東方×モンハン 異能無しのハンティング!!(凍結)   作:冷仁鬼

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やるきがうなぎ登りで上昇中です。それに会わせて今回は前回より長めとなっております。


リアルな戦闘と瀟洒な少女

十六夜咲夜は目を醒ます。

他の誰もが戸惑う大転移に、異世界に、自分の置かれている状況に時間を止めることなく冷静に判断を下していく。

 

自身の身体の異常、装備の不具合、能力の発動、飛行能力、通信魔方陣での緊急連絡……etc.

そして全ての実験、検査を終えて溜め息を1つ漏らした。

 

 

「はぁ…」

 

 

どうなっているのか、お嬢様たちは無事なのだろうか。気を失う前まで見ていたお嬢様の笑顔が離れず心配になってくる。しかし現状も現状だ。身体能力の低下に能力の使用制限、魔力の類いが存在しないこの世界。

どれ1つとっても人外には非常に危険なことこの上ないことである。

 

 

「パチュリー様も魔理沙もお嬢様も通信魔方陣での返事は無し。幻想郷ではなさそうだしどんな悪影響があるのか分からないのは不安ね」

 

 

いくら心配しても夢でもないこの状況を打破することは出来ない。理解はしているものの納得は出来ない。しかし理性が無闇な行動を控えるべきだと抑えている状態である。

 

 

「………駄目ね、予想外の事態にまだ混乱してるみたい。能力も制限がかかってるようだしここに留まるべきじゃないわね。しかしどちらに行ったものかしら?」

 

 

そう自嘲気味に呟くと手元のナイフを切り株の上に垂直に立て手を離す。すると当然ナイフは倒れる。倒れたナイフは樹海の奥の方を指している。

やれやれと肩を竦めると早足でナイフの指し示した方角へと歩き出すのだった。

 

 

 

 

 

 

「ちぃっ!」

 

「このっ!」

 

「くっ!」

 

 

咲夜が移動を始めてからしばらくいかない内にこの世界初の生き物と遭遇した。それは人とあまり変わらないサイズの猪、ブルファンゴであった。

 

ブルファンゴは咲夜を発見した途端かなりの速度で突進をしてきた。距離は十分あったため余裕をもって避けられたが2回、3回と繰り返していく内にブルファンゴの突進開始の位置が近付いてきていた。

 

 

「マズイッ!『時よ止まれ』!」

 

 

咲夜は目の前のブルファンゴに気をとられて後ろから来る新手に気付くのが遅れた。気付いたときにはもう遅く回避不可能な程に近くまでその2本の牙が迫っていた。

脳裏に浮かぶレミリアとの幸せな日々。しかし死ぬにはまだ早いと暗い思いを振り払い、制限がついて弱体化した能力を解放する。

 

 

時間が止まる。

 

時間が動き出す。

 

 

世界が動き出すまでの短い時間に咲夜は急いでその場から離れ、近くの大樹の陰に隠れることができた。しかし命の危険が発生する戦いなど幻想郷ではほとんど無かった為に死ぬことを覚悟してしまった今の出来事で心臓がバクバクして収まりそうになかった。

 

咲夜の後ろから突進してきたのは大猪──ドスファンゴ──であった。灰色と白色の毛にブルファンゴよりも大きい巨体、その顔に生えている2本の長い牙を持つモンスターである。

ドスファンゴとブルファンゴは咲夜を見失ったらしくフゴフゴと鼻を地面に近付けて匂いで探しているようだ。

 

 

「ふぅ……ようやく落ち着いてきたけれど悔しいわね。あんなただの猪ごときに一方的にやられるなんて…こんな姿をお嬢様に見られるわけにはいかないわね」

 

「能力は使ってしまったしあと一時間は再使用不可能ね。あの速さなら逃げても追い付かれそうね」

 

「……どうしましょう………やはり戦うしか」

 

「手持ちにあるのはナイフ10本のみ……投げて刺さるとは思えないし……」

 

 

咲夜は周囲を警戒しながらこれからどうするか──否どう戦うかを煮詰めていく。

手持ちの武器はナイフのみ。紅魔館にいるときのように百本以上を同時に投げるなどという曲芸は出来そうもない。投げてもいいが刺さるとは思えないし、回収できないかもしれない。何が起こるか分からないこの世界で攻撃手段を無闇に減らすのは馬鹿のすることであろう。

 

 

「なら直接斬りつけるしか無いわね」

 

 

ここまでで約3分。ドスファンゴは既に咲夜のことを諦めて移動したらしく走り去っている。しかしドスファンゴが引き連れてきたブルファンゴ3匹はもともと咲夜を追い回していた1匹と合流していた。

 

 

「先制を取らなきゃ不利になるわね……」

 

 

木から木へブルファンゴたちに気付かれないように徐々に徐々に移動していく。匂いで気付かれないように風向きも気にしながらだ。

そして4匹の視界から外れる一点にまで辿り着いた。腿のホルダーからナイフを取り出し両手に握る。その動きからそのまま滑らかに動きだし一気にブルファンゴとの距離を詰める。

 

 

「はああああああああ!!」

 

 

勢いをそのままに右腕を一閃、更に反す刃でもう一撃、合流したブルファンゴの1匹を切り裂く。辺りに鉄の臭いが広がり、不意の一撃に攻撃を受けたブルファンゴが呻き声をあげる。その声を聞いた他の3匹が後ろを振り向きつつ右前脚で地面を蹴っている。突進の予備動作である。

 

 

「馬鹿の一つ覚えですか?もう食らいませんよっと!」

 

 

咲夜は左手に持ったナイフを斬りつけたブルファンゴに刺し反動をつけてその上に乗り、一瞬の溜めの後に後ろに跳び一回転してきれいに着地をした。咲夜がブルファンゴの上から飛ぶと同時に無傷の3匹が突進を始める。

 

 

ブモォッ

 

 

3匹の突進は見事に咲夜には当たらず代わりに乗っていたブルファンゴに当たることになる。その突進によってブルファンゴたちの牙が刺さりそれが致命傷となりその1匹は息絶えた。

 

 

「ふぅ、まずは一匹」

 

 

ブルファンゴから跳び降りた咲夜は近くにあった木と木の隙間に身体を滑り込ませ一息吐いていた。

普通ならば初心者ハンターでも自らを鍛え、装備を整えた上で戦うべき相手である。モンスターと戦う心構えも経験も無し、武器防具もなければ道具の類いも持っていない。

そんな状態で狩りをするなど死んでもいいと言っているようなものである。油断をすれば狩られるのは人間である。

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまで



と言いたいところですが主のやる気ゲージはまだまだ上昇中!今日中に咲夜回をもう一本投稿するのでお待ちくださ~い!
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