吾輩は利根である。カタパルトはまだ(整備して)ない   作:上新粉

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皆様お待たせいたしました。
最近リアルで覚えることが多く脳内メモリが圧迫されて処理が遅くなってきました。
慣れてくれば処理が早くなると思うのでそれまではもう暫く投稿間隔が開いてしまう可能性が高いですが何卒ご理解いただけると幸いです。

それでは本編へどうぞ
↓   ↓   ↓


まだまだ!筑摩の奴には負けんぞ

翌朝、鳳翔さんとの訓練の為いつものように波止場へと向かっていた。

 

「うぅ……春とはいえこの格好は流石に冷えるのう。」

 

スカートはまだましだったがこれは…………なぁ。

腰から下がる暖簾のような布を弄りながら俺は溜め息をついていた。

 

「お早うございます利根さん。」

 

波止場には既に到着していた鳳翔さんが準備を始めていた。

 

「おはよう鳳翔さん。すまぬ、待たせてしまったようじゃの。」

 

「大丈夫です......ってあら、改装なされたのですね?おめでとうございます。」

 

「う、うむ。ありがとう......」

 

俺は頬を掻きながら自分が履いているスカート(?)を見る。

…………うん、やっぱりきっついわこれ。

 

「ふふ、その姿はお気に召しませんか?」

 

「うむ、実を言うと少々恥ずかしいがの…………だが筑摩も同じ格好で文句も言わずに出撃しておるのだ、吾輩も負けてはおれぬ!」

 

「いい心構えですね。」

 

ーー筑摩に全て取り替えられただけの癖によく言うのーー

 

うぐっ......いや、心構えは大事............でしょ?

 

ーー............はぁ......まあ吾輩にはどうでもよいがーー

 

ーーっとそうじゃ、吾輩は準備をせねばならぬのじゃ!ーー

 

ん、何の準備だ?

 

ーーふっふっふっ、今日は温泉旅行に行ってくるのじゃ!ーー

 

温泉かぁ……いいなぁ。

 

ーーしかも三泊四日なのじゃ!ーー

 

ほう……ん?旅費はどうすんだ、バイトでもしてるのか?

 

ーーもちろんお主の貯金から使っておる。ーー

 

なっ、一体どうやって!?

 

ーーお主の母上がカードと暗証番号が書かれた紙を渡してくれたのでのーー

 

ああ、そういえば親に貯金して貰っていた分があったな……

 

ーーまあこれは吾輩の給料代わりに使わせてもらっておるぞーー

 

うぅ……仕方ない…………か。

 

ーー早く戻って来ぬと吾輩が使い切ってしまうぞ?ーー

 

うぐぐ……戻る方法も分からないが……。

 

ーーふふ、所で先程から鳳翔がお主に話しかけておったが良いのか?ーー

 

……………あ。

利根に言われ前を見ると鳳翔さんが笑顔のままこっちを真っ直ぐ見つめていた。

 

「え、あ……すまぬ!少し考え事をしておって……な。」

 

「油断は、いけませんよ?」

 

とだけ言って鳳翔さんは海へ出て行った。

 

「……すまぬ。」

 

利根さん、気づいていたなら先に言って欲しかったんですが……

 

ーー吾輩が聞こえておるのだから聞こえてる筈であろう?ーー

 

そんなに広範囲に意識を向けられる人間じゃないんですよ……

 

ーーそうか、なら次からは気を付けるとしようーー

 

ーーまあがんばるがよい。ではなーー

 

おう…………はぁ、鳳翔さん怒ってたよなぁあれ……。

凹んでても仕方ない。終わった後にまた謝るとして……兎に角今は頑張ろう!

俺は気合を入れ直し演習へと臨んだ。

 

 

 

「時間ですね、お疲れ様でした。」

 

「はぁ……はぁ…………う、うむ。」

 

四時間が経過し鳳翔さんから通信が入った。

演習開始時に鳳翔さんから

 

「今回は回避行動も一緒に練習しましょうか」

 

と言われ四方八方から雷撃を撃ち込まれ何度か轟沈判定に持って行かれていたので実質二時間程の演習となった。

 

「鳳翔さん、先程は本当に済まなかった!」

 

俺は腰を直角に曲げて謝った。

 

「ふふ、別にお仕置きのつもりではありませんよ?」

 

「へ?そうなのか?」

 

鳳翔さんは優しく微笑みながら続けた。

 

「ええ、利根さんには聞こえて無かったようですが最初に言いましたし。」

 

「う……すまぬ。」

 

「気にしてませんよ。」

 

「今日の演習で知って頂きたかったのは回避と迎撃を同時に行うことの難しさ。」

 

「う、うむ。確かに上と下両方に気を使わなければならなかったな。」

 

「そうですね。もう一つは雷撃機の脅威。雷撃機は戦闘機や爆撃機より撃墜しやすい代わりに一撃必殺の破壊力を持っています。」

 

「確かに回避できない距離から魚雷を放たれてはどうにも出来んのう。」

 

「はい、ですから明日からは今日と同じ訓練を行いますので頑張って下さいね。」

 

「あ、明日からずっとなのか!?」

 

一か月しか無いとは言えまだ一日に一、二機しか落とせていないのに無理でしょ!?

 

「いえ、来週からは私と一対一で対抗演習を行ってもらいます。」

 

「鳳翔さんとか!?」

 

「ええ、判定は構いませんのでその二週間の中で私に一度でも勝利できれば合格ですね。」

 

ええと……普通なら巡洋艦対軽空母なら航空機さえ何とかして近づければ勝ちなんだが……

正直鳳翔さんが扱う航空機を見てると勝てる気がしない。

 

「う~むぅ……厳しいとかいう次元ではないのう……」

 

すると鳳翔さんは弱音をはく俺を優しく励ました。

 

「大丈夫ですよ、利根さんは筋が良いですから直ぐに達成してしまいますよ。」

 

「そ、そうかの…………うむ……ありがとう鳳翔さん。」

 

「いいえ、それでは明日からも頑張りましょうか。」

 

「うむっ!」

 

「ふふふ、良いお返事ですね。それではそろそろ失礼させて頂きますね。」

 

「ありがとう、明日もよろしく頼む!」

 

鳳翔さんは軽く会釈をするとそのまま去って行った。

 

「さて、と。」

 

俺は体を伸ばすとヴェールヌイに艤装を見せるために医務室へと向かった。

 

 

 

 

 

 「ヴェールヌイよ、これが昨日言っておった吾輩のぎ……そう……じゃ。」

 

医務室のドアを開けるとそこにはヴェールヌイ……と榛名が待っていた。

 

「やあ利根さん、いま榛名さんから作戦内容を聞いていた所なんだ。」

 

「利根さんどうもです!訓練の方はどのような感じですか?」

 

「う、うむ訓練の方はまあ、進めてはおるが……本当に吾輩だけ指示なしでよいのか?」

 

俺の質問に榛名はにこやかに答えた。

 

「はいっ!榛名はその方が良いと思いましたから!」

 

「あれ、利根さんに指示を出してないんだね?」

 

俺らの話を不思議に思ったヴェールヌイは榛名に問いかけた。

 

「はい、利根さんの艤装は他の皆様と勝手が違うので同じスケジュールにするより利根さん自身で考えた方が良いと思うんですっ!」

 

「なるほど、確かにその通りだと思うけど参加メンバーは納得しているのかい?」

 

「それが……」

 

榛名は少し困ったような顔をしながら答えた。

 

「意見が半々に分かれてしまいまして……」

 

「普通はそうなるさ。利根さんは着任してまだ三か月も経っていないんだから。」

 

俺もヴェールヌイや反対した艦娘達の意見が普通だと思うんだが……

ヴェールヌイは少し考えると一つ提案を出した。

 

「じゃあ今作戦の参加メンバーを集めて対抗演習をさせればいいんじゃないか?」

 

「それは名案ですっ!やりましょう。すぐ準備してきますね!」

 

すぐに出て行こうとする榛名をヴェールヌイが呼び止める。

 

「まった、演習は作戦開始一週間前にしよう。」

 

「一週間前……ですか?」

 

「ああ、利根さんはまだ改装直後だしそれに訓練中だ。だからそれ位まで待ってくれないか?」

 

「ですが、利根さんが参加するかによって作戦計画の変更を行わなければいけません。」

 

「それなら私が作戦計画書を二種類作成しておくよ。計画書があれば一週間で頭に叩き込む位わけないだろう?」

 

「……それならよろしいのですが。」

 

「じゃあ再来週に対抗演習を行うと伝えといてくれ。」

 

「はい!榛名にお任せをっ!」

 

俺は走り去る榛名を見送ると置かれてある丸椅子に腰を下ろし一息ついた。

 

「それが利根さんの新しい艤装かい?」

 

ヴェールヌイに言われて俺はここに来た理由を思い出しホルスターに掛けてあるデザートイーグルを取り出した。

 

「うむ、これが吾輩の艤装だな!」

 

「ほ~……これはまた夕張が見たら飛び上がりそうな単装砲だね。」

 

「確かにな、これも砲と言うにはいささか怪しい見た目じゃからの。」

 

そうだね、とヴェールヌイが頷いていたが不意に視線を落とし一点をみてため息を吐いた。

 

「それにしても……よくその恰好でいるね。」

 

ヴェールヌイ……そんな冷めた目で見ないでくれ。

 

「これには深い訳があるのだ……。」

 

俺は事の顛末を包み隠さず話した。

 

「…………と、いう訳なんだ。」

 

「そうか……。」

 

ヴェールヌイは顎に手を当て考えていたが暫くして俺に確認してきた。

 

「……その恰好で戦闘に支障は無いかい?」

 

「まぁ、確かに恥ずかしいけど戦闘中は気にすることは無いかの。」

 

そんな余裕も無いし。

 

「戦闘に支障が出ないなら慣れてくれないか?大規模作戦前にあまり波風は立てたくないんだ。」

 

「それは確かに一理あるな…………わかった。」

 

「よろしく頼むよ。対抗演習の件、覚えておいてね。」

 

「わかった、では吾輩はそろそろ行くとしよう。安静にしておるのだぞ?」

 

「ダスビダーニャ」

 

ヴェールヌイに別れを告げた俺は医務室を後にし食堂へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




文字数が減っていく!?
このままでは『最終話1000文字』なんてことに…………
なりませんしませんやらせませんので安心してください。


5月5日……カケナカッタヨ……

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