実況パワフルプロ野球~二番手のエース~聖タチバナ学園高校   作:Reaflet

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第八話 7月3~4週 “再スタートと新メンバーと合宿 前編”

高校野球界を揺らした新聞の内容。

こんなチームがここまで進むとは思ってもみなかったのだろう。

この内容はこの地区だけではなく、他の地区からも騒がれる内容となっていた。

”わずか九人の精鋭達、乱打戦の末惜しくも優勝候補帝王実業高校に敗れる”

”エースは負傷しながらも投げ続け、闘い続ける選手達に強豪校達も脱帽”

帝王も喰らう勢いで闘いながら敗れてしまった内容が書かれている。

エースが負傷しなかったら・・・という内容も書かれていた。

確かにそのような勢いだった。初回から失点するもそれ以上に聖タチバナ打線が爆発して、あのままだったら乱打戦でも勝ったのではないかという予想もしてしまう。

予想は予想、結果は結果だ。エースの朱鷺がまさかの負傷ながらも相手に食らいつく聖タチバナ。

帝王のエースであるまさかの松中が三回で五失点という内容。帝王の監督もため息より、聖タチバナの強さに驚いただろう。

だが、今の話題は聖タチバナの内容だけではない。

その数日後には新聞に大きく取り上げられた一面ではこの一面と同じくらい話題性を持っていた。

”あかつき大付属高校、一年生八人が主力ながらも甲子園へ”

”エース不在の中、一年生投手猪狩守MAX149キロの剛腕が一人奮闘”

”予選での失点はわずか決勝での一失点のみ。甲子園優勝候補に大きく前進”

バルカンズのスカウトである影山はこの二つの新聞を見て、今でも驚いているところだ。

あかつき大付属と聖タチバナ。

「一ノ瀬君が突き指で投げれない中、猪狩君が全試合登板か。決勝戦では東條君にタイムリーツーベースを浴びるものの、その後をピシャリと押さえる投球」

パワフル高校が帝王実業高校を五対三で下し、あかつき大付属がダークホースの灰凶高校を五対〇で下して、決勝戦で対峙した。

パワフル高校の鈴本から三点をもぎ取り、猪狩が一点で抑える投球。

四安打一失点完投という投球でこの地区の頂点へと立った。

まさに”革命”が起きたと言えるだろう。他のチームを寄せ付けない強さで。

「まったく、今年はかなり面白い。だが、あと二年。この地区は実力ではどの地区よりも上だろう」

聖タチバナ、恋恋、帝王、あかつき、パワフル、灰凶といった実力があるチームが揃い、さらには主力が一年生のところが多い。恋恋と聖タチバナに関しては一年生しかいないのだ。

注目すべきなのは中心選手。

猪狩、朱鷺、友沢、山口、東條、鈴本、南などの能力の高い選手や六道、早川、小井田などの異色の選手。

「注目度が高まってしまったな。他の球団も聖タチバナに注目、同色のチームの恋恋にも注目しに行くだろうし決勝に進んだパワフルにも動くだろう」

ここ数年間でバルカンズは最下位と五位を行ったり来たりとなっている。

良い企業がスポンサーに付き、たまに練習設備の良くなるキャットハンズは昨年四位と最下位から脱出しており、やんきーズも毎年三位~四位を行ったり来たりが昨年は五位だ。

パワフルズ、カイザース、バスターズの三チームがほぼ毎年優勝争いをしているレ・リーグ。

どんな年でも安定した投手陣に野手陣のバスターズと、強力な投手陣に打線のつながりの良いカイザース、爆発打線が売りのパワフルズ。

そんなバルカンズを強くするために、強豪社会人チームでのスカウトをしていた影山がまさかのプロ野球球団から引っ張られる形で三年前にバルカンズのスカウトへなったのだ。

今までとは違う形のスカウトに驚きながらも、一昨年、昨年には若手選手を入団させてみごと活躍したことからスカウト陣の中でも評価はNo,1へ躍り出た。

「やはり投手陣も野手陣も足りない。この世代がチャンスだ」

チェックした高校へ偵察に行く。

野球好きなおっさんとしても彼らの世代が楽しみだ。

影山は少し笑みが出る口を抑えながら、メモをしていくのだった。

 

 

 

 

                     

 

 

 

 

 

 

 

―――――――聖タチバナグラウンドにて。

「おーし、これで今日の練習終わりにしてこの前の試合のビデオでもみようぜ」

「帝王戦か。あんま見たくねえけどな」

「過去を振りかえることも大事なんだよ。例としては好きな子に告白して振られてしまった。自分はどこが悪かったのかを振りかえるって感じで」

「はは、例が笑っちまう。もしかして経験済みかな朱鷺さん?」

「お、俺に振るなよ!そこは霧丘だろ?」

「なんだそれ!俺が振られたことあるって言いたいのか!……まぁ、三回ほどあるけどさ」

「……」

「……」

「……ごめん」

「一人目は中学一年の時の委員長、次は隣の席の子。最後は一緒に受験の際に一緒に通ってた塾の子さ。どう思う?朱鷺、峰田、真田」

「……あー、まあいいんじゃないか?委員長ってのが良いチョイスだったと思うよ……(俺に振るなよ)」

「……はは…隣の席の子は良くあるパターンだよね……(俺に振るなよ)」

「……同じ塾は俺の兄貴もやってたね……成功して今は結婚してるけど……(俺に振るなよ)」

「おいおい、目を逸らすな!俺の黒歴史……風子さああああああああああああああん!!!」

ごめん。霧丘、おまえの黒歴史はみんな聞いていたよ。

しかも、風子さんって誰だよ。もしかして、ヒトデ持ってる人とかいうなよ。

休日の午前は練習とビデオを見て終了だ。

大会が終わったから最近は早めに切り上げている。

「朱鷺、それよりお前肩は大丈夫なのか?」

「ああ。あんまり響いては無いし、もう少しすれば投げられるようになるからな」

「それにしても……あいつ!!怪しいって思ってたのによ!」

「実際俺も怪我させられたやつの一人だからな」

このような会話をしているのは俺たちがベスト8で負けてしまったからだ。

先週の帝王実業戦で俺たちは十八対十の大敗をしてしまった。

理由としては単なる実力不足と怪我のせいだ。

「あっ、言っとくけど秋季大会出ねえから」

「まぁ、俺らも予想はしてたけどよぉ。こんな早く決めちゃっていいのか?」

「今のうちにしっかり決めていればやりたいことが増えるし、無理に大会に出て調整ばかりに時間かけちまって基礎練習に時間を掛けられなきゃ意味ねーだろ。この大会で俺もかなり肩使っちまったしな」

基礎をしっかり行えば、打撃だって守備だって俺らはまだまだうまくなる。

聖の非力さとかも気になるし、友沢だってまだ安定はしてない。少し守備が荒い部分がある。

もちろんみんなも足りないところはたくさんある。

つか、投げすぎたかもなやっぱり。

俺は今大会、四試合投げて五百球を超える球数だった。

さらに帝王実業戦では百七十六球を投げて、さらに怪我した。

医者によると俺は登板前から肩に炎症を引き起こしてたらしい。さらに俺はあの試合でやられたからな。

しばらくはノースローで行こうと考えているのは俺だけかもしれない。

 

 

 

 

                     

 

 

 

 

 

 

―――――――帝王戦。

「友沢君がまさかそっちの高校に行くとは思ってなかったよ。ひじを壊してただの使いものにならなかったのにね!?」

「どうした?そんな友沢にすべての能力で上回れて嫉妬してんのか?」

「……貴様、俺を侮辱したな?」

「お前が侮辱したからだろーがよ。確かにお前は良い選手だが、友沢には及ばない」

「今に見てろ、貴様は俺の手のひらの上で転がっているんだ……」

「圧倒的戦力がバックについているからこそ言える台詞か?お前ら見たくこっちは余裕が無いのでね。ああ、心配するなよ?お前は五番だから必ず福屋さんを敬遠して回るだろうからな」

「……貴様!…まあ、いい…ククク、つぶしてやるよ……」

 

 

 

 

                     

 

 

 

 

 

 

まあ、こんな感じでやっちまったわけっすよ。はい。

ゲームの実況パワプロ野球シリーズで言えば、休憩コマンドをミスって変化球練習して複雑骨折みたいな感じだな。

三回裏でランナー二塁にいた際に、狭殺プレーでセカンドの蛇島の送球が思いっきり投げられて右肩に直撃し、肩に痛みを負ってしまった。

結局、次の回に六失点をして、もうはっきり言って投げられる状況じゃなかった。

まあ、俺が蛇島の言葉が癪に障って言っちまったのが原因だけどな。

帝 110 623 14   

聖 310 212 10x

まあ、コールド負けって感じかな。俺と友沢が二打点、猛田、聖、喜多村、峰田、真田、霧丘が一打点。

でも、やっぱり八回に出てきた山口から全く打てなかったのがきつい。

秋季からあいつが帝王のエースナンバーを背負う男だからな。

「来年の夏に仕返し決定だな。無論野球でな!よっしゃ、気合い入ってきたぜ!!!!」

「うむ。私もそれまでに鍛えておかなくてはな」

聖も最初は俺のことを色々心配して、私のせいだ、とかいろいろ言ってたけど今はそんなことは無い。

いつも通りだ。……ちょっと惜しかったけど。だって聖が俺と密着してたんだぜ。

だって、あんまり女耐性の俺に刺激強かった感じがするわ。

「ま、来年入ってくる一年の一人は決まってるし、後は投手がほしい」

「もうきまってんのか?」

「ああ、川瀬准。シニア出身の外野手。シニア界では”警察犬”って呼ばれてたらしい。ボールに対する嗅覚の良さと本能に任せたプレーでな。女だからな、ちなみに」

「女の子で警察犬ってなんかすごそうでやんすね……」

「あ、守備位置はセンターだから矢部君レギュラーから外すね」

「えっ!?」

「しょうがねーか。まあ、警察犬だしな。俺はそいつに打撃では負けねえ!」

「えっ!?」

「うむ、同意だ。嗅覚に優れた選手なら、打撃もなかなか良いかもしれないからな。センスが良いはずだ」

「えっ!?」

「まあ、矢部は打率も良いとは言えない。ここはそいつに任せるのが得策か」

「えっ!?」

「ってことでやベンチ確定でおっけー?」

「良くないでやんす!まだおいらはレギュラーでやんす!本気だすでやんす!」

嘘なんだけどね。でも、センターに置きたい気持ちはある……そうすると真田か矢部君なんだけど、どっちも微妙だよ。本当に。

だって、あいつを見る限りセンターがぴったりだしなぁ。

んまあ、競争心がついたところで良いとしようか。

後で猛田、聖、友沢はたぶんあやまるだろうしね。マジで言ってるかわかんないけど。

まあ、この夏からはしっかりと底上げだ!

筋力や基本的な体力などなど……etc。

みんなの成長が楽しみだ。聖名子先生も結構協力してくれていたし、本当にありがたかった。

今なんてルールブックを読破して、次は指導者用の本まで読み始めてんだぜ?すごい人だよ。

 

 

 

 

 

 

 

                     

 

 

 

 

 

―――――――――ある日の朝。

朝食を食べ終えて、テレビを見ながらゆっくりしていると電話がかかってきた。

プルルルル、プルルルル。ガチャ。

「はい。朱鷺です」

『修也!体調は大丈夫?』

「母さん。まあ、大丈夫だよ。そっちは今どこに居るの?」

『今はアメリカよ。父さんの事情でね。そっちはどう?聖ちゃんと同じ高校でしょ?うまくやってる?後、ベスト8だっけ?おめでとうね』

「まあ。甲子園目指してる身としてはまだまだだけどね」

『アメリカでやっとみつけたの。これで治療が開始できるわ』

「……本当か。それは良かったよ」

『ねえ。修也』

「何?」

『……三年後。つまり高校卒業と同時にアメリカに来てほしいの』

「父さんのことで?」

『そうよ。やっぱり離れ離れは駄目。家族は一緒に居るべきなの。まだあなたは大人じゃない。大丈夫よ。父の病が治ったら日本に戻れるわ。どうかしら?』

「……高校生活中はいいの?」

『何言ってんのよ。あなたが小さいころから夢見ていた舞台に上がれる可能性のある三年間は絶対に邪魔しないって言ったわ。どんな状況でも三年間は高校生活は甲子園目指しなさい。それがあなたが望んだ未来であり、夢なのだから』

母さんが電話越しに笑っているのがわかる。

俺がいつから甲子園に行きたいなんて思ってたのか忘れてしまった。

でも、覚えてくれている。

うちの両親は今家を空けている。

父が治療の難しい病気にかかっていて、それを探す為に外国を転々としている。

日本ではいまだ不明の病気。外国では成功例があまりなくて、さらには成功した後の経過を見ていかなければいけない病だった。

俺だってできるなら父さんの近くに居たいけど、母さんがくれた高校生活を無駄にするわけにはいかない。母さんも甲子園出場を願ってるから。

父は天才の野球人でもあった。

エースナンバーを付けて、甲子園へ五度出場した天才ピッチャー。

一年で背番号10をつけて、春の甲子園からはエースナンバーを付けて甲子園の地へとたった。

もう一人の父さんと同じ学年の背番号10のピッチャーと共に、ダブルエース呼ばれながら、甲子園ではその名を全国に知らしめた。その背番号10をつけた人は聖の父さんだった。

お互いに切磋琢磨して成長したダブルエース。

聖の父さんは昔では怪物と言われ、MAX150キロのストレートを投げて、大きくキレのあるカーブが武器だった。

俺の父さんは七色の変化球とも言われた超軟投派投手で昔では考えられない五球種の変化を操った。

スライダー、カーブ、フォーク、シンカー、シュート。

今はその高校は無いが、今でも甲子園の記録に残っている。

俺の父さんが残した伝説の十者連続三振とその後を投げた聖の父さんは七者連続三振を記録して、十九者連続三振記録は甲子園では大記録となっている。

余談だが、最後の大会で二人が失点したのは予選決勝の一点だけ。

もちろんその年は全国制覇。三連覇を記録して、高校野球界を二人とも去った。

無論、ドラフト会議には全球団がそれぞれ二人を指名。しかし、拒否。

理由は俺の父さんは肘の爆弾、聖の父さんは肩の爆弾。お互いに限界を感じたのだろう。

「もう少し考えさせてほしい。俺は今、野球だけにしか集中できてないから。考えられないんだ。アメリカに行くことなんてさ」

『うん、そう言うと思ったわ。じゃあ、執行猶予は高校生活の間まで。じゃあバイバイ』

「はいよ」

『後、父さんから伝言ね』

「?」

『そろそろ聖ちゃんを襲いにいっt』

「何言ってんだよ!父さん!聖は俺のことなんも想ってないって。しかも、俺もそういうことするつもりはない!」

『そうだと良いわね。まあ、あんたはそういう人だから。いつかはメールがきて、ずっと下のほうに行ってる間に刺されるのね』

「母さんも何言ってんの?」

『要するに噂の人と同じになりそうって言ってんの。あ、嘘よ。でも、そういうことにもそろそろ眼を向けても良いんじゃないかって。高校生活満喫しなさいよ』

「わあったよ。じゃあ、元気でね」

『ちなみに私もあんたが聖ちゃんのことを襲いに行っt(ryを期待してるわ。一緒に暮らしても良いのよ。両親が外国に行くとか、何てエロゲー?みたいな。じゃあね』

「本当に何言ってんだよ!……じゃあね」

アメリカかぁ。プロ野球は前に猪狩に勢いでつまらないっていっちゃったけど、父さんが夢にみてたからな。

でも、それはできないかもしれないと決まった以上、甲子園目指して頑張って行こう。

みんなと最高の想い出はつくりたいから。

なんか聖のこと言われ続けたからちょっと気にしちゃうじゃねーか!!

やっぱりみんなから見て可愛い容姿しているからな、聖は。

この学校でみずきちゃんと聖の可愛さを誰かが比べてたな。綺麗さでは吹奏楽部の部長が一番だけど。

「別に聖は関係ないだろって!!!!」

ったく、冗談というかいろいろと問題ありすぎだよな……うちの親は。

今頃俺が野球やってなかったら、「聖ちゃんが野球やってるんだからあんたもしなさい!」とか言いそうな感じがする。

まー、あれで父さんはさっき言ったとおりだし、母さんもスペック高いしな……。

陸上で全国出場してるし、八種で全国三位とか運動神経良すぎだろ。唯一、欠点があういう性格だからあんまり男が寄ってこなかったし、父さんとも馬が合ったっぽいよな。

「よっし、行くか!」

俺は家を出た。

それにしても投手がほしいななんて思っちゃったり。

 

 

 

 

 

 

 

                     

 

 

 

 

 

 

 

「みずき、おじいちゃんの許可が下りたの?」

「うん、大丈夫だって。でも、必ず甲子園へ行かなきゃいけなくなったけどね」

「そう、良かったわ」

と、これは姉妹仲良く会話しているではありませんか。

やっぱり、聖名子先生はなんだかんだでみずきちゃんとは仲良いのか。

「それで、なんでみずきちゃんが居るわけ?」

「なんか嫌そうに言うわね。えっと、単刀直入に言うと生徒会メンバーが野球部に入部します!」

「……ええええええええええええええええでやんす!!!」

「うるさいね矢部君。もちろん良いけど、今の時期に入部?」

「まあ色々あるのよこっちにも。ていうか、あんた!」

「なんだ?」

みずきちゃんは友沢の方を指さしている。

無論、友沢は話を聞いてないが。いつも音楽プレーヤーで音楽聞いてるよな。

「私と戦ったことがあるわよね!?なんで知らんぷりするのよ!」

「別に。興味がないからな」

「あのときは四打数四安打で完敗だったけど、今度は負けないわ!」

「友沢を知ってるってことはシニアでやってたんだ」

「ああ。こいつが俺が昔に戦ったことのある変則投手だ。左の 横手投げサイドスローの軟投派だったはずだ。俺らのチームとこいつのチームがふたつチームに別れて練習試合したんだ」

「ふん、まあいいわ。朱鷺君はいっても良いわよね?」

「大歓迎だよ。ちょうど投手がいなくて困ってたし。よろしくね」

「よろしくっ!」

んでんでんで、何しようかね。

特に決めてなかったんだけどな、まあこれでもしますか。

みずきちゃん以外の生徒会メンバー居ないけど、すすめておこうかな。

「んじゃあ、みずきちゃん。ちょっとこれお願いできる?」

「んー?なになに?……ほー」

「学校側で色々手配してもらいたいし、それより部費が結構きついからさ」

「おっけーおっけー。だってこういうの楽しいじゃん♪みんなも楽しいと思うよ♪」

「?」

矢部君が何のことかさっぱりっていってる感じで首をかしげてる。

みんな大好きだよな?こういうこと。

夏休みだし、高校生なんだからこういうことはやらないと損でしょーが。

「りょーかい。朱鷺君じゃあちょっと手配してくるから」

「よろー」

そう言ってみずきちゃんは部室を出ていく。

聖名子先生は手を振りながら、その様子を見ていた。

『今年の夏、合宿に行くぞ!!!!』

「「「「「えー!!!!???」」」」

友沢と聖と猛田以外のメンバーの声が部室に響いたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

                     

 

 

 

 

 

 

「それで今バスの中なんだけどさ……」

超フリーダムのバス内。確かにみんないるんだ。

だけどさ……。

「ふふふ、おいらの本格派投手は負けないでやんすよ……って打たれたでやんす!」

「へっへーん、あたしの四番ショートをなめないでくれる?パワーBだけど、ミートA、走力B、肩A、守備BでPH、AH持ちでセカンドも守れるスーパープレイヤー。矢部君、これで二点差よ?」

「こいつは敬遠でやんす。六番をしっかりと打ち取るでやんす」

「ふっふっふ。代打カモーン!」

「ここでチャンス5持ち選手でやんすか!?もうきついでやんす。負けるでやんす……」

「球種がSFFだけがだめなのよ。ほら、また打った」

「八対三……もう駄目でやんす」

パワプロかよ。しかも、みずきちゃんの選手ってなんか友沢に似てる感じがしてならない。

つか、SFFだけとか駄目投手じゃないの?矢部君。本格派っていってもパワプロとか160行けばいい方だし。みずきちゃん、相当やりこんでるんじゃ・・・。

小井田と猛田、友沢が一緒に会話してるし・・・。

要するに恋恋と一緒にバスで来ているわけだよ。合宿場に。

「亮君、何聞いてるの?」

「別に……俺の好みの曲だ」

「あっ、ホーミング娘!」

「ぷぷ、友沢そんなの聞いてんのかよ」

「おい!ちょっとやめろ!小井田、返せ」

「な~に?友沢、ホーミング娘なんて聞いてんの~?」

「く、橘。お前……」

「そんでさ、慶次聞いてくれよ。この前……」

「あ?めんどくせーな」

おいおい、猛田と小井田仲良さそうだな。

まあ、幼馴染だしな。色々と話したいのかね。

友沢がみずきちゃんとかに馬鹿にされてるというかからかわれているのは気にしない。

「革命ー」

「喜多村、甘いぜ。革命返しだ!」

「真田いっちまえ!」

「さらに革命返しー」

「うわあああああああああああ……」

「強くね?中里お前だ」

「んじゃあ、8切りして上がるわ」

「まじかよ……」

「霧丘……俺と勝負だな?」

「ふっ、真田……」

こいつらは大富豪か。

トランプはまあ、定番ちゃあ定番だな。つか、喜多村はなんか変なとこで凄いよな。

「お前ら遊びすぎだろ!?」

「まあまあ」

 

で、俺は早川、南の恋恋組と聖と話したりしている。

みずきちゃん以外の生徒会メンバーは固まって何か話しているようだ。

「最初みずきちゃんから聞いた時は驚いたよ」

「はは。朱鷺、今回良い条件だったからね。一緒にバス借りられたし、泊る場所も同じで良かった。試合もできるし、他のチームも集まってるんだよね?」

「まあ。できれば試合しまくってみんなに経験させたいね。後、俺はやりたかったことある」

「へー、何?」

「聖タチバナと恋恋の合同チームで試合だよ。友沢と南が二遊間組んだら?」

「……それは楽しそうだね」

「ふっふっふ…」

「ふっふっふ…」

「ね、ねえ二人とも何で笑ってるの?」

「大丈夫だよ、あおいちゃん。ただ、楽しいだろうな~って」

「朱鷺くんも何で?」

「おっと早川、これは楽しいことだからな。決して、南がいやらしいことを考えてたわけじゃないぞ。まあ、瓶底体型とは言ってたが」

「えっ、ちょ、と、朱鷺何言ってんの?」

「へぇ~?南君~?ボクが気にしてたことを言ったのかな?」

「あ、あおいちゃん、僕は言ってないよ!?ただ、朱鷺が勝手に……」

「そういう子にはお仕置きだよ~?ちょっとこっち来ようか?」

「あおいちゃん、目が怖い……!と、朱鷺、君は鬼なのか~!?」

おーおー、南が早川に連れられていくぜ。ありゃあ、早川は南のことがすきだな。

まあ、早川には幸せタイムを満喫させてあげよう。んで、ここに聖が隣に居るんだが窓側で寝ている。

「すぅすぅ……」

うーん、聖の寝顔可愛いな。

こう、いつもの表情とは正反対でいつも気持ちよさそうに寝ている。

やばい、撫でたい。母性心がくすぐられてきたわ。

あ、そうだみんなに聞きたいことあったんだ。

「みんな休日ってなにしてる?」

「畑仕事を手伝う」

「峰田の家は農家なのか?」

「まあ」

ふむふむ。

農家なのか……。というか、外見からは全く想像できないんだけど。

さわやか少年だし。

「遊ぶか家に籠る」

「遊び一択」

お前ら二人は予想してたわ。

真田と霧丘は他になんかしろ。

「勉強か遊ぶー」

喜多村真面目だな。

勉強するか?普通。順位どんぐらいなんか聞こうかな。

「無論、たまったアニメを見るか遊びにいくでやんす」

「親父の仕事の手伝いか家に居るぜ」

「弟と妹と遊ぶか家事する」

予想できたし、矢部君は置いといて、猛田は親父の手伝いか。

そういえば工務店だっけ?すげえな。

友沢は弟と妹と遊ぶのか。翔太くんとかと遊んでる友沢見てみてーわ。

「修也と遊ぶできないときは家の手伝いだ」

「聖はそうか……え!?」

いや、このメンバーでそういうこと言ったらまずいっしょ。

ほらだって、矢部君と霧丘が見てるし。

「朱鷺君、さっさと死ねでやんす」

「はぁ!?なんでだよ!」

「リア充は帰れ!俺らの敵だ!」

「らって誰だよ!」

「モテないやつらのことにきまってんだろ!言わせるな恥ずかしい!」

「別はずかしくも何ともねーだろ!」

ったく、こいつらは……。

別に俺が聖に何かしたわけじゃないんだから騒ぐなよ。

「まったく、朱鷺のせいであおいちゃんに怒られたじゃないか」

「いやいや、ごめんごめん。でも、早川はうれしかったんじゃないのか?」

「ボ、ボクは別に何とも思ってないもん。南くんのバカ」

「な、なんで怒ってるの?あおいちゃん」

「ふん!知らないもん!」

あー、これはすでに惚れられている証拠ですね。

南は幸せ者だな。こんな可愛い子に惚れられるだなんて。

ちょっとニヤけちゃうなこれ。

「なんで笑ってるの?朱鷺」

「別に何もないですよー。あ、そういえば早川とみずきちゃんって親友なんだね」

「うん。ボクとみずきは一緒のシニアでやってたから」

「んでも、この前にみずきちゃんと友沢が戦ったことあるっていってたけど?」

「あ、そのときは二チームに分けた時にみずきとボクが違うチームだったから。ちょうどそのときに友沢くんとみずきが当たったんだ」

「あ、この前二チームに分けたって言ったっけな。今回の合同もこの関係?」

「うん。実は相談されてたから」

なるほど。だから妙に仲良いなっと思ってたからさ。

しばらくするとバスは宿泊所に着いた。

さて、みんなで成長しないといけないな。合宿だし、楽しく行こう!

 

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