ポケットモンスターSP 新たなる図鑑所有者   作:俺俺

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久しぶりの更新です。やっぱり2作同時はきついですね。
しかしその分ネタも考えているので、これからはもっと早く更新できるように頑張ります!


それぞれの旅路 中編Ⅱ

「とにかく逃げよう、2人共」

 

開口一番でターコイズが小声でそう言ってきた。

確かにあの黒いポケモン(?)がどんな奴か解らないし、ポケモン図鑑で確認しようにも図鑑の起動音でこっちに気付かれる可能性が高い。

 

「・・・チリーン?」

「どうした?」

 

アリアの方を向いてみると、チリーンがあの黒いポケモンを睨みつけている。

 

「・・・どうしたのですか?」

「もしかして、知ってる奴か?」

「ねぇ、2人共。送り火山に入って来た時の事、思い出したんだけどさ」

 

ターコイズは歯をカチカチ鳴らしながら震えた声で話しかけて来た。

 

「あの時か?」

 

なぜかゴーストポケモンの大群に襲われた時の。

 

「ポケモンってね、種族にもよるけど群れで襲いかかるような事はしないんだ」

「・・・そうなのですか?」

「でも僕等は群れで襲われた。それが何でだろうって疑問に思ってたんだよ」

 

ターコイズは一拍置いてから口を開いた。

 

「その理由が今、はっきりと分かった」

 

そう言ってターコイズは、あの黒いポケモンを見た。

 

「つまり何か?上に居たゴーストポケモンの群れが、この地下に居るあいつにビビってたから、扉が空いた瞬間に外へ逃げ出そうとしたってのか?」

「そう言う事だと思う」

「じゃあこのチリーンもか?」

 

俺がそう言うと、チリーンは首を横に振った。

 

「違うのかよ!?」

「・・・あのポケモンを、排除してほしかったからですか?」

 

アリアがそう呟くと、チリーンは静かに頷いた。

そうか。だからチリーンは俺達をここまで連れて来たのか。あいつがここに居続ける限り、送り火山のポケモンは目に見えないあいつに怯え続ける事になる。だからあいつに勝てそうなトレーナーが来るのを待ち続けて、そこに俺達が偶々現れたってことか。

 

「はぁ、仕方ねぇな」

「え?ガーネット・・・?もしかして・・・戦うつもり!?」

「知っちまった以上、知らん顔ってのも後味悪いからな。ちゃっちゃと追っ払っちまおうぜ。そうすりゃ、この山のポケモンは安心だろ」

「・・・賛成」

「えええぇぇぇぇ!?ここはポケモン協会の人に任せようよ!!ほら、こうして出動してもらう為に研究記録のファイルだって」

 

ポタッ!←(天井から落ちて来た液体がファイルに当たる音)

 

ジュワッ!←(一瞬のしてファイルが腐り果てる音)

 

「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」」」

 

おかしい。今なにが起きたか理解できない。

上から落ちて来た液体がファイルに当たった瞬間、一瞬でファイルが腐ったぞ?

 

「・・・ピカチュウ、戦闘態勢」

 

アリアが天井を見上げながらそう呟いた。ピカチュウも体を帯電させながら上を見てみいる。それに続く様に俺とナツ、ターコイズとジャノビーが天井を見る。

 

「これはもう、戦うしかねぇみたいだな」

「・・・・・何でこうなるのさ」

 

いつの間にか、あの黒いポケモンが天井に張り付いて俺達を凝視していた。

 

「ターコイズがでかい声出すから」

「えぇ!?僕!?」

「お前以外に誰が居るんだよ!?」

「・・・無駄口はそこまでです、2人とも。来ます」

 

ドゴォッ!と、大きな音と共に黒いポケモンは天井を蹴って俺達が居る場所へと落下する。

 

「うわぁぁぁ!」

 

俺はそれを横に転がりながら回避し、奴を見る。

天井には大きな穴が開いていた割には、奴が着地した場所はどうにもなっていない。見た目どうり体重はそこまで重くはない様だが、筋力はあるようだ。

 

「ナツ!〝とんぼがえり〟!!」

 

ナツは奴の右斜め後ろ、死角から突撃し相手を蹴る反動ですぐさま戻ってくる。

ヒット&ウェイに優れた虫タイプの技だ。

 

「■■■■■■!!!」

「うるせ・・・!」

 

奴は声にならない雄叫びと共にその赤い目をこちらに向ける。

すぐさま四つん這いになったと思ったら、そのまま四肢の力に任せて、弾丸の様なスピードで突進してきた!

何とか避けねぇと・・・!

 

「くそったれ・・・!」

 

駄目だ!間に合わねぇ!!

 

「■■■っ!!」

 

俺は盾になってくれたナツ諸共壁に叩きつけられた。

 

「がはぁっ!?」

「ガーネット!?」

 

何とか痛みを堪えて眼を開けてみると、奴はすでに俺の目の前まで肉薄して腕を振り上げていた。やべっ!今回は本気でやられるかも・・・!

そしてそのまま奴の腕は、俺とナツ目掛けて振り下ろされた!!

 

「ジャック!〝リフレクター〟!!」

 

その瞬間、俺の目の前にガラスの壁の様な物が形成され、奴の腕を阻む!

しかし、奴はもう一度腕を振り上げて〝リフレクター〟の壁を殴ろうとする。

 

「ピカチュウ〝でんじは〟」

 

その攻撃を阻む様にピカチュウから放たれた電撃が奴に直撃し、奴の体が硬直する!硬直と言ってもほんの数秒しか持たないだろうけど、これはチャンスだ!

 

「〝りゅうのいぶき〟!!」

 

俺の指示を受け、すぐさまナツの口から強烈な息吹が吐き出され、奴に直撃する!

 

「■■■■■■■■■■ーーーーーーっ!!!!」

 

そのまま奴は絶叫と共に壁まで吹き飛ばされた!はっ!ざまぁ見やがれ!

 

「・・・まだ、終わりではありません」

「効いてはいるみたいだけどね」

 

奴はゆらりと立ち上がると、赤い目を更に赤くして俺達を睨みつける。

 

「ん?何やってんだ、あれは?」

 

突然頬を膨らませて、モゴモゴと動かし始めた。

奴の行動の意味が分からないが、とにかく油断しないに越した事は無いな。

 

「・・・・っ!!ガーネット!アリア!僕の所まで来て!早く!!」

 

ターコイズがいきなりそう叫んだ。理由は分からないが、とにかく行くしかねぇ!

俺は体の痛みを無視してターコイズの所まで走る。

 

「〝ひかりのかべ〟!!」

 

俺とアリアが到着するのを確認すると、ジャノビーは目の前に光の壁を作りだした。

 

「■っ!!!」

 

光の壁が形成されるのと同時に、奴は口からに何かを噴出した!これは・・・

 

「よだれ!?」

 

奴は口にため込んでいたよだれを広範囲にわたり棲様じい勢いで吐き出した!

辺りを見渡してみると、唯一光の壁に守られている俺達を除き、机や壁、床や天井までもが煙を上げて溶解している!

 

「・・・〝ようかいえき〟ですか?」

「俺〝ようかいえき〟ってもっとこう、ドロドロしてるもんかと思った!!」

「これじゃあ、まるで散弾銃みたいだよ!!」

 

〝ようかいえき〟もどきが止む頃には、周囲は鼻に付く独特の臭いと煙に包まれていた。

 

「くっ・・・!周りが見渡せねぇ!!」

 

その時、奴は煙を突き破るように飛び掛かって来た!

 

「ジャック!〝リフレクター〟を」

「駄目だ!間に合わねぇ!!」

 

奴の腕が俺達に振り下ろされようとしていた。ここは〝まもる〟を使って・・・!

 

《リイイィ――――――ンッッ!!!》

 

その瞬間、すぐ近くから甲高い音色が鳴り響く!音の発信源は・・・チリーン!?

一瞬、周りの空気が歪んだかと思うと、飛び掛かってきていた筈の奴が弾き飛ばされた!

 

「ピカチュウ、〝10まんボルト〟」

 

そのまま宙に浮かんだ奴を、ピカチュウは的確に電撃を浴びせる!奴は煙を上げながら地面に落下すると、落ちた時の風圧で周囲の煙が晴れ始めた。

 

「しかし、今のは何だったんだ?」

「ガーネット、これを見て!」

 

そう言ってターコイズはポケモン図鑑の画面を俺に向けて来た。

そこにはチリーンの生態に関する詳細が表示されている。

 

「空気を振動させて、外敵を吹き飛ばす事で自分の身を守るって書いてある!」

「小っこい割には意外とやるじゃねぇか!」

 

吹き飛ばされた奴を見てみると、〝10まんボルト〟を食らってもまだ起き上がろうとしていた。もう反撃の隙は与えねぇ!!

 

「起き上がるならもう一度はっ倒せ!!〝はがねのつばさ〟!!」

 

起き上がろうとしている奴の首目掛けて、ナツはラリアットの要領で硬化した羽を叩きこむ!今度は頭から床に叩きつけられ、奴は今度こそ動かなくなった。

 

「何とか勝てたな、ナツ・・・!」

「・・・助かりました、ピカチュウ、そしてチリーン」

「お疲れ、ジャック」

 

俺達はポケモンを労いながらボールに戻していく。その場に残ったのは野生のチリーンだけだ。だが、大きな謎は今だに残ったままだ。

 

「こいつは何ていうポケモンなんだ?こんな奴見た事ねぇよ」

「・・・私もです」

「ちょっと待ってて。今調べるから」

 

ターコイズはポケモン図鑑を起動させる。

 

「あれ?」

「どうかしたのか?」

「いや、このポケモンには図鑑が一切反応しないんだよ」

「えぇ?」

 

試しに俺とアリアが図鑑を起動させて、ポケモンを検索する。

ところが画面にはポケモンの項目に載っていないどころか、検索失敗のエラー表示すら出てこない。本当に無反応といった具合だ。

 

「・・・ポケモンではない、全く別の生物?」

「つまり、何だ?こいつはそこら辺に居る魚や虫みたいな奴ってことか?」

「それの物凄いバージョンだね。ポケモンとは違う生物なのに、ポケモンと同等の力を持つ生物なんて、見た事も聞いた事もないよ」

「・・・・・・・・・・・」

「?どうした、アリア?」

「・・・あれは」

 

アリアが指を指す方を見てみる。そこにはさっき倒した奴が居るはずなんだが

 

「え、えぇぇええええ!!?」

「何だこりゃあぁあ!!?」

 

さっき倒した奴は確かにそこに横たわっている。しかし様子が明らかにおかしかった。

 

「体がどんどん白くなって・・・!」

 

あの黒かった体がどんどん白くなり、表面はまるでひび割れの様な亀裂が走っている。

 

「・・・あ」

 

バキッと、乾いた音が鳴ると、奴の体はまるで灰や塵で出来ていたかのようにボロボロと崩れ始め、やがてそこには真っ白い粉の山が出来上がった。

 

「おいおい、こいつはどういう事なんだ!?」

「そんなの僕に聞かれても分からないよ!」

 

何が起きたのか、何でこうなったのか、何もかもがさっぱり分からない!

 

「・・・・・・」

 

アリアはあの黒いポケモンだった粉のすぐ近くにしゃがみ、じっと粉の山を見つめていた。その瞳は、いつもと同じようにも見えたし、無残な最期を迎えた奴を憐れむ様にも見えた。

その姿を見ると、不思議と落ち着きを取り戻せた。普段から動じない奴でも、こんな状況じゃあ動じるんだなって思うと。

 

「次に行くとすれば、ロストタワーって所だけど、行くか?」

「・・・行きます」

 

俺はいつもと変わらない調子で、そう言ってのける。

アリアはスッと立ち上がり、真っ直ぐに俺を見つめ返してきた。

自分が何者なのか知りたい。そう言ってアリアは俺達とここまで来た。今更引き返すなんて選択肢はないのかもしれないな。

 

「それじゃさっさと」

 

行こうぜ、と言おうとした瞬間、地面が大きく震えだした!

 

「な、何これ!?地震!?」

「・・・っ!」

「危ねぇアリア!」

 

振動の影響でアリア目掛けて天井から石が落ちて来た!俺はアリアの手を引いて石を避けさせる。これって映画とかでもよくある・・・!

 

「もしかして、さっきの戦闘で・・・!」

「・・・このままだと、生き埋めになります」

「冗談じゃねぇ!逃げるぞお前らあぁ!!」

 

アリアの事もまだ何も分かってねぇし、写真だってまだ撮りたいものが一杯あるってのに、こんな所で死んでたまるか!!

 

 

 

   ☆   ☆   ☆

 

 

キャラクターデータ

 

名前:ガーネット

年齢:11歳

性別:男

所持金:12210円

 

手持ちポケモン

 

ナツ/ビブラーバ ♂ Lv,32

メリー/モココ  ♂ Lv,29

イヴ/イーブイ  ♀ Lv,27

マー坊/マンキー ♂ Lv,25

 

 

名前:アクアマリン

年齢:10歳

性別:女

所持金:10540円

 

手持ちポケモン

 

ピカチュウ ♀ Lv,31

ムクバード ♂ Lv,28

サンド   ♀ Lv,28

プロト―ガ ♂ Lv,27

 

 

名前:ターコイズ

年齢:11歳

性別:男

所持金:11849円

 

手持ちポケモン 

 

ジャック/ジャノビー  ♂ Lv,30

キャサリン/ぺリッパー ♀ Lv,29

ルージュ/ドンメル   ♀ Lv,27

ライル/ドラピオン   ♂ Lv,28




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