吾輩は利根である。カタパルトはまだ(整備して)ない   作:上新粉

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艦これアンドロイド版が待ち遠しいですねぇ。
先行配信?もちろん外れました(泣)
まあブラウザ版でヴェールヌイを愛でながら気長にまつとしましょうか。


礼を言おう。筑摩の奴より、また強くなってしまったな。(フラグ)

 「はぁ………………はぁ…………ヴェル、ヴェールヌイ!!」

 

医務室まで全力疾走で駆けつけ、俺はそのままの勢いで扉を開くと三人の冷ややかな視線を一斉に浴びた。

 

「もう……いむしつではしずかにしてくださいっ!」

 

「す、すまぬ。」

 

医療妖精さんに注意され俺は頭を下げながら静かに扉を閉めるとベッドで横になっているヴェールヌイの元へと駆け寄った。

 

「よかった!無事であったのだな…………すまん。」

 

「不死鳥の名は伊達じゃないさ、ただ…………。」

 

そういって少し顔を赤くしながら布団で顔を覆い隠した。

何かあったのか……ってああっ!?すっかり忘れてたぁ!

まずい、思い出したら途端に顔が火照ってきた……

 

「ヴェル!あ、え……っとだな。あ……あの時はほ、ほんとうにすまんかったぁっ!!」

 

「…………い、いや……気にしてないさ……そ!それよりも私が眠っている間、利根さんの方は大丈夫だったかい?」

 

いつもの彼女からは考えられないくらい強引な話題の逸らし方をした。

しかし俺としてもこの話題をあまり引っ張って隣でニヤニヤしている夕張に後から弄られるのも癪なので咳払い一つしてからヴェールヌイの質問に答えた。

 

「うむ、皆のお陰で吾輩の方は順調であるぞ!」

 

俺がそう答えるとヴェールヌイは布団から顔を出し天井を仰ぎ息を漏らした。

 

「そっか、それはよかった。私が大破した事を利根さんがいつまでも引きずってしまうんじゃないかと心配だったんだ……」

 

「うっ……だ、大丈夫じゃ!」

 

夕張が言った通りだろみたいな顔でこちら見ている…………まあ確かにその通りだが無性に腹が立つ。

軽くチョップでもお見舞いしてやろうか……

 

「っとそうだ、夕張から聞いたよ。来月の大規模作戦に参加するんだって?」

 

俺は少しだけ構えていた右手を慌ててしまいつつ答える

 

「そ、そうじゃな!何故か知らぬがメンバーに入っておるようじゃ。」

 

「榛名さんが決めたのかな、あの人結構勘が鋭いからね。」

 

「うむ、その通りじゃが……」

 

俺は誰が決めたかをピタリと言い当てるヴェールヌイを見て君程ではないと心の中で一人頷いていた。

 

「しかし、吾輩なんかがそんな重要な作戦に参加しても良いのであろうか。」

 

榛名が推してくれるのは有難いけど…………練度五十にも満たない俺が行っても足手まといにしかならないんじゃないか…………

そんな俺の不安を察したヴェールヌイは俺にしゃがむように促し、言われたとおりにベッドの前にしゃがみ込むと彼女はゆっくりと俺の頭を撫で始めた。

 

「ヴェ、ヴェールヌイッ!?」

 

「利根さんなら大丈夫だよ、やればできる。今日までだって無理難題と思っていたことをこなしてきただろう?」

 

俺の頭を撫でたまま彼女は続ける。

 

「やれる限りやればいい、それでも出来ない事は私や皆で一緒にやればいいんだ。何も心配ない。」

 

「…………うむ。」

 

男として(体は女だが)の威厳を保つため、今にも決壊しそうな涙腺を必死に押し留めようと顔をくしゃくしゃにしながら、俺はなんとか一言だけ発することが出来た。

 

「……よし、どうやら明石さんが呼びに来たみたいだし泣き止んで行って来るといい。」

 

「な、ないでなどおらぬっ!!」

 

俺は必死に否定するが目や鼻から流れ出てるもののせいで説得力など皆無と化していた。

ヴェールヌイはそんな俺の言葉を軽く流しながらティッシュを差し出した。

 

「ああ、そうだね。さ、これで鼻をかんだ方が良い。」

 

俺はヴェールヌイから手渡されたティッシュを受け取り鼻をかむとすぐさま後ろを振り向いた。

 

「いやぁ、羨ましいですねぇ。」

 

そこには生暖かい眼差しを向ける明石と夕張が立っていた。

 

「ななななないてなどおらぬぞっ!!?」

 

「いえいえ、私たちは気になさらずに続きをどうぞ!」

 

「そうそう、もっとヴェルに甘えてて良いのよ?」

 

「………………あ、あ、ああぁぁあぁあぁあ!!」

 

 

 

 

 

 

 もうだめだ……おしまいだぁ。

 

「ま、まぁそういう時も必要だと思いますよ?」

 

「そうそう、誰だって甘えたくなるときはあるわよ!」

 

このまま消えてなくなってしまいたい……

 

「…………で、一体如何したのだ明石よ。」

 

「へっ?」

 

「……まさか吾輩の失態を見に来ただけではあるまい?」

 

それならば明石には少し後悔して貰わねばならないな…………ふふふふふ……

 

「も、もちろん利根さんに用が有って来たんですよ!?」

 

「用じゃと……?」

 

「はい、利根さんに良い知らせを持ってきたんです!」

 

そういうと明石は何やら設計図を広げて見せた。

 

「これはなんの設計図なのじゃ?」

 

「これはですねぇ……利根さんの二次改装用の設計図です!!」

 

「二次改装……?」

 

いや、さすがに気が早すぎないか明石よ。

幾らなんでもつい先日練度が三十過ぎたばかりなんだが……

 

「え……利根さんは今の練度はどれ位なんだい?」

 

ヴェールヌイは不思議そうに首をかしげた。

そうか、ヴェールヌイは俺の今の練度を知らなかったな。

 

「吾輩の今の練度はな三「七十です。」…………え?」

 

「…………ハラショー、流石に予想外だったね。」

 

いや、七十って……え?あの一戦でまた四十近くあがったの!?まさかぁ?

 

「そのまさかです。ですから改装可能練度みたいですので設計図をと。」

 

「心を読むでない!というかほんとにどうなっておるのだ吾輩の体は!?」

 

「きっと通信交換したから経験値が少し多めに貰えるのよ!」

 

夕張の言っている事は触れないで置くとしても流石にこれは上がりすぎだろう。

 

「明石よ、本当に原因は分からぬのか?」

 

「調べてはいるのですがさっぱりですねぇ……やっぱり通信交換じゃ……」

 

「お主まで言うでないっ!」

 

明石は頭を掻きながら困ったように笑っていた。

まあ、原因ははっきりしないが別に悪いことじゃないしいいか。

 

「まあよいか。明石よ、それではこれから改装を頼めるかの?」

 

「はいっ!その為に呼びに来ましたから。」

 

「うむ、たのむ。ではヴェールヌイ、吾輩はこれで失礼する。早く良くなるのだぞ?」

 

「ダー、利根さんの新しい姿を楽しみにしているよ。」

 

「利根さん!後で艤装みせてねっ!」

 

そのまま俺は明石に手を引かれ早足で工廠へと急いだ。

 

 

 

 

 

 三時間後、改装を終えた俺の手にはロマンの塊が握られていた。

 

「おおおおっ!?こ、これは……これはデザートイーグルではないか!!」

 

そう、俺の手にはしっかりとデザートイーグルが握られていたのであった。()()()()()

 

「やっぱり利根さんは知っているようですね。このデザートイーグルですが砲塔としては改装前と同じ五十口径の二十五・四センチ単装砲になります。ですが、前回と違い一つの弾倉につき一秒間隔で七発まで撃てますが、再装填の際弾倉を専用の装填場所にセットする必要があります。」

 

「ふむ、それだと前のように撃ち続けることは出来なさそうじゃの。」

 

「その点は問題ありません。専用の再装填装置が二つ付いてますので最大二十八連射できますから!」

 

このホルスターみたいなやつか……なるほど、マガジンが四つ持てるなら需要があるかはともかく巧くやれば前回より短い間隔で打ち続けられるな。

 

「ん?そういえばカタパルトはどうなったのじゃ?」

 

「……あれ?そういえばなくなってしまいましたねぇ。」

 

「え…………まぁ別に構わないのだが、まさか改装して無くなるとは。」

 

「まあ利根さんにはあまり必要ではなかったようですし砲撃戦に特化したんですよきっと。」

 

はぁ、結局改装しても魚雷は撃てないし俺は本当に巡洋艦なのか分からなくなってきたよ。

とここで俺はある重大な変化に気づいてしまった。

 

「なぁ明石…………吾輩の姿はどうなっておる?」

 

「利根さんの姿ですか?ご自分で確認すれば分かると思いますが……普通に改二の姿ですよ?」

 

ですよねぇ…………なんかいつも以上に足元が涼しいと思ったんだよ。唯一の救いは島風が穿いてるような下着を穿いていたって事かな。

 

「何でこの格好になるのだ…………」

 

「ほ、ほら!改装前の格好にすればいいだけですから。」

 

「それだぁ!ナイスアイデアだ明石よ!」

 

よっしゃあ!これで島パンを穿かなくて済む。

 

「ふう、流石にこんな格好では恥ずかしくて戦えぬからの。」

 

「まあお気持ちは分かりますが筑摩さんが聞いてたら大変ですよ?」

 

「そういえば筑摩もこの格好であったな。あ奴にも教えてやらね……ば……な。」

 

なぜか唐突に悪寒がはしった。たぶんこの格好だからだろう、早く着替えねば。

 

「私の格好がどうかしましたか?」

 

ななななにか聞こえた気がしたがきっと気のせいだろう。なにせ筑摩はさっき出撃したばっかりだし......

そう思い時計を確認すると筑摩が出撃してから三時間が経過していた…………あ、筑摩に会ったの俺の改装前だ。

 

「ちがっ、ち筑摩ぁ!いやそのそういうことでなくてだなその……」

 

俺は必死に弁明していると明石が申し訳なさそうに話しかけてきた。

 

「あの……筑摩さんもう行っちゃいましたよ。」

 

「え……あれ、もしかしてあんまり気にしてないとか?」

 

「ま、まあ……」

 

あからさまに目を逸らす明石に俺は言いようのない不安に襲われた。

というよりその不安は気のせいでもなんでもなかったことを今夜思い知ることになった。

 

 

 

 

 

 

 「の、のう筑摩よ……吾輩の下着がないのだがしらぬか?」

 

「あら利根さん。そこにあるではないですか、()()()()()()()()()。」

 

ま、まじで怒ってました?……ってもしかして!?

俺は不安を覚え制服を掛けてあるクローゼットを開けた。

 

「ち、ちくまさん?あの……私の予備の制服は……」

 

「改装前のは全て廃棄したわ。かわりに()()()()()である改装後の予備の制服を入れておいたの。喜んでもらえたかしら?」

 

「あ、あははは……ありがとうございます。」

 

「そんなに喜んで貰えて嬉しいわぁ。」

 

あは……は…………はぁ。

 

 




利根さん改二達成!!遂にデザートイーグルだせたぜ!
なんか、更に戦艦っぽくなってきたような......ダイジョウブ、ダイジョウブ。
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