「どうしてこうなった」
いつもどうり週二回の講義に常盤台に来ていたが教室に入ったとたん生徒何人かが倒れたり、気絶しているものも出ていた。
「これじゃ進まられないな、てかこの時期から進路の先を決めるか」
そのプリントにはこの学校から進む高校が書かれれていた。それにはスポーツの名門校や能力開発に力を入れている高校があった。ご丁寧に合格率や内部資料まで記載されており、自分の高校との差を感じていた。
「とりあえず配っておかないと始められそうにないな。その時、1人ずつ起こすか」
上条は一枚ずつ机に配っていき全員に配り終わった後、起こしに行くが誰1人起きず、何とか正気を保ち起きていた生徒も上条が熱が出ているんじゃないかと勘違いし、近づいて額に触れていたので余計に倒れる人が続出した。
「これは、やるのは無理そうだな。これは今日までじゃないしまあいいか」
それからすぐにチャイムが鳴り、倒れていた生徒も起きたので軽く挨拶をして出て行った。その時、廊下で上条とすれ違った生徒が何人も鼻血を出したり、顔を真っ赤にしながらチラチラと見て来ていた。
「はぁまた、さっきみたいにならないといいな」
「ちょなんでメガネ掛けてるのよ!」
「なんでって言われても視力が落ちたからに決まってるだろ。とりあえず座れ、食峰は落ち着いて座ってるぞ」
「わかっわよ・・」
「と言っても特にやることはないだけどな」
その言葉に御坂は
「じゃあ、上条さんに質問があるんですねけど。先週あった卒業式の日ってここに居ましたよね?」
「・・・なんで知ってる。あ、近くにいた白井記憶を見たのかよ」
「正解〜、結構カッコよかったですよ上条さん♪」
「やめてくれその言い方はあと御坂、電気漏れてるから抑えてくれ。みんなに迷惑だぞ」
「相変わらずあんたは厄介ごとに巻き込まれてるのね」
「避けたいのにどうしても寄ってくるんだよ俺の場合はな」
「じゃあ、あの日の揺れが収まったのは上条さんがやったんですか?」
「え、その後大怪我をして病院に行ったっていう噂もそうなんですか?」
それから何分か質問され続けていたが、はぐらかしながら答え授業が終わるまで時間を引き延ばしていた。その後は普通に授業が行われ気がついた時には放課後になっていた。ほとんどの生徒は部活や派閥に行っている中、上条は1人帰り支度をしていた。
「これで終わったし、早く帰るか。巡回前に一回帰ってゆっくり出来る時間はあるし、何処かで食べてこうかな」
「上条さん、このあとって時間空いてたら一緒に食事しませんか?」
「そんなに長くはいられないけど、それでもいいか?」
「もちろん大丈夫なんだぞ」
荷物をまとめ終わり職員室の入り口で待っていた食峰と一緒に出て行った。その後の職員室では人をあまり信じられないはずの食峰が上条に心を開いてることに驚いている話が飛び交っていた。
その頃、中庭では御坂と白井の2人はたたずんでいたが、表情は強張っていた
「大丈夫?さっきからずっとため息ついてるけど」
「いえ、先日の騒動で自分の実力の無さを感じたんですの」
「それは私も感じたことよ。軽くあしらわれてそのあとビルの中に叩き込まれたわ。落雷も電撃の槍だって効かなかったし、ただ遊ばれてるだけだったわ」
「おーい御坂どうしたんだ?元気がないぞ〜」
「舞花、あんたはもう少し敬語を使ったらどうなのよ」
「そこは気にするな〜。それと落ち込んでるくらいなら飯でも食べたらどうだ?」
「そうね、確かにくよくよしてもしょうがないし。ほら、黒子行くわよ」
「はいですの!お姉様の為ならどこまでもついて行きます」
「やっぱり白井は御坂のやことが好きなんだな〜」
「もう少し場所を考えて欲しいんだけど、それは難しい気がするわね」
その時、急に爆炎が上がり悲鳴が至る所から出ていた。
「向こう側って学舎の園の方じゃない!行くわよ黒子」
すぐに御坂は白井の瞬間移動で動いていた。その様子を見ていた舞花は見送るように白井が飛んで行った方向に手を振っていた。それから1分後に現場に到着したがそこには真っ二つに引き裂かれた黒いバン、破壊されたゲートと怪しげな装置を付けた男が4人倒れていた。至る所にひびがはいり、焦げた跡も残っていた。
「とりあえず終わってるみたいね。誰がやったのかはわからないけど、一体これはなんなのよ」
「普通の音楽ソフトにしか見えないですね、こっちも同じような物を付けていてますの」
「ちょっと黒子、これ前に見たことない?」
「え、これはキャシティダウン?なんでこんな物がここに、今は少年院や刑務所にしか無いはずですの」
「これは随分と乱暴に壊したものね、コードから機材まで全部壊してあるわよ。一体どこ誰がやったのか見てみたいわね」
「クシュン!誰か噂してるのか?にしてもまさか至近距離でミサイルを撃ち込まれるなんて思わなかったな。服が少し焦げちまったよ」
「普通なら生きてるはずは無いんですよ上条さん」
「と言われてもな、瞬間移動が出来るやつを3人も相手にいてたら注意が向かなかったんだよ」
「でもその攻撃は全部避けてたじゃないですか。あれぐらい避けられたんじゃないですか?」
「確かに避けられたけど、もし避けてたらお前に当たってたかも知れないぞ。それに生徒を守るのが教師の役目だしな。まあ、仮のだけどな」
「それって私の事?」
「お前以外誰がいるんだ?」
「ふふっ・・・そう言う所は変わってないのね」
「ん、何か言ったか?」
「なんでも無いわ、じゃあお会計よろしくお願いします♪」
「お、おい。ったくわがままなやつだな」
愚痴をこぼしながらも伝票を持ちレジに向かった。支払いを済ませ店を出ると、何人もの女子生徒が集まっていた。そのほとんどが上条目当てで集まってきていたが当の本人はそれに全く気づいておらず、前を通り過ぎていき食峰元まで歩いた。
「あの時は慌ててたから、見てないけど結構面白い店があるな」
「世界中でも有名な店が入ってるからね。でも値段は本店よりも低いわよ〜」
「これで低いのかよ、ここにいるやつの金銭感覚は一体どうなってるんだ」
「どこも有名なお嬢様学校なのよ、しかもほとんどの生徒の親だって大体が社長だからよ」
「俺たちからしたら羨ましいな」
「今のあなたが同じことを言えるようには思えないんだけどね〜。まあ、急に私達と同じところまで来たならわからなくないけど」
「まあな。あ、久しぶりにケーキでも買っていこうかな。ここなら専門店が多くありそうだし」
「それなら向こうに行きつけの店があるだけど行く?」
「ああ、案内してくれないか?」
「了解なんだぞ」
食峰に案内され数分歩いた場所にあったケーキ屋にはいっていた。
「へ〜美味しそうだな。これはどれにするか悩むな」
「私はここのエクレアが好きなんだけど、イチゴのショートケーキも気に入ってるのよ」
「ん〜ちょっと待ててくれ。いくつ買っておくか聞いてみるから」
上条は一旦店を出てから電話を掛けていた。電話相手は居候の浦上だった、偶々部屋には打ち合わせで来ていた吹寄、姫神とアリサそして非番なのかシャットアウラも来ていた。
「オティヌスと芹亜を入れて合計8人か、そろそろ行かないと時間的にきついしさっと選ぶか」
「すいません、エクレア2つと店員さんオススメを8個お願いします」
店員の女性は一瞬動揺したが、すぐにいつもどうりの愛想笑いを浮かべ、箱詰めにしていた。上条は会計を済ませ、商品を受け取っていた。
「そうやって選ぶ人は初めて見たわね、あらもう行くの?」
「まあ時間も迫ってきてるしな。あと、食峰これは案内してくれたお礼だ」
そう言って差し出したのはついさっき買っていた、エクレアだった。食峰が受かったのを確認すると上条は店から退出しており、もう見えなくなっていた。
「お礼ならもう少し心に残るものにして欲しかったわ」
「なかなか気遣いのできる彼氏さんですね」
「ち、違うわよ!あの人の事は好きだけど、そんな関係じゃないわ」
「ふふっ、彼の前だと素直に慣れないんですね」
「ん〜もう、からかわないで欲しいんだぞ」
口では言ってそういるが内心では少し喜んでいた食峰は外には設置されていたベンチに座りもらったエクレアを美味しそうにほうばっていた。
その頃、上条宅では遊びに来ていたアリサ達はリビングのソファーに座りくつろいでいた。
「もう少しで着くみたいだって」
「男子禁制のあの場所になんでおのバカが入れるのか私には理解できないだが」
「・・上条君のことだから、フラグ立てた子にでも招待されたんじゃないの?」
その発言にその場にいた全員が同時に頷いた。
「私もフラグ立てられたんだけどね」
アリサはまた頬が緩みにやけていた。その理由が分かっている人はその気持ちに同情しているが、それを知らないシャットアウラは1人で首を傾げていた。
「なあ、なんでアリサはあんなになってるんだ?」
「多分これを見たせいだと思う」
「ぶっ!ちょこれはきつい」
姫神が見せたのは、上条が復帰して来たばかりの日に携帯で撮った写真だった。一度見た事のある姫神はそこまで反応しないが初めて見るシャットアウラには中々刺激的なものだった。その時タイミング良く上条が帰ってきてしまった。
「ふー疲れた。やっぱりあの中に入るのはやめた方がよかった」
「おーもう帰ってきたか、随分と早かったけど」
「いつもの不幸がないように屋根の上を走ってきたからな。まあ、それはいいとしてほらお土産だ」
「ありがとうなんだけど。で、この後はまた巡回か」
「まあな、少しはゆっくり出来るからそれまでは休んで行くよ」
「学生のスケジュールとは思えないんだけど」
「それは自分でもわかってるから言わないでくれ」
リビングに向かい、アリサ達が座っているソファーの前にあるテーブルにお土産の入った箱を置き自室に戻ろうとしていた。
「あの上条君、これ食べてもいいの?」
「食べていいぞ、全員分買ってきたしな。ん、シャットアウラどうしたんだ顔が赤いし、手が震えてるぞ」
「い、いや気にするな」
その顔はこれでもかと言うほど赤くなっており、誰が見ても大丈夫には見えなかった。
「本当に大丈夫か?かなり熱が出てるぞ」
上条はシャットアウラが熱だと勘違いし、額に触れていた。そのせいか余計に赤くなり目の焦点が合わなくなるほどパニック状態になったいたが、そこに救いの手が出された。
「時間は大丈夫なのか、そろそろ行った方がいいと思うんだけど」
気が付くと集合の30分になっており、時間的に少しきつくなっていた。すぐに自室に戻り着替えた上条は慌てた様子でそのまま出て行った。
「・・あの距離で見つめられるのは・・きつい」
疲れたようにぐったりと座りこみ休んでいた。
「と言うか何故あいつはメガネなんか掛けてるんだ、まさかファッションに目覚めた訳じゃないよな」
「違うよ、あれは少し前に私達を守ってくれた時に怪我をして視力が落ちなから掛けてるんだよ」
「本当大丈夫なのかそれは?」
「当麻君が言うには1ヶ月くらいで治るって。それまではメガネを掛けておかないとほとんど見えないらしい」
「・・はぁ人助けをする癖はいいが、もう少し自分の体を大切にしたらどうなんだあいつは」
そんな事を話していると偶然つけていたテレビにLIVE中継のニュースが流れていた。
「学舎の園に車両で侵入するなんて正気の沙汰とは思えないわね。記憶が正しければ一番警備が強化されてるはずたけど」
「場所によっては薄いところもあるんじゃない?ここだってゲートがあるだけで、あとは女性の警備員が監視してるだけだもん」
「大体、あそこに侵入してなんの得がある。入った所で高位能力者達にボロ雑巾のようにされるしか無いと思うが」
「まあ、彼らなりの計画でもあったんじゃないか?あのサウンド装置は対能力者用の物だ。人によってはAIMジャマーと言うやつもいるな、その音を聞いた能力者は頭に激痛がはしって能力を使えなくなる代物だ」
「なるほど、それは無謀な突入をする訳だ。あそこは能力者しかいし使いようによってはあの場所にいる人間を人質に取るなんてことも出来るしな」
「それでも、機能しなければただの鉄の塊でしかないけど。まあ、AIMジャマーが動いている状態で大型車を縦に引き裂いて、武装した人間を倒すなんて荒技を出来るのは私の知ってる中で1人くらいしかいないけど」
「あいつか。まあ、やりかねないけどってアリサ!お前人のデザートに手を出すな」
「え、シャットアウラちゃん食べないんでしょ?」
「こんな所で食い意地を張るな。我慢しろ」
「そう言うあなたももう食べ終わってるから何も言えない気がするし、目の前で人が話してるのに食べてるのはまずいと思う」
その言葉にきれてしまったシャットアウラが暴走しかけたが、全員で慌てて押さえつけ落ち着かせていた。
丁度その頃、上条は学舎の園で修繕作業に参加しており、主には破損した備品の回収をしていた。普通なら入れないはずだが、今回特別に許可が下り男性の警備員を中で作業をしている。
「はぁ今更だけど襲撃して来たやつらもう少し大人しくして欲しかったな。つーか大型車で突っ込んでくるなよ、ゲートの取り替えと廃車の運び出しは俺達がやらなきゃいけないんだぞ」
「我慢しろ、現場検証までやらないだけまだいいと思った方がいいぞ。それにしてもまた変な事件が起こったな、この資料を見てみろ」
「あれ?たしかあいつらテレポートを使ったはずだけどな。しかも強度はレベル4クラスだったはず」
受け取った資料には襲撃して来た、メンバーのプロフィールがのっていたが、能力の欄には実際に使ってたものではなく、念動力系統の能力者と記載されていた。
「おかしいな、書庫には正確な記録が入れてあるはず。もう一度確認しておくか」
「本人達に直接聞いてみたらどうですか?」
「すまないがまだ起きなくて聞き取りが出来ないんだ。まあ、4人とも鳩尾を殴られただけみたいだからすぐに目をさますと思うけど・・」
「どうしたんですか?急に黙り込んで」
「いや、ちょっとした考え事だ気にしないでくれ。早くしないと、黄泉川隊長から活が飛んでくるぞ」
「ってはや!いつの間に終わられたんですか?」
「君と話してる間に終わってたよ。それじゃ頑張ってくれよ若造」
「え、ちょっと待ってくださいよ」
自分の分の作業を終わらせ集合したが、入り口の方からぞろぞろと、ガラの悪い不良達が向かってきた。
「何をしてる、ここは立入禁止ださっさと戻れ!」
黄泉川は警告を流すがそれを聞こうともせず進んで来ており、どんどん距離が縮まっていた。
「しょうがないじゃん、全員捕らえろ。支部に送った後、厳重注意しておくじゃん」
少しざわついたが、彼らが止まる気配もなく。行動し始めようとしていたが、1人だけ迫ってくる不良達が妙に間隔をあけて歩いているのに違和感を感じていた。
「すまないが君達、ここは立入禁止なんだ引き返してくれないか?」
「そうなんですか、てっきり何も無いから入れるおもったんですけどね!」
完全まではいかないがかなり警戒心を欠いていた警備員に不良の手から生まれた火の球体が直撃し宙を舞っていた。周りにいた、職員は突然の事に固まっていたが上条は飛んできた人を受け止めていた。更に、そこそこの威力を持った突風が吹いたり尖った水の球体が飛んで来たがそばに置いてあったゲートを盾にし、しのいだ。
「黄泉川先生、すみませんがここにいるに人を避難させて下さい。少しここら辺を荒らすかもしれないので」
「避難させるって外には押しかけてきた人達もいるし、中に生徒がいるじゃん。穏便に済ませられないのか」
「難しいですね、この薄い警備を突っ切って中にいる女子生徒を襲うつもりだと思いますし、強度は3くらいはありますよ」
「・・・上条、何人ぐらいあそこにいると思う?」
「そうですね、ざっと30人くらいはいますよ。どうやってこの人数を集めたのかはわからないですけど」
「上条、あいつらを倒せるか?向こう側には部隊の一部が待機しているが寄ってきたやつを抑えるの精一杯じゃん。少し騒ぎを起こしても構わない、やってくれるか?」
「元からそのつもりですよ。でも、時間は掛からないのですぐに確保できるように待機してもらえませんか?」
「触れれば倒せるのだから、力は必要はない」
上条の真後ろで何も無いはずの空間に少し歪みができ、透明な手のようなものが形作られていた。
「振るえば当たるのだから当てるための努力は必要はない」
その言葉を側で聞いていた、黄泉川は何を言っているのか理解出来なかったが、上条はただその場で右手を軽く振った。ボゴッ!という音が響き。余裕の表情を見せてさっきまで立っていた不良達が全員、地面に倒れていた。
「な、一体何が起こったんじゃん?」
その声は上条には聞こえておらず、倒れている不良に近づいていた。
「この人数分の手錠なんてあるのかよ。まあ、ある分だけでも掛けておくか、ん?なんだこれ?」
ある1人の不良のポケットから音楽プレイヤーが飛び出ており、よく見るとつい数時間前にも見た事があり他のにも持っていないか確認してみると約6割の不良達が持っており、この騒動が終わった後支部で不良達の詳細を確認してみると、やはり元の能力ではない別の物を使っている事がわかった。
「おかしいな、能力は1人に1つしか発現しないはずなんだけどな〜。俺はちょっと事情があって全て使えるけど、能力の上書きなんて出来るのか?」
いつの間にか魔神同等レベルの力も行使出来る上条は念動力系統全般を当たり前のように扱えるので自分には何も違和感を持つ事はないが、肉体強化を持っていた人間が水流操作を使えたり、念動力を持っていた人間が瞬間移動を使えるようになっているのに違和感を感じていた。
「全く系統違う能力なんて使えないはずなのになんでだ?確か、新しい能力を手に入れるなら脳を丸ごと変える必要があるのにな」
気のせいか、レベルアッパー編みたいになってる気がする