ツタージャじゃ無くてジャノビーです。すみません
第五話始まります
《12時40分》
どこかの海上
ガーネットside
「「変態だーーーーーーーー!!!!」」
俺とターコイズは叫んだ。
別にリーゼントだから変態と言ったんじゃない。髪型なんて個性の一つに過ぎないし、どんな髪型にしようとそいつの勝手だろうからな。
半裸だから変態と言ったんじゃない。船の上だし?上は何も着てなくても、ズボンさえ履いていれば普通に馴染んでいただろう。
「何で女物のパンツ一丁何じゃ!?」
問題はこの男が身に着けているのが女物の赤いレース生地のパンツ一丁だということだ。
目が腐り落ちちまいそうだ。なんて気持ち悪さだ!
「暑いからねぇ~」
「正気!?まだ3月の頭だよ!?」
「しかも女物のパンツを履いておる理由になっておらん!」
「そんな事より~」
「「そんな事ぉ!!?」」
どうしよう!?こいつ自分の痴態を棚にあげやがった!
「うるさいねぇ~。そこの譲ちゃんはぁ~、さっき見たときも何も言わぇってのに」
そう言ってアリアに指差す男。さっき?・・・って、まさか!?
「アリア、まさか港であったストライク使いの男ってのは!?」
「・・・この人です」
「ぎゃぁぁぁぁ!!やっぱりかーーー!!」
じゃあ何か!?俺はこんな間抜けな格好の変態に背後を取られたってことか!?
しかもそんな奴に戦慄を感じていたと!?
「儂、滅茶苦茶間抜けみたいじゃないか!!」
「確かにシュールな光景だね・・・。想像するだけでも」
「あ~、ところで~」
間の抜けた声で俺達に話しかける変態男。これ以上何を言う気なんだ?
「牢屋から出て来たって事はぁ~
殺っちまってもいいってぇ、事だよなぁ~」
パンツの中からモンスターボールを取り出す男。なんつー所に入れてやがるんだ。
俺達もボールを取り出す。
「覚悟はぁ~いいか~い?」
「こちらは3人じゃぞ?覚悟するのはそっちじゃないのか?」
それでも男は余裕の態度を崩さない。相当自身があるのか?
「まぁ~それはぁ、開けてみてのお楽しみ」
男が開閉スイッチを押すのと、俺達が開閉スイッチを押すのは同時だった。
「イヴ!」
「サンド」
「キ、キャサリン!」
俺はイーブイのイヴを、アリアはサンドを、そしてターコイズは巨大な嘴のペリカンの様な大型の鳥ポケモン《ぺリッパー》を繰り出した。
あの変態男は
「あ、あれ?」
「・・・敵ポケモン、確認できません」
奴の手にあるボールは確かに開いているが、肝心のポケモンの姿が何処にもない。
「何処をぉ、見てるんだ~?攻撃はもう始まっているぞ~?」
その時、風切り音が耳に入って来た。まさか!!
「伏せろぉっ!!」
俺はアリアとターコイズの背中に手を回して思いっきり倒れ込む!
すると、俺たちの頭上をストライクが鎌を振りぬいた格好で通り過ぎて行った。
「おぉ~、今のを良く避けたねぇ~」
こいつ、いきなりトレーナー狙いに来やがった!
初めてアリアと闘った時と同じだ!正式なポケモンバトルのルールなんか無視して、俺達を命だけを狙ってくる。こいつ自身が武装してないだけまだマシかもしれんが。
「な、何で!?トレーナーへの攻撃は禁止されてるはずじゃ!?」
「何でも何もぉ、オレっちは此処で君達にぃ、死んでほしいからねぇ」
そう言って男が右手を上げると、ストライクが棲様じい速さでこちらへ突っ込んできた。
「〝こうそくいどう〟か!?」
「サンド〝がんせきふうじ〟」
サンドがストライクに岩を投げつけて動きを封じようとするが、岩が地面に落下する前に、ストライクはサンドに肉薄していた。
「イヴ〝ずつき〟!」
イヴに横槍を入れられ、ストライクは〝ずつき〟が当たる前にサンドから距離を取る。
なんて速さだ!まともに技が当たらねぇ!
「ガーネット、アリア、耳を貸して」
ターコイズが小声で俺達に話しかけて来た。
「なんじゃ?」
「いいかい?良く聞いて。~~~~~~~~~~~」
「なるほどの。乗った!」
「・・・異存ありません」
ターコイズの話を聞いている間に、ストライクが突っ込んできた。
「よそ見してる暇はぁ、無いよぉ~」
とんでもない速さでイヴ、サンド、ぺリッパーを斬り付けてまた距離を取る。
そして、また接近してきた。
「学習しない奴じゃ!イヴ!」
「サンド」
「「〝すなかけ〟(じゃ!)」」
ストライクが突っ込んでくるタイミングを見計らって、2体同時に砂を掛けてみるが、ストライクは加速の為に前のめりにしていた体を起こす事で失速し、〝すなかけ〟は空振りに終わった。加速だけでなく、減速まで自在とは、素早さを重点的に育てられているのか?
「攻撃を外した時がぁ、一番の隙だねぇ」
「それはどうかな?キャサリン〝しろいきり〟!」
ぺリッパーの口から大量の白い霧が発せられ、辺り一面の視界は白く閉ざされる。本来はステータス低下を防ぐための技だが、こうやって目晦ましにも使う事が出来る。
「〝すなかけ〟にぃ〝しろいきり〟ぃ~、さっきから小賢しいねぇ~」
白い霧の中で視界が閉ざされる中、ぺリッパーが居た方角から刃物で切られたような音が聞こえてくる。こいつ・・・!こんな霧の中で攻撃を当ててくるのか!?
「姿を隠していてもぉ、そこに居ることには変わりはねぇな~」
「くっ!じゃあ、この霧の中でキャサリンが何処に居るのか解るって事!?」
ありえねぇ。〝こころのめ〟でも使えるのか?あのストライクは。
「おいアリア、ストライクは〝こころのめ〟を覚えれたかの?」
「・・・否定」
じゃあどうやって、こちらを攻撃してきたんだ?
「埒が明かないね!キャサリン〝おいかぜ〟!」
吹き荒れる風の渦が白い霧を吹き飛ばしていく。
「あぁれ~、2体ほど居ないね~」
ぺリッパーとストライクだけが残っていた。船の看板には2つの穴が開いている。
「今度は〝あなをほる〟か~?」
「そうじゃ!いくらなんでも地中の中までは進んでこれまい!」
「それならぁ、ぺリッパーから先に潰そうかねぇ~」
ストライクは棲様じい勢いでぺリッパーに肉薄する。
「・・・今です」
「っ!キャサリン!」
飛び掛かって来たストライクに向かって、ぺリッパーは大きな口を開ける。
そこには、イヴとサンドが入っていた。
「っ!!!」
初めて変態男の余裕の顔が崩れた。少し爽快だ。
「イヴ〝とっしん〟!」
「サンド〝ジャイロボール〟」
イヴとサンドの決死の攻撃がストライクに直撃する。ストライクはそのまま吹き飛ばされ、2回ほど床をバウンドしながら変態男の横で倒れた。
「地面に隠れたってのはぁ~、ブラフかぁ~」
「野生のぺリッパーも口の中に小型のポケモンを入れて運んだりするからね。〝しろいきり〟で周りが見えなくなっても、キャサリンの特性〝するどいめ〟で確実に2体を口の中に入れたって訳さ」
ストライクは体を起こし、臨戦体制を取る。流石にあれじゃ倒れないか。
「わざわざ地面に穴まで開けるとはぁ、楽しませるじゃねぇの~」
問題は此処からどうするかだ。さっきの手はもう通じないだろうし。
ターコイズの方を見てみても何も思いつかないのか、顔を顰めている。
「それじゃ~、オレっちも楽しませようかねぇ~」
こっちは楽しんでる余裕なんて無いっての。なんて強さだこの変態。
「ストライク〝こうそくいどう〟~」
ストライクの姿が消えた。
そう思った瞬間、俺達の傍らに居たイヴ、サンド、ぺリッパーが倒れ伏した。
「な!?イヴ!!」
「・・・っ!」
「な、なんで・・・そんな。だって〝こうそくいどう〟は、・・・もう」
アリアは珍しく驚きを隠せず、ターコイズは何が起きたのかが解らないみたいだ。
「〝こうそくいどう〟はぁ~、使って無かったよ~」
「今までの速さで普通だったってことか・・・!この化け物め・・・!」
俺とアリアはポケモンをボールに戻し、ストライクと対峙する。
「・・・あ、あぁ・・・あ」
「ボーっとするでない!死ぬぞ!!」
震えるターコイズの背中を平手で叩き、喝を入れる。
するとターコイズは正気に戻ったのか、慌ててぺリッパーをボールに戻す。
俺はメリーを、アリアはムクバード、ターコイズは黄色い体で、背中に瘤の様な物が生えている四足歩行のポケモン《ドンメル》を繰り出した。
「メリー〝10まんボルト〟!!」
「ルージュ〝かえんほうしゃ〟!!」
激しい電撃と炎がストライクに襲いかかる。
当たれば効果抜群の技だが、ストライクは上に跳ぶ事で回避する。
「〝つばさでうつ〟」
アリアのムクバードが、上に跳んで逃げ場をなくしたストライクに襲いかかる。
「欠伸が出るねぇ~。〝きりさく〟ぅ~」
ムクバードが翼を叩きこむ前に、ストライクの鎌がムクバードの体を斬り裂いた。
ムクバードはそのまま地面落下し、力尽きた。
「急所に当たったかぁ~?」
「チィッ!メリー!」
「ル、ルルルージュ!」
「遅いよぉ~、〝ダブルアタック〟」
俺とターコイズが指示を出す前に、ストライクはメリーとドンメルを二体同時に攻撃し、そのまま2体とも倒れ伏した。
「さぁて、どうするねぇ~」
正直、状況は絶望的だ。
アリアのピチューでもあの速さには対抗できるかどうかだし、ナツははっきり言って鈍足だ。ターコイズのジャノビーは草タイプだ。虫タイプのストライクとは相性が悪い。
後ろを振り返ると、ターコイズはあまりの恐怖に震えていた。
あのアリアの無表情も僅かに崩れている。何があっても眉一つ動かさなかったアリアですらそうなるという事は、この状況は相当ヤバいということは間違いなさそうだ。
・・・・・覚悟を、決める時が来たかもしれない。
俺は自分の鞄を、ターコイズに向かって無造作に放り投げた。
「・・・ガーネット?」
「アリア、ターコイズ、・・・・逃げろ」
「え?」
戸惑う2人を気にせず、俺は続けた。
「その鞄の中に《げんきのかけら》が入っておる。それを使ってムクバードとぺリッパーを回復させて、飛んで逃げるんじゃ。出来るな?」
「で、でも、それじゃあ、ガーネットは・・・!」
「儂の手持ちはナックラー1体だけ。飛んで逃げる事も出来ん。せいぜい足止めしておくから、さっさと逃げろ。今すぐにだ」
こんな海の真っただ中じゃ、泳いで陸に上がることも叶わないだろう。
「で、でも・・・!」
「いいから逃げろ!!こんな変態、俺1人で十分なんだよ!!」
爺口調を使うのも忘れ、戸惑うターコイズを怒鳴りつける。
何が出来る訳でもない。俺1人で何とかできる相手じゃない事は、さっきの戦闘が証明していた。でも、記憶を無くしたアリアを、俺の旅に連れて行ったのは他でもない俺だ。
ポケモンセンターでゆっくりと記憶を取り戻しても良かったのに、危険な旅に同行させた俺は、もしもの時にはアリアの命を守らなければならない。
そんな使命感にも似た考えを浮かべながら自分の3つのボールを手に取る。
ナツ、メリー、イヴ・・・・すまん。
俺が弱かったばかりに、お前達の命を危険にさらそうとしている。
許せとは言わない。せめてお前等だけでも逃がして見せる・・・。
「アリア、こいつらを預かっててくれ」
預かっててくれ。
まるで後になったら迎えに来るとも取れる言い方だが、この状況じゃ最早譲るようなものだ。それでも、こいつらが生き残るにはもうこれしか思いつかない。
俺はアリアにボールを差し出した。
「・・・ピチュー」
だがアリアが行った行動は、俺の期待を裏切る物だった。
普通の個体とは違う、橙色の体の小さなポケモンが姿を現す。
「おいアリア!俺の話が聞こえなかったのか!?」
「・・・聞こえていました」
「だったら逃げろ!」
「・・・拒否」
「な!!?」
これまでの旅で、アリアは今まで俺の指示に逆らう事無く、自分の本心を現す事も、それを行動に移す事もしなかった。そのアリアが今、自らの本心を曝け出し行動に移そうとしている。
それは俺がアリアに最も望んだ事だった。自分の思う様にしてほしいと。
だからって、こんな時じゃなくてもいいだろ!!?
「・・・ガーネット、あなたは私に言いました」
「何をだ?」
「・・・私の家を探して、くれると」
アリアの家を見つける。
それがアリアを旅に誘った理由だった。
「・・・私はあの時確かに旅に付いて行くと言いました。ですから」
アリアはその整った顔を俺に向け、
「ガーネットも、あの時の約束を果してください」
そう言い放った。
余りの事に呆然とする。アリアがここまで自分の意見を押し通そうとするなんて。
「ジャック!」
ピチューと並ぶように、青い体が特徴のジャノビーが繰り出された。
「こ、ここで2人を見捨てて逃げたら、おおおお男が廃るからね。僕も戦うよ」
「ターコイズ、膝が笑ってるぞ」
「・・・肩が震えています」
「ここは素直に感動するべき場面だと思うんだけど!?」
ターコイズは息を整える。
「ま、まだ終わった訳じゃ、ないからね。こ、ここは僕の頭脳の見せ所だよ」
そう言ってターコイズは震えながら変態男とストライクを見据える。
その時、俺の手にあるボールの内の一つが震えた。
中を覗いてみると、ナツが暴れながら俺を見つめている。
「お前も、戦ってくれるのか?」
ボールの中でナツは大きく頷いた。
本当に、ナツもアリアもターコイズも、どいつもこいつも
「馬鹿ばっかりだ!!」
鉛色のナックラーが、ボールから飛び出した。
ここまで来て「お前等だけ逃げろ」なんて言える空気じゃないしな。
勝算があるかどうかは解らないけど、やらなきゃゼロだ。ならやるしかねぇ!
「覚悟を決めろ、お前ら!」
「・・・了解」
「ま、待って!やっぱりまだ心の準備が!」
ターコイズ、お前はちょっと黙ってろ。
「ん~、ナックラーにピチュー、ジャノビーの色違いぃ~?」
あの変態は顎に手を当てて怪訝な顔をしていた。
何だ?色違いのポケモンが3体揃っているのが珍しいのか?
「それに藍色の髪のぉ、嬢ちゃん~?」
続けてアリアを見つめる。何なんだ一体。
「嬢ちゃんもしかして~識別名《アクアマリン》じゃねぇのか~?」
「・・・!」
「なっ!?こいつの事を知っているのか!?」
まさかこんな所でアリアの事を知っている奴が居るだなんて!
それにこいつがさっき言った識別名!初めてアリアと会った時にも言っていた単語だ!
「おい!アリアの何を知ってんだ!?教えろ!!」
「そいつをぉ知りたきゃ~」
ストライクが一歩前に出る。
「こいつをぉ~倒してみな~」
ストライクは棲様じい速さで飛び掛かって来た。
「「〝まもる〟!」」
「〝かげぶんしん〟」
ナツとジャノビーは守りの態勢に入り、ピチューは大量に分身を作り出す事でストライクの攻撃を回避する。
ちぃっ!どうする!?この速さ!!
「なんだかよく分からないけど、とりあえず逃げた方がいいよ!!」
「解ってる!!」
そうしている間にも、ストライクは俺達に肉薄していた。
「そぉら、どんどん行くぞ~」
ストライクの鎌がナツに振り落とされようとした瞬間
「〝つるのムチ〟!!」
ジャノビーから放たれた蔓が鞭のようにしなり、ストライクに襲いかかる。
ストライクはナツを斬るはずだった方の鎌で蔓を斬り裂いた。
「今だ!ナツ〝かみくだく〟!!」
ナツの顎がストライクの足を捉えようとするが、駄目だ!ストライクがナツの攻撃に気付いてバックステップで避けようとしている!
「まだまだ!〝つるのムチ〟!!」
しかし、避けようとしたストライクの腕をジャノビーの蔓が捕えた。
その隙にナツがストライクの足に噛み付く。
「ジャック!蔓をもっと増やして!!雁字搦めにするんだ!!」
放たれた無数の蔓がストライクの片腕を締め付ける。
よし!これでストライクの動きを封じる事が出来た!!
「それじゃぁ~先にナックラーからぁ、仕留めようか~」
安心も束の間、ストライクは相手いるもう片方の鎌でナツに切りかかる。
「ピチュー〝こうそくいどう〟」
鎌を振り落とそうとしたストライクの腕に、高速でピチューが突っ込んできてそのまま腕にしがみついた。鎌はそのまま振り落とされたが、ピチューが突っ込んできた衝撃とピチュー自身の重さによって鎌に軌道はブレ、ナツに当たる事は無かった。
「ストライク~、さっさと振り落としちまいなぁ~」
ストライクはしがみついているピチューを振り落とす為、体を捩ったり腕を振り回したりしている。このままじゃヤバい!ピチューは頑張っているけど、何時までもつか・・!
そんな時、2ヶ所から「ピピピピピピ」と音が鳴り始めた。
「うわぁ!な、何!?」
一つはアリアの方から。もう一つはターコイズの方、いや違う。
正確にはターコイズに渡しておいた俺の鞄だった。
「ターコイズ!俺の鞄投げろ!」
投げ渡された鞄を開け、中を覗いてみる。
音を鳴らしているのはポケモン図鑑だった。
画面を見てみる。
『おや?ナックラーの様子が・・・』
ナックラー?ナツの事か・・・?
「アリア!そっちの図鑑はどうだ!?」
俺はアリアの方へ駆け寄り、画面を覗く。
『おや?ピチューの様子が・・・』
俺達はナツとピチューに目を向ける。
2体ともブルブルと体を震わせている。これは・・・確かお月見山でも!
「・・・進化」
お月見山の時は図鑑が鳴っているなんて気がつかなかった。
このポケモン図鑑はポケモンが進化するタイミングを知る事も出来るのか!?
2体は徐々に形や大きさを変えていく。最後に強い光を発すると、そこに現れたのはピチュー時代の時と同じ色の《ピカチュウ》と、ナックラー時代とは違う、オレンジ色の大きな目と羽を持つ蜻蛉の様なポケモン《ビブラーバ》がそこに居た。
「む、虫タイプ?」
ターコイズが進化したナツの姿を持てそう呟く。
違う。こいつは虫タイプじゃない。ホウエン四天王ゲンジのエキスパートタイプ
「ドラゴンだ!!」
図鑑で使える技を確認する。進化した事で身に付けた新たな力
「ナツ〝りゅうのいぶき〟!!」
ナツの口から棲様じい息が吐き出され、ストライクに直撃する。
効いてはいるが、倒すまでには至って無い!まだ振りほどこうと暴れている!
「〝10まんボルト〟」
続けざまに激しい電撃がピカチュウから発せられる。
電撃が止むと、ストライクは全身から煙を上げながら後ろ向きに倒れ伏した。
「や、やったああああ!!!」
「・・・ふぅ」
・・・勝った。あんな危機的状況で、俺達が勝った。
そんな時、1人分の拍手が聞こえて来た。
「いやぁ~本当ぉにぃ、勝つとはねぇ~」
「そう言えば約束だったな。アリアについて知ってる事全部教えて貰うぞ」
「そう言えば坊ちゃん~爺言葉はどうしたんだぁい?」
「今はそんな事どうでもいいっての!!」
ふざけた奴だな、コンチクショウ!
「待って。僕も気になってた」
「・・・私も」
「使う気分じゃねぇだけだっての!!ていうかお前らまで何だ!!」
「あの口調、わざとだったの?」
「今引っ張る話題じゃねぇぇぇ!!」
どいつもこいつも・・・・!!
「まぁ~約束だしぃ~オレっちの手持ちはストライクだけだったからねぇ~今は」
「・・・教えてくれるのですか?」
「いやぁ、オレっちも詳しくは知らないんだよねぇ~」
「何でもいいからさっさと教えろ」
俺がせかすと、変態男は少しだけ真剣な顔をした。
「ホウエン地方のぉ~《送り火山》の1階墓地のどこかにぃ~秘密があるよ~」
「それ以上は?」
「知らねぇなぁ~」
嘘か本当化は解らない。
でも手掛かりがそれしかない以上、それを当てにするしかないか。
「ガ、ガーネット、早く逃げようよ。ビブラーバは飛べるんでしょ・・・?」
「・・・あぁ」
すでに《げんきのかけら》を使ってムクバード、ぺリッパーを復活させている。
こんな所に長居は無用だ。ナツが俺の背中を掴んで浮き上がる。
「それじゃ~また会おうぜぇ~」
「「二度と御免だ!!」」
不吉な事を言ってのける変態を全力で拒否し、俺達は船から飛び立った。
☆ ☆ ☆
《13時45分》
どこかの海上
NOside
さっきまでガーネット達と戦闘を繰り広げていた男は赤いレース生地のパンツの中からポケギアを取り出し、ある人物に電話を掛けていた。
「もしもぉし、支部長ぉ~?」
『サンゾウか。何の用だ?』
「驚かないでぇ、聞いて欲しいんスけど~」
『もったいぶらずに言え』
「じゃあまずぅ~、《アクアマリン》がぁ、生きてやしたぁ~」
『何だと?自動消去機能はどうした?』
「発動しなかったんじゃぁ、無いですかねぇ~」
ポケギアの向こうから溜息が聞こえて来た。
『それで、貴様はどうしたんだ?』
「いやぁ~殺そうとしたんですがねぇ~、邪魔が入りやしてねぇ」
『邪魔?』
「2人の子供ぉなんですけどねぇ~、何と脱走した色違いの個体のポケモン、ナックラーとぉ、ツタージャが進化したんですかねぇ、ジャノビーに進化してましたけど、まぁそれぞれを手持ちに加えてましてぇ。しかもアクアマリンのピチューと件のナックラーがぁ、進化したんスよぉ」
『逃げられたと言うのか?』
「すいませんねぇ」
先ほどよりも大きな溜息が聞こえて来た。
「あぁ、それからぁ」
『まだあるのか?』
「これで最後っスよぉ~」
変態リーゼント男こと、《サンゾウ》は一拍置いてから言葉を紡いだ。
「ポケモン図鑑~3機ほど持ってましたよ」
『・・・それは確かか?』
「荷物の中を確認したら出てきやしてねぇ~。奪い返されちやいましたけどぉ~」
『・・・解った。こちらでも奴らを探し出す。お前も探せ、自分の不始末なのだからな』
「それなら~支部長が行ってくださいよぉ~。今、送り火山の研究所っしょ~」
『それがどうした?』
「奴らぁ、そっちに向かってやすぜぇ~。それにぃ、アクアマリンだけじゃなくてぇ、面白いのがいたんでねぇ。写メ送りますよぉ」
船の中に設置してあった監視カメラの映像を送ると、ポケギアの向こうの声の主は驚いたような声を上げる。どうやらサンゾウの予想は的中したようだ。
『・・・いいだろう。この際なぜ送り火山に向かっているのかは問わん』
「どうもぉ~ありがとうございやすぅ」
『引き続き、任務を続行しろ』
「了解ぃ」
そう言ってサンゾウはポケギアの通話終了ボタンを押した。
☆ ☆ ☆
キャラクターデータ
名前:ガーネット
年齢:11歳
性別:男
所持金:7320円
手持ちポケモン
ナツ/ビブラーバ ♂ Lv27
メリー/モココ ♂ Lv25
イヴ/イーブイ ♀ Lv22
名前:アクアマリン
年齢:10歳
性別:女
所持金:3420円
手持ちポケモン
ピカチュウ ♀ Lv27
ムクバード ♂ Lv24
サンド ♀ Lv24
名前:ターコイズ
年齢:11歳
性別:男
所持金:6300円
手持ちポケモン
ジャック/ジャノビー ♂ Lv22
キャサリン/ぺリッパー ♀ Lv25
ルージュ/ドンメル ♀ Lv20
何とか設定がブレすぎないようにしていこうと思います。
後、ビブラーバのレベルについては物語上の都合だと思ってくださいお願いします。