「これは大仕事になりそうだね」
「だね。でも戦車の整備をしてる間の授業は免除だし戦車とはいえ車の整備ができる、自動車部としてはありがたいんじゃない?」
「うん、じゃあ今日も頑張っていこう!」
「「「おーっ!」」」
昼過ぎの戦車格納庫に自動車部の4人の声が響く。試合には出ないが今の大洗の戦車道を支えている縁の下の力持ち達だ。そんな4人を眺めているのが…
「元気だなぁ…」
「ですねえ…」
「若いって良いねえ、うんうん」
「…zzz…」
「二階建て、昼寝は終わりだ、起きんか」
我らが大洗戦車隊の5両である。先日のサンダース戦の後、戦車道連盟の手によって応急修理を受けはしたがやはり応急修理、練習にて若干の不具合があったためこれから本格的な整備という訳である。
「確か次は…あん…あ…なんじゃったかの?」
「アンツィオじゃないですか?」
「ああそうじゃった」
「この整備が終わったら明日からまた練習だね〜」
「ふぁ…そういや自動車部以外は何してるんだ?」
「やっと起きたか…確か自動車部以外は…」
「戦力になりそうな戦車を探すんだってさ」
「なるほど、ありがとなナカジマの嬢ちゃん」
「どういたしまして〜」
リーの疑問に答えたのは自動車部部長であり、数少ない戦車と話せる人間であるナカジマだ。
「ところでそんな大声で俺たちと話して怪しまれないのか?」
「大丈夫大丈夫、ホシノ達にはもう話せるの伝えたし」
「なら大丈夫だな、HAHAHA…はぁ⁉︎」
「伝えたんですか⁉︎」
「普通変な目で見られると思うんだが…」
「そりゃ最初はね、でも何とか信じてもらうことができたよ」
「そ、そういうものか…」
「人間の適応能力は凄いもんじゃのぅ…」
ナカジマからのいきなりのカミングアウトに驚愕する一同。物言わぬはずの戦車が喋ったと言えば変に見られるのは当然だからだ。そんな話をしているうちに自動車部の面々が機材を携え戻ってくる。
「ナカジマー、どこら辺が調子悪いって?」
「あ、今聞くね…という訳でどこら辺が調子悪い?」
「わしは発動機周りがまだ少し…」
「俺は車体後部に若干違和感があるな、爺さんと同じ様に車体後部に被弾したからな」
「俺はターレットリングに違和感があるんだ…少し歪んでるかもしれない」
「僕は大丈夫ですね、ほぼ被弾していませんから」
「こっちも大丈夫だよ〜」
「…という事で今日は修理するのは八九式、M3それにIV号だね。あとの2両は軽めの点検をしよっか」
「分かった、じゃあ私はツチヤと八九式の修理に入るね。ツチヤ、機材よろしくっ!」
「はいっ、スズキ先輩!」
「じゃあ私達は先にM3の修理終わらせちゃおうか」
「じゃあインチ規格の機材取ってくるね」
「ありがと、ホシノ」
こうして今日も自動車部の1日が始まっていく。その日の夕方、新しい戦車が見つかることはまだ誰も知らなかった…
どうだったでしょうか、日常回。自動車部の方々の互いの呼び方に関しては少しあやふやなところが入ってしまっているので違和感があるかもしれません、そうした場合はコメントなどで指摘していただけると幸いです。さて次回は多分練習回、その次はノリと勢いのアンツィオ戦(予定)です。それではまた次回