問題児たちと大神様たちが異世界から来るそうですよ?   作:ルミナス

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第一話

水郷を使い降りながら、アマテラスは下の三人(+三毛猫)が水に濡れないよう、筆しらべを使う。

 

先が黒い筆のような尻尾を円く振る。

 

それを3回終えると、湖に蓮が浮かび、丁度そこに落下スピードが落とされていた三人が降り立った。

 

これは筆しらべ・水蓮の力である。

 

アマテラスは水柱がある程度低くなると、そこからジャンプし、飛び降り、地に降り立つ。

 

それとほぼ同時に三人が湖の畔に立つと、一人の長い髪の女性が文句を言い始める。

 

「信じられないわ!引きずり込んだ挙句に空に放り出すなんて!」

 

「右に同じだクソッタレ。まだ石の中に召喚された方がマシだぜ」

 

「……いえ、石の中に呼び出されたら動けないでしょう?」

 

「俺は問題ない」

 

「そう。身勝手ね」

 

そんな二人の会話をアマテラスは聞きながら思う。

 

大昔、『白野威(シラヌイ)』と呼ばれていた時のこと。ヤマタノオロチと戦い、イザナギの力も借りて辛くも勝利を収めたが、アマテラスはその力を失い、その場で倒れ、一度はその身を失った。

 

が、その白野威の像を村の人達が祭り、ヤマタノオロチが封印されてから丁度百年となる年、ヤマタノオロチは復活した。

 

その時、ほぼ同時にアマテラスも復活したーーー白野威の石像から。

 

あの時はサクヤ姫が預かっていた八咫鏡をもらい、それと同時に石像に宿り復活したが、今思えば、アマテラスも石像からなら問題ないのではないだろうか?

 

幸い、筆しらべ・一閃もある。あの時のようには無理でも、全てを切り裂くことが出来るこの筆しらべがあれば、石の中に召喚されても復活出来る。

 

アマテラスはそこまで考えたが、ふと考えが別の方へと変わる。

 

ーーーお腹、空いたなぁーーー

 

アマテラスは自身の腹が満たされてないことにそこで気付いた。気付いてしまった。

 

其処でどうしようかと周りを見はじめるアマテラス。

 

周りに割ったら桃やお金が出てくる壺はない。頭突きをすると落ちてくるような果物がなる木もない。

 

それを理解すると、アマテラスは顔を俯かせてしまう。

 

その尻尾もまた、何処か悲しそうに地面に着けてしまっている。

 

「おいアマ公。オメーが何考えてるかなんて大体理解出来るけどよ、人の自己紹介ぐらい聞きやがれってんだ!」

 

と、そんな時に自身の頭の上で飛び跳ねる相棒が大声をあげたことにより、アマテラスは顔を上げ、周りを見る。

 

すると、三人の人間がアマテラスを見ているではないか。

 

ーーーもしかして、ご飯くれるかも!ーーー

 

それを考えつくと、途端に元気になり尻尾を振って愛嬌を振りまき出すアマテラス。

 

その行動は狼ではなく、犬である。

 

「……なあ、此奴なんか急に愛嬌振りまき出したんだが……」

 

「な、撫でて、良いのかしら?」

 

「……ねえ、撫でても良い?」

 

ヘッドフォンの男ー逆廻 十六夜ーと髪が長い女ー久遠 飛鳥ーは遠巻きに見ていたが、三毛猫を抱いた女ー春日部 耀ーは目を輝かせながらアマテラスと目線を合わせ、会話をし始める。

 

「ワン!(桜餅食べたい!桜餅!)」

 

「オイ、アマ公!今はそんな場合じゃねえって言ってんだろ!良い加減なぁ!」

 

「……ごめんね、えっと、アマ公。犬に桜餅は毒だから、これ、あげる」

 

耀がそう言って渡してきたのはビーフジャーキー。

 

アマ公はそれを見て餌にかぶりつくが、その頭の上に乗っているイッスンは驚いたような顔をする。

 

「お、おい姉ちゃん。まさか、アマ公の言葉が分かるのか!?」

 

「……うん。私、動物とお話が出来るの」

 

「そ、そうかい……(動物っていうか、アマ公は太陽の神様なんだがな……)」

 

イッスンは内心でそう呟く。イッスンと耀はアマ公が聞いていない間に自己紹介を終えているが、それでも初対面。そんな事言っても信じてもらえないだろう。

 

「……それにしても、貴方、変な隈取り模様だね、これ」

 

「!?オイ姉ちゃん!オメー、この隈取りが見えるのか!?」

 

「?うん」

 

それに対して、イッスンは驚いたように固まった。

 

(アマ公の隈取りが見えるって事は、少なくとも信仰心はあるって事だ……けど、この姉ちゃん、本当に神様信じてるのか?変わった服着てるのもあるが、さっきからアマ公の事を犬扱いだしよ……)

 

イッスンは頭の上から地面に降り立ち、頭を撫でられてメロメロ状態のアマテラスと、撫でている方の耀を見ていた。

 

(……ま!考えても分かんねえ!それに、考えるなんてオイラの性分じゃねぇ!『考えるよりも飛び込め!』……だな!)

 

イッスンは頭の中でそう結論付け、もう一度アマテラスと耀を見ると、いつの間にやらアマテラスは耀に腹を見せ、撫でてもらっていた。

 

犬特有の、服従の証である。

 

「ってオイ毛むくじゃら!何時まで遊んでやがんだ!さっさと起きやがれ!」

 

イッスンの声にアマテラスは飛び起きると、イッスンは其処で高く飛び跳ね、アマテラスの頭の上に乗り直した。

 

「……で、もう良いか?」

 

「ああ!済まねえな兄ちゃん!改めて自己紹介するぜ!オイラは旅絵師 イッスン様だ!そんで此奴が、そうだなぁ……食いしん坊のアマ公ってんだ!よろしくな!」

 

イッスンが声を上げ紹介すると、アマテラスは一つ鳴いた。

 

ーーーそんなやり取りを見ているものが木陰に一人。

 

うさ耳を持った女性が、茂みに潜みガクガクブルブルと震えていた。

 

(く、黒ウサギは、何というお方を呼び出してしまったのでしょうか!?異世界の別の存在とはいえ、あのアマテラス様をお呼びしてしまうとは!)

 

黒ウサギは震えながらそう考えていると、話は進んでいた。

 

「さて、呼び出されたは良いが、何で誰もいねえんだよ。この状況だと、普通は"箱庭"とかいうものの説明をしてくれる奴が現れるもんじゃねえのか?」

 

十六夜が頭を強く掻きながらいう言葉に、飛鳥は肯定するように頷く。

 

「全くね。何の説明もないままでは動きようがないわ」

 

「……この状況で落ち着いてるのもどうかと思うけど?」

 

「……クゥーン」

 

「それは姉ちゃんもだし、アマ公はさっきから腹が減ったってばっかりじゃねえか!少しぐらい耐えやがれ!」

 

(ああ!アマテラス様に何というご無礼を働く奴なのでしょうか!でも言ってる事は正しいのですよ!)

 

それぞれ三人の言葉の後に続き、イッスンが言葉を上げ、黒ウサギはそれに対して賛同する。

 

と、其処で十六夜が黒ウサギの方を向いたと思うと、

 

「仕方ねえ。こうなったら其処に隠れてる奴にでも話を聞くか」

 

黒ウサギに向けてそう言い放った。

 

(え!?き、気付かれてたーー!?)

 

「あら?貴方も気がついていたの?」

 

「当然。俺は隠れんぼじゃ負けなしだぜ?流石にそこの虫を探すのには苦労しそうだがな」

 

「オイラは虫じゃねえ!イッスン様だい!」

 

十六夜の言葉に、緑色に発光していた光が赤く色を変え、怒っている事を分かりやすく知らせていた。

 

しかし、そんなイッスンを十六夜は無視する。

 

「お前らも気付いてたんだろ?」

 

「風上に立たれたら嫌でも分かる」

 

「ワン!」

 

アマテラスは耀の言葉に続いて答えると、茂みの方へと視線を向ける。

 

そんなアマテラスも入れた四人の視線を受け、黒ウサギは観念して茂みの中から出てくる。

 

「や、やだなぁ?御四人様。そんな狼の様な怖い目を向けられると、黒ウサギは死んじゃいますよ?ええ!古来より孤独と狼はウサギの天敵……」

 

「オイ、ポチ。行け、ご飯があるぞ」

 

「その方に黒ウサギを食べさせようとしないでください!」

 

黒ウサギは十六夜に抗議の声を上げるが、アマテラスは元より黒ウサギを食べるつもりは毛頭ない。

 

しかし、アマテラスの上にいるイッスンは、赤い発光を緑の発酵に戻し、黒ウサギの体(主に胸部)を見て、呟く。

 

「……ぼ、ボイン……」

 

そして、その呟きは黒ウサギの耳にはいった。

 

「なっ!?い、今そんなこと言ったのは貴方ですね!ゴムマリさん!黒ウサギの身体をさっきから厭らしい目で見ているのも貴方ですね!」

 

「お、おっと!すまねえ!それよりもだ!早く此処の説明をしてくれってんだ!」

 

「……なんだか納得いきませんが、良いでしょう。元よりそのつもりでしたからね!」

 

そう言って、黒ウサギは此処の説明を始めるのであった。




今日は此処まで!

中途半端ですみませんが、私が力尽きました……

それでは!筆しらべ紹介コーナー!

今回は此方!

筆しらべ・水蓮

これは水の上に蓮を浮かべる筆しらべです。この技を使えば、水があるところを泳がずに渡ることが可能な筆技です。
アマ公は泳ぐのが苦手で、泳ぎ続けると溺れてしまうので、水の上を渡るときにはこれは必ず必須な技ですね。
干支は申です。

筆しらべ・一閃

これはありとあらゆるものを切り裂くことが出来る、攻撃特化の筆しらべです。岩さえも切り裂くことが出来ます。ゲームでは、序盤はそんなに硬いものは切れませんが、最終的にはダイヤモンドの様な硬さのものも切ることが出来る様になります。この話では、アマ公はその最終段階もいけます。
干支は子です。

それでは!さようならー!
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