吾輩は利根である。カタパルトはまだ(整備して)ない 作:上新粉
ほんとはもっとペース上げられたらいいんですが、何分書ける時と書けない時の波が激しいので相変わらず不定期投稿になってしまいますが覚えていていただけるとありがたいです!
本編はこちら
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朝は鳳翔さんと対空演習をし、朝食後は夕食時まで一人で射撃演習や移動訓練を行う。
そして夕食後は就寝まで座学で使ったノートを開き復習する。
そんな日々が五日程経ったある日、明石から先日言っていた対抗演習を行うと連絡が入ったので俺は艤装をつけたまま波止場に待機していた。
「おまたせしました。今日は利根さんには彼女たちと演習してもらいます。」
明石の声が聞こえ後ろを振り向くと先の出撃の際共に出ていた同期とも言える彼女たちの姿があった。
「ほう、お主らとであったか。ということは三対二での対抗演習という事か?」
すると明石は俺の質問をしれっとした顔で否定した。
「いえ?三対一でやってもらいます。あ、勿論利根さんが一人ですよ?」
「「は……?」」
どうやらほかの四人も聞かされてなかったらしく五人揃ってぽかんとしていたが、先に我に返った長門が明石に異議を申し立てる。
「ちょっとまて明石。普通は三対二か戦艦である私が一人だろう?」
長門の異議を軽く流し明石は煽りぎみに続ける。
「そんなの利根さんが一番強いからに決まってるじゃないですか。あ、利根さんは対潜が出来ないからシオイちゃんは私と審判をやってね。」
「へっ?あ、はい!」
「ちょっ!?何を言っとるんじゃ明石っ!そんな訳無かろ……う。」
必死に訂正しようとするが時すでに遅く、明石の言葉は長門達を焚き付けるには十分な力を持っていたようだった。
「ふふふ……いいだろう。ビッグセブンの名に懸けてこの演習、完全勝利して見せよう!」
「そこまで言われて黙っていては艦娘の名折れです。いいでしょう、この勝負受けて立ちます!」
「このまま引き下がったら夕雲姉さんに会わせる顔がありません!いきますよ!」
そんな声高々に宣誓しなくても長門一人でも勝てる気がしないって……
「お、お手柔らかに頼む…………って聞いてないか。」
「あはは、それじゃあ四人とも位置についてください。」
明石め~、ヴェールヌイの時みたく地雷を踏まないように気を付けてたのに……。
なんてごちりながら開始位置へ向かう。
「こちら利根、開始位置へ到着したぞ。」
「こちら旗艦長門、開始位置へ到着した。」
「それじゃあ皆さん準備はよろしいですか?ルールはいつも通りどちらかの艦隊が全員轟沈判定になるか四時間経過した時点で演習終了となり、戦術的戦果率が高い艦隊の勝利となります。」
「大丈夫じゃ。」
「こちらも大丈夫だ。」
「それでは三回目の砲撃と共に始めてください!」
そして通信が切れた。
それにしても三対一なんて勝てる気が全くしてこないが……期待外れだなんて思われたくないし何としても完全敗北だけは免れたい!
そうこうしているうちに始まりを告げる三度目の砲撃が響く。
「考えても仕方あるまい。利根、出撃するぞ!」
気合いを入れ索敵を開始する。
今回気を付けなければならないのは相手に水上機を搭載した長門が居るという事だ。
浜風と巻雲は最大でも十六キロ位まで近づかなければ弾が届かないだろうが長門なら弾着観測しつつこちらの射程距離より遠くから狙い打てるという事だ。
「まだ練習不足が否めぬが使ってみるか……」
俺は電探を見てまだ相手が範囲内に居ないことを確認すると、弾を三式弾へと換装する。
そして最大戦速で進みつつ対空電探を見ていると前方十五キロ先に航空機を発見した。
「来たか……これを落とさねばこの後の戦いは更に厳しくなるであろう。」
そういってM500を両手で構え空を睨みつける。
ときおなじくして利根と相対する長門はこの後の展開を思案していた。
相手は五十キロ先から我々の動きを把握することができ、更に戦艦と同じ射程から砲撃し命中させたという実績を持っている。
弱点としては対潜能力が無いのと、奴の艤装の性質上対空が不得手だという事。あとは経験が浅いと言ったところか。
「負ける気など無いが……油断は出来んな。」
しかし、利根がここ数日対空強化を行っていた事を知らぬ長門は驚くべき知らせを聞かされる。
「こちらすいていいち、げきついされました!」
「こちらすいていに、げきついされました!」
「こちらすいていさん、げきついされました!」
「なんだとっ!?」
こんな短時間で三機とも落としただとっ!
動揺を押し殺すように大きく息を吐き浜風達に指示を出す。
「私の水偵が三機とも撃墜された。相手は此処から南へ八〇〇〇〇の所にいる。」
「この短時間で……恐らく三式弾を装備していたのでしょうか。」
浜風は相手の装備をそう推察した。
「ああ、間違いないだろう。だがこれで我々は一方的に相手の監視下に置かれる事になった。単横陣を組め、各自回避運動を取りつつ接敵を試みる!」
「「了解(です)!!」」
それから四十分後、彼女達の前に圧倒的な力が降りかかる。
「あれはっ!?全員全力回避!!」
遥か遠方より飛翔してくる砲弾を発見し長門は二人に回避指示を出す。
「当たりません……ってそんなっ!?」
「ひゃわぁ!?船尾にひきゃあっ!」
「くっ、被弾したか……。」
回避に専念するが次々と降り注ぐ砲弾の雨を前になす術も無く被弾していく。
「巻雲さん轟沈です!」
明石のアナウンスを聞きながら先ほど降り注いだ砲弾の精度に疑問を抱いていた。
「まさか…………いや、ありえないな。」
「巻雲は轟沈判定か……浜風はまだ小破だな?」
「はい、まだ戦えます。」
「ならば二手に分かれて攻めるぞ、私はこのまま直進し電探に捉え次第砲撃を開始するから浜風は東側から回り込み相手を側面を捉えたらそのまま砲撃を開始しろ、いいな?」
「了解!」
「よし、散開!!」
その掛け声を合図に二手に分かれ始める。
奴の砲撃はこちらへ飛んできている、どうやら上手くひきつけられているようだ。
あとは、出来る限り被害を減らしつつどれだけ近づけるかが肝だな。
しかし暫くすると途端に長門の方へ砲撃が飛んで来なくなった。
「しまった!速度の差で気づかれたか!」
しかし長門が気づいた時にはすでに遅し、直後明石より浜風轟沈のアナウンスが届いたのであった。
「くっ……私とした事が、あそこで気付けていれば……」
いや、今は後悔していても仕方ない。それよりも三対一で完全勝利されるなんて事だけは許されない……ビッグセブンとして……戦艦長門として!!
巡洋艦が遣って退けたのだ、この長門が出来ぬ道理など無い!
「おぉぉぉっ!全砲門、っ撃てぇ!」
電探に写らない二十キロ以上離れた場所から長門は利根が居るであろう方向へと轟音を響かせた。
が、その直後六発の砲弾が長門へと突き刺さる。
「なぁっ!?」
「長門さん轟沈により長門艦隊全員轟沈となりましたので利根さんの勝利です!」
ま、まさか勝てるなんて思ってもみなかったぜ。
どうやら長門達も予想外だったようで呆然と立ち尽くしている。
「ま、まあ勝敗は時の運ともいうしのう。次やったらどうなるか解らぬぞ?」
すると長門が険しい表情でこっちへどんどん近づいてくる。
「ななななんじゃ?どどどうしたのだ長門よ?」
長門は俺の前まで来ると俺の両肩をがっしりと掴み、そのまま俺に問いただした。
「利根、先ほどの演習での砲撃は全て計算して撃っているのか?」
「う、うむ……確かに計算しておるがそれがどうしたのだ?」
近いマジで怖い迫力が半端ない助けて下さい……
完全に恐怖に支配され動けないでいると不意に長門の手から解放されたので瞑っていた眼を開けると何故だか長門が愉快そうに笑っていた。
「クックックッ…………確かに明石の言うとおりだ。こんなもの我々では勝てるはずが無い。」
俺が長門が言ってる事が理解できずに呆然としていると突然夕張から連絡が入ってきた。
「利根さん!ヴェルが目を覚ましたわ。すぐに来て!」
「ほんとか!?わかった、今ゆくぞ!」
通話を切り俺は明石たちにヴェールヌイが目を覚ましたことを伝えた。
「今日は吾輩の為に時間を作ってくれてありがとう!すまないが吾輩はこれから向かう所があるので失礼させて頂く!」
「なに、気にするな。こちらもいい経験になった。」
「此方こそ、勉強させて頂きました。」
「お疲れ様ですぅっ!」
「確認したい事があるので後で工廠に来てくださいね!」
「うむ、承知した!」
そう言うや否やすぐさま医務室へと駆けて行った。
はい、やっちゃいましたね主人公無双……ヤリタクナイトカイッテイタノニ
まあ言い訳は色々あるんですがうっかりネタばらしをしてしまってもいけないので……
以後気を付けます!(無双しないとは言っていない)とだけ。
次回やっとヴェールヌイが出せる!(歓喜)
もう出したくて出したくてでも今かな?流石に早いなぁなんて自問自答しながら耐えてましたよw