「あの、すいませんここまで大きい大会だとは聞いてなかったんですけど」
あれから1週間が経ち文字通り支部の人間として試合に出る事になり、少し離れた学区に来ていたがかなり大きな施設でありバスケットコートだけで6コートも完備されていた。
「学園都市の大半の人間が参加してるんだぞ、このくらいは普通だ。いや、少し小さいかもな」
「まあ、俺たちにとっては少ないの楽しみの1つかなこの大会は」
「お前も頑張らないとあと黄泉川隊長にどやされるぞ。応援にも来るみたいだしな」
「えっ聞いてないですよ。って勝たないと絶対になんかされそうな気がする」
「そこは否定しない、女性陣は黄泉川隊長がいるから毎回上位に食い込んでるからな」
出るメンバーは上条を含めて11人で出場してるチームの中でもかなり少なかった。上条はここに入った時点で嫌な予感がしていたがそれは組み合わせに響いていた。
「おいおい、初戦から優勝候補のところと当たるのかよ。今年は組み合わせが悪いな」
「最初から出していくか考えておかないとな」
「そんなに強いんですか?」
「まあな、元プロバスケット選手もいるから誰も勝てると思ってないんだよな」
そんな感じてきた瞬間からテンションが落ち込んだ状態で開会式を迎え試合が始まっていた。チーム数は100を超え1日で終わらせるため、これと同じサイズの施設を3つほど貸し切り行っていた。
「自分達って何試合でしたっけ?」
「この次の3番コートだ。一番見られやすい場所か、頑張ってくれよ新人。お前は第3セットから出てもらうからな期待してるぞ」
「マジですか」
それから10分程経った時現在やっている試合が終わり上条達もコートに入っていた。ユニフォームらしき物着ておらず色分けは本部から支給されたビブスで判別することになっていた。
「頑張れますかね、過去の結果見てみたんですけど準決勝までダブルスコアで勝ってますよ」
「俺達が一番やることは最後まで諦めずに試合をやる事だ。まだ始まってすらいないんだまだ根をあげるのは早いぞ」
先輩達から励ますような声をかけられ持ち直していたがその顔には少し諦めかけたような様子が見られた。それから全員で円陣を組み声を掛け合っていた。
「よし、出せるもの全部出して全力でいくぞ!!」
「「「「「「おう!!」」」」」
それから試合が始まったが一方的に攻められ第1セットだけで30点差以上をつけられていた。上条も精一杯ベンチでサポートにまわっていたが第2セットの中盤で60点差以上をつけられチーム内でも諦めるような雰囲気が漂っていた。
「上条残り2分くらいだけど出てくれるか?」
「はい、元から出るつもりでしたから」
かなりへばりかけている先輩と交代し上条はコートに入った。
「時間はない、すぐに決めていきます」
「その意気だ、よしここから立て直すぞ」
上条が入った事でまた士気が元に戻り試合が開始された。
「よし、お前の実力を見せてくれ」
「了解です」
上条に珍しく笑いながらパスを受けとってすぐ挨拶代わりに相手のゴールに超高弾道のシュートを叩き込み実力を見せつけていた。それを見た相手は最初は驚愕したがすぐに気を引き締めかかったがそれでは相手にならなかった。
「へい、パスをくれ」
「焦るな、落ち着いて時間をかけて攻めるぞ」
相手も慎重に攻めを考える事を考えてパスを回したが上条にとってはその速度はあまりに遅く手から離れた時には取られ相手が振り返った時にはすでにゴールをボールが通っていた。
「なんだあいつ、聞いてないぞ!」
「知らない!いちいち聞くな」
わずか1分で60点あった差が40点まで減り相手からシュートは全てカットされていた。その後も1人で攻めたが守りが自分だけになった瞬間には仲間にパスを回して攻めたが味方を一切見ずに出すパスに対策を立てられるわけもなく、ぽんぽん通り第2セットが終わった時には半分まで縮まった。その時ちょうど女性陣が応援に到着し、探していたが上条達が試合をやっている席が混んでいるのですぐに気づいていた。
「おお、やってるじゃん。さてどこまで頑張ってるか気になるな」
「私達ももう試合が入るんじゃないですか?」
「まだ20分近くある、少しくらいは見てても平気じゃん」
そう言って見てみると上条が身長2m以上ある相手を3人相手を前に立ち止まりどう攻めるのか考えていた。
「もしかして、ここらで一番強いところにあったみたいじゃん」
「でもあんなにガタイの良い人見た事がないんですけど」
「新しく、雇ったに決まってるだろ聞いたことない人ばっかりだな」
その時コート内では攻め方はいくつか何となく思い付いたがずっと止まってるわけにもいかず、しょうがないと考え上条は自分の身体能力で出来る反則技を披露した。上条は右側の相手に向かって投げた、その先には味方の1人がいたが目の前の人間に阻まれ絶対に行かないはずだった。しかしその予想を裏切り、上条のパスをしたボールは相手の体を透き通りパスを通していた。
「ナイスパス!」
受けとった側はそのままドリブルでボールを運びシュートを決めた。元から話を合わせてあるのか戸惑うことなく攻めていった。
「おお、面白い事やってくれるじゃん」
「え、そこですか!それより何で今のは」
「見ての通りのパスじゃん、ただ速すぎて透き通ったように見えただけじゃん。相手の体の手前まで投げて当たるすんぜんで止めて股の下から投げただけの普通のパスじゃん」
「知ってるんですか黄泉川さん?」
「前の練習の時に見せてもらったじゃん、そうじゃなきゃ仲間も誰も取る事なんて出来ない。信頼がないと難しいやり方じゃんよ」
上条はその間も一切手を緩めずガンガン攻め続け、体格差と技術差を全て速度と先読みで補い、手が伸びてきた時には抜き去りさらに後ろにいた人間もカバーに入って来た時にはゴールしたまで移動してゴールを決めていた。
「すごいな、学生であんなに動けるのか」
「これは勝てるかもしれないな」
ベンチでは勝てるんじゃないかと、思い始め応援もさらに熱が入っていた。
「これ以上は行かせない!」
「なら、押し通ります」
上条は軽くジャンプしそのまま打とうとするがそれを阻止するべくブロックするがそれを軽く身を捻り横に避け、その先にも守りに来たがさらに横に避けゴールに向けて放り投げた。しかし、距離が足りずゴールの手前で落ちるがそのボールを仲間が取りしっかり決めていた。
「これじゃあ誰が打つが見当がつかないな、残り時間はあと4分で点差は80点もあるのかよ」
「あのちっこいのを止めようとしたところで簡単に抜かれるしどうすれば良いんだよ。パスをカットしようとしても速くて取れないわ、体を通り抜けるわどうすればいいだ?」
「他のメンバーも普通より動けるが止められないわけではないんだ。それにあれだけ動いてるのに息が全く乱れてない、どんだけ体力あるんだよ」
「せめて弱点でも分かれば楽なんだが」
「いや、難しいな。予備動作がほとんど見えないせいで用意できない」
結局何も対策を立てられないまま入り、終わった頃には2倍のスコアで上条のチームが一回戦を勝ち上がった。
「良くやった、上条。ありがとう、まさか勝てるとは思わなかったよ」
ベンチに戻るないなやチームの人間から祝福されていた。まだ試合が残ってるからあとにしたほうがいいんじゃないかと思っていたがなかなか言い出せずにそのまま流されていた。
「いや〜やっぱりなるじゃん上条のやつ」
「本当に人間離れしてますね上条君。見てる人も全員、目を見開いてましたからね」
「そりゃあ優勝候補のチームに大差で勝ったんじゃんここにいる人間ならみんな驚くじゃんよ」
黄泉川達も自分達の試合があるため移動していたがそれ以外の人間は全員相手が彼らにならない事を願っていた。その後は普通のチームと2、3度当たり上条は1回も出ずに準決勝まで勝ち進んだ。
「以外と上まで来れましたね」
「まあお前の活躍のおかげでな、これからは試合も重なってきて一番辛くなってくる場所だからなここから正念場だ」
「ここまで来たなら優勝したいな」
「俺らもこの坊主に負けないくらい頑張らないとな」
全員笑ってはいたが疲れが出ているのか息づかいが荒かった。それからすぐに試合に入り上条は疲れていない為、最初から出る事になった。
「観客が増えてきましたね、それにいかつい人しかいないんですけど」
「そりゃ重要施設の警備の担当を任さらてるような人達だからな、正直言って当たりたくなかったよ」
「全員が体育会系の学生だった人達だからな」
それはそうだ見た所体格差だけ見たら1人の相手をするのに2人でかかっても止められる怪しかった。
「こうなったら、もうやるしかないな」
上条は少し気合を入れ入ったがパスワークで攻めるにも限界があると感じていたが出来るところまでやろうと思い、集中し始めた。
「うわぁ重圧がやばい、本当に同じ人間か疑いたくなる」
「これでも同じ人間だ。それより、最初みたいに攻めてこないのか?」
「あっ最初の試合見てたんですか?」
「もちろんだ、あんなに騒がれたら誰でも気づく」
「そうなんですか、まさか見てるとは思いませんでしたよ・・」
その時、ゴールの方向からバコンッ!と音がし振り返るとさっきまで話していた上条がダンクシュートを決めてゴールにぶら下がっていた。
「なっ!」
「なんちゅう速さだよ、全く見えなかったぞ」
始まってからまだ1分も立っていなかったのだが上条は全力で相手をしていた。
「切換えろ、すぐに1点返すぞ」
すぐに攻めに切換えパスを出そうと出そうとしたが手を元が出す方向に向いた時に一瞬止まってしまい、上条以外のチームメンバーも何処に出すかそれだけで分かるようになってしまい出された瞬間にはパスをカットされ手を決められていた。
「難しいな、以外とやってみれば出来るんだがまだ慣れない」
「だけどやっと対等くらいには相手に出来るようにはなったな」
「ああ、出来ればあの見えないパスはびっくりするからやって欲しくはないけど的確に手元に来るから助かるな」
「けど、結構体力が持ってかれるな。しんどい、良くあれだけ動いて疲れないなこれが学生と教師の違いか」
のんびりと話しているがその間もコートを走り回りパスを回し合い確実に点を重ねて行った。第一セットが終わり第二セットの終盤には相手は完全に遊ばれてるような感覚になっていたが、上条たちの目つきを見て再びやる気を出し点差を詰めていった。後半ほとんどパスだけを回していたせいか終わった時には点差は30点まで縮んであった。お互いに全力で相手を出来たのか整列した時のがっちりと握手をしていた。
「楽しかったぜ、また相手をしてくれよ」
「今度は勝つからな」
と声をかけられ休憩部屋に戻ったがもう一度出るかは怪しかった。
「ちょっとやり過ぎたかな」
「まあ、そうだろうな。おかげでくたくただよ、でもあと1試合これさえ勝てばいくらでも休めるそれまで気は抜くな」
「そうだな、終わったら飲みにでも行くか。何時もの店に?」
「もう終わった時のことを考えるか、確かに疲れて終わった時のことしか考えてないな俺も」
少しぐだついているがそれでもあと1試合の為に体力を温存していた。上条にとってはこのくらいはいつも走っているランニングよりも短い距離だったので全く疲れはなかったがコートを何往復もしたのでかなり汗をかいていた。
「あと1試合か、最後は先輩達に任せてサポートにまわろうかな。でもなんだろ、すぐに出る事になりそうな気がする」
それから50分が経ちいよいよ決勝戦を行う為少し離れたコートに訪れていた。
「うわーまじで当たったよ」
上条達の前にはユニフォームを着たメンバーが軽い練習をしており、威厳のありそうな監督らしき人物もいた。
「おいおい、聞いてないぞ日本代表メンバーとやるなんて」
「相手チームはどうしたんだよ、もう終わってるはずだろ」
隊員1人が審判に聞くと試合途中に棄権したらしく、優勝したチームとやってもらうはずだったがその埋め合わせとしてやる事になった。
「これこそ勝ち目が無いだろ、プロの選手に勝てっかよ」
「もう優勝は決まってるみたいですし、やれるところまでやればいいんじゃ無いですか?」
「んん、まあそうだな出来るところまでやろう。別に負けてもいいんだ、楽しんで行こう」
コートの中央に整列し挨拶を交わしたが体格差は歴然で自分のチームよりもひと回り大きかった。審判のホイッスルが鳴り試合が始まったがメンバーを一目見て手を抜いてることが分かった。
「ベンチに座ってるメンバーのほうがどう見てもレギュラーだろ。軽い調節のつもりで来たのか?しかもテレビカメラも回ってるよ」
「ここまで連続でやって来た身になるとかなり不利な試合だな」
「サプライズにしては随分手を抜いた試合だな、応援どころかみんな話してるよ」
レギュラーを外したメンバーで試合をしていたがそれでも連携やパスワークはしっかり出来ているのを見ると選ばれている分の実力があるのは理解できた。気がつくとブザーが鳴り第3セットが終わった事を知らせ選手達がベンチへと戻ってきた。
「はぁ強い、ほとんど手が出ないな」
「強いのもあるけど完全に遊ばれてるな、試合途中に笑ってやがる」
「仕方ない、俺達はアマチュアなんだプロ相手に勝てる訳けないんだ」
「はは、楽しむはずの試合がストレスのたまる試合になっちまうとはな」
「上条出てくれ、この試合絶対に俺達は勝つぞ!」
「「「「「おお!!」」」」」
その横ではお喋りをしながら休んでいる選手達が必死に声を出している姿を見て頑張りを感じているが内心では勝てる訳が無いのにと思っていた。
「このまま行くぞ、最後まで気を緩めるな」
「「「「「はい!」」」」」
お互いにほぼ同時に入り上条は選手交代の手続きをすぐに終わらせ入っていた。あと1セットで覆ることはないとその場にいた全員が思っていたがその予想は簡単に散った。
「上条頼んだ」
味方からのパスを受けシュート体勢に入ろうとしたがその前にカバーが付き手に持ったボールを落とされそうになるが寸前でその手を避け飛んでいた。それに続いて相手も飛ぶがいつまでたっても打たず上条は後ろに倒れる状態まで一切その体制を崩さず、落ちる手前で打った。もちろん落下中に更に空中で飛んで取る芸当が出来るのはこの街では片手もいないだろう。そのまま放ったボールは高く上がりそのままゴールを貫いていた。おお!と声が上がり歓喜が湧いたがコート内の人間はチームの除いて誰1人として笑っていなかった。
「これであと98点差あと何本打てばいいんだ」
上条は起き上がり、すぐにやる気を出した。相手にパスが回る瞬間にはボールを奪い次の動作に入ろうとした時にはゴールに向かって放り投げていた。運良くゴールに近づいてもそれを入る寸前で取り、そこから高弾道でシュートを放ち入る頃にはコートの中央まで移動していた。カウンターを仕掛けるのか一斉に全員が走り出しゴールしたにいた選手は本気でボールを投げ高速のパスを出したがそれを背中を向けて軽々と受け止め軽くジャンプしゴールに向かって一直線に投げ込み、入れた。それからカバーが上条に集中したが、たかが2人の人間に止められるほど弱くはなかった。パスを受け文字通り2人がかりで止めに来たが左右に大きく振り回しあと一気にその場から後ろに離れたそのせいか、行こうとした足を無理に別の方向に出した体制を崩しその場に尻餅をついてしまった。確実に打てる体勢に入るとそのままゴールに向かって放り投げて点を決めた。その後は自分に注意が向いてくるのを確認し、2人を純粋なスピードだけで抜いたあと、守りに入る人間が絶対に1人はいるのでシュートを打つ腕の体勢に目を向けさせボールはカバーが外れた味方にパスを出し決めてもらっていた。それを繰り返し残り時間1分で点差は10まで縮んでいた。そこから上条はパス主体にした攻め方に変えたがその場にいた全員が驚愕した、何故ならボールの飛んで行った向きと上条がパスを出している向きがほぼ真逆になっており、受ける側も両方が一斉に動き出しどちらが本当なのか分からなくなっていた。その後もシュートをカット出来る瞬間に手を伸ばした時にはその手には何もなく、後ろにいた仲間がボールを受け取りシュートを決めた。それから時間が経ち試合が終わる数秒前には点差はあと1点まで迫、り死ぬ気で守っていた代表チームは上条を取り囲むように前と後ろでガードするが上条はただコートにボールを叩きつけ後ろに歩き出した。試合を諦めたのかと思い代表チームは全員が気を抜いてしまった。その間ボールは高くバウンド残りコンマ1秒でそのボールは吸い込まれるようにゴールの輪を通る抜けた。そして面輪をくぐり抜けたあとに試合終了のブザーが響いた。それと同時に一斉に歓声が上がり上条のチームが勝利した。
「よっしゃ!!!」
「よくやった、勝ったぞははは」
「やばい、こいつ壊れやがった。誰か後でいいから元に戻してやってくれ」
一斉に上条に隊員全員が飛びかかり喜び合っていた。あまりの勢いに押し倒されコートに倒れていた。興奮がまだ冷めない中、整列し挨拶が交わされたあと表彰が行われた。かなりの番狂わせだったのか終わった瞬間に沢山の取材人が殺到してきたので上条は先輩隊員にことわりをいれ、先に帰っていた。部屋の前に着くなりどっと疲れが出てきたの壁にもたれかかっていた。
「試合よりここにくるまでの方が疲れた、今日はもう寝よう」
ここで更に試合の疲労が回ってきたのか、少し足元がおぼつかなくなっていた。すでに日が落ちて夜になり、静まっていた。
「ただいま、ってみんなリビングか、先に軽くシャワーを浴びて寝よう」
上条は予備で持って行った服を出し、服を脱ぐとそのまま入りものの4、5分で出てきた。
「さっぱりしたけど眠気が余計に出てきた」
その状態でリビングに行くと来るのを待っていたのか、4人とも一斉に迎えてくれた。そのおかげか少し疲れたが取れた気がしたがそれ以上に疲れが重なったため用意してくれたが、荷物を置いてくると言い部屋に入ったがベットに向かうなり倒れこむように寝ていた。少し時間が経った頃にオティヌスが起きしに来たが起きる様子もなく4人で食べていたようだった。
次の日起きた上条は手足に妙な重さを感じ首だけを動かし見てみると4人とも同じ布団に入りしっかりとしがみついて寝ていた。
別の作品を書こうと思っているのでこちらはほとんど更新できなくなります。見つかったらそちらも読んでみてください。