「今更だけどなかなか人間離れしてるな、本当に元が人間とは思えない」
学園都市から出発した飛行機の中では上条とオティヌスが話しをしていた。
「これでも2割以上はまだ出したことはないな」
「はぁ頭を抱えたくなる、もう少し分割するしかないな。人間、分類分けできないのか、例えば身体能力だけ特化させる事は出来ないか?」
「可能だぞ。その副産物で動きも滑らかになって動きやすくなるんだよな、その変わり肉体は聖人ぐらいが限界になるけどな」
「じゃあもう1つの方は私と同じところまで行くと」
「そうなんだけど、その上もあるような感じがするだよな。自力では開けられないって言うのは分かるんだけ一体何なのかが分からないんだよ」
「説明出来ないような厄介なものか。・・それが幻想殺しの本当の力なんだがまだそこには気付かないか」
「?いまなんか言わなかったかオティヌス?」
「いや、大したことじゃない気にするな」
それから数時間の間、昨日の疲れが取れていないのかまた寝始めていた。この時、何故か上条の両腕は浦上と対馬ががっちりと掴み身体を寄せて寝ていた。
「あれ、建宮なんでここにいるんだ?」
「すまんが、対馬、浦上仕事が入った。上から急なはいって人でが足りないんだ。手伝ってくれないか?」
「俺はからは何も言えないけど、対馬と浦上はどうする?」
「まあ、仕事なので行きます。ほとんど休んでいたような日が多かったので」
「そうか、なら終わったら電話してくれ。その時からでも行くから」
建宮達と分かれ上条は先に宿泊するホテルに荷物を置いてから観光をし始めていた。
「賑わってるな、そう言えばサッカーでどこかのチームが優勝したとかニュースでやってたな」
「お前もそういったニュースも見るんだな、と言うかもう少しここの居心地は良くならないのか」
「無茶言うなよ。それならイギリス正教の女子寮にでも行くか?」
「お前もなかなか酷ことを言うな、私の事敵視してる奴はまだいるのにあそこに放り込むのか?」
上条はポケットに入っているオティヌスと話しながら歩道歩いていた。その時、道の真ん中を大型バスが通り、中に乗っていた選手達が窓から顔を出し、外にいるファンの人々に手を振っていた。その様子を見て自然と視線が上の方を向くと、さっきまで誰1人いなかった屋上に明らかに、普通の人とは違ったオーラを纏った人間が3人現れていた
「なあ、オティヌスあれってやばいやつだよな」
「ああ、そうだな。大体お前の悪い方向予想は大概当たるしその可能性が高いな。どうする行くか」
「元からそのつもりだ」
上条はすぐに近くにあった脇道に入りそこから超人並みの跳躍力で10m以上ある屋上まで一歩で登っていた。屋上についてからは足音を消しながら周囲を見回しながら歩いていると後ろから声が聞こえ慌てて排気設備に隠れていた
「やっぱりこっち側にもいたか。武装はライフルのハンドガンか典型的だな、あと手榴弾2つとコンバットナイフか」
「襲撃するのは目に見えてるがどのタイミングでやるのか分からないってところか。どうせ相手は犯罪者だ、こっちから仕掛けたらどうだ?」
「そんな事してもし、関係のない奴だったらどうするんだ。つーか銃撃戦なんてもうまっぴらごめんだ、寿命が縮まるような感覚になる」
「あれだけの事をした奴がよくゆうな、おっとあっちも始めるみたいだな」
何をだよと上条は小声で言いながら、物陰から覗くと、覆面を被った男が傍に置いてあったアタッシュケースから何かを取り出していた。
「!!RPG-7かよ、随分厄介な物を持ってるな。くそ、離れてるあいつから先に片付けておくか」
「やるなら数秒でやれよ、向こうも戦闘訓練をある程度は受けてるだろうし長期戦はお前に不利になるぞ」
体勢を低くしながら迂回するように歩き離れた場所にいた男の後ろまで来ていた。
「はぁなるべるこんな物騒なことはしたくなかったな」
「いまさらだな、お前はそうなる運命かも知れないんだからな」
「愚痴は終わってからするか」
上条は物陰から出て一歩で男との距離を詰め首に手を掛けていた、上条に気づかなかっのかあっさりきめられ首を絞められていた。苦しそうに唸りながらも抵抗しているが、軽く力を入れられた時には、ボキッ!と音が鳴り抵抗する力が無くなったのか手がだらんと下がり、手を放すとその場に倒れこんだ。
「これで1人目か、あと2人かな」
「随分と手慣れていたな、誰かに教わったのか?」
「まあ、・・そうだな、柔道を教えてもらった時によく先輩から寝技決まられた後にやられたからな、嫌でも覚えてるよ。しかも背中を胸で圧迫されたから余計に辛かった」
「それをあいつらが聞いたら、怒るんじゃないか?今は付き合ってるやつがいるからそこまで周りで騒ぐやつもいないが」
「それは後にしないか、俺も一週間会ってないからどうか分からないけど、相当怒ってる気がするだよな」
「ならさっさと・・!」
上条は外を歩いていたオティヌスを無理矢理ポケットに押し込み、その場から離れた。
「おい、何のつもりだ死ぬかと思ったぞ」
「少し静かにしてくれ、もう1人近づいてきてる」
「丁度良く餌に食いついたか?」
「餌とか言うな、もう少しオブラートに包め。それしても以外と早く気づいたな。遠くから誰か見てるのか」
「見てるとしたらここよりも高いところだろうな、まあそれはいいとしてこの後はどうする」
「しょうがないこっち側にいるやつだけでも沈めておく」
今度は元の場所まだ戻り、1人になった男の方に行き途中で拾ったレンガで後頭部を殴り倒していた。残り1人となり空眺めていると急に銃声が聞こえとっさに左に飛んだ。その後、さっきまで立っていた場所の地面が銃弾で削れていた。飛んできた方からは、何やら声が聞こえてきたが逃がしてくれそうな雰囲気ではなかった。
「さっきのやつから銃とってくればよかった」
「もう後戻りは出来そうにないな、ほら頑張ってこい」
こいつ適当だなと心の中で思ったが、この状況では少しは楽になれた。
「ふう、これでこっちからも行けるな・・ッ!」
銃声が止んだ時を狙い飛び出して行った。相手もそれを狙っていたようにもう一丁の銃で撃ち殺そうとするが、それらを体を捻ったり、しゃがんだりし避けられ気がついた時には1m以内に入られ持っていたライフルを蹴り上げられていた。それに応じその男はナイフを懐から抜き出し風をきるような速さで振り抜いていたが、そこにはもうおらず頭上に飛んでいた。上条はナイフが振り抜かれる前にバク宙の要領で飛び、ナイフを避けていたのだ。そのまま、空中で脳天に向けて脚を振り下ろし沈めた。それからひと休みしようと壁に寄っかかっていたが気がつくと目の前まで銃弾が迫っており首を右に思いっきり曲げて避けた。
「これでこっちは終わりかと言いたいところだけど向こうから撃たれてるせいで動けないな」
「元はお前が早くやらなかったからじゃないのか?」
「無理言うなこれでも障害者だぞ」
「いままで生きた中でこんな元気な障害者は見た事ないな、まあこっちにも武器はあるんだし軽くやろうじゃないか。どうせ騒ぎになっているんだ警察が来る前に逃げれば大丈夫だろ。あと指紋は残さない方がいいぞ、こっちの捜査官は厄介な奴が多いみたいだしな」
「暇な時間に相当ニュース見てたんだな。まあいい、やらなきゃ下の人にも被害が出るかもしれないしな」
そう言いながら、傍に落ちていたライフルを手に取った。学園都市製の物とはかなりものは違うがそれでも使い方は黄泉川によって十分に訓練で叩き込まれていた。
「相手は3人か。全員がライフルを持ってて、RPG-7も多分持ってるだろうな、はぁこれだけで足りるか」
「いざとなれば、自分で作ればいいだろ。そうなるとは思えないがな」
オティヌスは胸ポケットまで移動し、くつろいでる間に上条はライフルのマガジンの弾数を確認したり倒れている男の服を漁って、弾倉が無いか探していた。
「・・弾倉は2つか、取り敢えずこれだけあればいいか。あとはこの拳銃だけでいいか」
素早く身を乗り出し、引き金を引いていた。だがそこには標的なおらず放たれた弾丸は人には当たらずその下にある外壁のタイルを削っていた。
「参ったな、向こうもガチで来てるよ」
撃ち合いが始まり5分近く経ったがずっと平行線のままどちらも譲る事なく撃っていたがそれでは甘かった、もう一度様子を見ようと少しだけ顔あげるとこっちに向け、こっち向けロケットランチャーを向けていたのだ。
「え、まじかよ!街中でそんなもん打つなよ!」
慌ててバックステップで5m近く離れたがそれだけでは避けきれないのを感じとったのか何か考えていた。
「オティヌスしっかり掴まってろ、向こう側までここから飛ぶからな」
「久しぶりに楽しいものが見れそうだな」
その時、上条がやろうとした事はシンプルだった。ロケットランチャーが壁にぶつかるタイミングで飛び、爆発した勢いを利用し向こう側まで飛ぶ。たったこれだけの事だが不運に恵まれる上条にそこまでスムーズに進むかは怪しかった。
「はぁ、せめて反対側に行きたいな」
「諦めなければなんとかなるだろ」
「神様にしては適当な奴だな」
その時、丁度ロケットランチャーが発射され飛んできたのを確認してから上条も走り出していた。少しはタイミングはずれたが何とか踏み切りと同時に爆風に乗り飛ぶ事が出来た。この時、要らない武器はその場に捨て飛んでいたので思った以上にスピードの乗ってしまった為、着地しようとしたがそのまま撃った人間に激突していた。
「痛!やばい思った以上に飛びすぎた…!」
そんな悠長な事を言ってる暇はなく、襲ってきた男のナイフを避けていた。受け流したり、しゃがみこんだりしながら避け続けていたが、もう1人の男がいないことに気づき間合いを取る為に距離をあけると、それに応じたのか相手も少し離れ様子を見ていた。
「どうするか、間を空けられると攻め辛いんだよな」
「そこに落ちてる銃で脚を打ったらどうだ?」
「・・お前ってなかなかなげつない事を考えるよな。それよりこっちに来てるあのヘリをどうするか考えていたんだけど」
「どう見てもお前を狙ってるな、見た奴は消していくのがこいつらの方針なんだろうな」
「うわ〜それは勘弁してくれよ。まだ進級すらして無いのに」
「だからお前の人生のハードルは低すぎるんだよ。ほら、お出迎えしてやれ」
「無理に言うな、さすがに逃げるぞあれは!て言うかなんでそんなに落ち着いてられるんだ」
先に駆け出したの上条のほうだった。靴もとにあった小石を思いっきり蹴り上げ男の手にぶつけていた。直撃した男はうめき声を上げながらその場にうずくまっていたがそんな事に気を配っている余裕はなくすぐに屋上の端まで全速力で走り出し、隣の建物まで飛び移ろうとしていたがそれを見越していたのか、進んでいく先にガドリング砲が撃ち込まれていき足場がどんどん崩されバランスを崩しそうになるがなんとか堪え走り続けていた。途中でミサイルを撃たれ、建物ごと落とされそうになるがその前に走り抜けていたが運悪く足元にあった石でつまづき完全に体勢を崩し、下に落下していた。
「やはり、不運だけは避けられないか。そう言えばお前は泳げるのか?」
「泳げるけどって!こんなに呑気に話をしてる場合じゃないだ・・」
といいかけた瞬間、水しぶきを上げながら水路に落ち。更にそこへ建物の瓦礫が流れ込み水路をせき止めていた。
「プハッはぁはぁ・・ふう。危なかった〜落ちてからすぐに動いてなかったら絶対に下敷きになってたな」
「ふぅ…そんな事よりこの服を乾かしてくれに無いか?この状態じゃ外にも出れないぞ」
「それは俺もわかってるけどもう少し奥まで泳いで行くからな、ここじゃまだ追い掛けてくるかもしれないから」
オティヌスを頭に乗せ、水路の奥を目指し泳いで行った。それから10分近く流れに逆らいながら泳ぎ続け、地下水道のある場所まで着いていた。
「よいしょっと、はぁやっと休める。つーか普通に傍にあった足場を辿ってくればよかった」
ゆっくりと水から上がり少し広がった通路に横たわって息を整え始めていた。
「私としてはいい座り心地だっからもう少しやってもらいたかったけどな。いくら理解者でも無理があるか、それでもあの距離をよく飛べたな、軽く15m近く離れてたぞ」
「まあ、ほとんど自力で飛べたからな。けど爆風が重なったおかげで余計にスピードに乗って着地に失敗したけどな」
「とりあえずここまで来ればそうそう追ってくる事は無いだろう。あれだけ騒いだんだ使えない警察も動き始めてるだろうな」
「そうだな、これで服も乾いたしもう少ししたらここから出るか」
「…いつの間に乾かしたんだ」
「今、話してる間だよ。思ったことを全て現実にするやつでだ。あれ?財布とか落として無いよな」
「大丈夫だちゃんと入ってる。だが、中身も使えるようにしとけよ水の中に入ったんだから」
「わかってる。それはいいとして昼はどうするか、材料だけ買って女子寮で作らせてもらうか、そこらへんで食べるか」
「私はどっちでも構わないぞ、どうせこれじゃお前の力を借りないと動けないからな」
「そうか、さてとそろそろ行くか。あと、枷を付けておかとそろそろ厄介な奴が出てきそうだしな色んな意味で」
「大丈夫だお前ならすぐに会える」
「その言い方はやめてくれ」
ゆっくりと立ち上がり、歩いていた。オティヌスは肩に乗せ出口を探し始めていたが数分歩き続けても全くはしごが見当たらず、迷っていた。
「以外と見つからないもんだな」
「そんなすぐに見つかることは無いだろ。ん?あれは」
「どうした?」
「いや、はしごらしきものが見えたからな」
「あれか?確かに登れそうだけどかなり錆び付いてるな。と言いたいけどそんなに図々しいこと言えるほど見つけられそうにないしここから登るか」
「落ちないように気をつけろよ」
余計な事は言わないでくれと呟いていたが、出なければこの中を徘徊する事になるので慎重に登り始た。不安になりながらも何とか登り切り外に出る為、閉じていた蓋を開けようとするが、かなり固めに閉じられているのか全く持ち上げられなった。
「ああ、多分コンクリートで固めてあるな。もう壊すしかないか。せーのっと」
その場で力任せに押し上げ、バキッという音が聞こえた。
「よしこれで出れるな」
蓋をこじ開け外に出ると、どこかの料亭のような場所の庭に出ていた。
「よっと、はぁ出れたのはいいけど結構離れた場所に出たな。にしてもコンクリートの上に石まであったのかよ、こりゃ持ち上げられないわ」
「まぁ出てただけでも十分だろ。もしかしたらまだあの中で歩いてたんだからな」
「はは、確かにそうなったかもな。ほら、行く・・ぞ・・・」
一体どうしたのか上条の視線の先を見ると、見知らぬ金髪の男にキャーリサが押し倒されている場面を見ていた。
「・・とりあえずあいつに電話をしてみろ。それからお前が判断しろ」
「…ああ、分かってる」
オティヌスは落ち着いてフォローしていたが、内心は上条のむき出しになった殺気に少し冷や汗を流していた。
その時、部屋の中ではキャーリサが金髪の男に押し倒され強姦をされかかっていた。いつもであればこんな事をした時点で蹴られていたが、少し前に飲んでいたお茶に薬が盛られており、そのせいか抵抗しにくくなっていた。
「はぁはぁ、くっ!誰だしこんな時に電話をかけてくるやつは」
「別に出ても構わないよ、どうせ今の君ではここから逃げる事は出来ないからね」
その言葉にキャーリサは思わず舌打ちをしがらも電話を出ていた。
『誰だしこんな時に!』
『まずは落ち着いてくれ、キャーリサ。一体どういう状況になってるんだそっちは』
『え、当麻か?』
『そうだよ、今庭先にいるけど助けに行った方がいいか?』
その言葉が聞こえた瞬間、ふと外を眺めると日本の寺の庭を表現した場所で1人の少年立っておりこっちに向かって手を振っていた。
『今すぐ助けて欲しいしこんな男に触られたくもないし』
「わかったよ、キャーリサ」
「えっ?」
気がつくさっきまで部屋の外で手を振っていた上条が部屋の中に入っていたのだ。窓をよく見てみると長方形に切られ人ひとりが通るのに十分な入り口が出来ていた。
「君は誰だい、すまないがここから出てくれないか?」
「大丈夫か?顔が赤くなってるけど細菌でも盛られたのか?」
「い、いや違うし。それより顔が近いし!」
「気にするなよ、いつもキャーリサの方から来てるくせに」
「そ、それは姉さんが一緒にやっていたからだし。あんな恥ずかしい事平然と出来るわけないだろ」
「んっん!お楽しみのところ悪いけどここから立ち去ってくれないか?僕は王女さんに用があって君は邪魔なんだよ」
「頼むならもう少し、言葉遣いを改めたらどうなんだ?」
「そう言われてもね、僕の楽しみを止めて
「はぁ、黙れ。これは警告だ、ここで壁の染みになりたくなかったらすぐに出て行け。それとも、自分の意思で出るか」
よく見ると上条の手には日本刀が握られ首元に突き付けていた。
「ふふ、君は私が誰だかわかっていないようだね。これでもこの国を代表する大企業の社長だぞそんな態度を取ってもいいのか?」
「は?知らねーよ。そんなこと、もう一度言う黙ってここから出て行け」
「ここは私が貸し切りにしているんだ何故出なければならな・・ぐはっ!」
言い終わる直前に腹を蹴られ後ろにたっていた柱にぶつかっていた。やった本人は今にも殺しそうな程の殺気を向けながら見て来た。
「最後のチャンスだ。ここで壁の染みになるのと、自分で出て行くのどっちがいい?」
「く、クソッがはぁ・・はぁ。ははだがこれでお前も終わりだ」
畳の上で痛みを受けながらも不敵に笑っていると、SPらしき大男が2人部屋の中に入ってきていた。
「面倒な事するなよ、時間が掛かるだろ」
駆け付けたSPは躊躇することなく銃で撃ち込んで来たが、飛んで来た銃弾を全て切り落とし、直接勝負をしに来た瞬間に後ろに回り込み峰打ちを食らわせ意識を奪った。
「これでゆっくりと話せるな。さて、決まったか自分出ていくか、俺に連れ出されるか」
「ふ、ふざけるな。だがいいこれでお前の顔も知れて犯罪者なんだからな」
視線をわずかに下に逸らすとベルトに小さな小型カメラが付けられているのに気がついた。
「残念だったな、さっきそのポンコツは壊しておいたよアホ」
「い、一体お前何なんだよ化け物!」
意識はあるが精神がかなら乱れ、ほとんど正気保っている状態ではなかったがそれでも叫ぶぐらいの度胸はあったようだ。
「そうだな、ただの疫病神だ。あと、間違っても人の女には手を出さない方がいいぞ、社長さんよお」
さらに殺気を出し、睨みつけると耐えられなくなったのか口から泡を吹き、失禁して倒れた。
「ふぅこれでゆっくり出来るな。おーいキャーリサってあれ寝てるな」
「ふう、やっぱりポケットの暑かった。以外と随分と暴れたな、まあお前の気持ちは分からなくなは無いがあまりやり過ぎるなよ」
「分かってるよ」
立ち上がり気を失っている、SPの頭に触れさっき起こった事の記憶を削除していた。それが終わるとキャーリサに近づき抱き上げ窓から出ようとしていた。
「オティヌス、テーブルの上にあるお茶の中になんか異物が入ってなかったか?」
「確かに入っていたよ。あれは多分、身体を麻痺させるような薬だろう。そうでなければ第二の女王が一方的にやられる事は無いからな」
「・・一様採取しておくか、ついでにこいつの写真も撮っておこうかな」
そう言ってどこからか出した試験管にお茶を入れ、倒れている男の写真も撮り外に出て誰かに連絡を取り始めた。
「分かりました。まずはそっちに向かいます、敷地に入ればひとまずは安心出来るので。はい、ではそうします」
「エリザードに電話したのか」
「ああ、そうじゃ無いと勝手に連れてきたみたいになるからな。しっかりつかまってろよ、少し揺れるからな」
その宣言通り、キャーリサを抱えた状態でありえない速度で走り出していた。道を歩いている人が止まっている様に見えるぐらいの速度で走り、ものの数秒で到着した。
門の中に入ってからはエリザードと騎士団長が出迎えてくれた。
「上条か、キャーリサは無事か?」
「はい」
「そうか、すまない。こちらも護衛を付けなかったのが不味かった。
あの社長随分と手荒な真似をしてくれたな」
「何かあったんですかこの男と」
そう言いながらさっき撮っておいた写真を見せていた。
「こいつか、以前からキャーリサに好意を見せていたやつだよ。クーデタを起こしてからはそれを使って何度も政略結婚を企んでいた、あとこれは噂だが。裏でどこかのテロ組織に援助してるなんてことも聞いたことがある」
「どうせ、今回あのパレードを襲った連中の手助けでもしていたんだろ。第二の女王を襲ってた時とそこまで時間は空いていなかったからな」
「魔神も一緒にいたのか。それで襲った連中はどうした?私の娘を襲った人間は私が直々に始末したいところだがな」
「ほとんどこいつが倒してしまったよ。1人を除いて全員気絶させたからな。まあ、死んでるわけじゃ無いから気にすることも無い」
「そうか、おっとそろそろまた議会が始まるから娘は運んでおいてくれよ婚約者さん」
「だそうだ、丁重に扱えよ人間」
「なんであのシリアスな場面からこうだよ。それになんでオティヌスものってくるんだ」
愚痴をこぼしていたが気にしていても変わらない事になるのが分かっていたのか、またキャーリサを抱え部屋へと運んでベットに寝かせていた。
「キャーリサもあれから大変だったんだろうな。俺みたいな一般人には分からないような苦労があったり」
「お前以上に苦労してる奴はいないと思うが、それに小さい頃に相当な不運を何度も味わってるだろ」
「・・ああ、お前に見せてもらったな。まあ、過去が見れたのは正直助かったな、7月28日以前の事を話されたら返し辛かったからな」
「・・・まあ、これからの人生を楽しめ。私といた時間に比べれば短い時間だがな」
「そうだな、で昼飯はどうする?どこか食べに行くか?」
「そこら辺をふらふら歩きながら決めればいいんじゃないか?別に餓死するわけじゃないんだから」
「そうだけど、食べるなら美味しいものを食べたいだろ?」
用が済み、部屋から出ると偶然にももう1人の婚約者であるリメエアと出会った。
「あら、久しぶりね当麻。あと、そのメガネはファッションかしら?」
「違う、違う。視力が落ちてるから一時的に付けてるだけだ。そうじゃなきゃ付けないよ」
「あらそう。で、今からどこに行くの?」
「俺はこれから昼飯を食べに行こうと思ってるけど」
「そう、なら一緒に行かない?私もちょうどお昼にしようと思っていたところだったから。もちろんキャーリサの容態を見てから行こうと思っていたけど、あなたが出てきた見たから行く必要も無くなったわ」
「行ってもいいけど大丈夫なのか?」
「大丈夫よ、城なんてよく抜け出してるから今更出ても問題にならないわ」
少し前の俺だったらそんなに外に出て危なくないのかと思ってしまいうような事を言われたが、エリザードから何度も同じような事を聞いていたので気にせず城の敷地から出ていた。
今更だけど上条さん誕生日が分からない!