石作りの海   作:数取団乱闘生

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第1話「スターダストクルセイダース その①」

2011年ケープ・カナペラルにて空条承太郎の娘空条徐倫はエンリコ・プッチとの最終決戦を迎えていた。

C-MOONには勝機を見出した徐倫たちであったが、メイド・イン・ヘブンの前では歯が立たなかった。

エルメェス・コステロにナルシソ・アナスイ、そして承太郎までもが倒れていく。一人残った徐倫はウェザー・リポートのDISCをエンポリオに託しプッチとの一騎打ちに挑む。

徐倫は敗れバラバラにされたが、その魂はエンポリオに受け継がれた……。

「はっ!」

死んだ筈の徐倫が目を覚ますとケープ・カナペラルではなく見慣れない街中に寝ていた。

「ここは…何処だ……あたしプッチと戦ってエンポリオに全てを託して……」

すると徐倫の顔に風に飛ばされてきた新聞がぶつかった。

書かれている文字は日本語でも英語でも無かったので読めなかったが、日付だけは数字なので確認が出来た。

そこには1987と書かれていた。

「せ、1987年⁉︎ まさかあたしタイムスリップして来たの⁉︎いやまさかそんな筈は…でも20年以上前の新聞がこんな綺麗な冗談で道に落ちている方があり得ない……」

全く状況が飲み込めない徐倫が辺りを徘徊していると体格の良い日本人が道端でノートを燃やしているという奇怪な現場に遭遇した。

しかも徐倫はその日本人に見覚えがあった。

「あれは…父さん……」

そう。そこでノートを燃やしていたのは徐倫の父承太郎だったのだ。

「でも何だか若い…それにあの格好は……」

承太郎は学ランを着ており顔付きからして徐倫より歳下のようである。

「あたしは本当にタイムスリップして来たんだ…だとしたら今父さんが燃やしているノートはプッチが言っていた天国への行き方を印したノート!あのノートを読んだせいで父さんはプッチにDiscを奪われることになった……」

「そこのお嬢さん、わしの孫に何かようかな?」

「えっ?」

徐倫が振り返ると老人にしてはマッチョな男がいた。

「どうしたじじい」

承太郎もそれに気付きこちらへやって来た。

「いや、このお嬢さんがおまえをずっと見ていたのでな。知り合いかと思ったんじゃが違うのか?」

「こんな女知らねェぜ。それにエジプトに知り合いがいる筈ねェだろ」

「それもそうじゃのォ、なら誰じゃ?」

承太郎と老人に疑われているのだが徐倫にはそんなことより引っかかることがあった。

(エジプト?ここはエジプトなの?)

承太郎の口からサラッと出たエジプトという言葉。どうやらここはエジプトのようである。

「おい女、おまえ誰だ。まさかDIOの手下じゃねェだろうな?」

(DIO? そういえばプッチがそんなことを…)

「おい聞いてんのか」

「えっ?あっいや、あたしはDIOとは関係ないけど……」

「なら良いんだ」

そう言うと承太郎はさっさとその場を去ろうとした。

「ちょ、ちょっと待って」

徐倫は自然と呼び止めていた。

「あ?何だ」

「アンタがさっき燃やしていたノートの内容…記憶の断片から抹殺しておきなよ」

「てめぇあのノートを知っているのか?」

今まで全く相手にしていなかった承太郎が突然食いついてきた。

「えぇ。それには天国へ行く方法とやらが書いてあったんだろう?だからそれをさっさと忘れろって言ってんのよ」

「てめぇやっぱりDIOを知ってやがんな」

「おい承太郎、どうしたんじゃ?」

何も知らない老人…ジョセフ・ジョースターは話について行けていない。

「残念だけどあたしはDIOを知らない。でもそのノートを欲していた男なら知ってる」

「欲していた男だと?」

「安心しろ。もうその必要はない」

突然第三者の声がしたかと思うといきなりソイツは承太郎の背後に現れた。

「な、何⁉︎」

DIOのノートのことに気を取られていた承太郎は一瞬判断が遅れ、その男が出したスタンドにDiscを抜き取られてしまった。

「お、おまえは…エンリコ・プッチ!」

「久しいな空条徐倫。まさかおまえもこの『時代』に来ていたとはな。だがわたしはおまえの『時代』のわたしではない」

「どういうことだ」

「コレを見れば分かるだろう」

そう言ったプッチのスタンドは承太郎から抜き取ったDiscを握っていた。

「そのスタンドはホワイトスネイク!」

「おまえの『時代』のわたしは既に天国へ近付いたと聞いている。わたしはまだだがその必要もなくなった。わたしが行かずとも彼が行けるのだから」

「な、何を…」

「今のおまえには理解出来まい。そしてこの『時代』でのわたしの目的は果たした。安心しろ、かつておまえが経験したように空条承太郎が死にかけることはない。ただその男は力を奪わせてもらっただけだ」

そう言うとプッチは黒い光と共にその場から消え去った。

「ま、待て!…くそっ逃げられた…」

徐倫が承太郎に目をやると前にDiscを奪われた時とは違い特に見た目に変わりはない。

(プッチのホワイトスネイクにDiscを奪われると確か死にかける筈なのにどうして……)

「何なんだ今の野郎は…女、てめぇ何か知っているようだったな」

「見つけたぜ承太郎!ぶっ殺してやるぜ!」

 

第1話完。

 

 

またお会いしましょう

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