桜が満開なある日の朝、そのきれいな風景に少々目を奪われながら長い坂道を気持ち急ぎながら俺は歩いていた。まぁぶっちゃけ遅刻ギリギリなんだが急ぐ必要性がないので歩いている感じだな。とかそんなことを考えていたら後ろから声をかけられた。
「おはよー浩輝君。浩輝君も遅刻?」
「おはよう。まあ見ての通り遅刻だよ。櫻井さんは眠そうだけどまた原稿?」
「そうなの!今日までに終わらせときたくて頑張ってた」
「おつかれさまー」
そんな他愛もないことを話しながら校門を通り過ぎようとしたら、ドスの利いた声に呼び止められた
「加藤、櫻井遅刻だぞ。まったくお前らはもう少し急ごうとか考えないのか」
「「すいません西村先生。これからは気を付けたいと思います」」
「二人からその言葉は何回も聞いたが一向に改善される兆しが見えないのだが。まぁいい。ほら二人ともこれを受け取れ」
その言葉とともに茶色い封筒を一通ずつ渡された
「なんですかこれ?」
「お前らのクラスが書いてある紙だ」
「へー。なんでこんな面倒なやり方でやってるんですか?もっと簡単な方法はいっぱいあるでしょうに」
「まあウチは試験校だからな。これもその一環だろう」
「ふーん。そんなもんですかね。まぁなら俺はこの紙はいらないですね。櫻井さんはクラスどこだった?Aクラス?」
「私は試験時間中ずっと寝てたからFクラスだよ。その言い方だと浩輝君は余裕でAクラスなの?」
「いやー。俺テストの日起きたらお昼だったからテストサボったの。だから俺もFクラスだよ。一年間よろしく」
「相変わらず自由だね。こちらこそよろしく」
「ほらお前らのんびり話してないでいい加減クラスに行け」
「「はーい」」
俺らはようやく自分たちのクラスに向けて歩き出した
この学園は少し特殊であり二年生からはクラス分けのための試験を受けその結果によってA~Fの6クラスに分けられるのである。そして成績順になったクラスごとに設備がかなり違い、Aクラスの設備は普通の6倍はあろうかという広さを持ち、ノートパソコン、エアコン、冷蔵庫が各人に一つずつあたえられ、椅子はリクライニングシートである。その上冷蔵庫の中身や参考書も申請すれば支給されるという至れり尽くせりっぷりだ。それに比べて我がFクラスはどれほどのものなのか悪い意味で少し楽しみでもある。
そして教室の前につくと出たひと言目が、二人揃って
「「これはひどすぎるだろ(でしょ)」」
であった。外観だけでもクラスプレートはかろうじてかかってる状態でそのうえ汚い。
「まぁ明久とかいるだろうし、たぶん楽しめるだろうから一年間頑張ろうか」
「そうだねー。明久君はお馬鹿さんだもんねー♪」
そんなことを話しながら俺は一年間過ごすことになるだろうクラスの扉を開けるのだった