすけど、変化球にしては速すぎっす。凄いっすね……」

「友沢にも見せてないし、お前が初めてだ」

「逆スラーブっていう印象です。打つにはしばらく慣れが必要かもしれないっすね……とりあえず凄かったっす」

「でもいいのか? 真ん中から変化するのは」

「スピードガンで最速140キロを記録しているし、まだコントロールは甘いけど俺の特性を生かせればもっと使える変化球だよ」

 

 俺の特性。それは試合に数球ぐらいある全力で三振に取りに行くストレートが真ん中に行きやすいということ。

 投手としてはさすがに致命的だ。真ん中に行きやすいなら150キロでも簡単に打たれる。

 俺だって治したかった一つの短所だし、これからも治せるように努力するけど治せてない。

 それを補えるはずだ、この変化球は。

 俺の短所を補ってくれるほどの決め球になってくれるはずだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とりあえずそのあとはきっちりと抑えた。

 一球だけスライダーをライトフライに弾き返されたがそれも良くついて来れたなという印象だ。

 ファースト希望というなら即レギュラーとして使っても良い。だけど、膝のケガが心配だからさすがに夏は全試合出場とは言えないけれどそれも使いどころだな。

 少し本気出し過ぎた感があるけど、高校のレベルはこれだっていうことを見せつけてやらなきゃな。

 

「んじゃあ、次は双子が相手だな」

「わかりました」

「よろしくお願いします」

 

 さてと、夏大会での出番はあんまりなさそうな双子だ。

 とりあえず夏は大体俺からみずきちゃんへの継投が中心になるし、また逆もありうる。だめだったら宇津も準備させるくらいだから使い機会はないだろうけど……。

 

「矢部君から打席に入って。三イニングで三失点以内で合格っていうノルマだけど、ちょっと厳しかったか……?」

「いや、むしろこのくらいやって貰わなければな。来年はあいつらが主役になるはずだ」

「……友沢の言うとおりだ。秋風があそこまで健闘したのだから双子もやらなきゃいけない気持ちにはなっているだろう。私だって負けてられないからな、一年生相手なのに打てないなんて恥ずかしすぎる」

「ん? 聖、緊張してるのか?」

「していない!」

 

 さて、俺達も三失点以内に抑えられたらちょっとばかしやべーぞ。

 ノルマを出していて悪いけど、しっかりと四点以上は取らせてもらおう。

 投球練習を見ているかぎりだがサイドスローから放られるストレートは130程度。一年生にしては十分すぎるほどの球威。

 他の高校の一年生と比べればレベルが高いけど、この世代の投手の一年生と比べてたらまだ小粒な方だ。革命を起こせるほどの投手じゃない。

 ……まあ、ぶっちゃけた話、俺らの世代のエースは一年から140は投げていた選手ばっかりだからその時点で怪物なんだよ。

 矢部君が打席に入る。

 右打者の矢部君なら打ち取りやすい打者だろう。良かったな、矢部君が一番打者で。

 大きく振りかぶって性格が表しているかのフォームは大きくステップしてサイドから切れのあるスライダーを投げる。

 右端のプレートギリギリから投げ込まれたスライダーは矢部君が初球から出してきたバットをいとも簡単に空に切り、響のミットに吸い込まれた。

 

「……ス、ストライーク!」

「あ、矢部君打ち取られる」

「……はあ、あいつは馬鹿だな。あれじゃあ、やられること確実じゃないか」

 

 豪快に空振りをしてしまった矢部君はフォームを小さくして当てることを考えたのだろうか。

 だが、それは相手の思うつぼだ。

 二球目は内角へのストレート。外角を意識していた矢部君はインコースのボール球に手を出してしまって見事にサードゴロに打ち取られてしまった。

 スピードガンは131キロを記録している。十分サイドスローで通用する球威を持ってるし、三年生になったら145キロくらいまで成長するんじゃないかな?

 打ち取られた矢部君が明らかにショックを受けている。

 

「矢部君……あんなに意識していたら中学生でも打ちとれるよ……」

「一年生なのにスライダーのキレが凄いでやんす。それにあのストレートはなかなか厄介でやんすし、ワンポイントぐらいなら十分使えるレベルでやんすよ」

「いやいや冷静に分析している場合じゃないって」

 

 キリッとした顔で分析している矢部君に少しあきれる。

 それにしてもどうしてサイドスローで130キロ……いや、中学のときは125くらいか。それを超えるぐらいの球威を持ってるのに負けたんだろうな。

 打たれたやつはどの大会も同じ選手だったから、そいつはこいつらを打つほどの実力を持っていたのか? よっぽど良い選手なんだろうか。

 

「飛鳥! 冷静に行こう!」

「おう!」

 

 小さいころから一緒に居たから息も合ってるのかもな。

 弟の響の方が優先に立って、飛鳥をベストピッチに導いている。

 バッテリーってのは基本的には二つの種類がある。

 まず一つは捕手が投手を引っ張る形だ。すべてのバッテリーの中で六割から七割以上はこの形のところが多いだろう。ほとんどは捕手が投球を組み立てて、投手には投球だけに集中させるこの形がシンプルだけどベストだ。欠点も捕手に責任を擦り付けるような形になるから捕手に負担はかかりやすい。

 逆に投手が捕手を引っ張る形は投手にある程度決定権があるために捕手の思い通りにリードできなかったり、リードが投手なので喧嘩になりやすいしピンチの対処方法も変わってくる。

 ……俺と聖みたいにお互いが引っ張るような形は珍しいけどな。幼いころから一緒に居るから考えとかもわかりやすいしな。

 准が……左打席に入った!?

 

「お、おい。准――――」

 

 俺が声をかけようとしたときには准はすでに集中していたので引いてしまった。

 一度、くるんとバットを回して構える。右足を若干動かしているので恐らくは振り子打法なんだろうけど、准の打撃はどうなんだろうか。

 首を縦に振って飛鳥が振りかぶって横から投げ込む。

 准は外角へのストレートを打ちに行くような構えをして見逃した。

 

「ストライーク!」

 

 かなり良いコースに決まってたけど准が踏みこんでたから逆方向に打ち返せそうな感じだったな。

 130キロ程度なら准は芯に当てられるし、長打もあるかもしれない。

 二球目はもう一球外角低めに外れるチェンジアップで1-1。

 それにしても良いストレート投げるなー。

 でも、このくらいを打てないようだったら地区は勝ち残れない。

 そうだよな?

 

 

――――――川瀬准 通称:“警察犬”。

 

 鋭いスイングから鳴り響いた快音。

 内角へスライドしてくるスライダーを思いっきりフルスイングした打球は一塁線を抜くツーベースヒットになる。

 ナイス。左打席には驚いたけど内角打ちの基本である腰の前で捉えるということがしっかりと出来ていたし、スイングも良かった。

 相当な練習を積んでここまで上げてきたんだろう。准は打撃センスはある上に努力家だけど、いまいち伸び悩んでいた感があったから打順を下げようかなってこともあった。

 でも、そんな必要はないか。

 あいつが二番にいるだけで何かやってくれそうな雰囲気がある。まあ、要するにチームの中心になれる存在。

 

「准! ナイス!」

「ああ!」

 

 聖も続けて打ってやれ。

 聖に対して双子は外にチェンジアップでストライクを取った後に、内角へ落ちてくるシンカーで1-1の並行カウントへ持ちこむ。

 聖はどのコースも苦にしない打者だから、組みたてが難しい。だからこそ捕手は聖のフォームや状態をじっくりと見るんだけどそういうところも見当たらないから苦しいんだよな。球種は若干ストレートで押される感じはあるけど、詰まらされてもなんとかヒットにする技術も持ってる。

 聖と勝負するなら自分の持っている最高のボールが一番だ。

 三球目、振りかぶって投げた球は外角へのストレートを踏みこんで完璧な流し打ち。

 キィンッ! と打球は一二塁間を鋭く破って無死一、三塁。

 

「続け! 友沢!」

 

 左打席に入る友沢を見る。

 ……駄目だな。たぶんこいつらはどんな球を投げても友沢には打たれるだろう。

 何故か? うーん、それはよくわからない。誰かに感化されたかのように構える姿。

 飛鳥が自信を持って投げたであろう初球のスライダー。

 それを友沢はいとも簡単にボールを捉え快音を響かせた。

 鋭く低いライナーはそのままドスッ!! と球場の外へ突き刺さった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の帰り、俺は聖と一緒に帰路へと立っていた。

 時刻はすでに七時を超えていて辺りはすでに暗く、周りの音も静かだ。

 明日の土曜日に新入生歓迎会として焼肉を喰いに行く予定を立てているから、明日の晩御飯はいらないか。

 まだ少しだけ冷える時間帯の中、白い息を吐きながら聖が口を開いた。

 

「双子のほうの兄は良い球投げていたがな」

「まあな。友沢の二本のホームランが効いたな」

 

 飛鳥は三回五失点というなんとも言えない内容になってしまった。

 そのうちの四打点は友沢が場外へぶっ飛ばしたホームラン。もう一点は矢部君が内野安打で出て、聖のタイムリーだった。

 良い球は投げているんだけど、やっぱりレベルの高い打者は抑えられない。スライダーもストレートもサイドから投げられる球としては良い。制球もできてるしな。でも、左打者に見られやすいという欠点を持ってる上にシンカーのコントロールが甘い。チェンジアップは恐らく高校上がる前辺りに練習し、覚えた球なのが唯一の救いだな。

 正直、地区大会でも使いどころが見つかりずらい。ワンポイントでの起用が一番かな。

 ……でも、あいつは俺らが居なくなった後必ずチームを背負うエースになる。だからこそ試合で投げさせたいのが本望だ。

 響も俺が盗塁を仕掛けた時、素早いスローイングからの強肩を見せていた。リードも悪くはないし、投手をできるだけ生かしてあげようという意気は伝わってくる。確かに才能という面では響の方が上だけど、努力の量ではやっぱり飛鳥の方が上だな。でも、冷静さは持ち合わせているから一年生捕手としては十分すぎるほどの実力だ。

 

「夏まで三ヶ月。頑張ろうな」

「うむ」

「……本当に頑張ろう。もう、終わるんだから」

 

 もう終わってしまうから、最後まで頑張る。

 俺と聖はゆっくり歩いていく。

 最後の年。

 

 

 

――――――聖にだけは、悲しい想いはさせたくない。

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