とある時空の世界大戦   作:委員長@バカ犬

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このお話はひぐらしのなく頃にシリーズに関する重大なネタバレがあります!!

それでも構わないという心の広い方はどうぞ!!


第4話「雛見沢症候群」

古手神社で起きた様々な騒動もようやく全て収まった後、霊夢を筆頭に当麻達や部活メンバーは古手神社の石段を一つ一つ降りていた。

 

「あら?梨花、何を持っていますの?」

 

その時、梨花を見た沙都子は梨花の手に握られた見覚えのない物を見て梨花にそう問いかけた。

 

「あ、これは物陰に隠れていた時に祭具殿から持ってきた物なのです。

ボクも見覚えが無かったので、怪しいと思って持ってきたのですよー」

 

梨花は手に握っている農具の鍬にも似ている子供のおもちゃのようなデザインをした杖を見せながら沙都子に答えた。

 

因みに、祭具殿というのは古手神社から少し離れた先にある倉庫のような場所であり、儀式に用いる道具や、雛見沢の守り神「オヤシロ様」の仏像があるとされ、中に入れるのは代々オヤシロ様の生まれ変わりとされている古手家一族のみとされている神聖な場所である。

 

「はうぅ!何だかかぁいいなぁ~♪お持ち帰りしたいよぉ!」

 

レナもそのデザインが気に入ったのか、物欲しそうに梨花に言う。

 

「ダメなのですよレナ、何であれ、祭具殿の中にある物はボクにしか持つ事は許されていないのです」

 

「はうぅ…残念だよ…」

 

それを聞いたレナは珍しくあっさりと諦めてしまった。

 

「なんだなんだ?インデックスの時はあんなに物欲しそうな姿勢を崩さなかったのに偉くあっさり諦めるんだな?」

 

「ここ、雛見沢の守り神「オヤシロ様」は雛見沢では凄く祀られてるんだよ。

オヤシロ様の許可なく触れればオヤシロ様の祟りにあう…って雛見沢では言われてるんだよ」

 

レナの様子に気付いた当麻の問いに魅音が答えた。

 

「へー…俺は神様なんてモンは信じないなー…なんせ神のご加護が俺に降りた事なんて一度も無いし…」

 

半ば自嘲気味に当麻は魅音に言う。

なんせ神のご加護も異能の力であるのだから、当麻の幻想殺しはそれすらも打ち消してしまっているのだ。

 

「そういや良く「不幸だ」って言ってるよね~」

 

ケラケラと笑いながら魅音はそう返した。

 

「神様は信じないなんて下手に言うモンじゃないわ、幻想郷には神様だっていたんだからこの世界にも神様がやってきてるはず。

下手に言うとキレてどんな目にあうか知らないわよ」

 

その話を聞いていた霊夢は当麻に対しそう忠告しておいた。

 

「わ、解ったよ…そういやさ霊夢、どこに行くかあてはあるのか?」

 

当麻は念のために聞いたのだが、案の定霊夢からは「無いに決まってるじゃない」という返事が返ってきたため、当麻は深く溜め息をつくとこう提案した。

 

「学園都市に一旦戻りたいんだ。

宿題を一刻も早く終わらせたいんだよー!」

 

そう、結局の所宿題はほとんど手付かず、それに、今にも日が暮れようとしていたのだった。

 

「学園都市?」

 

「何ですの?学園都市って…」

 

過去の平行世界から来た圭一達や幻想郷からの来訪者である霊夢は案の定学園都市の存在を知っているはずも無かった。

 

「仕方ない…一から説明しないとな…」

 

 

 

 

 

学園都市…東京西部と山梨県、神奈川県、埼玉県に誇る巨大都市で、その面積は東京の3分の1、人口は230万人、そしてその8割を学生が占めるという。

 

さらに、ありとあらゆる教育機関や研究機関の最先端であり、科学的分野では学園都市の外部と30年以上の進歩の差があるとされる。

 

そして、圭一達や霊夢の興味を最も惹かせた学園都市の特色は…

 

「超能力開発…って、何だそりゃあ?」

 

「学園都市の学生達はその超能力開発のカリキュラムを学校で受けてるんだ」

 

学園都市が世界を二分出来る規模を持つ程の勢力である由縁がその「超能力開発」である。

 

能力の素質はほとんどの人間に宿っており、その力を発現させるためには「自分だけの現実」を自分の中に作る事が必要とされている。

 

また、その能力にもほとんど効果の無いレベル1(小能力者)から学園都市に7人しかいないレベル5(超能力者)までが存在しているというのだ。

 

「すごーい!レナも超能力者になりたいな~♪」

 

「おじさんも結構興味あるかも!」

 

レナや魅音もまるで幼い子供のように興味を惹かれていた。

 

「あ、でも…学園都市に入るには許可証が必要だしな…」

 

「その心配はありませんよ上条さん」

 

「うおっ!?なんだ…葛西さんか…どういう事ですか?」

 

当麻の背後からぬっと姿を現した葛西は自身の懐から数枚の紙切れを取り出した。

 

「実は、葛西が何故か私と葛西を含む圭ちゃん達の許可証を持っていたんです」

 

その葛西の隣で詩音がみんなに説明を入れた。

 

「すごく不思議だね…とうま」

 

「そうだな…平行世界と過去の人間の分の許可証が存在しているなんて…」

 

当麻とインデックスもさすがにこれには驚きを隠せないでいた。

 

「上条さんの言う通り、まずは学園都市に向かうのが一番かも知れませんよ。

学園都市がそこまで発展しているようなら、幻想郷の住人達に関する情報も入ってくるかもしれません。

それに、住まう場所も必要ですから、活動の拠点とするならいいかもしれません」

 

葛西も当麻の意見に賛成し(最も、当麻とは理由が全く異なっているが)、石段を降り終えるとその先に停めていたリムジンに皆を誘導した。

 

「そうと決まれば早速よ!こんな異変とっとと解決して帰るわよ!」

 

霊夢がやはり最後は仕切る形で一同はリムジンへと乗り込み、全員が乗り終えた後、リムジンはエンジンを吹かせて動き出した。

 

 

 

 

 

「葛西…実は寄って貰いたい場所があるんです…」

 

「診療所ですね?」

 

「はい…」

 

リムジンの中では一同がそれぞれの世界の色んな話をしていた。

その中で、詩音と葛西は誰にも聞こえないような小声で会話をし、葛西はハンドルをきった。

 

その後、リムジンはとある場所で一旦停止した。

 

「ん?もう着いたのか?」

 

「あるぇ?ここ診療所じゃん?」

 

当麻や魅音達は予想外に早く止まった事に気になり、窓の外を覗いた。

 

入江診療所、雛見沢の施設にしてはとても真新しい雰囲気があり、設備も結構充実しているため、雛見沢の住人達にはとても頼りになる場所である。

 

「すみません、私と葛西はここで少し用事がありますので皆さんはしばらく待っていてください」

 

詩音はそう一同に告げると、葛西と共にリムジンから降りて診療所へと向かっていった。

 

「悟史君…」

 

詩音は診療所の中へと入る前に心配そうに1人の少年の名を呟いた。

 

その後、詩音と葛西は診療所の入り口を開けたのだが、その時見た光景に二人は驚愕した。

 

診療所の受付がある窓口は散々に荒らされていたのだ。

それも銃器による弾痕が多く残っていたのだ。

 

「詩音さん、少し急いでみましょう」

 

そう言って葛西はある場所へと向かう。

そこは診療所の地下、そして入江診療所の裏の顔と呼べる場所への入り口であった。

 

葛西はライフル銃を手に入り口へと向かう。

すると驚いた事に、その入り口もやはり何者かの手によりこじ開けられていたのだった。

 

「嫌な予感がします…的中しなければいいのですが…」

 

そう言って葛西は詩音を誘導しながら慎重に地下に入っていった。

 

入江診療所の裏の顔、それは雛見沢のみに存在する病気「雛見沢症候群」の研究機関であった。

 

雛見沢症候群、それは寄生虫の一種であるらしく、人間の脳に侵入し、症状が悪化するにつれて他人への疑心暗鬼と被害妄想に捕らわれるようになり、ストレスが最高潮に達すると他人に暴力を振るい凶暴化し、最も重い症状のレベル5に達すると、リンパ腺の痒みに耐えきれなくなり、自身で喉をかきむしり、最悪死に至るという恐ろしい病気であった。

 

入江診療所こと入江機関の目的はこの雛見沢症候群を兵器として利用する事だったようだが、奇跡が起きた後の現在では雛見沢症候群の症状を抑え、最終的には克服するための研究を続けていた。

 

その裏の顔に潜入したという事は、侵入者は雛見沢症候群の存在を知っていたと言う事である事と同意義であった。

 

「悟史君…」

 

そして詩音が呟いている少年、北条悟史は沙都子の兄であるが、一年前に叔母を殺して行方不明となっていた。

 

その実態は、叔母と叔父の虐待に耐えきれなくなった悟史が雛見沢症候群の末期症状であるレベル5に至り、叔母を殺してしまったという内容であり、その後悟史はこの入江機関で雛見沢症候群の克服のために治療を受けていたのであった。

 

そして、詩音と葛西はようやくその悟史が治療を受けているはずの病室へとやってきていた。

しかし、そこには悟史の姿は無く、そこには代わりに…

 

「あ…イヤァーーーッ!?」

 

血を流しながら倒れていたこの診療所の所長、入江京介の姿があった。

 

 

 

 

 

その後、悲鳴を聞きつけてリムジンで待機していた他の一同も詩音の下へとやってきた。

 

その後、辺りを捜索していた途中にも別の部屋で眼鏡を掛けた筋骨隆々な男性も見つけ、入江所長共々葛西の応急処置を受けていた。

 

「監督と富竹さんがどうしてこんな事に…」

 

圭一が呟く、監督とは入江の事であり、少年草野球チーム「雛見沢ファイターズ」の監督を勤めているためにつけられたあだ名のようなものである。

そして眼鏡の男性の名は富竹ジロウ、毎年雛見沢に野鳥を撮影するために現れるカメラマンらしい。

しかしそれは表の顔であり、裏の顔は入江機関のメンバーであり、雛見沢症候群の研究を共に続けている人物でもあった。

 

「うっ…圭一君…かい?」

 

そしていち早く目を覚ましたのは富竹であった。

 

「富竹さん!一体ここで何があったんですか!?」

 

「…突然…武器を持った連中が現れて…雛見沢症候群の資料と…鷹…………さんを…」

 

「え?」

 

「鷹野さんを攫って行ったんだ…」

 

富竹は圭一に苦しそうな声でそう告げた。

 

本名は鷹野三四(みよ)、入江診療所で看護婦を勤めている。

その裏の顔は雛見沢症候群を軍事利用する為の研究を始め、最終的には雛見沢症候群を世に知らしめるために雛見沢の人間全てを殺す「終末作戦」を目論んだ女性であり、奇跡が起きた物語においては部活メンバーに敗れ、ある1人の少女に「この世界に敗者はいらない」と全ての罪を許され、それ以後は雛見沢症候群の治療のため入江に協力を続けてきた女性であり、雛見沢症候群の事なら入江以上の知識を持つ人物でもあった。

 

「鷹野さんが…!?」

 

「あぁ…僕達も阻止しようとしたが…結果はこの様さ…」

 

富竹は悔しそうに拳を作って圭一に言った。

 

「葛西さん、一刻も早く学園都市に行きましょう。

学園都市の病院なら、彼らを救えます!」

 

当麻は富竹と未だ意識が戻らない入江を見て葛西にそう言った。

当麻には心当たりがあった。どんなに死にかけの人間だろうが助けてみせる1人の医者がいる事を……

 

 

 

 

 

「ん…ここは…?」

 

入江はようやく意識を取り戻した。

どうやら天井からしてどこかの病院、そして自分は医療用ベッドに寝かされているらしい。

 

「おっと、ようやくお目覚めかね?」

 

するとそんな入江のそばで彼の面倒を見ていたカエル顔の医者が話しかけてきた。

 

「まさか医者が医者の世話になるとは思わなかっただろうね?」

 

「ははは…全くですよ」

 

 

 

カエル顔の医者に対して入江は苦笑いしながら返事した。

 

「まあしばらくは安静にする事、分かったね?」

 

「あ、はい…」

 

「あ、そうそう、面会をしたがっている人がいるから会ってやってくれるかね?」

 

「え?わかりました…お願いします」

 

その後、医者は部屋を出た、そしてそれに代わって今度は詩音が部屋に入ってきたのだった。

 

「詩音さん…」

 

「監督!悟史君は!?悟史君は一体どうなったんですか!?」

 

詩音は必死な表情で入江に問いかけてきた。

どうやら、悟史は詩音の想い人のようである。

 

「詩音さん…悟史君が治療を受けていたことも含めてですが…沙都子ちゃんには絶対に伝えないと約束出来ますね?」

 

入江は詩音にそう忠告しておいた。

 

雛見沢症候群は雛見沢の住人なら誰にでも存在しており、沙都子も例外ではなく、かつて沙都子はレベル5を発症して両親を崖から突き落とした過去を持っているのである。

それでもし悟史の事情を知ればショックでレベル5を発症しかねないために沙都子にだけは絶対伝えないように、必ず悟史を元気にして沙都子の元へ返そうと入江はそう考えていたのだった。

 

もちろんその話も理解出来ている詩音は入江に頷くと、入江は重い口を開いた。

 

「悟史君は…恐らく雛見沢症候群の研究の為の材料として拉致された可能性が高いです…」

 

「そんな…!?」

 

「詩音さん、お願いします!悟史君と鷹野さんをどうか助け出してください!

私と鷹野さんはようやく治療の糸口を見つけたんです!

雛見沢症候群が悪用されてしまう前に、2人を助け出してください!!」

 

入江は詩音の手を掴み、詩音にそう頼み込んだ。

 

「…解りました!必ず2人を助け出してみせます!!だから私からもお願いです、雛見沢症候群の完全な治療法を完成させていてください!」

 

「…えぇ、解りました!」

 

そう約束をしあうと詩音は部屋を後にした。

すると再び先ほどのカエル顔の医者が入江の下にやってきた。

 

「すまないけど僅かながら聞かせて貰ったよ。

何か僕に手伝える事は無いかね?」

 

「え…?あなたが?」

 

「僕を誰だと思っているんだね?」

 

カエル顔の医者、冥土返し(ヘヴンキャンセラー)は入江にそう告げた。

 

 

 

 

 

「監督が意識を取り戻したって!」

 

「学園都市の病院ってのはすごいねぇ!」

 

「まあな、俺のかかりつけ医みたいな人に頼んだからさ。命に別状は無いだろうな。」

 

入江の無事の報告を受けた圭一やレナ達が喜び合う中、当麻は当たり前のように微笑した。

 

すると当麻は気になる事を圭一達に聞いた。

 

「そういやお前達ってこれからどうやって生活するんだ?」

 

「私と詩音さんのマンションは狭いですから流石に全員は泊められませんしね…」

 

葛西も困ったように呟くと…

 

「とうま!家にも泊めてあげてもいいかな?」

 

「ん?そうだな…じゃあ前原はまずこっちに来いよ。それと…」

 

「私もお願い出来る?」

 

インデックスの提案により当麻は圭一を指名し、さらに霊夢も願い出てきた。

 

「これでもまだ多いな…仕方ない、先生に電話してみるか。」

 

当麻はそう言うと梨花と沙都子をチラッと見ると携帯電話を取り出し、ある人物に電話をかけた。

 

「あーもしもし先生?…あの実は…「置き去り」の子供達を見つけて…はい、家じゃ無理なんで、ちょっと預かって欲しいんですが…」

 

そう言うと当麻は電話を沙都子に手渡した。

 

「うぅ…えっぐ…お母さんに捨てられたんでございますの…っ」

 

「みぃ…お家に帰りたいのです…」

 

と沙都子と梨花は迫真の演技をやってのけた後、携帯電話を当麻の下に戻した。

 

「はい…そういう事なんで、今から連れて行きますんで、お願いします…」

 

どうやら電話の相手の先生なる人物はあっさりと当麻の話を信じたようで、当麻は電話を切ると沙都子と梨花に親指を立てた。

 

「ではレナさんと魅音さんは私達の所にしましょうか」

 

葛西はレナと魅音にそう言うと、2人はコクリと頷いた。

 

「じゃあ今日はここで解散しようぜ、じゃあな~」

 

当麻はそう言うと梨花と沙都子、圭一と霊夢を連れて病院を後にした。

 

 

 

 

 

彼らは知らない。これらの出来事がまだ序章にしか過ぎない事を……




今回の登場人物(☆は今回初登場)

▼とある魔術の禁書目録
・上条当麻
・禁書目録(インデックス)
☆冥土帰し(ヘブンキャンセラー)

▼ひぐらしのなく頃に解
・前原圭一
・竜宮レナ
・園崎魅音
・園崎詩音
・北条沙都子
・古手梨花
・葛西辰吉
☆富竹ジロウ
☆入江京介

▼東方project
・博麗霊夢
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