石作りの海   作:数取団乱闘生

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第18話「メイド・イン・ヘブン」

徐倫の背後にいたストーン・フリーが突然光を帯び始めた。

「な、何だアレは……」

「「らせん階段」 「カブト虫」 「廃墟の街」 「イチジクのタルト」 「カブト虫」「ドロローサへの道」 「カブト虫」 「特異点」 「ジョット」 「天使(エンジェル)」「紫陽花」 「カブト虫」 「特異点」 「秘密の皇帝」…そして36人の罪人の魂……そしてストーン・フリーを捨てる!」

「な、何故おまえがその言葉を……その方法をォォォ!!」

何故だかは自分にも分からなかった。突然頭に浮かんできた言葉だった。

光を放ったストーン・フリーが真っ二つに裂けて中からペガサスのようなスタンドが出てきた。

さながらその姿はプッチのメイド・イン・ヘブンの面影があった。

「こ、これがあたしのスタンド?」

徐倫自身にも何が起こっているのか分からなかった。

「空条徐倫…何故だ……何故貴様のスタンドで可能なのだ……それはわたしとDIOでなければ出来ない筈なのに………」

自分やDIOだけでなく徐倫までもスタンドを進化させた…その事実が信じられないプッチ。

「あれが徐倫のスタンドなのか?ストーン・フリーの面影もねェぞ……」

ジョセフも驚きで身体の痛みを忘れてしまうほどであった。

「ステアウェイ・トゥ・ヘブン…これがあたしのスタンドよプッチ!」

ステアウェイ・トゥ・ヘブン…徐倫の頭に突然浮かんできた言葉。その意味は天国への階段……いったいどんなスタンドなのかそれは徐倫自身にもまだ分からない。

「もうDIOの頼みだろうと関係ない!わたし自身の誇りにかけて空条徐倫!貴様をここで殺す!」

徐倫のステアウェイ・トゥ・ヘブンに脅威を感じたプッチは早々に殺してしまおうとメイド・イン・ヘブンで加速させて襲いかかった。

だがプッチの手刀は徐倫に片手で止められた。

「な、何ィ⁉︎ 貴様…加速した時の中で何故わたしの姿が確認出来たのだ……」

「プッチ……あたしのスタンドステアウェイ・トゥ・ヘブンは天国への階段……おまえも望み通り天国へ送ってやる。本当の天国に…」

次の瞬間徐倫の拳がプッチを捉えていた。

「待て空条徐倫…おまえはDIOと戦おうとしているだろう……だが分かっているのか!DIOを倒すということはどういうことなのかを!」

「分かっているわ。今までのDIOの行動で予想はついていた…奴の能力は『真実』を『上書き』するんだろう」

「そこまで分かっているのなら分かる筈だ!このままおまえがDIOに挑んでも結末は何も変わらないことを!」

「ど、どういうことだ?奴は何を言ってやがる!」

その戦いを傍観していたジョセフにはプッチの言葉の意味は分からなかったが

「分かってるって言っただろプッチ、あたしの運命は決まっている。おまえにここで殺されたあの時から…」

徐倫は全てを理解していた。

「何だと…おまえは彼を仮に倒せたとしても自分が死ぬということを理解しているというのか⁉︎」

「そう…DIOを倒せば奴が上書きした真実は全て元に戻る。そんなこと分かっているわ。あたしはそれでもおまえとDIOを倒す。だからここにいる」

「か、考え直せ!おまえのそのスタンドなら彼に殺されない道もある筈だ!彼の望む天国へおまえを行ける筈だ!やめろォォォ!!」

命乞いするプッチを無視し徐倫はそのまま拳を押し当てた。

するとプッチの身体は血も出さずに消え去った。まるで天国へと行ったかのように。

「あたしはもう既に死んでいるのよ。でもプッチ…おまえもDIOも既に死んだ存在。だから全員生きていてはいけないのよ……」

そして同時に徐倫は感じ取っていた。ステアウェイ・トゥ・ヘブンを使えるのはあと一回だけだと。

あと一回使えばDIOを倒せても倒せなくともこのスタンドは消える…すなわち自分も消えてしまうと。

「プッチ、おまえの言うとおりのようね。あたしじゃ天国へは行けないわ」

 

「すげえじゃねェか徐倫!まさかあんなことが出来るなんてよ?」

何も事情を知らない呑気な男ジョセフは徐倫に駆け寄り肩を叩いた。

「まだプッチを倒しただけだろ!まだDIOが残っているんだぞ!」

いつも通りジョセフにツッコミを入れるシーザー。

そんないつもの光景を見た徐倫は思う。コイツらに真実を言うことは出来ないと。

死んだ後でDIOのおかげで転生したのは自分やプッチだけではない。このシーザーも本来なら死んでいる筈の存在なのである。

すなわちDIOを倒せばシーザーもいなくなってしまう……。

「言えるわけないわ……」

「JOJOやシーザーには言えないことがあるのね。あのプッチという男が言っていた意味…あなたは理解しているようだけど」

ただ一人リサリサは徐倫が何かを隠していることを察知していた。

「あなたになら言っても良いかもしれないわ」

徐倫はリサリサにだけ真実を全て話した。DIOを倒せばシーザーが死ぬことも。

「やっぱりそうだったのね……それでもわたしたちはDIOを倒さなくてはならないわ」

そう言ったがリサリサの顔は晴れない。

「………えぇ」

残る敵はDIO一人。なのに徐倫の気分も晴れなかった。

 

第18話完。

 

 

またお会いしましょう

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