光に包まれた徐倫は気がつくと全く別の場所に立っていた。
「ここは……?」
なんとなく見覚えがあるような気がしなくもないが、感じが違う。
「もしかしてここアメリカ?ニューヨーク辺りかしら…ってことはホントにあたしは時間移動したってこと?」
「おいてめぇそこで何してんだ?」
いきなり徐倫は背後から男に声をかけられた。
「いや何って別に……」
振り返るとそこには歳が変わらないぐらいの男が立っていた。しかし見た目からしてアメリカ人ではない。ヨーロッパの方に見える。
「明らかに怪しいだろねぇちゃんよォ。見た目からしてアメリカ人だろうが、キョロキョロしながら歩いてたら怪しさ満載だぜ?」
この男は妙に頭がキレるらしくいきなりニューヨークに飛ばされて挙動不審気味だった徐倫の怪しさにすぐ気が付いた。
(なんか変な男に目をつけられちまったな……どう誤魔化すか……)
「JOJO〜何してるの?」
「ジョ…ジョジョ?」
そこへ日傘を差した一人の女がやってきた。男の知り合いのようである。
それよりも徐倫は男がJOJOと呼ばれていることが気になった。
「JOJO!もしかしてナンパしてたの⁉︎」
「んなわけねェだろスージーQ!おれたちの家の前で挙動不審な女がいたから尋問してたとこだっつーの」
男はしていないが女の方は左手の薬指に指輪をしていた。
(まさか…こいつら夫婦か?)
「もしかして空き巣!いやぁぁぁ!」
ややオーバーリアクションの嫁スージーQ。徐倫は早くもイラっとしていた。
「そういえばリサリサはどうした?」
「リサリサ様ならSPWさんと一緒に勝手にやっちゃった葬式の処理をしているわ」
「えっ⁉︎ そんなのやってたのか⁉︎ だいたいおまえのせいなんだからなアレは!なのにおれたちだけ何のこのこ帰って来てんだよ!」
もはや徐倫を無視して痴話喧嘩を始めたJOJOとスージーQ。
(このスキに逃げるか…でもJOJOって呼ばれてるってことはこいつもジョースター家の人間?過去か未来か知らないけど…)
「じゃなくてまずはこの女だぜ今は。おまえ名前なんてんだ?」
ようやくJOJOが話を戻した。
「あたしは空条徐倫よ」
「ジョリーン?おまえもしかして日本人とのハーフとかか?顔はどう見てもアメリカ人っぽいもんなァ。ところでここで何してんだ?」
「単刀直入に言うわ。あんたはジョースター家の人間よね、名前は?」
「おい!質問してんのはおれだぜ?」
「良いから答えて!」
徐倫の迫力に押されたJOJOは
「ジョセフ・ジョースターだ」
と名乗った。
「ジョセフ・ジョースター?」
徐倫が驚くのも無理はない。つい先ほどじじいのジョセフ・ジョースターと出会っているのだから。
(ということはさっきよりさらに過去に来たってことか…)
「あんたまだスタンドは奪われていない?」
「あ?スタンド?何言ってんだおまえ」
「だってあんた、ハーミットパープルとかいうスタンドを持っているんじゃないの?」
「ハーミットパープル?おまえ頭パープリンなのかァ?」
(スタンドを知らないの?てことはこの歳のジョセフ・ジョースターはまだスタンドに出会っていないのね…)
「それよりてめぇおれの質問に全然答えてねェじゃあねェか!いつから立場逆転してんだ!」
「JOJO、何をやっているの」
そこへもう一人女がやってきた。
「あぁリサリサ、戻って来たのか。おれたちの家の前でこそこそしてる女がいるからちーっと尋問してやってたのよ」
(また人が増えた…)
徐倫は段々と話が面倒くさくなっていることを感じていた。
(この時代にはまだスタンドがないってことか…ならここにプッチが現れることはない。飛んでくる時代を間違えたのか)
「見つけたぜリサリサ先生!JOJO!」
また誰か来たのかとため息をつく徐倫。しかし三人の表情が変だった。まるでお化けでも出たかのように。
「お、おまえが何でここにいるんだよ……」
「知れたこと!先生!JOJO!おまえたちを殺す為だ!スタンドが使えないとはいえ『あのお方』の妨げになる人間は殺す!」
「『あのお方』?」
ここで徐倫はこの時代も敵の手が既に及んでいることが分かった。
「それよりおまえが何で生きてんだって聞いてんだ!シーザー!おまえは…ワムウとの戦いで死んだ筈だ…」
そこに立っていたのはシーザー・アントニオ・ツェペリ。この時代では既に死んでいる筈の男なのである。
「おれ話『あのお方』のおかげで地獄の底から蘇ったんだ!JOJO!おまえを殺す為にな!」
そう言ってシーザーは構えた。
「リサリサ先生、スージーQ、下がってろ。奴は本気だぜ」
対するジョセフも構えた。
「シーザー、なんでおまえが生きていておれたちに向かって来るのか知らねェが、とりあえずぶちのめして吐いてもらうぜ」
「おれを殺したワムウを倒したからって良い気になるなよJOJO!おまえごときにおれは負けん!」
ジョセフとシーザーは徐倫をほったからして戦いを始めようとしていた。
「必殺!シャボン・ランチャー!」
第4話完。
またお会いしましょう