「聖グロリアーナ女学院の勝利!」
アナウンスが会場に響き渡る。復活した我々大洗女子学園戦車道チームは初戦において黒星と言う苦々しい出発をすることとなった…
「クソッタレが!」
戦車格納庫前に怒気を含んだ声が響く。声の主はM3中戦車リー。無論この声は人間には聞こえない。そしてそれを宥めようとするもう一つの声。こちらは若干の老いを感じる声だ
「落ち着かんか二階建て。初めての実戦じゃああなってしもうても仕方あるまいて」
こちらの声の主は八九式中戦車、大洗の戦車道チームの中では最年長であり今2両は格納庫の外で試合で付いた泥を落とす為の戦車を待っている所であった。他の3両は先に格納庫内に入って整備を受けている
「しかし爺さん、戦車道の選手が戦車を捨てるなんてあり得るか⁉︎その前から俺の車体をピンクに塗るやら泥にはまるやら色々しやがるし…」
「まあピンクに塗られた当初のお主は…ふふっ…」
「あ、爺さん笑いやがったな⁉︎」
「いやーすまんすまん…しかし最近ピンクは認識され難いとかアメリカの研究所で論文が書かれて一部で採用されとるらしいぞ?」
「なんでそんな事知ってるんだ、爺さん?」
「知りたいか?この間陸自の小僧が来たじゃろ?その時に迷彩の話になってな、最近のポーランドか何処かの戦車は熱をも遮るやら色々話してな…ん?」
「どうした?」
「今誰かに見られていた気が…」
「んな訳無いだろ?自動車部は中で整備中だし生徒も帰ったはずだろ。それこそ俺たちの声でも聞こえてびっくりして来た、位だろ」
「まあそんな訳あるまいか…」
「爺さん位ならそんな奴見た事あるんじゃねえのか?俺はねえが」
「流石に無いのう…そんな人間がいるなら是非会ってみたいものじゃがな」
「全くだ」
「それにしてもまだ順番待ちなのか、俺達は?」
「ここの整備員は少ないからのぅ…下手すれば明日になるかもしれんの」
他愛ない話をしているうちに時間は経っていくが中々整備の順はまわってこない。確か整備員は4人、ナカジマにスズキ、ホシノと…ツチヤじゃったか、まだ若いが腕は確かだからきっと将来は優秀な整備士になれるじゃろう。
「増員でも来ればなぁ…」
「二階建てが無いものねだりとは珍しいのう…ん?」
二階建てをからかっていると建物の陰から誰かが近づいてくる。確かあれは…わしの車長をしている…ええと…そうだ、磯部嬢だ。もう遅いこんな時間に一体どうしたのだろうかと思っていると彼女はそのまま私の装甲に手をかけ…
「ねえはっきゅん、聞こえてる?」
えーどうだったでしょうか?なぜ磯部さんを選んだかって?私の押しキャラだからですw次回は今回の話を磯部さん視点で書いた話になると思います。それではまた次回お会いしましょう