竜の力を得たもの   作:生存者

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第32話

「この配置はわざとやってるのか」

更に奥に入って行った上条の前にはコンテナで作られた戦場そのものだった。乗り越えようと天井を見たがすれすれまで積み上げられており乗り越えるのは諦め歩いていると、死角になる部分には地雷が仕掛けられ通り道の反対側までピアノ線が張られていた。

 

「トラップか、また随分と凝ってるな」

引っかからないようにその部分だけ超えて行ったがその先でも何度も同じ様な事を繰り返していると開けた場所に出た。そこにはかなり大型の銃を持った20代の女性が立っていた。後ろには次の場所に行く為の扉も見えていた。

 

「ミニガンか、その体型でよく使おうと思うな」

 

「これでも軽いわ、なんと言ってもも学園都市製のだからね。なかなかつか回しが楽なのよ。このお陰で結構仕事がはかどってるわ」

 

「従来の物よりは反動も抑えてあるみたいだな。それは人殺しもはかどるな」

 

「ふふん、分かっちゃうかしら。本当、楽しいのよねこの手で、この武器で殺すって、もしかしたらある種の快楽かも!」

 

「話しても時間の無駄だな」

銃を抜き取り何度も撃ったが一発も当たらず、よく見ると背中からアームの様な物が出ており銃弾を弾いていた。

 

「甘い甘い〜、それじゃあ一発も当たらないよ!」

そう言いながら、持っていたミニガンを撃ち始めていた、右に大きく回避し難を逃れたがその後ろにあったコンテナにら無数の穴が開き、更にこちらへと向かって来た。円を描くように走り続け、中央にいる女に撃ち続けるが、それも弾かれ気づけば弾切れになっていた。

 

「あら〜手持ちの銃は弾切れかしらそれじゃあすぐに死んじゃうよ!」

 

「こんなんで死ぬわけないだろ、何でわざわざ刀を持ってると思ってるんだ」

すぐに抜き取り構えた。そこに何百発もの弾丸が飛んできたがその場で全てを切り捨ていた。わざとゆっくりと動き速さを一発一発を目で見て切っていた。弾の速さは全て時速数百キロも出ていたがその速度でくる弾丸を軽く切り続けていた。余りにも速い刀さばきに手の残像がいくつも残っていた。

 

「ふふふ、楽しい楽しいこんな人初めて見たわ。もっともっと楽しませて!」

 

「こんなので楽しいのか。随分と楽しい人生だな」

更にもう一本の刀を出し、一気に速度を上げて前に走り出しミニガンの弾幕から一瞬で抜け出し接近して行った。

 

「近接だからって勝てると思わないでよ。これでも近距離に持ち込まれてたんだからね〜」

そう言って服の中から大型のコンバットナイフを取り出してきたが、それよりも前に上条の刀が女の身体に届き服の一部を切っていた。普通なら少しは目付きが変わる人が多いがこの女の場合は逆にどんどん面倒になる相手だった。

 

「あははは最高、最高だよやっぱり殺し合いはこの緊迫感がないと!」

その状態でナイフを振り回してきた、さっきまで銃を撃ち続けていた人間とは思えないほどのスピードできた。ほとんだを体を捻るだけでかわし無理なものだけを刀で払っていたがそこへ背中にあったアームが襲いかかってきた。

 

「お前の道具は元気だな」

 

「自分の思い通りに動いてくれるから苦労し無いんだよ。楽しいわ、あんたみたいな奴とやってると!」

 

「こっちは楽しくない」

首を捻り、一本目のアームを避け女が切りかかってきたナイフを横に飛びかわしたがさらにその先にもう一本のアームをしゃがんで避けた。空いたもう一本の避けたアームが更に追いかけてきたがそれほ刀で払い距離をとった。そこから更に攻撃が激しくなり、ほとんど対応するしか出来なくなっていた。

 

「ほらほら、さっきみたいに楽しませてくれよ!」

アームが更にもう一本増え計3本になり、どんどん隙がなくなり手詰まりになりかけていた。さらに手が余っているのか持っていた拳銃も撃ち始めかなり動き辛くなっていた。

 

「枷を1つ排除」

そう呟き一度距離を取ると一本の刀を女に向かって投げた。それをあっさりとかわした女は更にスピードを上げ接近して来ようとしたが、いつの間にかアームの一本が切断され宙に舞っていた。それを目を追っているのと同時にこめかみに金属のような物がめり込み思わずフラついていた。

 

「はは、やっと本気で来てくれるか!いいね、最っ高だね!もっと来てくれよ!」

 

「もう終わりだバカ」

振り向き、一気に近づいてナイフを刺そうとしたがその時には目の前から消え、足を払われ宙を舞っているといつの間にか移動していた上条は、持っていた二本の刀を上から投げられアームに突き刺さり地面に固定されていた。

 

「寝てろ」

上から跳び蹴りを腹に叩き込み気絶させていた。かなりの威力だったのかズドンッ!と音が響き、その周りにひびがはいっていた。地面に刺さった日本刀を引き向き鞘に収めていた。もう一本はそのまま持って歩いて行った。

 

「時間を取られたな、早く行くか」

扉を抜け、どんどん奥へ行くと拘束されたパトリシアが天井から吊るされた檻の中にいるのが見えていた。さらに周りには上に上がれるような物はなく、しかも下大きな穴になり、足を付けている場所は鉄網で出来ており不安定になっていた。

 

「落ちたらアウトだな。手すりに紐は縛ってあるのか、これは檻ごと受け取るのは大変だな」

手に持っていた刀を檻に向かって軽く振るうと空中にあった鉄の檻はバラバラになり中にいたパトリシアを真下で受け止めその部屋から出て行った。

 

「大丈夫かパトリシア?」

 

「は、はい大丈夫ですけど。早くここから逃げたほうがいいですよ。さっき男の人が来てここに警察を呼んだみたいです、早くしないと捕まるかもしれませんよ」

 

「そうか、わかった。でも少し寄り道をして行くぞ」

パトリシアを片手で抱え走って行った。途中何箇所か部屋に入り資料を探し続けていた、大半は関係のない製造書類だったが一部の者は資金の違法製造や名の知れない会社への資金の提供に関する情報が書かれているものがあった。一通り(全て)集め終わった上条は急いで工場から離れ屋上に向かい離陸しかけているヘリの脚に捕まりぶら下がっていた。

 

 

「すぐにヘリを飛ばせここから離れるぞ」

 

「くそっあの爺簡単にあの部屋に入れやがって、証拠は全部回収出来なかったな。まあ、いいこれであの侵入者が呼んだ警察どもに捕まれば俺は被害者で終わる」

会社の社長であるこの男は自分がテロ活動を援助していた証拠を工場に保管してあったものを取りに来ていた。

 

「お、来たな。これであとは仕事を片付けて家でのんびりしてられるな」

そんな事を言いながら離陸したヘリから下を見ると、到着し散策をし始めた警官の姿が見えていた。

 

「早く仕事を終わらせるか」

そのまま本社まで移動して社長室に入り残っていた。仕事に手をつけながら、テレビを見ていた。時間はより遅くになっており、残業で残っている人もほとんど居なくなっていたので音も少し大きめにして流していた。

 

「さて、今日の速報はどうなってるかな」

音だけを聞き手を止めずに始めていると、不意にあるニュースで手が止まっていた。内容はイギリスでテロ活動を行っていた自分以外のほとんどが捕まり残党の残り探していると言うものだった。思わず机を叩きそうになったが、その前に扉が開き2人の男女が入って来ていた。

 

「よう、随分と焦ってるな」

 

「なっ!お前どうやってここまで来たんだ、まず見張りはどうした!」

 

「見張りなら床で寝てるぞ、快眠かどうかは知らんが」

ここに着くまで30分以上片手でずっと捕まりながら来ていた、更に1人片手で持ちながり耐えていたのでなかなか堪えていた。廊下に立っていた警備員は足技だけで気絶させ入って来ていた。

 

「さて、どうする。警察に突き出されたいか?」

 

「ふん、貴様の方が先にお世話になるだろうよ。あれだけ暴れてくれたんだからな」

 

「そんな、証拠がどこにある。まさか現場に行かないと無いなんて言わないよな。まあ、気にすることも無いだろ、俺があそこにいた証拠は無いんだからな」

 

「この化け物が」

 

「お前みたいな人でなしに言われたく無いな。お前を突き出すくらい証拠は持ってる、お前が何をやっていたのかを証拠出来るものがな。そうだ、お前に朗報がある、今まで築き上げだものを失わずに終わらせる方法があるけど教えやろうか?

 

「そんな証拠がどこにある?」

 

「ここにあるよ、あの広い工場から探すのに大変だったけどな。あの戦闘バカの女のもう一回鎮めるのに1分も掛かっちまったからな」

そう言って服の内側に閉まっていた資料を見せていた。

 

「それで脅したつもりかそれじゃ完全な証拠にはならないぞ」

 

「あるさ、ここにいるだろ。実際にお前の手で人質にされた人が、これだけでも十分だがこれでお前に拉致されたなんて一言でも言えばお前の人生は全て終わるぞ。どうする、自主するか?」

 

「お前にすがるくらいなら自主する」

 

「そうか、ならこの資料もばら撒いて良いんだな?」

 

「これが出回ったらもう学園都市とイギリスでの間が終わるかもしれないぞ。お前1人のせいでな、そうなると2度と牢屋から出るのは無理になるな。娘に会いに行くことも出来なくなるし、一生犯罪者扱いだよ」

 

「・・・何が望みだ」

 

「いやいや、望みなんて無いよ。お前が死刑になろうが自殺しようが俺には関係の無い話だ」

 

「なら、お前の言っていた。何も失わずに終わらせる方法は何だ」

 

「やってもほぼ無理だけどそれでも挑戦するなら、送ってやるよ。牢屋に入る事に変わりは無いけどな、精一杯のプレゼンをして来い」

 

「一体誰の前でやらせるつもりだ、そんな事を」

 

「お前みたいなやつにすぐに教えるわけ無いだろ。で、どうする?ここで諦めるか、それとも一握りの希望にかけるか」

 

「・・いいだろう、その賭けに乗ってやるこれでも一児父親だ、子供を見捨てるほど腐っちゃいない。案内してくれ」

 

「なら、その資料は持って来いあと着くまでは視力と聴覚は奪っておくからな」

机の上に置いてあったテープで目を塞ぎ目も一緒に塞いで置きその部屋にあった大きなバックに入れ部屋を出て行った。エレベーターではなく階段を使いゆっくりとロビーまで行き外に出るとスーツを着た人間が5人ほど現れ取り囲んできた。

 

 

「なんだお前らは?」

 

「そのバック置いて行ってくれないか」

 

「すまないが無理だ、この荷物を急いで運ばないと行けないからな」

 

「ではここ死体になって下さい・・・?」

それぞれ武器を出しこちらに向けていたが武器を出している間に上条は常人離れした素早さでそこから300m近く離れた場所まで来ていた。

 

「随分と人間らしい動きのロボットだったな。それよりますばパトリシアの安全を確保することを第一に考えておくか」

 

「どうした、幻想殺しこんな時間に出歩いて」

とっさに振り向くと、元ローマ正教の神の右席に所属していたウィリアムオルウェル(アックア)が歩いていた。なんでこんなところを歩いているのか不思議に思ったが身なりを見る限り公務を終え軽く散歩しているように思えた。

 

「アックアか、今厄介な連中に見つかって逃げてきただけだ」

 

「それで、そのバックには誰か入っているのであるか?」

 

「ああ、今日のテロ活動を支援した人間だ。それにキャーリサを襲った罪があるから、本人の前で謝らせようとしてたんだけど相変わらず運悪く他の人間に追い回されてこの状態だ」

 

「人間の扱いでは無いな、だがそのほうは助かった。その男には少々借りがあるのでな、クーデターの時に復興資金を提供してもらったので、ある程度の要求には無償で答えなくてはならない。そのせいで1人で向かわせることになってしまったのであるからな」

 

「そうか、ならこいつを本人達の前に連れてってくれないか?こっちは拉致されたパトリシアも送り届ける必要があって急がしくてな」

 

「証拠はあるのであるか?」

 

「このバックにもあるけどとりあえずこれも持ってってくれ」

服から資金援助に関する資料だけを取り出し、アックアに渡していた。受け取ったアックアは確認のため全て読み始め、本物だと思ったのか顔を上げた

 

「ふむ、確かにこれは本物だな。了解した、この男はこちらで預かる。明日はまた急がしくなりそうだ」

上条は持っていたバックを渡し受け取ったアックアは宮殿のある方向に向かって走って行った。

 

「相変わらず速いな聖人は。まあ、それは今は関係無いこっちも片付けるか」

上条は背中で寝ているパトリシアを抱えながら走りっているとイギリス正教の女子寮の前を通りかかり、パトリシアを預けるため中に入った。

 

「おー珍しく来たな。どうしたこんな時間に」

中からは魔術師であるシェリークロムウェルが出てきた。金髪の毛は荒れ肌黒な部分は変わってないが少し角が取れだように当たりは優しくなっていた。

 

「すまないがこいつを預かっててくれ」

着ていたコートでパトリシアを抱えながら床にすぐに立ち去ろうとした。

 

「また、女絡みの事件か」

 

「・・・」

 

「ま、頑張ってきな」

声かけに軽く応じすぐに出て行った。それから数分後先ほどあった5人組の集団にあった。

 

「また、来たかよく会うな」

 

「そうですね、では死んでください」

 

「普通の人間なら絶対に出会ってすぐに言う言葉じゃ無いな」

気がつけば、全員が剣を持ち上条に迫ってきた。上条も二刀流で対抗していたが、思った以上に連携がうまくなかなか攻められずにいた。一回防げば次には2、3と剣が飛んできていた。場所はどんどん変わっていき、人気の無い道路から街中に移っていき、さらに余った者は至近距離から発砲してきたり守りに徹することしか出来なくなっていた。

 

「きついな、ここまで来ると。相手が2人だったらまだ楽かもしれないけど」

傷はまだ1つも追っていないが、剣技や体術で何度も、蹴りで外壁にぶつけたり、持ち手を石突代わり使い脳天に落としたりと抵抗したがそれでも誰1人倒れる事はなかった。

試しに一本の刀を宙に軽く投げ飛んでいる刀のつばを蹴り1人の男に飛んでいくとそのまま心臓付近に突き刺さり奥まで刺さったがそれでも血が一滴も流れず表情も一切変わらなかった。

 

「なるほど、これならもうちょっと無理は出来る。・・枷を2つ排除」

5人は上条を囲うように挟み切りかかってきたが剣を振るっている間に接近し、1人目は張り手のように手を突き出し吹き飛ばし、2人目は腕を引きちぎり顎を蹴り上げ高く吹き飛ばし、3人目は持っていた日本刀の刃が付いてない部分で横に振り切り首が横に曲がった状態で外壁にめりこんでいた。4人目は背中に周り後ろから踵落としを背中に入れ地面に叩きつけ、5人目は足をありえない速度で蹴り根元から切断し地面に倒れそうになった瞬間に頭部を蹴り近くに停めてあった車にめり込んでいた。

 

「このぐらいまで速さが出るのかあと1つ枷を外せば聖人と同等になるな」

その時、刺さっていた刀を引き抜き振り返ると1人の倒れている男を見ると引きちぎれた腕元どうりになっていた。

 

「自分から再生する奴かよ、ならもうあれをやるしか無いな」

隙を狙っていたのか後ろから2人同時に切りに来たが、それを刀を逆手に持ち軽く上に飛んでいた。当たってからは自らの刀を踏み、更に刀を押しながら振るい後ろに飛んでいた。

 

「・・くたばれ」

それから1人が切りかかってきたが上条は一度刀を振るった。ただそれだけでさっきまで近づいてきた男が目の前から消えた。その代わり、地面にはたくさんの粉が山のように積もっていた。それでもまた2人同時に来て首めがけて振るったがそれも1度振るった時には目の前から消えていた。

 

「さて、お前らも来るか?」

その挑発に乗ったのか、残り2人も左右から同時に来たが一歩踏み出す前にいつの間にか移動していた上条に切り刻まれていた。みるみると残っていた体が小さくなっていき最終的には原型を留めないほど細かくされていた。もちろん無意味にここまで切っているわけではなく、再生する可能性があるためわざとここまでやっていた。その流れでもう1人の男も切りその場から離れた。それから外から部屋に入り軽くシャワーを浴びていた。出てきた時には着ていた服と持っていた武器は全てなくなり性格もいつも通りの上条に戻っていた。

 

「戻ってきたか、随分と遅かったな」

 

「仕方ないだろ、面倒な奴に追い回されたんだから。で、バードウェイの方は終わったのか?」

 

「多分終わっただろう、魔術の反応は無くなったし問題無いだろう。お前の体に比べればな」

 

「まあな、これは明日は体調不良になりそうだな」

 

「それで済むのか?」

 

「今回は軽く済むな、前と違って身体能力だけを上げたからな。じゃあ俺は先に寝るぞ今日は疲れたからな」

そう言ってすぐに寝始めていた。オティヌスはまだ寝る気にならないのか起きてテレビを見ていた、それから一時間ほど経ち寝ようとしていると急に隣で寝ていた上条が呻き出した。

 

「はぁ、やはりまだトラウマは抜けないか。いくら私と同じ舞台に立ったやつとはいえまだ高校生だしな」

オティヌスを同じ布団に入り後ろから寄り添うように寝ていた。もちろんこれで治ることはないがそれでもトラウマを植え付けた本人としてこれくらいはしたかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




剣技と体術に特化したせいで素で聖人並みの身体能力を出せなくなって苦戦。でも一切諦めることはない上条さん
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