竜の力を得たもの   作:生存者

29 / 39
第29話

「はぁーやっと終わった。校長の話やたら長いんだけどどうにかならないかにゃ〜」

 

「ほんまやな。まあこれで休みに入るしそんなことは忘れられるいいんやけど」

 

「はいはい静かにするのですよ〜。では明日から休みになりますが体調管理には気をつけるのです。またこのクラスを担当するか分かりませんが、その時はまた1年間一緒に楽しむのです」

 

「わいは小萌先生さえいればあとは何もいらへんわ」

 

「こんな所でロリコン発言するな、土御門だけで充分だろう」

 

「何を言ってるぜよ、俺はロリコンだが舞花以外には興味はないにゃ〜」

 

「しゃあこれで終わったし。打ち上げやるぞ」

その後、すぐに道案内を一方通行に任せ、上条は対馬と浦上を呼び出し屋上で待っていた。

 

「あのどうしたんですか?急に呼び出したりして」

 

「対馬と浦上の警護が丁度明日で終わりになるからそれを伝えに来たんだ。まあ、こんな時に言うことじゃないけどな」

 

「つまり明日には向こうに行くって事ですか?」

 

「ああ、その時は俺も一緒に行くことになってるけど、向こうに着いてからまだ時間があったら、買い物に行かないか誘おうと思ったんだよ。2人には短い間だけど世話になったしな」

 

「いいですよ。特に用事もないので」

 

「わかった、今日聞きたかったのはこれだけだから。ごめんなこんなことに時間を割いちまって」

 

「いえ、大丈夫ですよ急ぎの用は今日はないかっですし。上条さんこそ時間は大丈夫なんですか?」

 

「今日はあと一時間後に20分くらいの会議があるだけだから問題ない」

それだけ言いすぐに階段に向かって歩いて行った。浦上達も少し経ってか打ち上げの食材の買い出しに行った。

 

 

その数十分後何故か上条は路地裏から出てきた。その理由は偶々通りかかった時に、5人の不良から恐喝にあっていた男子生徒を見かけ助けに入ったが、さらに大人数の不良が現れ、能力で襲われていた。

「まいったな、あんなに奥から出てくるとは思わなかった。にしても能力ばっかに頼ってたら、体を鍛えてる意味がないぞ」

 

 

「おい、遅れてるぞ上条。もう少し早く来れないのか?」

 

「すいません、また不良に絡まれて対処してたら遅れました」

 

「まったくお前は、まあ反省文は後で書かせるから。ほらさっさと車両に乗るじゃん」

あまりの無理強いさに不幸だ〜とぼやいていた?それが気に入らなかったのか、黄泉川先生に鉄拳を振り下ろされ倒れている間に車両に連れ込まれ運ばれていた。

 

「ほら、起きるじゃん。もう着くぞ」

 

「あれ、いつの間に乗ってたんだ?」

 

「まあ、気にするな。それより今回の会議の事はお前にも関係するからちゃんと聞いておくじゃん」

 

「なんで俺が関係するんですか。ただの学生ですよ俺は」

 

「ただの学生が超能力者になれたらみんな苦労しないじゃん。それに私達は前に起こったレベルアッパー事件みたい事は起こしたくないからな」

 

「レベルアッパー事件ですか?」

 

「ああ、そうじゃん。その音楽を聞いた約一万人の学生のレベルが上がる代物が出回って、能力者の犯罪が増えるなんてことがあったからこっちも少しヒヤヒヤしてるじゃん」

 

「それで作った犯人はどうなったんですか?」

 

「犯人の木山春生は今は仮釈放の状態で外を出ているが、その時は厄介だったじゃんよ。データを漁ろうとすればセキルティが働いてデータが吹っ飛ぶは能力で内の部隊はほぼ全滅したり大変だったじゃんよ」

 

「それは…大変でしたね」

 

「そう言えばずっと気になってたんだけどお前の苦手な能力者っているじゃん?」

 

「正直に言うとここにいる能力の攻撃なら避けられますし、強いて言えば垣根と一方通行と削板の3人だけです。他の能力は瞬間移動でも不意打ちでなければ避けられますから」

 

「じゃあお前にとって能力者は敵じゃないってことじゃん?」

 

「まあ、自分の能力を過信して威張ってる人は楽に倒せますしね」

 

「・・今の言葉はほかの学生にはきかせられないじゃん。でも高位能力者はお前でも苦戦するんじゃないか?」

 

「苦戦と言うより時間が掛かるだけです。あ、でも同じようなもんか」

上条の発言に車両に乗っていた隊員のほとんどが唖然としていたが特に気にする様子もなく窓の外を眺めていた。

 

本部がある施設に着いてからは自分の身分を隠すためにヘルメットを着用して参加していた。風紀委員の代表メンバーも集まっておりかなり大掛かりな会議になっていた。

「ええ、では今回も風紀委員と連携して事態の収束をしていく方針で決める。だがここまで高位能力者が多くなると我々も対処しきれなくなるので、新たにレベル3以上の能力者を風紀委員として募集したいのだが意見のあるものはいるか?」

 

「それは今も所属している風紀委員と同じ試験を受けさせたのち、訓練、研修を行うんですか?」

 

「もちろんそのつもりだが、今までの試験で行くと脱落者が多くなる可能性もあるので難易度を下げるつもりだ。あと訓練についてだが、こちらはそのままでやっていく。研修期間もいつ暴動が起こるか分からないため、4か月掛かる所を一週間でやっていいただく。これで質問の回答はいいかね」

 

「はい、ありがとうございます」

 

「では他に意見のあるものは?」

司会者である中年の男性は会場内を一通り見回し、誰もあげないのを確認すると議長にマイクを渡していた。

 

「では今回はここまでとする。もしかしたらすぐにあるかもしれないがそれまでは自分達の仕事をやり遂げでくれ」

会議が終わろうとしたが急に下の階から大きな揺れが起こり、会場内が少しざわついていた。

 

「すいません、黄泉川先生少し見てきます」

 

「わかった。何か分かったらすぐにその小型マイクで教えろ、念のためにカメラも起動しておけ。あと怪我はするな」

 

「了解です」

それだけいい、すぐに退出して問題のあった場所に走っていた。すると途中にある吹き抜けになっている場所から声が聞こえ、慌てて身を屈めて耳を澄ましていると、壁にしていた柱が何らかの力によって切断されていた。

 

「出て来い、警備員さんよどこに隠れたってこっちには透視能力者がいるだ、隠れても無駄だぞ」

 

「・そうかグローブをしてるせいで幻想殺しが効いてないのか。こういう時は厄介だな透視能力ってのは、まあ複数使ってこないだけまだ優しい方か」

素直に姿を現し、下を見ると10人の少年達が立っていた。

 

「全く、こんなにいい能力を手に入れたのに奪われたらつまんないんだよ警備員さん」

 

「別に能力を奪うつもりはこちらにないんだが、それに下っ端の俺に上の人間が考えを教えてくれるわけないだろ」

 

「知ったことか、テメェにはなくても他に連中にはあるかもしれないだろ」

気がつくと足元が凍りついており服の一部も凍っていた。

 

「随分と凍結が早いな、水を浴びた筈はないだけど」

 

「ついさっきそいつが柱を切った時に少し被ったんじゃないか?」

にたにたと笑いながら、少年は切れた場所を指差していた。それに応じて自分の服を見てみるとやはり濡れていた部分だけが完全に凍り付いていた。

 

「水で切ったのか。鉄筋の柱って以外と簡単に切れるんだな」

 

「つーかお前随分、余裕があるなこれだけの能力者に囲まれてるのによ。そんなに自信があるのか、この人数を倒すのに」

 

「少しくらいなら自信があるな。でも防弾チョッキを着てせいで動きに制限が掛かるし正直微妙だな」

 

「ならその前にさっさと床には這いつくばってろ!」

大柄な男が後ろから現れ、勢いよく殴りかかってきた。スピードもパワーも能力によりかなり増幅され、金庫くらいなら軽く破壊出来るくらいの拳が打たれインパクトと同時に凄まじい衝撃波が周りに放たれたが、上条は片手で簡単に受け止めていた。

 

「なっ!こいつ」

 

「肉体強化か、これはもろに受けたら痛そうだな」

 

「テメェ一体何もんだ!」

 

「何もんだって言われても、ただの警備員ですけど」

 

「嘘を付くな、これをくらって立っていたやつはいないぞ」

 

「知らねえよそんなの。とりあえずここから出てくれ部外者は立入禁止だ。それとも無理やり追い出されたいのか?」

 

「能力も持ってないような無能に言われたねえんだよ!」

 

「はぁどうして俺に喧嘩を売ってくるやつはこんなに気性が荒いんだよ」

急に本部の一階ロビーで戦闘をする羽目になったが、ものの数分で侵入してきた能力者はボロ雑巾の様になって床で倒れていたが、怪我をした箇所の手当ては施されていた。

 

「すいません、少し荒れてしまいました」

 

「気にしなくていいじゃん。ここに連中じゃまともに相手に出来ないからな、それに風紀委員の連中にも無理だと思うしな」

 

「・・そう言えばここってAIMジャマーがあるのになんで使わなかったんですか?」

 

「確かにでも電気系統がやられて流せなかったんじゃないか?」

 

「一応見ておきましたけど特に問題はなかったです」

 

「そうか、まあ今は気にしなくても問題ってことじゃん。ほら、お前はさっさと帰るじゃん」

 

「え、いいんですか?まだ終わってないみたいですけど」

 

「ほとんどの風紀委員と警備員がお前が鎮圧した連中の取り調べと侵入方法を調べてるじゃん。まあ、元からみんな帰るつもりだったけど、侵入者のせいで仕事が増えたみたいじゃん。どっかの誰かさんが少し掃除してくれたみたいで多少は楽みたいだけどな」

上条は身支度を済ませ、残っていく隊員に挨拶をして1人帰っていた。

 

「はぁ、疲れた。これで明日は始発で出発か、終わったらすぐに片付けないと休む時間は無いな」

 

「おーやっと来たかかみやん。待ってたぜたい」

 

「何だもう始めてたのか、てか中庭使えたんだな」

 

「頼んでみたらすぐにOKを出してくれたにゃ〜。まあ、お疲れみたいだけど早く食べようぜ」

 

 

「あれお前は行かないのか?オティヌス」

 

「私はお前の料理だけで充分だ。それに食べなくても餓死することは無い」

 

「もう少し友好関係を築こうと思わないのかよ。俺が言うのもなんだけど」

 

「私には理解者だけいれば他にはいらん。それにお前も正直つらいんじゃないか、あの空間は」

 

「戻ってきたばかりだったら下手すれば発狂してたかもしれないけど、今は慣れたしあの場にいても辛くはない」

 

「世界を救ったヒーローさんも大変だな」

 

「・・俺はヒーローなんかじゃない。他にも向いてるやつはたくさんいる」

 

「私からしたらお前以上の善人は見た事がないな、それではこの後、人生を楽しむことは出来ないぞ」

 

「楽しむ前にこの力をどうにかして制御できる様にしないとな。もし今の状態で俺が暴走なんかしたらこの世界がすぐに崩壊するからな」

 

「自分の力に枷を掛けたいならお前の内情をもう少し知る事になるな。大雑把なやり方しか教えられない他人に預けることも出来るが試してみるか?やってみる価値はあるぞ」

ここまでくると魔神ってなんでもありだなと心の中で思ったが、少し心配要素が減るので教えてもらおうとしたが、今は時間がなく明日の移動中に教わることにした。その後はオティヌスに残り物で軽く夕飯を作ってから下に戻っていた。

 

 

「かみやん遅いにゃ〜。ほとんど食べ終わっちまったぜこっちは」

 

「なら、追加しようか?少し前にこんなの貰ったんだけど食べるか?」

 

「ちょっと待て、なんでそんなに高そうな牛肉が出てくるんだ大将。しかも貰ったって一体誰から貰ったんだよ」

 

「いや、学舎の園に入った侵入者を片付けて休んでたら。

なんか受け取ってくださいって女性の店員さんに渡さたんだよ。一回は断ったけどなんか物凄い圧を掛けられてまあ、流れに押されて受け取ったよ」

 

「もうかみやんなら何でもありになってきてるにゃ〜」

 

「っておいあの学舎の園にどうやって入ったんだよ上条」

 

「そうや、俺達にとっては楽園の様な場所に当たり前の様に入れるなんてずるいで」

 

「食峰から招待を受けて普通に入ったんだよ。大体あの中に男なんて俺だけしかいないし、視線が刺さってい辛いんだよな」

 

「ただの嫌味に聞こえないわ。もういいわいは食べて忘れるんや」

 

「あ、テメェずるいぞ。独り占めしやがって」

男性陣の中で肉の取り合いが始まり、巻き込まれそうになった上条は人ごみから離れた。

 

「そこまで欲しいもんなのかな。まだ余りだってあるのに」

 

「今の上条君には分からないと思うよ。一般の人にとっての金銭感覚とは違うから」

 

「あのな姫神、奨学金が増えても前と生活の仕方は変えてないぞ。怪我をしなくなったのは助かってるけどな」

 

「そう、とりあえずこれさっき余った肉だけど食べる?」

 

「おお、ありがとう。丁度腹が減ってたんだよな」

 

 

「上条君、前より顔色が良くなった気がする。やっぱりあのシスターが家にいなからなの?」

 

「そうかもな、今はイギリスで過ごしてるし前よりは楽だな」

 

「・・そうなんだ」

 

「どうしたんだ姫神、急に黙って」

 

「何でもない、言ったとしても鈍感なあなたには分からないから」

残っていた肉を食べ終わり、まだ騒いでいる男性陣に追加の肉を渡した後.一度部屋に戻り前人に作っておいたデザートを取りに行っていた。

 

「アリサ、昨日作ったケーキあるけど食べるか?」

それに今度は女子全員が反応しいつの間にか入っていた芹亜やシャットアウラも混じっていた。

 

「あれ?これ前に見た事がある気がする」

 

「とりあえず食べてみるか、もしかしたら違うかもしれないしな」

人数が多いの想定していたのか3ホール用意してあり、それぞれチョコレート、チーズ、ショートの味で並べられていいるものを全員で分け合って食べ始めていた。

 

「あ、やっぱり食べたことある味だよ。でもなんか少し足りない気がするな、何だろう」

 

「ん、確かに何か足りない気がするんだけど」

 

「仕方ないだろ、どうしても時間が足りなかったんだよ。味見もしておいたけど昨日夜中に作ってたから味覚が曖昧になってたかもしれないな」

 

「おお、上条また美味しそうなもの作ってるな。これはいい夫になれるじゃん」

 

「あのまだ学生ですよ俺は」

急に現れた黄泉川先生にいじられていたが仕事でお腹の減っていたのか、男性陣の中に割り込んで食べ始めていた。

その後、まだ食べ足りない人が多くいたので冷蔵庫の中に残っていた野菜や肉を使い野菜炒めやチャーハンを作って全員に振舞っていた。

 

「ふー疲れた、でもこうやって楽しむのもいいもんだな」

 

「お疲れ様です。洗い物は私達がやるので先にお風呂に入ってもいいですよ」

 

「入りたいけどその前に明日の支度を先にやっておきたいし、まだいいよ」

数分後には終わったのか、部屋から出てきたが相当疲れているのか、あくびをしながら出てきた。

 

「はぁ眠い。軽く入ってもう寝ようかな」

 

「随分疲れてるみたいだな、この程度ならそこまで疲れる事もないだろう」

 

「これでもまだあの時の疲労は取れないんだよ。それにお前と違ってまだ体の調節が出来てないんだよ」

 

「まあそれについては明日手伝ってやるからいいだろ。大体自分でやってほしいものだけどな、同業者なら教える事なんてなんだぞ」

 

「無茶を言うな、失敗すれば一瞬でこの世界が壊れるんだぞ」

 

「もうさっさと入って寝ろ、明日は早いんだろ」

 

「言われなくても入るわ。それよりお前も早く寝ろよ始発で行くんだから」

 

風呂から出てきた後、すぐに自室で寝始めていた。上条にとっては正規の手続きで行くのは三度目のイギリスだが今までで一番面倒なことになることは想像もしていなかった。

 

 

 

 




あくまで能力だけで言ったら勝てるけど、土御門みたいな格闘術を使える人達にはなかなか勝てない上条さん。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。