突如襲いかかった霊圧に動きが止まった。
それは日番谷冬獅郎だけではなく、シャウロンもだ。
「随分と苦戦しているようだな」
声のした方を見るとそこには異様の姿をした者がいた。
巨大な握りこぶしをした両腕を持ち、全身を白い毛で包み、腹に鏡の様なものを身につけている男。
「何者だ、テメーは?破面か?」
「アランカル?俺をこいつと一緒にするな!」
大男は破面である事を否定した。
「何!破面じゃねーのか⁉︎じゃあいったい何者だ!」
「仕方がねー、教えてといてやるか」
「俺の名は”冥獣人四底王、イエティーのズィー”だ」
この男こそ冥獣人四底王の一角にして「冥獣人最強の男」の異名を持つ者。
そして上級幹部の1人で、パワーでなら1、2を争うほど実力をもっている。
「冥獣人だと⁉︎なんだそれは?」
「お前に教えるつもりはない。知りたいのな力ずくで聞くんだな」
ズィーは挑発する。冬獅郎は言葉には出さなかったが行動で表した。颯爽ズィーにへと突っ込んで刀を振り上げた。だがズィーは素早く反応し、その巨体に似合わないような動きで攻撃をかわし、そのお返しとばかりにカウンターパンチを繰り出した。
「くぅぅ…」
今度は氷輪丸の通常攻撃とも言える氷の龍を出して攻撃してきた。
するとズィーは右手からアイスホッケーの選手が使っている道具【アイススティック】を出し、それを迫り来る氷の龍にむかって振り下ろし粉々に砕いた。
「どうした。その程度か?それなら今度はこっちから…」
「唸れ、灰猫!」
副隊長の松本乱菊が自らの斬魄刀を始解し、砂状になった刃でズィーの体を斬りつけていく。
だが血が一滴も流れていない。確かに斬りつけてはいるが、血を流すどころか傷一ついていない。
「フン、こそ痒いわ」
あれだけ斬りつけられていながら「痒い」の一言で終わらせた。その硬さに乱菊は驚愕する。
ズィーは標的を攻撃してきた乱菊に変更して突っ込んで一気に間合いを責める。だがそのに冬獅郎が現れて邪魔をした。
「邪魔だー!!」
ズィーはアイススティックを冬獅郎に振り下ろして何度も何度も痛めつけ、最後に強烈な一撃を与え吹っ飛ばした。
「終わりだ!」
ズィーは氷の塊を出現させると自分の足もの右側に置き、アイススティックを振り上げた。それはアイスホッケーの選手がゴールを決める時のポーズようだ。
「デビルシュート!!」
振り下ろしたスティックで氷の塊を冬獅郎目掛けて飛ばす。飛ばされた氷の塊は凄いスピードで冬獅郎に迫ってくる。
ダメージの蓄積により思うように体が動かなかった冬獅郎はモロにその攻撃を受けてしまった。そしてそのままビルの屋上に落下した。
「隊長!!」
副隊長の松本乱菊が自分の隊長かやられた事により声を上げた。
「ふん、隊長格とはいえこの程度の実力か。…期待外れだぜ。…まぁ、力を制限されていたとは言え、こいつにすら手こずっている時点で期待はしていなかったがな」
ズィーは冬獅郎が隊長格と聞いた時少しは楽しめると思ったが、ダメージがあったとは言え全く相手にならないのに呆れていた。
いくら力を制限されていたとは言え、
シャウロンは悔しさで顔を歪ませズィーを睨んでいた。
「仕方ない、早過ぎるがトドメとくか。心配するな、せめてもの情けにトドメは一撃で刺してやる!」
ズィーはスティックを振り上げてその先端に氷の塊を出現させた。冬獅郎は目を瞑った。
「止めなさい、ズィーさん」
言葉に反応してズィーは動きを止めて後ろを振り向いた。そのには先程自分達が戦っていた破面達の似た服装をした奴がいた。
「デ、デストロイヤー様!」
「今回の任務はシャウロンさん達を連れ戻すことです。これ以上戦う必要はありません」
ズィーは自分の主人の登場で片膝と片方の手をついた。シャウロンもまさか十一刃が自ら来る事は思っていなかったようで、デストロイヤーが来た事に驚愕している。
「グリムジョーさんの所には東仙さんが向かいましたからもう此処に用はないですから帰りましょう。行きますよ、シャウロンさんも」
黒腔を開きその中へと入っていく3人。だが冬獅郎はそれを許そうとはしなかった。
「ま、待て…」
「おや、そんなに怪我をしているのにまだ戦うつもりですか?やめた方がいいですよ。2人がかりでもズィーさんに全く歯が立たなかった貴方が、彼の上司である私に勝てるわけないんですから」
冬獅郎さんは悔しそうに口を噛み締めている。確かに今の自分ではあいつに勝つ事は出来ない。まして今話している奴はズィーが「様」を付けたところを見るとあいつの上司に違いない。このままやっても傷を負わす事も出来ないと悟ったのだ。
「次に会えるのを楽しみにしていますよ。それでは」
その言葉を最後に3人は黒腔中に入った後、黒腔は閉じた。
シャウロンは何とか助かりましたが、生存させるかは分かりません。
私個人的にズィーが気に入っているので上級幹部にしました。(元々強いし)