老将鎮守府に立つ   作:雪風紅

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少女とお艦と老人と・・

 

「ふー」近江は目頭を押さえながら、ある資料を持っていた。

 

「お疲れさまなのです」湯飲みを持ってきたのは暁型四番艦。駆逐艦電。

 

「ありがとう。この歳で資料に目を通すのは辛いだけだからな」お茶をすすりながら言う近江。

 

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                 ~数時間前~

 

「東郷元帥に言われてきたが、ここが横須賀鎮守府か」近江はかばんを携えながら『横須賀鎮守府』と書かれた看板をさすりながら言った。

 

「さて、わしの部屋にでも行こうかの」

 

「Zzz・・」提督室と書かれた部屋に入った近江が目にしたのはソファーのうえで寝ていた一人の少女がいた。

 

「この子が、元帥が言っていた艦むすか。しかし、どう見ても、子供にしか見えないんだがなぁ」

 

「ん・・んぅー」目をこすりながら起きる少女。

 

「起してしまったか」

 

「ふぇ。誰ですの・・・もしかして提督さんですの?」

 

「今日から、横須賀鎮守府に任命された近江 豪三朗だ」少女の目線に合わせて笑顔で言う近江。

 

「ふぇえええええ!!申し訳ありません。暁型四番艦駆逐艦電(いなづま)本日より提督の秘書艦として着任しました」急いで、ソファーから降りて近江の前で敬礼する電。

 

「よろしく頼む」

 

「はいなのです。あ、東郷元帥から、お手紙が来てるのです」そういうと、ダンボールから分厚い茶封筒を近江に渡した。

 

「ん。これは」電から、茶封筒を受け取ると開けた。中からは、艦むすのことで書かれた資料と明細そして、いくつかの注意事項が記されていた。

 

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「無理は禁物なのです」電が心配しながら近江に声をかけた。

 

「ハハハ。これでも、昔は早く読めたんだがな」そういうとメガネをはずしながら答える近江。

 

「でわ、資料が読み終わったので、鎮守府を案内するのです」電がそういうと近江は立ち上がり電に付いて行くのであった。

 

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                 ~食堂~

 

「ここは食堂なのです」

 

「ほう。ここの食堂は、かなり広いな」辺りを見回すと、広々とした所の中心に大きな台所があった。そこには、着物を着た女性が黙々と作業をしていた。

 

「あら、これはこれは、初めまして」二人の存在に気づいたのか、近江と電のそばまで来る女性。

 

「提督。鳳翔さんなのです」

 

「食堂の料理長を担当しています鳳翔です。よろしくお願いいたします」

 

「初めまして、鳳翔さん。本日より横須賀鎮守府に着任した、近江 豪三郎だ」

 

「近江提督のお噂は、聞いています。そうだわ。提督ご飯はお済みですか?」

 

「いや、まだだが」

 

「よろしかったら、お昼ご飯いかがでしょうか?私も、今から、いただく所なので」

 

「そうだな。せっかくだし、いただくとするかの」

 

「私もいただくのです」

 

「それじゃあ、三人分用意しますね」そういうと、台所に行きお皿にカレーを盛り付ける鳳翔。

「鳳翔さんのカレーなのです」目をキラキラさせながらいう電。

 

「ほぉー。これはこれはうまそうなカレーじゃな」

 

「おかわりもあるのでたくさん食べてくださいね」

 

「「「でわ、いただきます」」」カレーを頬ばる近江達。

 

「ほら、電ちゃん。口の回りにご飯粒がついてるわよ」

 

「はずかしいのです」鳳翔が口についたご飯粒を指摘して恥ずかしがる電。

 

(何年ぶりだろうか。誰かと共にご飯を食べるということは)二人の光景を見ながら昔のことを思い出していた。

 

『お帰りなさいパパ。今日はママのカレーだよ』

 

『お帰りなさいあなた。風香。お父さんは疲れてるからあんまり抱きついたらだめよ』

 

『晶子。大丈夫だよ。ほら、風香抱っこしてやろう』

 

『わーい』

 

『もう、風香には、弱いんだから』

 

『パパー大好き』

 

『私も、お前たちのことが大好きだぞ』

 

「て・・く?・い・と・?ていとく?提督!」

 

「は!!」

 

「あのお口に合いませんでしたか?」鳳翔が心配そうに言う。

 

「ん。いやいや。とてもおいしいですぞ」

 

「そうですか、急に目をつぶって俯いていましたので・・」

 

「それは、心配かけました。あまりにも美味しいものですので、感極まってしまったので」笑いながら答える近江。

 

「「?」」

 

「いや~。ご馳走様でした」近江はそういいながら鳳翔にお礼を言った。

 

「はい、ありがとうございます」

 

「提督、次は港に行くのです」電はそういうと近江を、港まで案内した。

 

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                ~横須賀港~

 

「これは・・・駆逐艦電じゃないか」近江は驚いた。自分の目の前には、駆逐艦電があったのだ。

 

「えへへ。提督。今から、巡航するのですが乗りますか?」

 

「ふむ。しかし、資料には艦むす自身が戦うと書いてあったが」

 

「はいなのです。私たちも戦いますが、近年私たちの船も出来て艦隊で戦うのです」

 

「そうか。それで、納得できた。東郷。おぬしは、それでこの娘を託したのだな」近江は、電を見た。年はかにもいかない娘を見るように。近江の目はとても優しかった。

 

「で、どうするのです?」

 

「そうだな、この海域の状態も見たいから、船に乗り込もうかな」

 

「はいなのです」そういうと電と近江は駆逐艦に乗り込むのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




艦むすだけで戦うのもいいのですがやはり、提督自身指揮を執りながら戦うところも見たいので書かせていただきました。

やっぱ、お艦は鳳翔にかぎりますなぁ~~。

感想、誤字、脱字、遠虜なくいってくださいね。でわでわまた次回に
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