レティシア・ドラクレアとホグワーツ~LETICIA DRACULEA & THE HOGWARTS SCHOOL OF WITCHCRAFT & WIZARDRY   作:招き蕩う黄金劇場

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AUOさんの王の財宝の中身って何円くらいするんだろう……?


厨房とウィーズリーの双子

魔術工房を造った翌日、僕は地下廊下に行き、そこにある絵画の梨をくすぐってホグワーツの厨房へ入った。

 

実は今、この時間「魔法史」の授業があるのだが、とある崇高な目的のために誠に遺憾ながら、本当に遺憾ながら……サボっている。

 

まぁ、既にホグワーツで習う授業内容は、スネイプのスパルタ教育によって全て覚えているため、気にすることはない。進級に必要な分の出席日数を稼いでおけば、あとは授業を受けなくてもいいのだ。

 

話を戻すが、僕の厨房で為す目的は二つある。一つは、食料の確保。そしてもう一つは厨房で働くしもべ妖精に杖無しで使える妖精魔法を学ぶことだ。

 

食料が必要な理由は、僕が大広間で出される食事を食べないからだ。大広間で食事すればいいと言う人がいるかもしれないため、先に食べない理由を話すことにする。その理由は至極単純にして明快、そうただ単に提供されるイギリス料理が不味いからだ。

不味いものを食べるくらいなら、自分で作るというのは人として当然であり、自然な流れなのだ。

 

そして妖精魔法。

これは杖が無くても魔法を使用でき、威力も通常の魔法より勝ることはあれ、劣ることはない。尚且つ、このホグワーツ城内など一般の姿あらわしが出来ないようにされている場所でも自由に姿あらわし及びに姿くらましが使える、メリットの塊しかないようなものなのである。

ぜひとも、学んでおいて損はない。

 

厨房の中は以外にも綺麗に整理されており、掃除も行き届いていた。

そしてしもべ妖精たちが何十人もせっせと働いている。

 

「レティシアお嬢様、こちらへどうぞ」

 

一人のしもべ妖精が僕が居るのに気付いてか、集団を離れて此方に駆け寄ってきた。しかも、どうやら僕の名前を知っているみたいだ。

 

「なぁ、一つ訊いても良いだろうか?」

 

「はい。何なりとお申し付けくださいませ、レティシアお嬢様」

 

キーキー声でしもべ妖精が応答する。

 

「何故、私の名を知っているのだ?」

 

「それは貴女様がこのホグワーツへのご入学が決まられた時から存じております。ホグワーツの校長が話されておいででした。

曰く、吸血鬼の真祖様が入学なさると……。

古来より吸血鬼様方は我々屋敷しもべ妖精に対してとても、とても寛大な方達だったのです。吸血鬼様方に受けたご恩は数多の星と同じくらいあるのです。

そのため私たちは、吸血鬼の真祖であらせられるレティシア様に対して、我々が受けたご恩を返していこうと思っていたのです」

 

「む、そうか……」

 

僕はしもべ妖精に厨房の奥のテーブルに連れ込まれた。

すると何人ものしもべ妖精が此方を見ると、お菓子をどんどんと持ってきた。次々とテーブルの上に溜まっていくお菓子を尻目に、早速用件を伝えることにした。

 

「屋敷しもべ妖精よ、二つほど頼めるか?」

 

「「「えぇ、何なりと」」」

 

「では先ず一つ、食料を一週間分くれないだろうか?」

 

「御安いご用でございます、用意した食材は厨房の出入り口に置かせていただきます」

 

「あぁ。それと二つ目、お前たちの使う妖精魔法を教わりたい」

 

僕が言った文の"教わりたい"の部分から、しもべ妖精たちが狼狽え始めた。

そして一人のしもべ妖精が言う。

 

「そ、そんな貴女様のような高貴なお方にものを教えるなどと、烏滸がましいにも程があるのでございます……」

 

「無論、私はお前たちから教えを請おうとも主従関係だけは変えないつもりだ。頼めないか?」

 

「う、承りました。では、レティシアお嬢様、どうぞこちらへ」

 

散々思案したあと、しもべ妖精は肯定してくれた。しもべ妖精は利用しやすくて非常に助かる。

 

そうして、先程のテーブルから何もない場所へと案内された。

しもべ妖精たちはおそるおそるといった風に僕の腕を掴んで、水平になるように持ち上げた。

 

「本来、私たちめが、使う魔法はヒューマンの魔法使いや魔女の方たちには使えた前例がございません」

 

「吸血鬼の方々は元から強大な力をお持ちになっておられたので、妖精魔法を習得することはありませんでした。

なので私たちめは、吸血鬼がこの魔法を使えるかは存じておりません」

 

「大丈夫だ、問題ない」

 

「それでは、レティシア様、腕に力を流すようなイメージをしてくださいませ」

 

言われた通りに腕に魔力を流すようなイメージをする。

すると自らの未だ使われたことのない神経的なモノが起動するような……そんな不思議な感覚におそわれた。

片腕を掴み、呆然と立つ僕に一人のしもべ妖精が近づいてきた。

 

「その様子を見ると、成功なされたようで。私めは大変うれしくございます」

 

「今のは……?」

 

「貴女様が今感じた感覚は、魔力の路が開いたものにございます。

昔、私めを雇っていた魔法使いが私めに語り聞かせました。曰く、魔力を持つ生物全てには、魔力を通す路が全身に張り巡られているそうでございます。

しかし、その路はほとんど閉じられており、普段は微弱な魔力しか流れていないそうでございます。

特にヒューマンのその路は、ほぼ退化しており開けることは出来ないのでございます。

故に、ヒューマンの魔法使いの方たちは杖を使い、それを擬似的な路とすることで、腕から直接魔力を流し込んで魔法を発現させておられるのです」

 

「なるほど……」

 

「ゴホン……、妖精魔法は魔力の路を開いて、全身の魔力を通らせることによって、杖という補助具なしでも魔法を発現させることが出来る技でございます。

それに妖精魔法は、杖で魔法を発現させるやり方では腕の分だけしか(・・・・・・・)魔力を使えないのに対して、路によって全身の(・・・)魔力を使えるため、とても強力なのです。私たちめ、魔法生物のなかで、一番内蔵魔力量の少ない屋敷しもべ妖精がヒューマンの魔法使いと同等の魔法が使えるのには、こういった理由があったのでございます」

 

畢竟、その魔力の路が開けさえすれば誰でも使えるということか。

 

ん? 杖で魔法を発現させるやり方では腕の分だけしか魔力を使えないだって? じゃあ、まさか内蔵魔力量が滅茶苦茶多い僕が、妖精魔法を習得したら……

 

「ならばこの私が妖精魔法を使って魔法を放てば……」

 

「えぇ、元々の魔力量が少ない私たちめでもヒューマンの魔法使いと同等の魔法が放つことが出来るのです。内蔵魔力量の多いレティシア様なら失神呪文だけで、建物を丸々倒壊させることも可能でしょう。いや、それ以上の威力を出すことも出来るやも知れません」

 

「それは……すごいな」

 

僕は暫く開いた口が閉じなかった。

 

いや、しかしそれも仕方あるまい。なぜなら、妖精魔法は杖が無くても魔法を使用することが出来るくらいにしか、思っていなかったのだ。それが蓋を開けてみれば、失神呪文だけで建物を丸々倒壊出来うる以上の威力が出るだと? 最っ高に嬉しい誤算じゃないか……!

 

しかも僕は既に、その魔力の路とやらを開けるコツはわかっている。妖精魔法を既に使えると言っても過言ではないのだ。

 

「では、早速妖精魔法の使い方を教えてくれ」

 

「もう既に、レティシア様は使えると思われます」

 

「ゑ……?」

 

「ですから、既に使えると……」

 

「いや、聞こえてはいる。そんなことより、もう使えるだと?」

 

ついさっき頑張ろうと決意したばっかりなのに……。

随分と呆気なさ過ぎではないか? 妖精魔法って、もっと練習しないと使えるようにはならないんじゃないの……?

拍子抜けにもほどがある。

 

そんなことを考えていると――

 

「YES ! 妖精魔法と杖を使った魔法の違いは魔力の路が開いているかいないか、だけなのですヨ。

基本的な魔法の使い方は変わりませんので、レティシア様は安心して使って下さいませ♪」

 

――なんか説明してくれた。

 

「お、おい……今の誰が喋ったんだ……?」

 

僕はしもべ妖精たちに訊くが、皆が首を横に振る。

本当に誰だったのだろうか……? まぁ、聞かなかったことにしておこう。気にしたら負けだ。

 

この世には不思議なことがあるものだなぁ、と改めて思いました、まる。

 

――ドタン、ガシャ

 

厨房に誰か入ってきたみたいだ。

僕は厨房の入り口の方に行ってみる。しもべ妖精たちも同じように入り口の方へ向かっていったりお菓子を準備しに行った。

 

「おっと、これはこれは。誰が居るのかと思えば」

 

「入学初日から寮の部屋に」

 

「サボって引きこもっていると噂の」

 

「「スリザリンの美少女もやし真祖様じゃないか !」」

 

入り口に向かうと赤毛でノッポな双子がいた。彼らは僕を見つけると息の合ったコンビネーションで声を掛けてきた。

声を掛けられたら、返してやるのが世の情け。

 

「フッ、よく見ると天才的な悪戯で定評のあるウィーズリーの双子先輩ではないか。今日は厨房に何の用だ。

フィルチの料理にカエルの卵でも入れに来たのか?」

 

「へぇ……、言うじゃないか。でも正直意外だよ」

 

「もっと冷酷で冗談の通じない堅い奴だと思ってた……だけど」

 

「「最高だぜ ! フィルチの料理にカエルの卵を入れるなんて悪戯思い付きやしなかった ! ! 採用だ ! 」」

 

僕がほんの少し皮肉混じりの挨拶を返すと、ウィーズリーの双子はニヤリと笑みをうかべてはたまたテンポの良いコンビネーションで言葉を返してきた。

 

それからウィーズリーの双子はしもべ妖精からお菓子を、持っていた大きな袋にたんまりと詰め込んでそのまま出入り口の方へ向かっていく。

去り際、彼らは僕に言葉を掛けていった。

 

「真祖様、もし良ければ」

 

「また今度、良い悪戯を紹介してくれよ」

 

「俺たちは大体、三階の黒うさぎのタペストリーが扉に掛かった空き教室か」

 

「此処にいるからさ、暇になったら来いよ」

 

そして最後に双子の片割れが耳元で囁いた。

 

「真祖様が来たら、ロンやハリーが喜ぶからさ」

 

「「じゃあな」」

 

「あぁ。またな、双子先輩」

 

ウィーズリーの双子が帰った後、しもべ妖精に頼んでいた一週間分の食料を持って早速僕の部屋に姿あらわしをした。

妖精魔法で行う姿あらわしは杖を使う魔法よりも簡単に使うことが出来た。

 

そして妖精魔法でいつでもどこでもホグワーツ内でも、姿あらわしや姿くらましが出来るようになった僕はネックレス型の移動キーがもう必要なくなった。

なので移動キーはウィーズリーの双子にあげようと思う。

あの移動キーは改良してあり、場所と転移する時刻を設定することが出来る。あの双子には喉から手が出るほど欲しくなるに違いない。喜んでくれるだろう。

 

このあと滅茶苦茶FPSした。

 

 

 

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