一人の女性へ愛を捧げる男の物語 作:( ∴)〈名前を入れてください
目が覚めたら知ってる天井だった。何を言っているのか分からないかと思うが俺が分からない。分かることは俺は自室のベットで寝ていて近くに桜ちゃんがいることだけ
「おじさん…起きた?」
「おっおはよう、桜ちゃん」
俺はあの胡散臭い神父にこの町に潜む殺人鬼の話を聞いて急ぎその場に行き犯人らしき者達を見つけて戦闘に入っていてそれから…
「そうだ!俺は打たれた筈じゃ…っえ打たれた後が無い…?」
思わず打たれた筈の胸を見るもある筈の傷が無い…それどころか無くては成らない筈の物が無くて
「令呪が無い…?嘘だろ」
腕に刻まれた令呪が忽然と姿を消していた。何時も感じていたバーサーカーを維持する負荷もバーサーカーの感情も何一つ感じない
「桜ちゃんバーサーカーは見てない?」
「ううん…鶴野おじさんもお爺様もバーサーカーもいないの、だからおじさんの所に来たんだけど」
「へっ…?誰もいない?」
桜ちゃんが嘘を言う筈がない。だったら今この家には誰もいない?バーサーカーもあの化け物もいない…兄貴は別にどうでも良いとして今この場所には俺と桜ちゃんしかいない
これは、バーサーカーが俺に与えてくれたチャンスなのかも知れない。バーサーカーが俺が知らない間にあの化け物と戦って倒してくれた…だとしたら俺がやるべき事はただ一つ
「ねぇ桜ちゃん?お母さんの所に行きたくはないかい?」
「えっ…でも私はもう」そう言いながら目を泳がす桜ちゃんを見詰めながらもう一度確認をとる。今なら帰れる…魔術からこの子を遠ざける事が出来る筈だ
「少し会いにいくだけでも良いんだ。お母さんや凛ちゃんに会いたくはないかい?」
「でも…私はもう」
「大丈夫おじさんに全部任せてくれ。これでも桜ちゃんの何倍も生きているからね?」
あの馬鹿に話をしなくちゃならない。どうして桜ちゃんをこんな所に送り込んだのか、どうしてよりにもよってこの家にしたのか、本当にあいつは魔術師としての考えしかないのか。
葵さんへの告白は魔術師としてではなくあいつ自分自身の告白だったのかを
「うん…少しだけなら」
「そっか…良し!なら急いで準備をしようか!」
バーサーカーもいなくなって化け物もいない。だったら俺は俺と向き合わなければならない…そう思った。
ー
「すまないが鯛焼きを二つもらえないか?」
「はいよっ兄さん調子が悪そうだけど大丈夫かい?折角のイケメンが台無しじゃねえか!まぁ俺には叶わねえけどな!」
「ほっとけ、これは一生もんだ」
そう言って鯛焼きを受けとり町を桜ちゃんと二人で歩く。何時もならこんな時間に町を歩かないからこんなに町が明るい事をすっかり忘れていた。
「美味しいかい?」
「うん、美味しい」
何時も見る誰もいない暗い町ではなく人達が行き交う活気に溢れた姿。忘れていた。桜ちゃんをこっちに戻そうとしていた筈なのに、魔術なんて無い世界に戻そうとしていたのに俺はすっかり忘れていた
町を行き交う人達、商売に汗を流す大人達に仲良く話ながら歩く子ども達。これが当たり前なんだと言う事をそれが手に入らないなんてあっては成らない事なんだと。
「…どうしたの?」
不思議そうに僕を見つめるこの子はその当たり前を周りの大人達に奪われて地獄のような環境で生きていた。
「いや、何でも無いよ…何でも無いんだ。うん」
「へんなの」
桜ちゃんを助ける。それが僕が今成すべき事、元よりその為にこの戦争に参加したんだ。この意志を変えるつもりは毛頭無い。桜ちゃんが笑顔でいられたら僕はそれだけで良い…その筈だ。
「ねぇ桜ちゃん?大きくなったらどんな大人になりたい?」
「え…?」
「僕はね、当たり前が欲しかったんだ。当たり前に生きて当たり前に死ぬそんな当たり前を生きる大人になりたかった」
「ふーん…そうなんだ」
魔術なんてものはいらなかった。皆みたいに生きたかった…あの化け物から逃げてでも幸せを享受したかったんだ。
だけどそのツケで桜ちゃんは…ならば俺は得た幸せを捨ててでも桜ちゃんを幸せにしなければ成らない。
前を歩いていると女性が二人歩いてくる…長い白い髪を持った人にスーツ姿の男装の麗人と言える人の二人だ。
「ねぇセイバー?貴方もちょっと服を着替えてみない?そんなスーツなんかよりももっと良い物があると思うんだけど」
「アイリスフィール…ですから私には必要無いと申した筈ですが」
そう言いながら歩いてくる彼女達を避けるように横に寄る瞬間桜ちゃんと白髪の女性がぶつかる
「良いじゃない、ちょっとだけだから…って御免なさい怪我はないかしら!」
「うん…大丈夫。どこも痛くないから平気」
「ほんと?痛くない所は無い?我慢しちゃ駄目よ?」
「大丈夫…これくらいなら別に何時もと比べたら」
桜ちゃんのその言葉に辺りの時間が止まったように感じる。心なしか周りの人が俺を見ているように感じる……いや確かに皆と同じ当たり前が欲しいけどそんな刑務所に入りたいとは考えた事は無い
すまないが俺は性犯罪者ではないつもりだからな?
「済まないが御仁、尋ねたい事が出来たが一つ聞いても良いか?」
「そうねセイバー。私も聞きたい事が出来ちゃった」
俺は正直な話、今人生の中で最も危ない状況にいるのではないのだろうか?
というかセイバーってこの人サーヴァントかよつまり隣の人がマスターか…あれ俺色々と詰んでないか?
「「貴方とこの子は一体どういった仲でしょうか?」」
「は…ははは……」
「…どうしたの?皆して変な顔して」
助けてくれ…バーサーカー
短すぎる…すまんキリが良い所で終わらしたかったんじゃ…許して次はウンザリするレベルで長いから