視点 瑞貴
なんだ……こいつら?
俺の目の前には明日香の取り巻きその1とその2
ちなみに名前は覚えてない。
こいつらが俺の前でちょろちょろとして色々と叫いているのだが……邪魔すぎる。
「ちょっと、無視しないで話を聞きなさいよ!」
「そうですわ!
私達の話を真面目に聞いてくださいまし!」
「…………」
そう、邪魔で煩いし声もでかい
ここは食堂だぞ、お前等は人の食事を邪魔して楽しいのか?
「人の話を聞きなさいって言ってるでしょ!!!」
強くテーブルを叩く取り巻きその1
テーブルを叩かれる直前に食っていた牛丼は持ち上げて避けておいた
代わりに横に置いておいた水が溢れてる
仕方無い、淹れに行くか。
席を立ち、水を入れに行こうとする
しかしそれは取り巻きその2に邪魔された
目の前に立たれ、進路を塞がれた。
ならば違う場所の水を淹れに行こうとするも
今度は取り巻きその1に邪魔される
仕方無いので座って飯を食い始めようとするが、取り上げられた
また取り巻きその1に邪魔された。
水はともかく飯を取られるのは困る
が、相手をすると面倒なので無視して再び券売機に向かう
半分も食えなかったがもう牛丼はいいや、軽いうどんでも食おう。
そう思っていたがまた邪魔された
面倒になってきたので取り巻きその1に足払いをしてやる。
「きゃあ、っっっっ熱ぅい!!!」
「大丈夫ですのジュンコさん!」
持っていた牛丼を頭から引っ被った
煩いので無視して券売機に向かう
金を払い、購買の人に券を渡す。
小声であんな事されたら困ると言われるが無視
水を淹れて取り巻き達と離れた場所に座る。
暫く待ち、うどんができたと言われて取りに行く
今度は何も言われなかった。
先程の席に座って何事もなかったかのようにうどんを食う
……やっぱり牛丼の方がよかった
でも1杯半も食えないから諦める。
向こうで小さな騒ぎが起こっているが完全に無視
食い終わり、食器を返して食堂を出る。
………………
…………
……
放課後、また明日香に話しかけられた
お前も大概暇なんだな?
「ところで瑞貴、ジュンコとももえを知らない?
なんかお昼から姿を見せないんだけど」
「知らん、つか誰だよそれ」
「……私とよく一緒に居るブルー女子よ
元気で赤茶色の髪のジュンコとおしとやかで黒髪のももえ
女子寮の事件の時にも会ったでしょ?」
……そういえば居たな
完全に記憶から抹消されていたよ
そういえばあいつらにも名前が有ったんだな。
「そもそも自己紹介もされてなかったと思うが?
そんな俺があいつらを知っているはずないだろ?」
昼飯時に会った……というか勝手に来られたが嘘は言っていない
先程まで俺はあいつらの事を知らなかったのだからな。
「そう?
どこに行ったのかしら……」
さて、悩んでる明日香は無視して帰ろうかなっと
そう思っていたが人生そう甘くなかった。
「みーつーけーたー!
堅守瑞貴! さっきはよくもやってくれたわね!!!」
「ジュンコさん、淑やかさに欠けますわよ?
でも私もジュンコさんと同じ意見ですわ」
出たよこの煩い蝿共
お前等は昆虫族でも使ってバーサーカーされてりゃいいんだよ
それなら俺が面倒を被らなくて済むからな。
どうでもいいが、取り巻きその1の髪が濡れていた
牛丼引っ被って風呂にでも入ってきたのか?
「……瑞貴、彼女達に何かした?」
「逆だ
俺がこいつらに付きまとわれてる
非常に迷惑で困るし邪魔だし煩いし鬱陶しい
こいつらのおかげで昼飯の牛丼を半分も食えなかった」
牛丼代かうどん代を返して欲しいぐらいだ。
「牛丼……(今日もお昼抜きだし、お腹空いたわ……)じゃなくて
彼女達に付きまとわれるって、貴方何したの?
それにさっきは彼女達の事を知らないって言ってたじゃない」
「嘘は言ってない
名前を言われてもわからなかったからな」
「……それは屁理屈って言うのよ?」
「だろうな」
そんな呆れた目で見るな
止めないともっと呆れさせるぞ。
「私達を無視、するなーーーーー!!!」
「煩い」
一言で切り捨て、再び足払いをしてやる
また見事に倒れ、スカートが捲れたかもしれないのですぐに別方向を向く
中身は見ない、こんな事でフラグを立てて堪るか!
「だ、大丈夫ジュンコ?
後、声が大きいから下げてほしいんだけど」
「明日香さんまでそんな事言うんですか!?」
「いえ、私も少し声が大きいと思いますわよ?」
「ももえまで!?」
こいつら漫才に来たのか?
何だかやっぱり面倒になったので無視して帰ろうとする。
「い か せ な い わ よ ~ ~ ~」
「ジュンコさん!?
声、声が怖いですわ!」
別に怖く無いと思うぞ?
サブキャラとは思えないそれなりに良い声だ
声優って誰だろ?
それはともかく、邪魔してきた取り巻きその1改めジュンコ
そのジュンコを押さえる取り巻きその2改めももえ
ついでにこの2人を呆れた目で見ている親玉……もとい、明日香。
「瑞貴……この2人の相手をしてあげてくれない?
私からもお願いするから……ね?」
「……明日香、格安でカードを売ってやるからこいつらをどうにかしろ
場合に寄ってはプレゼントぐらいしてやる」
「ほら、ジュンコもももえも瑞貴の邪魔をしたら駄目よ
彼は面倒事を嫌ってるから、そんな態度だと絶対に聞きもしないわ
だから後日、落ち着いてから改めて言いに来なさい」
「明日香さんの裏切り!?」「明日香様が裏切りましたわ!?」
まあまあだな、1枚プレゼントして他は格安にしてやろう
それにしても反転が早かったな……何故だ?
「う~~~……もういいわ!
堅守瑞貴! あんた、私達と決闘《デュエル》しなさい!」
「断る」
「即答!?」
どうしてそうなる……また面倒になるな
ついでにどうして女子に囲まれてるんだ?
そして周りで俺達の事を見ている男子生徒共、羨ましそうな顔をするな
俺は嬉しくないどころか困ってるんだよ!
「私達と決闘《デュエル》してくださりませんか?
この通りです、お願いですわ」
「だが断る」
「頭まで下げたのに即答しますか!?」
頭を下げられたが安心と安全のお断り
切り捨てられて涙目になっているから止められない
もっと怒ってくれたら楽しいのに……
「えっと……今度普通値に1割増しでカードを買わせてもらうわ
だからこの子達のお願いを叶えてくれない?」
「それでも断りたい
が、カードを10枚買い、全て5割増しでこいつらがその金額の4割5分ずつ持つのなら構わん
明日香は1割でいい事になるし、勿論俺が使う事を許可するのは明日香だけな」
「ジュンコ、ももえ
お小遣いがピンチになりたくないなら止めておきなさい
瑞貴の売るカードはぼったくりとも思えるぐらいかなり高いわよ」
失礼な
こっちじゃ数万もするようなカードでも向こうじゃ数百円なんだぞ?
その間を取って数千で売ってるんだから安いもんだろ?
おかげで明日香からかなり搾り取れた
特に使う予定は無かったらしいが一気に使いすぎたって嘆いてたな
買うと決めたのは明日香だから同情なんてしないが。
確か
向こうじゃ数百円で買えるのに……今度売ろうかな?
「……いいわ、買ってやろうじゃないの!
明日香さんにしか使わせないってのは気になるけど……」
「えぇ、買って差し上げようじゃないですか
私達だって沢山お小遣い貰ってるんですもの、大丈夫ですわ!」
「私はどうなっても知らないわよ……どうせ私は得するだけだしね」
気のせいか明日香、俺に染まってないか?
別にいいんだけどさ……苛められなくなるからあんまり耐性付けたらいかんぞ?
「わかった、なら移動しよう
教室でしても狭いし注目も浴びている
もっと面倒事になる前に移動しよう」
「そうね、叩きのめしてあげるわ!」
「そうですわ!
私達が絶対に勝ちます!」
「(そう簡単に勝てるなら苦労しないわ
それに瑞貴は注目の浴びない場所でするって言っていた
という事は使うのはエクゾディアじゃないわね)」
さて、場所は屋上にしようかな?
それなら目立たないし、他の生徒もあんまり来ないだろう。
視点 明日香
場所は屋上、どうやら1対2で戦うみたいね
ルールはどうするのかしら?
「ルールは俺が決める
フィールド、ライフは共通
つまり、2人でも最大モンスターは5体だし、魔法・罠も5枚までだ」
「いいわよ」「構いませんわ」
「ライフはお前らは……
そうだな、10000やろう、俺は100でいい」
「「「なぁ!?」」」
ライフ差が100倍ですって!?
いくら何でもそれはあの子達を嘗めすぎよ!
確かに私じゃダメージを1ポイントも与えられなかったけど……
「ふ……ふざけるな!
そんなの認めるわけないじゃない!」
「そうですわ!
それに、私のデッキをわかってますの!?」
そう、ももえのデッキは滅多に居ないロックバーンデッキ
たった100ポイントなら最初のターンで無くなってしまうかもしれないのよ。
「お前らのデッキなんぞ興味無い
このルールで戦るのか? 戦らないのか?
ま、どう足掻いても俺には勝てないけどな」
「~~~~~~~~いいわよ、やってやろうじゃない!
その言葉、絶対に後悔させてやるんだからね!」
「まったくですわ!
その余裕、ぶち壊してさしあげますわよ!」
ジュンコが怒るのは珍しくないけどももえがあそこまで怒るのは珍しいわね
瑞貴の弄り方が上手いのかしら?
「「「決闘《デュエル》!」」」
「先攻は俺が貰う
ドロー……えー?
これは酷い、なんという手札だ」
随分手札が悪そうだけど……本当にライフ100からで大丈夫なのかしら?
「俺はクリッターを守備表示で召喚
更にカードを2枚セットして、ターンエンドだ」
丸い姿に3つ目の悪魔が姿を現した
見た目は微妙だけど、あのモンスターのサーチ効果は強い
種族が戦士族だったら入れたかったわ。
「はん、あんな事言いながら結局守るだけ?
私のターン、ドロー!
私は手札からフィールド魔法、伝説の都 アトランティスを発動よ!
この効果で手札の水属性のモンスターのLVは1下がるわ!
私はギガ・ガガギゴを召喚! ターンエンドよ!」
ジュンコの十八番、海を使って強化した速攻
場には鎧を着た緑の爬虫類のようなモンスターが現れた
LV5だけどアトランティスの効果でLVは4、更に攻撃力は2650
序盤にこの高攻撃力は辛いわね。
「私のターンですわ、ドロー!
手札から永続魔法、黒蛇病を発動!
私のスタンバイフェイズ時、お互いに200ダメージを受けます
更にターンが経過する毎に与えるダメージは倍になりますわ!
更にデス・ウォンバットを攻撃表示で召喚しますわ!
このモンスターが存在する限り、私は効果ダメージを受けませんわ!
これでターンエンドですわ!」
ももえも早くも十八番を使ってきた
これでダメージを受けるのは瑞貴だけ
ジュンコとももえはフィールド共通だからどちらもダメージは無い。
この布陣……どうやって突破するのかしら?
「俺のターン、ドロー
俺はクリッターを生け贄に捧げ、マテリアルドラゴンを攻撃表示で召喚
そしてクリッターの効果を発動、このカードがフィールドから墓地に送られた時、攻撃力1500以下のモンスターを手札に加える
俺は堕天使ナース-レフィキュルを手札に加える
バトルだ、マテリアルドラゴンでデス・ウォンバットに攻撃」
瑞貴の場にオレンジ色のドラゴン……よね?
あんまりドラゴンに見えないモンスターが場に姿を現せる
あのモンスターの効果は……あれ?
もしかしてももえ達って凄く拙くないかしら?
マテリアルドラゴンは口から出した光線でももえのデス・ウォンバットを破壊する。
「あうぅ……ウォンバットちゃんが破壊されたので800ダメージですわ」
「俺のライフが少ないし場にはギガ・ガガギゴが存在するからと思って油断したな?
ブラフでもカードを伏せていればこうならなかったかもしれんのにな
更に魔法カード、ソウルテイカーを発動する
このカードの効果により、相手モンスター1体を破壊後、ライフを1000回復させる
俺が破壊するのはギガ・ガガギゴだ」
「ちょっ!
モンスターを破壊するなんて卑怯よ!」
ライフ100相手に1ターン目から攻撃力2650を出した貴女が言う?
そんな事に関係無く、ジュンコのギガ・ガガギゴが破壊される
そしてジュンコ達のライフが1000回復する。
「更に俺はカードを1枚セットし永続魔法、黒蛇病を発動してターンエンドだ」
「「えぇ!?」」
やっぱりそういうデッキか
それならライフ100から開始でも不思議では無いわね
マテリアルドラゴンの効果を使えば……恐ろしい事になるわ。
ジュンコとももえはマテリアルドラゴンの効果を知らないから驚いてるのね?
知っているなら納得するはずだし
となると伏せカードは……あのカードかしら?
これは拙いわね……瑞貴の場には伏せカードが3枚と黒蛇病
どちらか大嵐を引かない限り、瑞貴に勝てないわよ!
「わ、私のターン、ドロー!
……クッ、私は弓を引くマーメイドを守備表示
カードを1枚伏せてターンエンドよ」
ジュンコは高攻撃力のモンスターを引けなかったみたいね
マテリアルドラゴンさえ破壊できればなんとか……
「私のターンですわ、ドロー!
この瞬間、黒蛇病の効果によりお互いのプレイヤーは200ダメージを受けますわ
さぁ、200ダメージを受けてくださいまし!」
ももえはそう言うが瑞貴のライフは……回復して300に増える
そしてジュンコとももえのライフは……ダメージを受けて10000に戻った。
「回復したですって!?
あんた、一体何をしたのよ!」
そしていつの間にか発動されている永続罠
やはりあの伏せカードの1枚はそのカードだったのね。
「永続罠、シモッチによる副作用を発動させた
このカードは相手が回復した時、ダメージに変換させる効果が有る」
「でも私達は黒蛇病の効果で元々ダメージを受けていましたわ!
それなのに貴方だけ回復するなんて……それに効果とこの現象が一致しませんわよ!」
「いえ、瑞貴の行動に何一つ間違いは無いわ」
「え、明日香さん、それってどういう意味ですか?」
「マテリアルドラゴンの効果は効果ダメージが発生した時に回復効果に変換させる効果よ
だから瑞貴のライフは回復した
そしてライフ変換能力は相手にも適用され、ジュンコ達も回復する……はずだったわ
しかしシモッチによる副作用の効果が発生し、回復効果がダメージに変換される
だから貴女達はダメージを受け、瑞貴は回復したのよ」
私の説明に頭を痛めている2人
実は私も瑞貴に教えてもらっただけで詳しくは説明できないのよね……
「でもその場合、ダメージを受けるならマテリアルドラゴンの効果で回復するんじゃありませんの?」
そうなのよね……でも私にもそこはよく分からないの
だから視線を瑞貴に向ける
瑞貴は視線を受け、溜め息を吐きながら説明を始める。
「無限ループしない為の処置だ
ライフが回復する効果が発生した場合、シモッチによる副作用でダメージに変わるが、マテリアルドラゴンの効果で回復
ダメージを受ける効果が発生した場合、マテリアルドラゴンの効果で回復するが、シモッチによる副作用でダメージに変わる
これ以上ループしない為に元に戻ると決まったらしいぞ
つまり、俺は回復するがお前らはダメージを受けるとなるんだ」
なるほど、こういう時の事も考えられているのね
裁定者は大変ね、色んなカードの効果を把握しないといけなんだから。
「そんな……じゃあももえの黒蛇病って」
「そう、悪手だ
早々に消し去る事をお勧めする」
「くぅ……わ、私はボーガニアンを守備表示で召喚しますわ
これでターンエンドです」
ももえが出したモンスターは1つ目の機械でできた弓兵
毎ターン600ダメージを与える効果だけど、今は600回復させる効果になってしまうわね。
「俺のターン、ドロー……(これはチートドローへの第一歩なのか? 何か嫌だなぁ……)
この瞬間、黒蛇病の効果によりお互い200ダメージを受ける
俺は200回復し500へ、お前らは200ダメージを受けて9800だ
俺は強欲な壺を発動、デッキから2枚ドローする」
ここでドローカード……前回のエクゾディアではかなり悲惨だったらしいけど
今回は逆に絶好調ね。
「俺はビッグバンガールを守備表示で召喚する
そして命削りの宝札を発動、手札が5枚になるようにドローし、5ターン後に全て捨てる
更にビッグバンガールにミスト・ボディを装備させる
ミスト・ボディを装備したモンスター戦闘では破壊されなくなる」
2度目のドローカードまで引くとはね
それに、ビッグバンガールの効果はライフが回復した時に500ダメージを与える効果
このままだとライフが削り落とされてしまう!
「更に伏せカードをオープン、永続罠、女神の加護
この効果で俺はライフを3000回復する
このカードが破壊された時、3000ダメージを受けるがな
そしてこの瞬間、ビッグバンガールの効果を発動
自分がライフを回復した時、相手に500ダメージを与える」
ビッグバンガールの持つ杖の先から炎が灯る
そしてジュンコ達に炎が襲いかかった。
「「きゃあぁぁ」」
「更に手札から速攻魔法サイクロンを発動
フィールド上の魔法・罠を破壊できる
この効果により、俺は女神の加護を破壊する
当然、ダメージはマテリアルドラゴンの効果で回復する
そして再びビッグバンガールの効果で500ダメージを与える」
瑞貴の罠が風により破壊されて回復する
これで瑞貴のライフは6500
ビッグバンガールの効果で500ダメージを受け、ジュンコ達のライフは8800
これが本当に100対10000で始まった決闘《デュエル》なの?
「最後にカードを1枚伏せ、ターンエンドだ」
「まだ……まだよ!
私のターン、ドロー……やった!
さっき攻撃しなかったのはミスだったわね!
私は弓を引くマーメイドを生け贄に捧げ、海竜《リバイアドラゴン》-ダイダロスを召喚!
このモンスターはフィールドカード海を墓地に送る事で効果を発動できるわ!
フィールド上のこのカード以外を全て破壊する!」
残念ねジュンコ、それは無理よ。
「マテリアルドラゴンの効果を発動
手札を1枚捨て、フィールド上のモンスターを破壊する効果を無効し、破壊する」
「え?」
マテリアルドラゴンが光ったと思ったらダイダロスが苦しみ、消滅した
瑞貴はこの事を考えて手札を温存していたのね
相変わらず守りが堅いわ。
「そんな……そんな……わ、私はこのままターンエンドよ」
「落ち込まないでくださいまし、ジュンコさん
私のターン、ドロー
黒蛇病の効果で400ダメージがお互いに、そしてボーガニアンの効果で相手に600ダメージを与えますわ」
「しかし俺は合計1000回復、お前達は400ダメージだな
そしてビッグバンガールの効果で500ダメージを2回だ」
ももえの手札にバーン効果を持っていないモンスターが無いんでしょうね
守りを固める為にもデメリットは多くともモンスターは出す必要が有った
でもこのままだと……
「私は……私も何もせずにターンエンドですわ!」
悔しそうにするももえ
自分の十八番を奪われた気分なんでしょうね……
「おっと、お前のエンドフェイズ時に俺は神の恵みを発動する
この効果により、俺はドローする度にライフを500回復する」
「「そんな!?」」
これで瑞貴のライフ回復コンボは更に速度を上げる
2人とも、早く大嵐を引き当てなさい!
「俺のターン、ドロー
この瞬間、神の恵みによりライフを回復し、ビッグバンガールの効果で500ダメージを与える
そして黒蛇病の効果によりお互いに400ダメージ
俺は回復するのでビッグバンガールの効果で500ダメージを与える
更に先ほどマテリアルドラゴンの効果で捨てた堕天使マリーの効果発動
スタンバイフェイズ時にこのカードが墓地に存在している場合、ライフを200回復する
よって回復し、ビッグバンガールの効果で更にダメージを与える」
なんというえげつないコンボなの……
まだメインフェイズにも入っていないのに1900もダメージを与えるなんて
嫌らし過ぎるわ!
「これで俺のライフは8600、お前らのライフは5500
いつの間に逆転したんだろうな?」
嫌味過ぎるわ! 性格が悪すぎる!
でも強いのが悔しいわ!
「堕天使ナース-レフィキュルを守備表示で召喚
このモンスターはシモッチによる副作用と同じ効果を持ったモンスターだ
大嵐だけじゃあこのコンボは止められないぞ?」
でもそのモンスターの守備力はたった600
倒すのは難しくないわ。
「俺はこのままターンエンドだ」
ジュンコのリバースカードを警戒してるのかしら?
それともこのまま待つだけで勝てると思ってる?
「私のターン……良いカード、お願いだから来て、ドロー!
……やった! 私ってば天才!?
魔法カード、大嵐を発動!
場の魔法・罠を全て破壊するわ!」
「やりましたわジュンコさん、これで勝てますわ!」
確かにジュンコのドローは素晴らしいわ
でも、それが瑞貴に通用するかしら?
何重にも保険を掛けるような慎重な相手に……通用する?
「甘過ぎるわ! カウンター罠発動、アヌビスの裁き!
手札を1枚捨て、魔法・罠を破壊する効果を持つ魔法カードを無効化、更に相手の場のモンスターを1体破壊しその攻撃力分のダメージを与える
そちらの場にはボーガニアンしか存在しないからな、ボーガニアンを選択する
ボーガニアンの攻撃力、1300ダメージを受けてもらおうか?」
ボーガニアンが爆発し、爆風がジュンコとももえを襲う
やっぱりあんな効果のカードを忍ばせていたか……
当然といえば当然だけど、いざ見てみると恐ろしすぎるわ。
「更に俺が捨てたのは髑髏顔《ドクロがん》天道虫《レディバグ》
どんな方法でもいいので墓地に送られた瞬間、1000回復する効果だ
よって俺のライフが回復し、ビッグバンガールの効果で500ダメージだ」
これで瑞貴のライフは9600、ジュンコ・ももえチームは3700
ライフ差がどんどん広がっていく!
「私は……ターンエンドよ」
今度こそ勝てると思った矢先にこれ……ジュンコは闘氣を完全に失っている
その気持ち、よく分かるわ
私もあの時のエクゾディアの時……泣きたくなったもの
理由は違うけど本当に泣いちゃったし。
「私の……ターン、ドロー!
黒蛇病の効果が発動されますわ
貴方は800回復、私達は800ダメージとビッグバンガールの効果で500ダメージですわ」
これで瑞貴のライフは10400、ジュンコ・ももえチームは3400
とうとう瑞貴のライフが10000を越えてしまったわ
しかもジュンコ達は今だに瑞貴のライフを1ポイントも削っていない
彼女達はそれに気付いてるかしら?
「私はプロミネンス・ドラゴンを守備表示で召喚しますわ
そのままエンドフェイズ、プロミネンス・ドラゴンの効果で相手に500ダメージを与えますわ
しかしマテリアルドラゴンの効果で回復、私達に500ダメージ……ターンエンド」
ももえの心も折れた
彼女達はこれ以上続けられないわね。
「俺のターン、ドロー
神の恵みで500回復、そして500ダメージを与える
黒蛇病の効果で800回復、そして計1300ダメージ
堕天使マリーの効果で200回復、そして500ダメージだな」
瑞貴のライフは12400、ジュンコ・ももえチームは残り600
もしこのターン中に2回回復が行われたら負けが決まるわ
手札1枚じゃ無理でしょうけどね。
「……俺は大嵐を発動、お互いの場の魔法・罠カードを全て破壊する」
ジュンコの伏せたカードは聖なるバリア・ミラーフォース
呆気なく破壊され、彼女達の場にはプロミネンス・ドラゴンのみ。
瑞貴……貴方、最低ね
ここまでバーンダメージを与えておいて、最後は戦闘で勝つだなんて。
「レフィキュルを攻撃表示に変更
そしてプロミネンス・ドラゴンに攻撃し、破壊
最後にマテリアルドラゴンで直接攻撃《ダイレクトアタック》!」
「「きゃああああああ!!!」」
レフィキュルがプロミネンス・ドラゴンをかぎ爪で切り裂く
あんな見た目だけど、あのモンスターって天使族なのよね……
最後にマテリアルドラゴンが口から光線を出し、それはジュンコ達に直撃した
彼女達のライフは0、瑞貴の言う通り彼女達は瑞貴に勝つ事はできなかった
それも……ライフを1ポイントも削る事もできずに。
………………
…………
……
「いや、危なかった
かなり運が良かったよ」
「「……」」
「瑞貴、嫌味にしか聞こえないわよ」
あの状態でどうやってジュンコ達が勝てたのよ
皆目検討も付かないわ。
「いや、今回は本当に運が良かった
最初のターンにマテリアルドラゴンが来た事
ソウルテイカーを持っていた事
最初のターンにミラーフォースを伏せられなかった事
ギガ・ガガギゴとかのマテリアルドラゴンを越えるモンスターが来なかった事
デス・ウォンバットがまた出なかった事
ダイダロスで戦闘されなかった事
ドロー系カードを2回も引けた事
ビッグバンガールを破壊されなかった事
そもそもシモッチによる副作用が早く来てくれた事
本当に運が良かった」
確かにそう聞くとかなり運が良かったように聞こえる
もし何か1つでも違えば負けていたのは瑞貴だったかもしれないわね。
「さて、話しが有るんだろ?
聞いてやるから話すがいいさ」
そういえば元々はそれが切欠だったわね
どんな話しだったのかしら?
「あ……な……あ……よ」
「「ん?」」
声が小さくて聞こえなかったわ
瑞貴も同じらしく、少しジュンコの声に耳を傾ける。
「あんたが、あんたが明日香さんを泣かせたから謝らせようと思ったのよ!」
「断る」
「私が驚く前に断らないで!
ジュンコも、どうしてそんな事しようとしたのよ!?」
瑞貴に謝られる理由にならないし……
むしろあの時は私が謝ってたのよね
……あんな大勢の前で泣くなんて、恥ずかしかったわ。
「だって、あんな風に泣く明日香さんなんて初めて見たんですよ!
そんな明日香さんを泣かせたこいつを許せるはず無いじゃないですか!」
「そうですわ!
女性の涙はとっても重いんですのよ!
だから堅守さんは謝る必要がありますのよ!」
私としては謝られても困るんだけどね
こっちから謝りたいぐらいだし。
「ふむ、どうでもいいがももえ……だったか?」
「なんですの?」
今ここでももえが出てくる理由が分からないわ
でも瑞貴の事だし、全く関係の無い上、ももえを怒らせるような事を言うんでしょうね。
「お前、話し方が鬱陶しい、だから黙れ」
「全く関係無いじゃないですかーーー!」
……やっぱり怒るような事だったわ
しかも本当に全く関係無い話だし
でも少しだけ同意しちゃうのは内緒よ?
「それでいい、それなら許す
もっと砕けた話し方をしろよ」
「だから、どうして、貴方は、そんなに、偉そう、なん、ですの!?」
「最後が余計だな
もっとその半端に丁寧な口調は止めたら?
多分2人ともそう思ってるぞ?」
ももえがジュンコを見る
ジュンコは目を逸らした。
ももえが私を見る
私もつい目を逸らしてしまった……って、目を逸らしたら駄目じゃない!
最後にももえは瑞貴を見る
瑞貴は凄く良い笑顔で頷いた。
「う……ふぇぇぇーーーん」
「あ、ももえ!
えっと……それじゃあ明日香さん、また!
ももえ待ってー!」
「あ、うん、またねジュンコ
今更だけどももえも元気出してね?」
泣いて走り出すももえ
そのももえを追いかけるジュンコ
私は唖然としてしまって見送ってしまった。
「トドメを刺したのお前じゃん
しかも追いかけないとか……ひでぇ奴だな」
「貴方があんな事を言わなければ済んだ事でしょ!?」
何を他人事のように……
実際他人事だけど、もう少しこう……何か無いの?
「別にいいだろ?
負けて落ち込んでたのを元気にしてやったんだ
感謝されども責められはしないだろ」
「え?」
今……なんて?
「…………何でもない
それで、カード見るのか?
あいつらが気になるなら止めてもいいぞ?」
「えっと……どうしようかしら
今回は止めておくわ、あの子達が気になるしね」
それにさっき言っていた事も気になるしね
もし本当なら本人達には言わない方がよさそうね
余計な事をされたとか思われるもの不本意でしょうし。
瑞貴から背を向けて歩き出す
ジュンコ達に意識が向いていたせいか、最後の瑞貴の言葉を聞き逃した事に気付かないまま……
「クソッ、段々素に戻ってきた
早めにどうにかしないと……本気で誰か潰すか?」
※旧後書き
女の子にあんな事をするなんて……
どうでもいい相手なんで気にしない
本気でそう思っているみたいです。
明日香……お小遣い……大丈夫?
大丈夫じゃありません
明日香も頑張っているんです、誰か助けてあげて!
……誰も助けてくれませんがね。
カードの値段がぼったくり過ぎる!
それでも買う馬鹿が居るので売ります
余ってるからいいんです、実験鼠ですしね。
明日香が瑞貴の使用デッキがエクゾディアじゃない事を何故知っているの?
瑞貴が直接話しました
ちなみに、最初に明日香と戦ったデッキの事も教えてます
明日香は引き攣った顔をしたそうです。
何で瑞貴はハンデ戦を?
ビートデッキならそれでも勝てる可能性は高いと思ったからです
キュアバーンの強さにそれなりに自信も持っていました
勝敗に興味が無いので負けても別に痛くも痒くも無いので全く問題になりませんし。
最初の瑞貴のえー? って何?
何故こんなに運が良いのかと思っています
俺ってかなり運が悪い方だよな?
そう自問自答していました。
ジュンコとももえのデッキは?
色んなGXの小説を読んでジュンコは海デッキ、ももえはロックバーンをアニメで使っていたそうです
作者はアニメを最後まで見ていないので知らないのです……
更にタッグフォースもした事がありません
買おうと思っているんですが、クリアまで時間が掛かるだろうという理由で止めておきました
でもタッグフォース5は買おうと思っています(というか予約しました)
初タッグフォースです、きっとクリアできません。
明日香が瑞貴のデッキを当ててたけど、そんな知識を持ってるかな?
瑞貴との話しで明日香の視野はかなり広くなっています
コンボについても色々と話しているので数枚のカードでデッキ内容を予想できるようになりました
無論、予想だけなので油断して予想外の展開にならないようにしています。
なんというご都合ドローカード連打!
キュアバーンが難しすぎるんです!
カード消費が半端無いんです!
それに向こうじゃいくらでもドロー強化カードを使えるので問題無いかと思いました
じゃなきゃアニメの困った時のご都合ドロー無しで勝てるはずがありません。
瑞貴の素って?
前話でも有りましたが、瑞貴は根はかなり優しい人物です
嫌いな相手でもつい手を差し伸べてしまうようなお人好しです
が、普段が普段なだけに誰も気付きません
今回は少し漏らしてしまいましたが……
更に瑞貴自身もその優しさを表に出す事を嫌っています
普段から細心の注意を払って優しさを隠します
そうでなければ原作キャラに懐かれてしまいますので。
最後の潰すって……
そうする事で自分の優しさを隠そうとしています
誰かを本気で潰せば瑞貴が優しいだなんて誰も思いません
それに嫌われている方が色々と動きやすいという計算も含まれています。
✩感想
ジュンコとももえをイジメる回。
旧作と新作のどっちの方が心が折れるだろうか?
……どっちもどっちか。
★反省
最後のはフラグだけ立てて回収しきれなかったの。
普段の悪ぶってる態度は半分本音の半分演技、自分に余計な干渉をされない為の言動。
ただし後々それが素になってしまったという、そういうと少々マヌケっぽい。
今回は変な干渉をされないようにする為、威嚇や見せしめを考えている……が、それが自分で余計なフラグを立てていると気付いていない。
所詮は元の世界に戻りたいだけの普通の人間という事。
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