東方×モンハン 異能無しのハンティング!!(凍結) 作:冷仁鬼
なんと3000文字オーバーです。
「咲夜」って一発で変換できないのが辛かった……
「動きは段々読めてきた。一気にいくわよ!」
息絶えたブルファンゴに突進した3匹のブルファンゴは未だに動いていない。どうやら牙が深くまで刺さってしまったらしく抜けないようだ。
そこで態々待ってやるほど咲夜にも余裕はない。
木の隙間から飛び出し6本のナイフを次々とブルファンゴに向けて投げる。狙うは牙を抜こうと踏ん張っている前肢だ。
ブモウッ
3匹の内2匹の脚の健を切れたようだ。前のめりに倒れるブルファンゴに咲夜は駆け寄り左右のナイフで斬りつける。
横斬り、縦斬り、斜め斬り、突き刺しそのまま横に引き、位置を変えまた斬りつける。返り血が避けきれないが気にしている余裕はない。
ブモゥゥゥ
ひたすら斬り続けて30秒。
ようやく2匹目が地面に崩れ落ちた。地味に長い戦いであった。しかし一息吐いていられるほど状況は芳しくはない。脚の健を斬られたブルファンゴもなんとか立ち上がって牙を抜こうとしているし、未だに無傷の最後の1匹は既に牙を抜いて咲夜の隙を窺っている。
咲夜にかわされても他のブルファンゴに当たらないようにするためだろうちょくちょく動いては観察をしている。
「(このまま手負いのこっちをやってもいいのだけれど後ろからの追撃が怖いわね。かといって無傷のこっちを倒しきるのにどれだけかかるか……)」
咲夜が悩んでいる間にも目の前のブルファンゴは徐々にだが牙を抜いていく。どちらか片方を相手取るともう片方がおろそかになる。残り時間は少ない。
しかしそこで咲夜に電流が走る。
「(無理に地面の上で戦う必要はないじゃない!)」
そう、無理に地面で戦おうとするから苦戦を強いられるのだ。地面で、相手に相対して戦えるのは訓練を積んだハンターだけなのだから。
「やあっ!」
咲夜はその場で跳びもう少しで牙の抜けそうなブルファンゴに着地する。そのままブルファンゴに跨がると手に持っているナイフを逆手で持ち目の前にある頭へと何度も振り下ろす。
「いいっ加減にっ死になさいっ!」
最後の一撃。両手を同時に振り下ろしたその強力な一撃はあっさりとその命を終わらせたのだった。
しかしまだ1匹残っている。そう思い振り返るとそこにはなにもおらず樹海の奥へと走り去るブルファンゴの姿が見えた。
辺りは途端に静かになった。そこに一人残された咲夜はしばらく呆然と立ち尽くしていた。しかしすぐに現実に戻されることになる。
ぐぅ~
咲夜の腹が鳴ったのだ。聞いていたものはいないとわかっていたが咲夜は頬を赤らめ恥ずかしそうに俯く。
「失態ね……完全な従者ならこんなみっともない真似は──」
ぐぐぅ~
「………」
ブルファンゴとの戦闘では思ったより動き回っていたらしい。鳴り止まぬ腹の虫に微妙な顔をしつつ咲夜は立ち上がるとブルファンゴの死体へと近付いていく。
そして刺さっているナイフを抜き取る。そして全てのナイフを回収し終わると戦っている最中に見かけた水源へと歩いていく。
「返り血で汚れてしまったわね……少し恥ずかしいけど背に腹は代えられないわ」
そう言っておもむろにネクタイを外しメイド服を脱ぎ出す咲夜。少女から大人の女へと代わり始める身体から妙な色気が漂っている。色白の肌に所々返り血が垂れていて───
ザ・ワールド
特に何事も起きずに洗濯は完了した。
咲夜はメイド服とナイフの返り血をを湧き水で洗い流し能力を使った。今回は何度も繰り返し使って検証した中でもっとも長時間使うことのできた『時間加速』である。
洗濯したメイド服が乾くのを早めたのだ。
因みに現状で咲夜が使える能力と時間は、
時間停止<時間逆行<<<時間加速
副次効果として空間拡張があるが今のところ使い道はない。
時間加速にしても使えるのは精々10分である。時間停止に至ってはほんの2,3秒だ。時間逆行の場合効果発動条件が自分に触れているということもあって使いにくいことこの上ないのだ。
「着替えは終わったし進みましょうか」
ぐぅ~
「くっ不覚…また鳴らしてしまった……」
そう言いながら咲夜はブルファンゴから肉を剥ぎ取るために立ち上がりナイフを1本剥ぎ取り用にすること決める。
そして最後に殺したブルファンゴの腹へとナイフを刺し剥ぎ取りを始める。人間並みに大きいブルファンゴであるが中身は幻想郷にもいた猪とあまり変わらないと見た咲夜は素早く解体を終わらせる。
そして何時からか付いていた腰のポーチに生肉を入れる。実はこの世界に喚ばれた時点で全員持っているのだがある条件を満たさないと使えないのだ。
その条件は簡単。ハンターとして世界に認められることだ。ようするに何かしらのモンスターを狩ればいいのである。
「このポーチいつからあったかしら…?能力に制限がかかっている今はありがたいからいいけど」
食べられそうな部分や温かそうな毛皮を剥ぎ取りどんどんポーチに入れていく。結構な量が入るようでまだまだ入れられるようだ。
しかし狩ったブルファンゴは3匹のみ。あまり食料としては多くないがそこは諦めて進もうと咲夜は決心する。
「せめて火でも起こせれば肉が焼けるのだけれども……」
辺りを見回して呟く咲夜の通信魔方陣が突如発光を始めた。すぐさま魔方陣に魔力を流す。すると何日ぶりかの知り合いの声が聞こえてきた。
『咲夜か?!』
「!その声は魔理沙ね。そっちは今どうなっているの?」
『──めじめ─てるところに──ぜ』
「え?ノイズが酷くて聴こえないわ。もう一度言ってくれる?」
『現地の人───だと密林──ってところらしい』
「密林という場所にいるのね?無事ならいいわ」
ホッとして少し強張っていた身体から力が抜ける。数少ない同年代の友人の安否も気になっていた事の一つであった。
ノイズを減らすにはどうしたらいいか考えながら少し送る魔力を増やす。
「そういえば魔理沙は食事どうしているの?私は火が起こせなくて食事ができないのだけれど」
『おおっ──え易くなった─やったんだぜ?───こうか?』
魔方陣の向こう側で魔理沙も調節しているようだ。すると急に音がクリアになってノイズも格段に減った。
『おーい咲夜、聞こえてるか?』
「ええ、聞こえているわ。急に聞こえやすくなったわよ」
『ならよかったぜ。それで飯の話だったよな?私はこっちの世界のハンターって職業の人間に助けられてそいつらに食料を分けてもらってんだ』
「運が良かったのね貴女は。それで火を起こすいい方法はないかしら?」
『……そうだなぁ~ちょっと待ってくれ』
魔理沙も魔力のやり繰りに困っているのだろう。普段なら魔法の火種でも送ろうかとでも言うのに、それがないということはやはり魔理沙も能力の制限を受けているのかもしれない。
咲夜もそろそろ魔力の残量が気になり始めてくる。
『これからそっちに火打ち石を送る。それで何とかしてくれ』
「ありがとう魔理沙。火をつける方法が見つかっただけでも助かるわ」
『じゃあ送るぜ。たぶんこれでまた魔力が切れるから解放頼むぜキャロ!』
『えぇーまたですか?わかりましたよ……』
魔理沙の声の後に聞こえたのがさっき言っていた助けてくれた人間なのであろう。そんな魔理沙たちの会話を最後に魔方陣は光を失った。
それと同時に黒っぽい石が2つ魔方陣の上に送られてきた。これが火打ち石なのだろう。魔理沙に感謝をしつつ付近に落ちている乾いている木を集めて火をつける。
簡易の焚き火ができたのを確認しポーチから油の滴る生肉をいくつか取り出し適当に火の近くへ挿しておく。
肉の焼けるいい匂いがあたりに立ち込める。それにつられて腹の虫も再度鳴き始める。
表と裏を返して更に待つ。
待つ………待つ……待つ…待つ。
「そろそろ食べられる頃合いかしら?」
そう言いつつ余計な油を落とすと一気に噛みつく。
塩も胡椒もないそれはただの焼いた肉。されど肉であった。
冬が近づいているために栄養を溜め込んでいたブルファンゴの肉はそのままでも十分に美味しく幾らでも食べられそうな気さえしてくる。噛んだ瞬間口に広がる甘い肉汁、剥ぎ取りをしてから結構たっているのに未だに柔らかい肉。そしてこの香ばしいこの薫り。
「お、美味しいわね……これをお嬢様に差し上げたら喜んで下さるのでしょうね」
しかしそのレミリアがこの世界に飛ばされているのか、幻想郷にいるのかまだ知る術は無い。
しかし咲夜は諦めない。レミリアに仕えると決めたそのときの誓いを忘れはしないのだから。
食事が終わった咲夜は始めと同じようにナイフの倒れた方向へ向かって歩いていくのだった。
咲夜が霊夢に出会うのはこの二日後である。
テンションが最高にハイってヤツになってました。
ろうそくの火がガスバーナーくらいになってました。
明日明後日は大学の一般入試なので投稿できても遅くなるとも思います。
ではでは~また次回お会いしましょー