≪メカクシ団アジト≫
「キド、ちゃんと連れてきたぞ」
「ご苦労だったな。感謝する」
「なに、お前の命令だったらなんでもやってやるさ」
シンタローはキドの言葉に、そう答えて部屋から出ていった。
残されたのは――キドとコノハ。
キドはコノハの方を眺め見て、ぽつり呟いた。
「――お前が“命を蒸し返す機械”とやらか」
「もしそうだったらなにか?」
「――いや、なに。どうせお前に私怨を叩きつけたとしても何の措置にもならないからな」
「……あぁ、そういうこと」
コノハは何かを把握したらしく、少しだけ笑った。
「開発者の彼女を探しているんだね。……恐らくあのシンタローとやらも」
その言葉にキドの顔が少しだけ歪んだ。
「……何処に居る?」
「そんなことを言われても。僕はあくまでも機械としての立場デスヨ? そんなやつが最高機密に近い存在の事を知ってるとは思えないんだけどね」
「そうか。……わかった」
そう言ってキドは小さく頷き、窓を見つめた。
「僕をどうするつもりだい?」
コノハは小さく笑って、首を傾げた。
「――そうだな。ならばまずは……私達の計画に参加してもらおうか。彼女を救う、R計画に」
メカクシ団員は、直ぐ様会議室に集められた。シンタローに、ヒビヤ、マリーに、あのときはいなかった団員もちらほらといる。ヒビヤはどうやらニジオタコミュショーヒキニートの存在を見くびっていた。確かにそうだ。こんなアウトドア派のヒキニートがいるはずがない。しかもコミュニケーション能力ももしかしたら人並み以上はありそうな彼等が実はニジオタコミュショーヒキニート? 世界は何だか概念の付け方を間違えたのではないかと思ってもしまう。
「さて、メカクシ団員の諸君、会議を始めよう。内容は簡単だ。“カゲロウ作戦”を決行する」
キドのその言葉を聞き、会議室はざわめきを隠せなかった。それほど重要な作戦であることが、団員全員が理解しているというのがあるのだろう。
「では、概要などを説明していく。まずは再び潜入、今度は箱庭内へと入っていく」
その言葉を聞き、ヒビヤは驚いた。何故なら、前回の作戦でも“何故かヒビヤにだけ”箱庭内には入るなと灸を据えられていたからである。
「ヒビヤは恐らく箱庭へ入るなとあのときは命令した。だが、今回はヒビヤも入っていい。これは重大な作戦だ。失敗は許されない。いいな?」
キドの言葉に、ヒビヤは頷く。
「よろしい。では――“メカクシ完了”」
その言葉と共に、キドやヒビヤ含むメカクシ団団員はフードを深くかぶった。
そして。
「……ここが、箱庭……」
キドたちは再びあの高い壁へとやってきていた。
「ああ。これがそうだ。……さてと、入口を探さねば……」
「既に見つけてあるが?」
「さすがはシンタローだな。よし、では入っていこう」
「礼もなしか」
「……ありがとう」
「どういたしまして」
そんなやりとりを交わして、メカクシ団は箱庭の中へと入っていった。