吾輩は利根である。カタパルトはまだ(整備して)ない   作:上新粉

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演習か? 実戦か?

 「さあ提督!知っているそちらの知識を洗いざらい話してください!!遅くても年内には完成させてみせます!!」

そう言って明石が目を輝かせながら俺に詰め寄ってきた。

「テレビで見ただけじゃ!詳しくは知らんからさっきの話は忘れてくれ!!」

「いいんです何でも!そちらの世界のことは私たちにとって全て未知なんですから。提督の知っていることが私の発明につながるんです!」

そう言って肩をがっしりと掴まれ身動きが取れなくなってしまった。あと顔が近いです。

「ヴェールヌイ~助けてくれ~……」

俺の力では逃れられないのでヴェールヌイに助けを求めると頷いて助けに入ってくれた。

「明石さん、その話は後で時間を作っておくから、今は利根さんの艤装の準備をお願いできるかい?」

そう言うと明石は思い出したように手を離した。

「あ、そうですね!失礼しました。ではこの話は一体置いておくとして艤装の準備をしますのでついてきてください。」

俺は明石について行き工廠の奥の扉へと入っていった。

 

 

 「おおー!すごいのじゃあ!?一杯あるのじゃ!」

多種多様の艤装が艦種ごとに列なって棚の上に綺麗に並べられていた。

「そりゃそうですよ。ここにはいま待機している艦娘の全ての艤装が保管されているんですから。あ、重巡利根の艤装は今持ってきますね。」

そう言って明石は艤装の棚のとは別の籠に艤装が積んであるところに向かっていった。

「ん?重巡の所に置いてあるんじゃないのか?」

俺は疑問をヴェールヌイに呟いた。

「本来は建造や修理したあとは工廠妖精たちがこっちの棚に並べているんだけどね、今回は建造でもドロップでもないから艤装がないんだよ。」

とヴェールヌイが答え、それに続く様に夕張が話し出す。

「だから、建造で被った利根さんの艤装を代わりに装着してもらうの。」

「なるほどのぅ。」

つまりあそこは使わない艤装を解体や改修に使うために置いてある場所ということか。

なんて二人と話していると明石が艤装を持って戻ってきた。

「お待たせしました。こちらが重巡利根の艤装です!早速装着してみましょうか。」

「うむ、りょうかいじゃ!」

うん、他の艦よりつけるものは少ないけど思ったより重いぞ。まぁ、軍艦の艤装だし本来の百分の一以下だとしても元の体だったら持てないものだしな。

それに練度が上がればきっと軽く動かせるはずだろう。

「大丈夫かい?」

艤装の準備を終えたヴェールヌイと夕張が戻ってきた。

「う、うむ!少し重いが大丈夫じゃ。」

ヴェールヌイが心配そうに見ているがここでダメなようじゃ戦闘なんて出来ないしな。

「まあ経験を積めば慣れてくるでしょ!」

とか夕張も行っているし大丈夫だろ。

「じゃあ私は仕事に戻りますので艤装に不調があれば仰ってください。それじゃあヴェールヌイ、例の件お願いね!」

「スパスィーバ。例の件は後ほど連絡させてもらうよ。」

「明石さん!私もそのときご一緒させてもらってもいいですか!?」

「もちろん!夕張の方の調整も頼める?」

「ダー、やっておくさ。」

「ありがと!それでは提督……いえ、頑張ってきて下さいね利根さん!」

「うむ!助かったぞ明石よ!では吾輩達も行こうか。」

そうして俺たちは波止場へと向かった。

 

 

 

 「ここが波止場だ。早速海へ出てみよう、話はそれからだ。」

というとヴェールヌイは海へと飛び降りた。

波止場と海面には少し高低差がありヴェールヌイが着水すると同時に水しぶきをあげ、海上へと降り立った。

夕張もヴェールヌイに続き水しぶきを上げながら海面へ降り立った後こっちを向いて俺のことを呼んでいた。

「ほらほら、利根さんも早くきなよ。大丈夫だって!」

海上に立つ二人を見ながら不安に煽られながらも俺は意を決して飛び込んだ。

「利根、出撃するぞ!とぉーりゃぁーあぁーーーゴボォガボォゴボボボッ!?!?」

息が出来ない!?目も鼻も痛い!?もがいてももがいても一向に上に上がっている気配がしない!そもそもテンパリすぎてどっちが上かすら分からない!!

やばいやばいまずいまずい沈む沈むしずむしずむシズムシ…………ズ……ム………………………………ゴ……メ……ン

 

 

 

    目の前が真っ暗になった……

 

 

 

 ここは一体どこだろう……俺は確か溺れて……

あれは…………ヴェールヌイ?何かを探しているようだが…

「おーいヴェールヌイよ。此処は一体どこなのだ?」

あれ、声が戻ってる、と云うより姿が利根じゃなくなってる!?

一体何がどうなっているのかさっぱりだが取り敢えずヴェールヌイの方へ行こうか。

「どうしたんだ、何か探しものか?」

近づいてから声を掛けるとようやく気づいたようでこっちへと駆け寄ってきた。

「……………………」

ヴェールヌイは何も言わず下を指さしてこっちを見ている。

「下に何かあるのか?」

俺は下を見てみるが何も見えないので前を向くとヴェールヌイは首を横に振っていた。

「……………………」

こっちを見ながらしきりに下を指さす姿は可愛いからいいのだけど何をして欲しいのかがさっぱりなのでここがどこかを確認する為歩き出そうとした。

「………………!」

ら、思いっきり足払いをされ俺は為す術も無く地面に叩きつけられた。

「いった……くないけどいきなり何すんむっ!?」

起き上がろうとする俺の頭を突然両手で押さえて彼女は自分の唇を俺の唇に押しつけてきた。

 

 

 

 

 

 

 俺は唐突に感覚が戻ったことを感じ夢を見ていたことを実感した。

ああ、今でも思い出せるぷにぷにしてて暖かい唇の感触!そうそうこんな感……じ?

目を開けるとそこは先程の夢の中だった…………じゃなくて!?ヴェールヌイが俺にキスしてるだと!?

「むっ!?むーむむぅっ!?ごほっ……ごほっ……!」

「ん……ぷはぁっ……あ………よか………った!…………ごめ……ん……ひっく…………ごめん…………なさい…………」

え?えっとぉ……何か謝られるようなことされたっけ?確かに足払いされたけどそれは夢の中の話だし……

「私が……ちゃ……んと…………ひっく………………可能性を…………かん……がえて……いれ……ば…………ひっく…………」

う~ん……本来ならヴェールヌイとキス出来たことに感謝したいがそういうわけにもいかんよなぁ。

「う~む……吾輩は結局どうなったんじゃ?夕張よ、吾輩が溺れたあとの事を教えてくれぬか?」

「そうねぇ、どうして浮けなっかたかは現状じゃわからないけど……たまたま鎮守府近海の哨戒任務から帰ってきてたシオイちゃんが助けてくれたの。」

「はじめまして!伊400型潜水艦二番艦 伊401です。シオイってよんでね!」

「吾輩は利根じゃ!おかげでたすかった、ありがたく思うぞ!」

俺は助けてくれたという茶髪でポニーテールのスク水少女。シオイにお礼を言うと、泣きじゃくるヴェールヌイを撫で始めた。

「ヴェールヌイよ、艦娘が艤装をつけても海上立てなかったなんてこと無かったのだろう?」

「でも…………通常とは……違う……って……わかって……いた……はず……なんだ……。」

「うむ、そうじゃな。だが、それは他の人も分かっていたはずじゃ。夕張も、明石も、勿論吾輩も普通じゃないとは分かっていた。だが誰もこうなるとは思ってなかったはずじゃ。分かっていたら誰かしら言っておると思うしの。」 

「だから………ひっく…………私が……気づくべき…………だったんだ……」

「どうしてじゃ?」

「どうしてって…………」

「別にお主が体験したわけでも誰かからこうなることがあると聞いた訳でもないだろう。」

「そう…………だけど……」

「ならば気に病む必要はない!これは想定外でありイレギュラーな出来事だったということじゃ!分かったか?」

「………………」

「それに可愛い嫁さんに目覚めのチューで起こされるなんて向こうにいたら一生出来ない様な体験をしたのだ。もう一度溺れてもお釣りが来るくらいじゃろう!」

「な!…………………………バカ。」

ヴェールヌイは先程していたことを思い出し顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。

やっぱ可愛いなぁ…………!

「それにしても私海面に立てない水上艦なんて初めて見ました~!なんかワケありなんですね~?」

ずっと傍観していたシオイがにやにやしながらこちらに話しかけてきた。

あー……そりゃ聞いてたよなぁ……下手にごまかしても良からぬ誤解を招きそうだし……

落ち着きを取り戻したヴェールヌイに目で確認をとってから俺は説明することにした。

「シオイよ、吾輩の情報は誰にも言わない事を約束してくれぬか?」

「あれ?もしかして私かなり大変なことに関わっちゃってますー?」

「うむ、そうじゃな。今ならまだ今日の事を他言無用程度で済むぞ?」

「う~…………わっかりました!シオイ、誰にも言わないことを約束します!」

「よしわかった、シオイの事を信じよう。夕張、周辺の確認たのむ。」

「りょうか~い。まっかせなさい!」

そう言いながら夕張は電探を起動させた。

「あれ?利根さん何か雰囲気変わってます~?」

「いや、雰囲気と云うより喋り方を戻したんだ、ってまあいいか……改めて自己紹介しよう。俺は利根川生永。訳あって利根と身体が入れ替わっているが別の世界からこの鎮守府の提督をやらしてもらっていたんだ。わかってくれたか?」

「利根川…………って利根川提督なんですか!?え?なんで!?どうゆうことですかー!?」

まあ、普通こうなるか…………だがこれで理解してもらうしかあるまい。

俺の言葉にヴェールヌイが続ける。

「司令官と利根さんを入れ替える装置を夕張に明石さんと一緒に作って貰ったんだ。」

「夕張さんと明石さんがですか!それなら納得です!」

一瞬で納得しちゃったよ……いろんな意味で夕張と明石の信頼すげーな……

「というわけなのじゃ。わかってくれたか?」

「はい!わっかりました!あ、それなら私も何か手伝いましょうか?」

「ふむ、それは助かるぞ!対策は考えるがまた溺れそうになるかもしれんからの、そのときはすぐに引き上げてくれないか?」

「お任せ下さい!シオイ、張り切っちゃいますね!」

うん、これならヴェールヌイ達に心配掛けなくてすむだろう。

「取り敢えず明石の所に戻るぞ。何かわかるかもしれんからな!」

「そうだね」「それがいいわね!」「わかりました!」

全員の賛同を得て俺達は工廠へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やっと書き上がりましたよ。眠い……無理に今日挙げなくてもよかったかもしれない…………
ってかもう4時前だし今日がいつだかわからない!

連日投稿したかったけどちょっと厳しそうなんで毎日書きますが投稿は不定期になりそうですOTZ
後自分は国語力が無いので余りにもおかしな文法などがあれば報告して頂けるととても有難いです。

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