やっぱり球磨川禊の青春ラブコメはちがっている。   作:灯篭

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1巻おまけページの進路指導アンケート、球磨川先輩ver.です。


進路指導アンケート 2年F組 球磨川禊

総武高等学校 2年F組

 

ふりがな: くまがわ みそぎ

名前:   球磨川   禊

 

出席番号:9

 

性別:男

 

 

問1:あなたの信条を教えてください。

 

答:ぬるい友情・無駄な努力・虚しい勝利

 

 

問2:卒業アルバム、将来の夢なんて書いた?

 

答:やだな先生、卒業アルバムなんてフィクションの中にしかないんですよ。

現に僕は、貰ってもいなければ卒業アルバム制作にも関わっていないですし。

 

 

問3:将来のために今努力していることは?

 

答:合法的に女湯を覗くために法の抜け道を探す毎日です。

残念ながら未だ見つかってはいません。

 

 

先生からのコメント

そんな夢も希望も根も葉も身も蓋もないような三大原則を胸に秘めないでください。

あなたが本当にジャンプ愛読者なのか、先生はたまに疑ってしまいます。

卒業アルバムの存在を知らないまま小学校と中学校を卒業できるとは思えないのですが......

あなたならありえてしまうかもしれないと考えてしまう自分が怖いです。

お望みとあれば、今度先生の卒業アルバムを見せてあげます。

そんな法の抜け道は存在しません。

まさに無駄な努力なので早々にあきらめましょう

 

 

_______________________________________________________________________

 

 

 

「『学校の授業で進路指導アンケートを書けって言われたから書いたのに、このコメントはひどくない? ていうか進路と関係のありそうな質問1つもないんだけど。こんなことを知って先生方はどうするつもりなんだろうね?』」

 

 

 場所は静まり返った教室。

 球磨川禊は目の前にいる少女に向かって愚痴をこぼす。愚痴というか完全に言いがかりでどう見ても自業自得なのだが、球磨川の辞書はそんな言葉が書かれているほど上等なものではなかった。

 

 

「あたりめーだろ。君は馬鹿なのかい? ていうかこれを教師に提出するという行為がまず僕には信じられねーぜ。平塚静ちゃんだっけ? 名前に似合わず騒がしい子みたいだけど。彼女には心から同情しておこう」

 

 

 少女は教卓の上で脚を組み、1枚の紙を指でつつく。

 とても長い綺麗な茶髪を随分と低い位置でひとまとめにしている、球磨川とは別の学生服を着ている少女の名は安心院なじみ。

 ただ平等なだけの人外である。

 

 

「僕たちの母校から随分と離れたところで何やら好き勝手しているようだね、球磨川君。いや、別に怒っているわけじゃないよ。あそこに残っていたって結局はその地域が壊滅的に致命的な被害を被るだけだ。僕には全くもって関係ない。しかしだね、球磨川君。僕自身の希望としては、来年の夏くらいには戻ってきてほしいわけだよ。なんてったって、あそこには君の大好きな彼女がいるわけだからね」

 

 

「『僕が大好きな子? そんなの安心院さんに決まってるじゃないか! こうして死ねば会えるわけだし、今はここを離れるわけにはいかないなあ。僕の目的だって全然達成できちゃいないし』」

 

 

「エリート抹殺計画ってやつかい? だったらなんで君は入学してから1年間も、何もせず幸せな高校生活を送っていたんだい?」

 

 

「『いやぁ、最初は全校生徒螺子伏せるつもりで行ったんだけどさ。進学校というわりにはエリートが少なくて。教師含め、あそこは愛すべきお馬鹿たちで溢れていたからね。様子見というか、選別というか。敵を見定めなくちゃいけなかったんだよ』」

 

 

「で、君の眼鏡にかなう敵は見つかったのかい?」

 

 

「『いや、まだだよ。1人、面白い子がいたけど、彼女は彼女で過負荷側にも見えるんだよなぁ』」

 

 

「ま、僕に君の意思を妨げる理由も権利もその気も無いし、自由にやるといいよ」

 

 

「『言われるまでもないさ。じゃ、僕はそろそろ行くよ。またね、安心院副会長」

 

 

 球磨川がこの教室から出ていったのを確認すると、安心院は持っていた紙を放り投げ、心底退屈そうに笑った。

 

 




本当は進路指導アンケートだけで終わらせようとしたのですが、最低投稿文字数に届かなかったので(震え声)


ちなみにこのときの球磨川の死因は近くにある神社の階段で頂上から転げ落ちたことです。
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