吾輩は利根である。カタパルトはまだ(整備して)ない   作:上新粉

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ロシア語を打ち間違えてしまっていたので修正しました。
パジャールスタ→お願いします
ニィエー ザ シタ→どういたしまして


こまめな修繕が勝利をもたらすのじゃ!

 特Ⅲ型駆逐艦四番艦 電《いなづま》

 

ヴェールヌイ(元の名は響である)の姉妹艦であり、俺の所に配属された初期艦である茶色のアップヘアーのような髪型のとても可愛らしい女の子だ。

最初の頃からとても世話になった艦娘であると同時に俺の押し間違いという馬鹿みたいなミスにより唯一轟沈させてしまった艦娘でもある。

その当時は後悔に苛まれ、俺は艦隊運営を続けることができなくなっていた。

だがたった一つの救いはまだ他の姉妹艦が所属していなかったことだった。

電に許して貰えるなんて考えてはいないが、後からくる姉妹達にこの悲しみを味あわせない為に新しく来てくれた彼女を育て、姉妹全員が笑い会える日を願い駄目人間ながらも頑張ってきた。

それが少しでも罪滅ぼしになればと、電が安心して見ていられるようにと!今まで続けてきたはずだった!

なのに……まさか……

 

 恐らくこれは彼女の傷口を深く抉る質問になるかもしれない。だが信じたくないんだ、自分の中でどんなに整理しようとも彼女から聞かなければ認めることなんて出来やしない。現実から目を背けてしまうだろう…………

俺は最後までその可能性を諦めたくなかったから。

俺は意を決して聞くことにした。

「…………なあヴェールヌイ。この鎮守府に電はいるか?」

ヴェールヌイは俯き、暫しの沈黙の後、ゆっくりと口を開いた。

「……………………電はいないよ……私が着任する前に轟沈してる…………。」

「グゥッ……ゥッ!……」

分かっていた筈の答えが。しかし、絶対に認めたくなかった答えが頭の中に響く。

 

ー結局全部自己満足で何一つ守れてねーじゃねーか!!ー

 

          ああそうだよ………………

 

ー何が苦しみを味あわせない為にだ!所詮自分が辛いから目を背けてただけだろ!ー

 

          そのとおりだよ!

 

ー姉妹全員が笑い会える日だと!?()()()()()()()すら奪ったのはてめぇだろうが!!ー

 

          わかってんだよっ!!

 

くそっ……くそっ!………………。

「すまない……」

俺はヴェールヌイに向かって頭を地面に叩きつける様に土下座をし、叫んだ。

「すまない!」

「司令官。」

「すまない!ヴェールヌイ!!」

「俺がもっとしっかりしていれば電が沈むことはなかったんだ!」

「俺が最低なクズ提督なばっかりにお前の妹は……いなづまは。」

「司令官……大丈夫だよ?」

「いいやダメだ!ヴェールヌイ、君たち姉妹艦は俺を絶対に許してはいけない!俺も君たちに許されてはいけないんだ!」

「…………そうか……分かった。」

そう言ってヴェールヌイは俺の前にしゃがみこみ大きく手を上げ、見上げる俺の頬めがけて勢い良く振り抜いた。

鞭で叩いた様な音と共に俺の身体は真横に吹き飛び廊下の壁に強く打ちつけられた。

ヴェールヌイはしゃがんだまま放ったビンタの反動で尻餅をついていたが、すぐに立ち上がり俺の方に近づき俺を抱きしめるようにして囁いた。

「司令官が許されたくないのなら私は許さない。だけど二つだけ約束してくれないか。」

「約束……?」

「まずひとつめ、無闇に自分の事を卑下しないでほしい。司令官はこの鎮守府の顔なんだ。だから、司令官が自分を卑下することはこの鎮守府に所属する全ての艦娘のことを悪く言っているのと同意義ということを覚えておいて欲しい。」

「お、俺はそういうつもりじゃ」

「つもりじゃなくてもこれは事実だ。いいね?」

「わ、わかった。」

「よし、そしたらふたつめだ。余り一人で背負い過ぎないで欲しい。こっちには私がいる、それに私じゃ力不足なら夕張もいるよ?」

「ええ!?わ。わたし?まー……今の所事情知ってるの私達しかいないからね~。ま、任せてよ!」

「それにそっちの世界にもきっと打ち明けられる人がいるはずだよ。素の自分を見せるのを怖がらないで?」

「ヴェールヌイ……夕張…………ありがとう」

「ニィエー ザ シタ」

そう言ってヴェールヌイは俺に微笑みかけてくれた。

「どういたしまして、って私はまだ何もしてないわよ?」

「そんなことないさ、ありがとう。」

「そ、そうかしら……」

照れくさそうに頬をかく夕張を一瞥しヴェールヌイは立ち上がり手を叩いた

 

 

 「さて……暫く立ち止まっていたからね、急ぎますか。」

「ああ、わかった。」

「ちょっとぉ、話し方直しなさいよ?」

「おっとぉ!?そうじゃったな!いかんいかん。」

危ない危ない……すっかり忘れてたぜ。つーか人は通ってなかったけどきかれてないよな?

「今の会話、誰かに聞かれて無ければいいのだが……」

「そのへんは問題ないわ!この艤装を介さず使える夕張印の小型電探で周囲の状況は確認済みよ!」

と夕張は得意げに答えてきた。

なるほど。流石は夕張、いつの間にそんなものを使っていたんだ……

 

 「ついたよ」

なんて感心していたら目的地についたようだ。

なにやら大きな入口に暖簾が掛かっていてお風呂屋さんみたいだ。

「ふむ、それで此処はどんな施設なのじゃ?」

「此処は入渠施設だよ。」

ヴェールヌイの答えに俺は期待に胸を膨らませていた。

「お風呂屋の様な入口の入渠施設!中はやはり風呂なんじゃな!?」

「………………そうだよ。中はお風呂になってるんだ。」

ヴェールヌイは俺に冷たい視線を送りながら答える……が!此処で行かなきゃ男じゃない!!

いざ!楽園への扉を開かん!!

「残念だね、今ドックは満員なんだ。」

ヴェールヌイの一言により俺の楽園は崩れ落ちた。

しかしまだ手はある!俺は今小破に満たない位のダメージを受けている。

ならば順番待ちというここに残る理由がある!!

「一体誰が入っておるのじゃ!?こまめな修繕が勝利をもたらすのじゃ!」

「はいはい、確認してきてあげるからそこで待ってなさい。」

と言って肩を竦めながら確認しに行ってくれたので暫く待っていると中から夕張が帰ってきた。

「どうじゃ!?すぐに空きそうか?」

「そうねぇ、後十時間待てば空くみたいよ?」

くぅ……これが大いなる意思の力とでも言うのか!?

「そうじゃ!高速修復剤を使えば良いのじゃ!」

()()()()。残念だけど司令官の指示なしでは高速修復剤は使えないんだ。」

くっ、仕方ない。いずれ嫌でも入ることになるだろうし今は退こう。

「うむ、そうじゃな……次の案内を頼む。」

「ダー。次はこっちだ、ついてきて。」

 

 

 そうして俺はヴェールヌイに案内してもらい執務室、作戦司令室、病室、艦娘寮(中には入らせて貰えなかった……)などを見学し、時間もいい頃合とのことで昼食を取ることになった。

最初は俺らと筑摩しか居ないのかと思ったが道中見覚えのある艦娘達と何度かすれ違ったので安心した。

丁度正午位に食堂についたので中はそれなりに混雑していた。

「さあて、飯の時間じゃ!」

定食は日替わりになっているらしくきょうは鯖の味噌煮定食であった。

他にもラーメンやカレー等の固定メニューも用意してあったが俺は定食を頼んだ。

暫くして自分の分の定食が出来上がったので受け取って先に料理を受け取って椅子に座っているヴェールヌイ達の方へ向かった。

「ちゃんと注文できたようだね。」

「当然じゃ、それくらいは吾輩だってできるぞ!」

「まぁそうよね!じゃあ食べましょうか!」

「「「いただきます。」」」

「んんぅ!美味なのじゃあ!」

青魚特有の臭みもなくこのしょっぱ過ぎず甘すぎない絶妙なさじ加減で作られた煮汁が中までしっかり染み込んだ鯖が口の中に広がっていく!

これなら一口でお椀一杯は行ける!

「でしょう?此処のはほんっと美味しんっだって!」

うむ、確かに夕張がこんなに推す理由もわかるな。他所の昼食は食べたことないが。

 

 そんなこんなで昼食に舌鼓を打っていると後ろから俺を呼ぶ声聞こえた。

「あら?あなた私達の鎮守府の利根さんじゃないわね。どうしたのかしら?」

振り向くと藍色のロングヘアーのセーラー服をきた少女こっちを見ていた。

「やぁ暁。彼女は色々あってうちで一人前になるまで預かる事になったんで鎮守府内を案内していたんだ。」

藍色ロングヘアーの少女、暁の質問にヴェールヌイは大まかに答えた。

「ふ~ん、そうなんだ。じゃあ自己紹介をしないとね!

暁型駆逐艦一番艦 暁よ!一人前のレディとして扱ってよね!」

「ならばこちらも名乗るのが礼儀じゃな!

吾輩は利根型重巡洋艦 利根じゃ!これからよろしく頼むぞ!」

そう言って俺は暁の頭に手を置き撫で始めた。

「もう!頭をナデナデしないでよ!レディだって言ったでしょ!」

「おお!スマンスマン、丁度いい位置に頭があったからつい!」

手を払われて怒られてしまったが可愛いのでよしとしよう。

「もう!暁の方がお姉さんなんだからね!」

そのまま暁はぷんすか言いながら食堂を出ていった。

…………暁と雷にも何時か伝えることが出来るだろうか。

 

「…………少し……羨ましいな。」

 

 

 昼食も終わり時刻は1300時

俺達は工廠へ来ていた。が、俺の予想していた場所とは違ったようだ。

「ん?てっきり吾輩が最初居た場所が工廠ではなかったのか?」

「あぁ!あっちは明石さん専用の工廠なんだ。」

「なるほど……ということは明石はこの状況をしっておるのか?」

「ああうん。流石に一人じゃあんな大掛かりなものは作れないわよ。」

二人なら出来るのかって気がするがまあいいか。

「じゃあ明石とも普通話せるのじゃな?」

「そういうことね。でもまぁ話し方は統一したほうが楽じゃないかしら?」

「それもそうじゃな。所でここでは何が出来るのだ?」

「そうだね、工廠ですることは開発、建造、解体、廃棄。この四つは基本的に秘書官が司令官の指示を受けて行うことだね。

後は出撃前に此処で艤装を装着してから出撃するんだ。」

「なるほどのう……スイッチの上に乗ったら自分の艤装が飛んできたりはしないのかぁ。」

「なんだいそれは、新手の拷問か何かかい?」

「うーん……その発想は面白いけど実用しようとしたら此処の鎮守府の百倍以上の資材は必要になりそうね。」

「冗談じゃ!冗談。今のままで充分じゃ!のう?ヴェールヌイ。」

確か最後の記憶だと各資材二万五千位だったはず……その百倍って…………そんなに資材を浪費する余裕はうちにはございません!!

「私や利根さんの艤装ならともかく航空戦艦の人たちの艤装が飛んでくるなんて考えたくもないね。」

「ん~やっぱり前途多難よねぇ。」

取り敢えずこれで一先ずは流れてくれるか、よかった。

「その話、興味深いですね!」

このタイミングで来たか!?

工廠の入口に突如現れた桃色の特殊な(名称不明)髪型と緑の瞳が特徴的な女性が先程から少し名前の上がっていた彼女だ。

 

「お待たせしました。工作艦 明石です!提督。その抜錨機構、完成させてみせます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい!出だしから続いた暗い展開に一区切りつきました!
いやぁ書き始めてみて改めて長期連載してる人の凄さを実感しましたね。
自分なんか何も考えず始めてしまったものですから取り敢えず話を広げなければと必死すぎてここいらなかったんじゃないかとか三話目にしてこの有様ですorz

それでもUAが増えていくのは嬉しくなりますし、お気に入りに登録してくださる方も
いらっしゃって本当にありがたい限りです!!

こんな拙い文章ですが、これからも頑張って行きますのでよろしくお願いします。

おまけ
本日のお風呂
翔鶴改  Lv95中破 13時間40分30秒
扶桑改二 Lv83大破 18時間10分30秒
大鳳改  Lv67大破 15時間10分30秒
山城改  Lv78中破 11時間33分50秒
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