影のプロデューサー 作:k d
なんとか書きました…
大変だった……
美城プロダクション 常務室
「では、月200に担当アイドルの成功報酬が一人につき300という条件を呑んでいただけますね。」
「ああ、是非とも頼む…」
この美城常務、女がてらに良く働く人でなかなかの苦労人である。今回、俺をこんなに破格の条件で雇ったのには理由があった。
プロデューサーが大ビジネスを計画し、アイドルをつぎつぎスカウトしたのはいいものの、失敗したときの負債に恐れおののき、雲隠れしてしまったということだ。
写真を見せてもらったら、いかにもプレッシャーに弱そうなオッさんだった。
特徴は、メガネと出っ歯でお世話にも品性がある風貌でもなく、セクハラ紛いのことをしようとこの業界に来たといった感じである。
「なるほど、ではスカウトしたアイドルの名簿を見せて下さい。」
リスト
島村卯月
渋谷凛
本田未央
高森藍子
城ヶ崎美嘉
莉嘉
以上
この五十音順にもなってなく、雑で明らかに無作為に書き出した名前の並びを見た時、事務所にとって彼女らがお荷物になっているという状況を呑み込んだ。
「しかし、勝手にスカウトし勝手に見捨てられるとは、彼女らも運が悪い。」
「そうは言うが、それでも減らした!他のプロデューサーに引き抜いて貰ったりもしたわ!!」
と美城常務は不快感を示した。事務所のアフターケアを貶されたと思ったのだろう。
「だから、残ったこの娘たちは才能がないと? だから、スカウトされた夢だけ見てろと??」
「………ッ!!」
「いいですか?書類というのは、正確であるべき物なんですよ。なのに、これには名前が書いてあるだけ!顔写真も年齢も学生か社会人であるかも書いてない!!アンタら舐めてんだろ?」
「ッ!!…… すまなかった……」
俺は紙を落とした。
「今落ちたのは紙だが、次はあんたらの首だ。」
部屋をそのまま出て行く、この事務所は一見大手だがアイドル一人もまともに売り出せないところを見ると、大したことないな。
どちらにしろ、事務所のコネを頼る事はしない。現場に近いであろう俺が臨機応変に仕事を決める。
常務から聞いていたオフィスに入る。
「ほぅ、なかなか上等な部屋だ。」
期待されてない、アイドル達でもこんな施設を用意するところは流石だと思う。
部屋に入りそんな感想を述べても何も帰ってこない。そう部屋は無人だった。
「間違えたか?」
「いえ、間違えてませんよ〜。ここに来たってことは貴方が新しいプロデューサーですね!」
背後から急にッ!
「よろしく、プロデューサーを任されました石橋茂です。貴女は?」
「私は、千川ちひろと申します。これからよろしくお願いしますねプロデューサーさん!」
それからしばらく、千川さんにアイドル達の噂を聞いていた。情報を整理すると…
このアイドル達は、大型ユニットみたいにして売り出すつもりだったらしいが、ただユニットを組んで売り出せばいいと言うわけでもなく、あえなく他のプロデューサーや常務の反対により、玉砕。
スカウトしたアイドルだけが事務所に溢れ、見兼ねた常務がプロデューサー達に呼びかけ引き抜いてもらったのだという。
また、引き抜かれた方も幸運では無く、プロデューサーの不要な物を見る視線で迎えられたという。
そして、引き抜かれた方も格差が出来、社会を知ってる大人組は成功したが、子供組は1日レッスンと称した厄介払いをされているのだ。
まあ、やる事は決まったな
「千川さん、引き抜かれたけど売れてないアイドル達のリストは?」
「ありませんけど全員、スタジオにいるとおもいますよ。あと、ちひろでいいですよ〜。」
「では、行ってきますね、ちひろさん。」
行きながら、携帯で連絡をした。
久々だから、拗ねてないといいけどな。
スタジオ内
そこでは、レッスンを終えたアイドルたちが談笑していた。
卯月 「 へぇー!じゃあ、幸子ちゃんバラエティーに出るの? 」
幸子 「かわいいボクなら当然ですけどね」
卯月 「私たちなんか何もオファーなんて来ないから、すごいよ! ねえ、凛ちゃん!!
凛 「ええ!? うん…すごい…かな。」
藍子 「私たちの分まで頑張って下さい!」
幸子 「そういえば、みくさんもバラエティーデビューですね!頑張りましょう」
みく 「本当はやりたくないにゃ…だって出たければネコキャラ禁止だって…」
幸子 「でも…仕方ないじゃないですか……だってボクたちは…………」
卯月 「………」
凛 「……」
未央 「……」
藍子 「……」
プロデューサーの失踪によって、取り残された自分たちの社内評判は知っていた。
負の遺産
役立たず
疫病神
挙げていけば枚挙にいとまがない。
だから、信念を曲げてもアイドルでい続けなくてはいけない。逃げ出してしまえば、多大な後悔が押し寄せてくるのは皆知っている。
「なるほど、シンデレラとはよく言ったものだ。」
黒井プロ 入社後
「いいか、野心があるならそれにのみ貪欲になれ、つまらん良心など捨ててしまえ。」
「なに当たり前のことを言ってるんですか…黒井さん」
「ただ、君の事が分からなくなったのだ…」
「何がです?」
「今日の打ち合わせの時にだ」
打ち合わせがあった。番組のディレクターの贔屓にしてるアイドルグループと我がジュピターがライブバトルをする事になったのだが、八百長を提案された。ジュピターにワザと負けてくれと言いに来たのだ。後々、仕事は回すという条件付きだった。
俺は何故か断ってしまった。
なんでだ???
「いいかね、あれは破格な条件だった。損して得取れという言葉は今日の為にあるのだ!」
「……」
「何故、断ったのだね?」
「わかりません。ただ、枕に負ける事が下らないのは確かです。」
「あのディレクターの影響力は知っているだろう?」
「はい。ですが、大見栄切ったからには責任持って売り出してみせます。」
「いい目だ。 では、一ついいことを教えてやる」
「君たちが、俺の担当アイドル達だね?」
卯月 「えっと、じゃあ貴方はプロデューサーですか?」
「そうだ、で君が島村卯月。他の娘たちも居るみたいだな…ん? 城ヶ崎姉妹は休みか?」
未央 「そういえば、ショッピングに行くって言ってたような…」
「なるほどな、そして君たちは輿水幸子と前川みくでいいんだよな?」
幸子 「そうですけど、僕たちプロデューサーいますよ?」
「ああ……変わったんだ。宜しくな」
みく「とつぜんだにゃ!!」
「まあ、それはいいさ…とりあえず、明日にとってきた仕事について打ち合わせしよう!!」
凛「ちょっと待ってよ。そんないきなり…」
藍子 「仕事ってなんですか?」
「ライブだ!!曲は今作って貰っている。」
ちひろ 「あの娘たち、ずいぶんと喜んでいましたね!!」
「そうだな、仕事はこれからなのにな…」
ちひろ 「そうは言っても嬉しいんですよ。ライブなんて…
ところでどうやって仕事とってきたんですか??」
「秘密」
ふむ、時間は……ちょうどいいな
「じゃあ、ちひろさん。ちょっと出てきますね?」
ちひろ 「何処へ行くんですか?」
「トイレイキタイ……」
ちひろ 「早く行って来て下さい……」
元幸子p 「で、聞かせてもらえるんですよね…」
元みくp 「せっかく、仕事取ってきてやったのにアイドル
が変わるなんて、あんまりですよ!!」
「はあ、ですからもう2人とも俺の担当アイドルになったので貴方たちはもういいですよ。」
元幸子p 「あんた、引き抜くにも一言ことわるってのが筋だろ!!」
元みくp 「非常識だぞ!」
「非常識なのは、あんたらだろ? あんな成人にもなってない娘たちにそんな態度とりやがって」
元p2人 「………」
「いいですか?アイドルには大切なものがあります。それはなんだか分かりますか?」
2人「知らねえよ、俺は仕事を取ってきてやったんだぞ」
「はあ……正解は個性と愛嬌です。」
「不機嫌ならファンにまで、それが伝わってしまうし、平凡なら見ててもつまらない。だから、一人前になるまで大切に守ってやらなければいけない。」
「それがさあ、あんたらには任せられないんだよお二人さ
ん。輝くだろう可能性潰すど素人にはよお〜!!」
2人 「……ッ」
「だから、あの2人は俺がプロデュースします。常務にもそう言っておいて下さい。」
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