ポケットモンスターSP 新たなる図鑑所有者   作:俺俺

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いやー、オリジナル小説を書いてみたんですが、なかなか難しいですね。
特にどんなキャラが喋っているのかが分かるように書こうとすると。
お待たせしました、今回は好きなシーン第一位で有名な2人の登場です!


VSサファイア

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここはギルドの事務所。

 

「はい・・・はい、わかりました」

 

そう言って、ターコイズは受話器を置く。今日は7月3日、遂に決戦の時が来た。

 

「オーキド博士から連絡があったよ、敵がバトルフロンティアに現れたって」

「・・・それでは、出陣の時ですね?」

「うん。それでまずは、ホウエン地方のミナモシティに向かおう」

「ミナモシティ?普通にバトルフロンティアには行かないのか?」

「ミナモシティからフロンティア行きの連絡船で、ホウエン地方の図鑑所有者2人と合流してほしいんだって」

 

図鑑所有者か・・・。ゴールドとクリスといい、思ったよりもその人数は多いみたいだ。ポケモン図鑑なんて、日常を過ごすだけなら耳にしない単語なのにな。

 

「良し、そうと決まれば行くとするか!!」

 

俺たちは事務所の扉に留守の立て札を掛け、その場を後にする。

目指すはホウエン、まだ見ぬ図鑑所有者達が居る連絡船の中。正直未だに実感が湧かない、始めてまだ半年と経っていない会社が、こんな大きな事件を受け持つなんて思ってもみなかった。

そしてこれが、ギルドの今後の足掛かりになる事を、俺たちはまだ知る由もなかった。

 

 

 

   ☆   ☆   ☆

 

 

 

時刻は既に21時を過ぎたころ。

 

「おい、ミナモシティが見えたぞ」

 

ノモセシティを出発して12時間の大移動の末、俺達はポケモンの背に乗りノモセシティを上空から見下ろしていた。正直俺達もポケモン達も体力の限界だ。ここはさっさと連絡船の中で休ませてもらおう。船着き場に降下し、ポケモンをボールに戻す。そして湾に浮かぶ巨大な船を見上げた。

 

「・・・懐かしいですね、タイドリップ号」

「あの時は、アリアが福引きで旅行券当てたから乗れたんだっけ?」

「もう一度、これに乗れるなんて思いもしなかったな。一人5万円以上だぜ?」

 

今思えば、この船が2年前の旅路を繋いだんだよな。そう思うと、なんだか感慨深くなる。

 

「さ、早く乗ろう。この中に図鑑所有者達が居るはずだ」

 

ターコイズは船のチケット3枚を取り出し、俺達を催促する。そのまま船の乗り込み口に向かい、チケットを船員に見せた。

 

「はい、チケットを拝見させていただきました。確かに私共の船のチケットです。ようこそタイドリップ号へ、素敵な船旅をお楽しみください」

 

そんな優雅な旅でもないんだけどな。今から行くのは明らかに戦場だし。

まぁ、そんな愚痴を溢しても仕方ないから言わないけど。

そして乗船タラップを上がり、船の中に入る。内装は2年前とまるで変化が無いように見えた。

 

「ん?どうした、イヴ」

 

突如、イヴが入ったボールが激しく揺れ始める。とりあえずイヴをボールから出してみると、イヴは船の外側の通路を真っ直ぐに走りだした。。

 

「おい、待てよイヴ!!」

 

イヴを追いかけると、そこは船の甲板だった。そこでイヴはある男に走り寄る。白いベレー帽に黒いコートの鋭い眼光の老人。

 

「ゲンジ!?」

 

何故かゲンジがこのタイドリップ号に居やがった!何してんだ、このジジィ?

 

「見覚えのあるグレイシアだと思えば、やはりお前達か。何故ここに居る?」

「そりゃあこっちの台詞だ」

「・・・この船に何か?」

「古い友人がこの船の名誉船長に選ばれたのでな。その祝いに来ただけだ」

「友人?」

 

オーキドといいキワメといい、このジジィの友好関係は妙に広い。だから今更驚く事もないが、一体どういう経緯で知り合ったのかは気になる。

 

「お前達は仕事の依頼か?」

「あぁ、まぁな」

 

詳しい事は教えない。こういう仕事は依頼人との信頼を築く為に守秘義務というのがある。

 

「では、私はここで帰らせてもらおう」

「用はもう終わったんですか?」

「あぁ、元々少し話すだけのつもりだったからな」

 

そう言ってゲンジはボールからサザンドラを繰り出し、その背に飛び乗る。ゲンジを乗せたサザンドラは翼を羽ばたかせ、そのまま空の彼方へ飛んで行った。

 

「さて、それじゃあ図鑑所有者と合流しなきゃね」

「・・・そう言えば、協力者の方は私達の顔を知っているのですか?」

「あぁ、それならオーキド博士が向こうに連絡してくれたはずだよ。こっちにも顔写真を送ってくれてね、ほらこれが―――――」

 

そう言って、ターコイズがポケギアを取り出した瞬間

 

「Beautiful!!」

 

そんな声と共に変わった形の白い帽子を被った男がこちらに向かってきた。より正確に言えば、俺のイヴの方に向かって。

 

「凄く綺麗なグレイシアですね!この子はどなたのポケモンですか!?」

「俺のだけど・・・」

「Wow!あなたのグレイシアですか!?どうです?このグレイシアと共にポケモンコンテストに出てはみませんか?このグレイシアなら、美しさ部門だけでなく可愛さ部門でも」

 

現れるなり、いきなりのマシンガントークを披露する少年。これには当事者である俺や、普段は物怖じしないイヴも若干引いている。

 

「えーっと、もしかして君が」

「あー!こげな所で何油売っとるとねルビー!!」

 

ターコイズの声を遮り、今度は青いバンダナの少女が駆け寄って来た。訛り全開の活発的で、健康的な肢体の美少女だ。

 

「相変わらずうるさいなー君は。もう少し落ち着いた行動を取れないの?」

「うるさいとは何ね!?そっちこそいきなり〝びゅーてぃふる〟とか言ってそこの人のポケモンに言いよっとッたやろーが!!」

「そっちこそ、今まさにうるさい事に気づいてるの?これだから野生児は」

 

ヤバい、何か状況に置いてかれた。気が付いたらさも当然の様に喧嘩を始める見知らぬ二人。だがその喧嘩には激しさはあっても険悪さは感じられない。

 

「えーっと、ちょっと良いかな?」

「はい、何でしょう?」

「もしかして、君達がホウエン地方の図鑑所有者?」

「そうったい!」

 

協力者って、こいつらかよ!?何かいきなり不安になって来たんだけど・・・!

 

「という事は、あなた達がボク達に協力してくれる・・・」

「あ、はじめまして。トレーナー派遣会社社長のターコイズ、よろしくね」

「同じく、構成員のガーネットだ」

「・・・アリアです」

「ボクはルビー、よろしくお願いします」

「サファイアったい」

 

一通りの自己紹介を済ませる。早速だが、本題に移らなければ。

 

「とりあえず眠いから、詳しい事はまた明日話そうか」

「「えぇっ!?」」

「いや、俺達って、シンオウからここまでぶっ通しで飛んで来たから眠いの何の。正直、こんなぼやけた頭でちゃんとした説明が出来るとは思えねーんだわ」

「・・・すぴー」

「ほら見ろ、アリアが立ったまま寝てやがる」

「いや、ほんとゴメンね。また明日、この甲板で会おう」

 

俺はアリアを担いで、指定された寝室へと移動した。

 

 

 

 

 

   ☆   ☆   ☆

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、目を覚ました俺達はルビーとサファイアを交えて状況の説明を行っていた。

 

「という訳だ。何か質問は?」

「ジラーチという存在も含めてですけど、人が石になるなんて聞いた事ないですね」

「・・・私達も眉唾ものでしたが、現にオーキド博士自ら我々に依頼してきました。嘘をつくのなら、もっとマシな嘘があるでしょう」

 

その眉唾ものの話を聞いてもかなり冷静さを保って居られるあたり、ルビーは状況を冷静に見れる力がある事が分かる。この年でその力を身につける者は極稀だろう。

 

「そう言えば、いつになったらバトルフロンティアに着くと?」

「明日の朝には到着するよ」

 

今日は7月4日、つまり7月5日の朝に到着すると言う訳だ。敵の姿が確認されて2日目、ジラーチは既に敵の手に落ちた、なんてオチじゃ無けりゃあいいけど。

 

「て言うか、ここから飛んで行ったら駄目なのか?」

「ギルドの方々は大丈夫やろーけど」

「ボク達はこの船の行事にも用がありますから」

「・・・用事?」

「実は明日の朝に、この船で結婚式があるんですよ。ホウエン中の人が大変お世話になったお二人の結婚式なだけに、是非参加してくれと各方面の人に言われてまして。ボク自身もその人達にお世話になりましたから参加しておきたいんですよ」

「あー、もしかして去年の災害の貢献者の人?」

 

1年ほど前、ここホウエン地方で歴史的大災害が発生したと世界中から注目を浴びていた時期があった。ホウエン地方に伝わる伝説のポケモンが暴れ回ったからだと噂されているが、ポケモン協会はそれ以上の情報を世間に開示せず、あの災害は過去の物となりつつあった。

 

「お察しの通りです」

「まぁ、そういう事情があるなら仕方ないかな。既にバトルフロンティアには、オーキド博士が送り込んだ図鑑所有者が居るから、何とかなると思うし」

「・・・定時連絡もありますからね」

「つまり、今日この日ばかりは完全にオフって事だな」

 

せっかくの豪華客船だから、のんびりとさせて貰おうか。ここの料理うまかったしな。

 

「そんなら、誰かバトルばするったい!」

「・・・バトルですか?」

「父ちゃんから聞いとると、ギルドの人はえろう強い方ばっかりやって。休んどったら腕が鈍るけん、手合わせお願いするったい!」

 

なるほど、確かに一理ある。だったらここは―――――

 

「よしわかった。だったらまずはこのターコイズを倒してみろ」

「え?僕なの?」

「・・・そうですね、ターコイズを倒す事が出来たら相手をします」

「あのー、一応僕が社長だよね?何でそんな『奴は我々の中では最弱の男』みたいな感じになってるの?別にガーネットやアリアが戦っても良いんじゃ・・・・」

「ここ最近、ジム仕事とかがあってお前殆どバトルしてなかったろ」

「・・・さらなる戦いに備え、準備運動がてらにバトルをしてみては如何でしょう」

「ガーネット、アリア・・・・・・・・・・・・・・本音は?」

「有給よこせ」

「・・・勿論さっき言った事は事実ですが」

「はぁ、分かったよ。それじゃあバトル施設に向かおう」

 

 

 

 

 

 

 

 

   ☆   ☆   ☆

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、ターコイズさん対サファイアのポケモンバトルを開始します。使用ポケモンは2対2、どちらかのポケモンが2体とも戦闘不能になったらバトル終了です」

 

そんなルビーの宣言と共にトレーナーズサークルに入るターコイズとサファイア。耐久力ではなく、防御能力に特化したターコイズに、サファイアはどう戦うのか見ものだな。

 

「行くったい、ちゃも!」

「出番だよ、ナナリー!」

 

2人は同時にポケモンを繰り出す。ソーナノを繰り出したターコイズに対し、サファイアが繰り出したのは鳥を彷彿とさせる人型ポケモン《バシャーモ》だ。

 

「この戦い、どう見る?」

「サファイアのバシャーモは強烈な炎技と、豊富な格闘技を併せ持つ一体です。幾ら相手がエスパータイプでも、リーチに差がありますし、初見ではサファイアの方が有利に見えますね」

 

初見では、という所を強調するルビー。ターコイズが何を仕掛けてくるのか分からないが、まったく油断せずにソーナノを見据えている。

それは相対するサファイアも同じだ。初めはこいつらで大丈夫なのかと思ったが、流石はオーキドが推薦するトレーナーといったところか。

何もし掛けないターコイズと、油断無くソーナノを見据えるサファイア。それ故にバトルは一向に進まない。当然と言えば当然である。ソーナノは後の先のみに特化されたカウンターの達人。自分から仕掛けることなどないのだ。それを本能で感じ取っているのか、サファイアも動けない状態だ。

 

「くっ!ちゃも、〝かえんほうしゃ〟!」

「ナナリー〝ミラーコート〟!」

 

牽制に放たれた強烈な炎が、鏡の様な障壁によって倍の威力で撥ね返される!それに対しバシャーモは前方、つまりソーナノの方に向かって大きく跳んだ!

狙いは〝ミラーコート〟を発動する事によって生まれた隙、その一瞬をサファイアとバシャーモは見逃さなかった。

 

「〝ブレイズキック〟!!」

 

灼熱の炎を纏った蹴りがソーナノの上空から放たれる。普通のポケモンなら、直撃間違い無しのタイミングだろう。だがサファイアは、いやここに居る全員が一つ読み間違いをしていた。

 

「〝カウンター〟!!」

 

ソーナノは隙なぞ与えていなかった。ソーナノは攻撃の間を縫う様にして突撃し、バシャーモの腹に捩り込む!自身の攻撃の勢いも加算された一撃で、バシャーモは戦闘不能に陥った。

 

「強い・・・!ソーナノを使うトレーナーは今まで見た事がありませんでしたが、まさかこれほどまでに強いとは・・・!」

 

想像以上の強さだったからか、ルビーは少なからず驚いていた。正直な話、俺やアリア、ゴールドやクリスですらあのソーナノには手を焼いた物だ。

公式の一対一において、これほど強力なポケモンはなかなか居ないだろう。だがそんなソーナノにも、ある決定的な弱点がある。

一つは自分から攻撃できないという事。もう一つは――――――

 

「ふぁどど!!」

 

次に繰り出されたのは長い鼻と牙を持つ四足歩行のポケモン《ドンファン》だ。

 

「これならどうったい!〝がんせきふうじ〟!!」

「っ!?しまった!」

 

無数の岩がソーナノの動きを封じる様に落下する!サファイア、早速勘づきやがったか!

 

「上手くいったとね、ふぁどど!続けていくったい、〝じしん〟!」

 

続いては地面に振動を与え、ソーナノにダメージを与える。野生児とはまさにこの事か、考え付いた事を真っ先に実行する行動力は流石といえる!

 

「〝カウンター〟は相手の物理技を倍の威力にして返す強力な技。でもその技自体は相手に接近して居なければ当てられない。それが〝カウンター〟の最大の弱点という訳ですね?」

「そう、主に岩タイプに技の中には遠距離からの物理技が多く存在している。特殊技なら〝ミラーコート〟で撥ね返せばいいが、物理技は撥ね返せない」

「・・・攻撃、防御をカウンター技のみで行うソーナノの最大の弱点です」

 

だがその考えはドツボ。ソーナノの真の恐ろしさはここから始める。

 

「これで止めったい!〝ストーンエッジ〟!!」

 

ドンファンから放たれた岩の刃がソーナノを抉り、戦闘不能に追いやる。この時点では1対1、互角だ。そう、この時点ではだが。

 

「ふぁどど!?どうしたと!?」

 

ソーナノが戦闘不能になるのと同時に、ドンファンも戦闘不能となって地面に横たわる。完全にノーダメージだったドンファンがいきなり倒れて、サファイアは何が起こったか分からないだろう。

 

「まさか、〝みちづれ〟ですか?」

「・・・正解です。」

 

自分が戦闘不能となるのと同時に、相手も戦闘不能にする技〝みちづれ〟。この手の技は掛けられても手持ちを交代させる事で効力を消す事が出来るが、相手の戦闘離脱を防ぐソーナノの特性〝かげふみ〟がターコイズの戦法の最大限の効果を引き出す。

故に、ターコイズのソーナノは相手の手持ちを確実に一体倒す事が出来るんだ。

 

「はぁ~。清々しく負けたったい。とんでもなく強かお人ったい」

「いや、そんな事はないよ。サファイアちゃんもすぐにナナリーの弱点に気付いたし」

 

勝負に負けて落ち込んだ様子のサファイアに、ターコイズはフォローの言葉を掛ける。今回ばかりはターコイズが一枚上手だったな。

 

「やっぱり社長さんってゆーことは、ガーネットさんやアリアさんより強いと?」

「アホぬかせ!俺はああいうまどろっこしいのが嫌いなんだよ!」

「・・・とてつもなく心外です」

「そんな、2人してそこまで言わなくても・・・!」

 

まったく、戦ってもいないのに強さの順番を決められるなんて、何て理不尽な世の中だ。

 

「・・・しかし、出来れば戦いたくない相手ではありますね」

「まぁ、確かにな」

 

手で顔を覆い隠して、さめざめとすすり泣くターコイズに聞こえない様に、俺とアリアは小さな声で呟いた。このまま負けてると思われるのが癪だと言うのが半分と、俺達に勝てない様じゃ社長交代だと思うのが半分。そんな気持ちが、俺の中に去来していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




サファイアの口調が難しい・・・!何度単行本を読み返した事か・・・!
ソーナノ無双マジ半端じゃない。確実にポケモンを一体倒せるこの力を、今後どうやって勝敗バランスをとるかが悩みますね。
後、情報を仕入れる為にウィキでポケスペを調べてみると、とんでもない新事実が発覚していました。なんと、原作4章以降の図鑑所有者全員に代名詞が付いているではありませんか!!
これはガーネット達にも何とか代名詞を付けなくてはなりませんね!このバトルフロンティア編終了までに!
それでは皆様のご意見ご感想お待ちしております!!
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