最狂の道化魔導師 作:スク・エニー
『命...夢...希望...どこから来て何処へ行く?』
『そんなものは...このわたしが 破壊する!!』
私には無い生きる糧を持つ同類の小娘に、心から信じ合える仲間がいることが疎ましかった。自分には見つけることが出来なかったモノを見つけていた彼女に嫉妬した。
結果、私は敗北した。
神にも等しき力を得た私を倒した忌まわしき小娘とその仲間達は既にこの場にはいない。
彼等に敗れて尚、私は理解することができなかった。私が破れたのは力がなかったからであり、決して彼等の強い意志などというものに負けたわけではないと思っていた。
ーーーもっと力があれば...
今度こそ、
死の世界を作り出し
滅ぶとわかっているものなど作り出さず、
死ぬとわかっているものが生きようとしない、
全て無になる事を恐れ生きることをしない世界を作り出すというのに...
ーーすべてを破壊し尽くしたい。ーーー
死ぬ間際に、彼はそう願った。小娘やその仲間達から彼等の思いの叫びを聞いてもケフカには響かなかった。
叶わない願いだと知ってもいても願わずにはいられなかった。
彼は目を閉じ死の瞬間を待つのであった。
その後、ケフカは突然の眩しさを感じ取り、信じてなどいないが黄泉の世界だろうか、そんなことを思いながら目を開けるとそこに広がっていたのは、中央に巨大な幹を持つ大樹がある空間であった。
「なんだ〜?ここは?」
何処かに飛ばされたことくらいは理解できたが、ここが何処であるのかが全く見当がつかない。天井には太陽もないくせに明るくなっている原因であろう水晶が突き刺さっており、湖がある場所もある。
見たことのない木の実も木々についており、取って齧ってみるが渋かったので吐き出した。
「ぺっ!なんだこりゃあ?!」
「そんな事より、ぼくちんをこんな変なところに飛ばしたやつは誰なんだよ」
さっきまで死にかけだった事は一切気にしておらず辺りをキョロキョロと見回しているとあることに気付いた。
「これは...なんだ?」
道化師のような服の下にある右腕に一つと左腕に二つ腕輪がはめられており、腕から抜こうとしても全く動かず抜けない。
気持ち悪いし、風呂に入る時に困る等と考えていると背後から人間の声がしているのに気づく。なんとなく盗み聞きをしたくなったケフカはしのび足でそろそろと男二人の背後にある木にかくれて聞き耳を立てた。
「お前、滅茶苦茶ステータス上がってんじゃん!レベルアップできるんじゃね?」
「ま、まあな。後はレベルアップする為にはドクロカブトを撃破ぐらいしないとなぁ。」
「え、あれ行けるかぁ〜?防御堅すぎだろアイツ。魔法職でも攻撃魔法に優れた奴に頼まねえと倒せねえな...」
背後で聞き耳を立てていたケフカはそこまで聞くともうこの先を聞いても意味はないと思い、さっさととんずらした。
ケフカは二人の男から少し離れた位置で情報の確認をし始めた。
「まず始めに、ステータスがどうのとか...ってキャー!!」
ステータスと言った瞬間、いきなり目の前で炎が弾けたかと思うと一枚の紙のスクロールが出現した。
恐る恐るそのスクロールを手にして内容を見てみると、そこにはとんでもないことが書かれていた。
「これは...いよいよこの俺が世界を支配する時がきたのかもしれんなぁ...」
以下はそのスクロールの内容である。
ケフカ=パラッツォ Lv.- 種族 人造魔導師&神
装備 右腕 アギトの証(FF零式)
左腕 アギトの証&生命の腕輪(FF零式)
《ステータス》*255が最大
力 - 174
耐久 - 186
器用 - 252
敏捷 - 255
魔力 - 255
《魔法 》 全黒魔法 一部白魔法 メテオ フレア アルテマ ホーリー グランドクロス(全
《(パッシブ)スキル》 ・全防御100% (物理攻撃や属性攻撃、魔法攻撃によって一切ダメージを受けない) ↪︎アギトの証
・全
・オートリジェネ、プロテス、クイック、オーラ、トランス、リレイズ(常にリジェネ、プロテス、クイック、オーラ、トランス、リレイズ状態)↪︎アギトの証
・消費MP0↪︎アギトの証
「ヒヒヒ...ひゃーっひゃっひゃっひゃ」
ケフカは笑いが止まらなかった。先ほどまで目障りに思っていた腕輪がとんでもない性能であり、自分の使える魔法も増えており、ステータス確認をしてから自分の体に以前とは比べ物にならないほどの力が漲っているのがわかった。
「どうやら、此処にはあの小生意気な小娘達もいないようですしねぇ〜。これはもう、私がこの世界を支配するしかないですねぇ...ヒヒヒ...」
ここに、誰にも止めることができない狂った神が降臨したのだった。