蒼の彼方のフォーリズム 速さより技でしょ! 作:rockless
莉佳の家庭環境をゲームのサイトのキャラ紹介からマイナスの補正をかけて想像しました
原作を知らないからやりたい放題の設定です
晃がFC部に入って1ヶ月経った
ゴールデンウィークに行われた久奈島学院のFC部との合同合宿や、高校に入って始めての定期テストも終わり、夏の大会に向けてFC部は練習に励んでいる
・・・ただし、屋内でだった
こればっかりは梅雨に入ったので、毎日のように雨が降るので仕方がないのだった
しかし屋内メニューとはいえそこは強豪校。やれることは徹底的にやる
飛行姿勢を安定させるための体幹部の筋力トレーニングに、ドッグファイトを想定した鬼ごっこ風の模擬試合、あとは座学で試合用の実戦向けマニューバや高速飛行の講習なんかもやったりしている。もちろん雨が降っていなければ少しの時間でも外に出て飛行練習をすることも忘れない
「この徹底ぶりは、さすが激戦区を勝ち抜いてる強豪校って感じだね」
「そうですね」
そんなある日、部活が終わり、晃と莉佳は一緒に帰宅中である、とはいえ、これは2人の仲がそういうものになったわけではない。断じて無い
梅雨に入って天候は悪く、部活が終わると曇っている空はかなり暗い。そして晃や莉佳は、学校のある福留島から久奈島に、グラシュを使って飛んで帰らないといけない。単独ではなにかあったときに危険ということで、こういう天候のときは、島から島に渡るときは2人以上で、と決まっているのだ
「明石君、こんな天候なのに結構普通に飛んでますよね」
「そりゃーまぁ、この程度なら、曇ってて暗いだけで、雨が降ってるわけでもなし、強風が吹いてるわけでもなし」
「あ、うん、そだね」
晃の言葉に莉佳は考えるのを止めた。晃は吹雪の中でもグラシュ通学をしていた男である。考えるだけ無駄だった
とはいえ、晃もそんな通学、やりたくてやってるわけじゃなかった。以前住んでいた山の中の田舎が、グラシュに関するインフラ整備をする通称『グラシュ特区』に指定された途端、いきなりその田舎の学校が廃校になってしまったのだ。そのせいで晃は、山の向こうにある学校に、1時間もかけてグラシュで通学しなければならなくなったのだ
「でもこっちもこんな天気だと、日が落ちると飛ぶには寒いね」
「そうですね。風邪ひかないようにしないと・・・」
っと、2人が久奈島付近まで飛んできたとき、無茶苦茶な軌道で飛んでいる小さな子が2人に向かってくる
頭から突進してくるその子に、晃が手を出して受け止め、メンブレンの反発で弾いた
「前見て飛ばないと危ないよ・・・ってあれ?」
「あなた久奈浜学院の・・・」
「ったぁ~・・・ってあれ?確か高藤の・・・?」
弾かれた子の顔が見え、晃と莉佳は飛んできた子が久奈島学院のFC部の有坂真白だと気付いた
真白も、すぐに合同合宿で一緒だった2人だと気付いたようだ
「明石君!同じファイターとして、野良試合を申し込みます!」
「は?」
いきなりの挑戦申し込みに晃はポカンとする
「レベルアップのためにクエストが必要なの!」
「うーん・・・クエスト受領レベルに達していません。まずはチュートリアルを終了させましょう」
晃が少し考えて返すと、『うぐっ!』っと真白が打ちのめされ、『ならっ!』っと今度は莉佳を指差す
「私スピーダーなんだけど、ブイないけどどうやって勝負するの?」
「そうだった!」
莉佳の冷静な返しに真白は頭を抱えた
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とりあえず、下に降りて落ち着くことにした3人。そして真白がポツリポツリと事情を話した
曰く『FCの練習に自分だけがついていけないことに焦っている』っと・・・
自分よりもグラシュの使用経験が浅かった倉科明日香にも、FCでは抜かされてしまっているのがさらに焦りを加速させていた
「せめて練習についていけるようになりたいです!」
「って言われてもねぇ・・・やっぱり時間かけて基礎を固めないことには・・・」
「そうですね・・・」
晃は小さい頃から長時間のグラシュ通学の暇つぶしとして、友達と鬼ごっこや競争などをしているうちに自然と基礎を身に付け、エアキックターンまで身に付けた。それだけの膨大な時間をかけて築かれた基礎こそが、晃の強さの源だった
「じゃあその基礎を教えてください!」
「んー、俺もFCに関してはまだ勉強中だし・・・」
っと言って晃は莉佳に視線を送る。要するに丸投げである
真白も莉佳に視線を向け、2人の視線を受けた莉佳は少し体を仰け反らせた
「来週にはうちも強化合宿が始まるから・・・それまでなら」
「ありがとう!」
っということで、真白の秘密特訓に付き合うことになった莉佳
なぜか晃も一緒に参加している
「私個人の考えですけど、スピーダーもファイターも基礎で重要なものは同じだと思います。速く飛ぶこと、その一点に尽きます」
「なるほど」
「速く飛ぶ・・・?ファイターも?」
莉佳の説明に晃は納得し、真白はわからないと聞き返す
「無駄な減速をしないってことでしょ?無理な急旋回や急上昇で失速したりとか」
「そうです」
そう言った莉佳は、自分のあとをトレースして飛行するように言って飛び始める
シザーズにローヨーヨーとマニューバを織り交ぜつつ飛行する莉佳を、ヘロヘロの軌道で真白が追いかける。晃はそんな真白を見ながら最後尾を飛ぶ
「ま、初日だしな」
真白の秘密特訓2日目
今日も莉佳のあとを追う真白、晃はそれには加わらず、1人で8の字飛行をしていた
「明石君はなにやってるの?」
「あれはキューバンエイトって言うマニューバの1種でね。基礎練習の1つで、速く綺麗な8の字を描くのは上級者の証って言われているの」
「あんなにうまいのにまだ練習するんだ・・・」
2人は綺麗な軌道で8の字を描く晃を見る。左右のカーブの半径も揃っていて、速さも遅くない
「明石君は必死なんだと思う・・・ある意味、生活がかかってるから」
「え?それってどういう・・・?」
莉佳はつい晃の状況を言ってしまい、しまったと口を手で押さえた
「ごめんね。うちの部員はみんな知ってることだけど、勝手に話すのはよくないと思うから・・・もう1本行こうか」
特訓3日目
莉佳の指導で、真白は日に日に上手くなっていく
今日も晃は2人から離れ、8の字飛行をしている。今日は垂直に8の字を描いていた
「あれも、キューバンエイトなの?」
「あれはバーティカルキューバンエイトって言って、垂直方向に8の字を描くの。うちでは基礎練習のメニューじゃなくて、ドッグファイト用の練習でたまに出されるよ。重力があるから上下のカープの半径が揃えづらいの」
莉佳が説明しながら2人して、晃の練習を見る
さすがに晃もこの8の字は完璧とはいかず、下がほんの僅かだけ膨らんでしまっていた
っとそのとき、雨が降り始めた
「あ、雨・・・」
「ホントだ」
これ以上は無理と、3人は帰ることにした
このとき、先導した晃が、風向きと速度から、2人に当たる雨粒を遮るような位置取りをしていたことに、2人は気付かなかった
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晃と莉佳が荷物を置いている真白の家、『ましろうどん』に寄ると、真白の母親からうどんをご馳走すると言われた
莉佳は自身の好物である肉が入った肉うどん。晃は・・・
「おー、これがえび天・・・」
えび天の乗った天ぷらうどんだった
「えびの天ぷらがそんな珍しいの?」
「俺が前に住んでたところは山の中だからね。天ぷらうどんの天ぷらといえばかき揚げだったんだよ」
「ふーん・・・いただきまーす」
「「いただきます」」
3人でうどんを食べ始めた
「おいしい」
「出汁ウマー。やっぱり山の中の店とは味が違うね」
「あ、わかる?うちのはトビウオから取ったあごだしよ」
「なるほど・・・これがあごだし・・・」
山の中の田舎で育ったため、海の幸に縁がなかった晃は、この四島市に引っ越してきてから、すっかり魚介類にハマッていたのだった
「気に入ったなら毎日来てもよかよ。そん代わり、こんこに勉強教えてくれんねぇ?晃君も莉佳ちゃんも高藤やろ?」
「お母さん余計なこと言わんといて!あと晃君と莉佳ちゃんのことは秘密だからね!」
真白と真白の母親のやり取りで、真白が晃と莉佳を名前呼びになっていることに2人は気付き、顔を見合わせて笑う
「なんかごめん、うちのお母さん、構いたがりで・・・」
「ううん、うちのお母さんもそうだよ」
真白の言葉に普通に返した莉佳。しかし晃は微かな違和感を感じるが、気のせいとすぐに流した
その後、うどんを食べ終わるが、まだ雨は止んでいないようだったので、そのまま雑談をする
「うそ・・・だろ・・・佐藤院先輩って佐藤先輩だったのかよ・・・」
これはこの日、晃が知った衝撃の事実である
次の日、学校に莉佳の姿はなかった
昨日の雨で風邪をひいたのだ
学校終わったら有坂さんとお見舞いに行ってみるか・・・っと晃は考えた。きっと彼女は自分のせいで風邪をひかせてしまったと思っている。謝る機会は早い方がいい
実は晃は莉佳の自宅の位置の見当がついているのだ。晃の配達コースの1件に、『市ノ瀬』の表札が掲げてある家があるからだった
しかし、晃は今朝の配達で、その家に妙な違和感を覚えた
そして、莉佳の病欠を知り、その違和感は胸騒ぎへと変わる
「何事もなければいいけど・・・」
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放課後、真白と合流した晃は、莉佳の病欠を伝え、お見舞いに行くことを提案する
2人は晃が当たりをつけていた家の前にやってきた
「ここなの?」
「たぶんね。隣の家の表札が『日向』になってるから。たぶんそっちのコーチの家じゃない?」
「あ、ホントだ」
なんてやり取りをしつつ、晃は今朝の違和感の正体を探・・・そうとしてすぐにわかった
「有坂さん、これを見て、どう思う?」
「どうって・・・」
晃が指差したのは、未だ朝刊が入ったままの郵便受け・・・
しかもその朝刊を入れたのは晃だ。そして違和感の正体にも気付いてしまう
「これ入れたの俺なんだけどさ・・・。入れたとき、『ガサッ』って音がしたんだ。たぶん昨日配達された郵便物か何か・・・今までそんな音がしたことは1度もなかったのに・・・」
「えっと・・・つまり?」
「もしかしたら、昨日から市ノ瀬さんの両親、帰ってきてないんじゃない?」
「・・・」
サァァッと2人の顔から血の気が引いていく
つまり風邪をひいた莉佳は今まで1人だったということなのだ
急いでピンポーンっと呼び鈴を鳴らすが応答がない
「どどどどうしよう?!」
「どうしようって行くしかないでしょ」
焦る真白に、晃は何とか冷静を保ちながらも、市ノ瀬家の敷地に入っていく。田舎出身の晃にとっては呼び鈴を鳴らして出てこない場合はこうするのが普通であった
グラシュを起動し、日向家側にある2階の部屋の窓に向かって飛ぶ。合同合宿のときにそんなことを言っていたのを晃は覚えていた
「市ノ瀬さん?大丈夫?」
「莉佳ちゃん?!返事して!」
カーテンが閉まったままの窓をコンコンっと叩いて呼びかける
やがて、カーテンが開けられ、熱で顔の赤い莉佳が姿を現した。莉佳は2人の姿に驚き、急いで窓を開けた
「2人とも、どうして・・・」
「心配だったから、かな?昨日から両親、帰ってきてないんでしょ?」
「っ?!」
晃の指摘に、莉佳は一瞬驚き、ポロポロと涙を流しだした
「ごめん、今朝の配達で違和感みたいなのは感じてた。学校で市ノ瀬さんが風邪だって聞いて、本当はそこで気付けたはずだった。授業サボってでも来るべきだった。遅くなって、ごめん・・・」
晃の言葉に、莉佳は完全に泣き出した。晃の制服を掴み、顔を押し付け、声を上げて泣いた
晃は黙って莉佳の頭を撫でた
そんな2人を、真白は複雑な気持ちで見ていた
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莉佳が落ち着いて、晃と真白はそのまま窓から莉佳の部屋に入った
今は、真白が莉佳の汗をタオルで拭いている途中である。もちろん晃は部屋の外に追い出されている
「ウソついて、ごめんなさい・・・本当は、いつもこんな感じなんだ。お父さんもお母さんも仕事で、帰ってくるのが遅かったり、昨日みたいに帰ってこないこともよくあるの・・・」
莉佳が事情を話し出す。それはドア越しの晃にも聞こえていた
「本当はもっと私を見て欲しい。だけど、お父さんとお母さんを困らせたくもない・・・お父さんとお母さんが頑張って仕事してるから、私はお金の心配をしないで学校に通えたり、FCができたりするんだって思うと・・・」
「莉佳ちゃん・・・」
「普通に言っちゃえばいいと思うよ」
ドアの向こうから、晃が返した
「俺は市ノ瀬さんの両親がどういう人か知らないけど、実際困るかどうかは言ってみないとわからないんじゃない?」
「でも・・・」
「もし本当に市ノ瀬さんの両親が困っちゃったら・・・まぁそのときは仕方がないよね」
『仕方がない』という晃の言葉に、莉佳は俯いた
「でもさ、もう事情を知っちゃった人がいるわけだし、1人で抱え込むこともないと思うよ」
「そうだよ莉佳ちゃん。うちのお母さんだっていつでも来ていいって言ってたし」
「明石君、真白ちゃん・・・ありがとう」
ところで俺、いつまで廊下にいればいいの?っと晃は、いい雰囲気の中で若干の孤独感を味わっていたのだった
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莉佳の着替えが終わって、晃が部屋に戻り、しばらく3人で話していると、いつの間にか莉佳は眠ってしまっていた
勝手に帰るのも気が引けて、2人はどうしようかと話す
「前に莉佳ちゃんが言ってたけど、晃君はFCに生活がかかってるって・・・どういうこと?」
「あんまり面白くない話だけど、それでもいいなら・・・まぁ、俺が四島市に引っ越してきた理由が、去年父さんが死んだからなんだ」
「あ、なんかごめん・・・」
「別にいいよ・・・っで、母方の祖父母がいるこっちに引っ越してきたわけだけど。母さんは専業主婦だったからね。こっちでパートは始めたけど、父さんの給料とは比べるまでもなくガタ落ち。だからこそ、俺は祖父母がやってる新聞販売店で配達のバイトをしてるわけ。このまま何もしないまま高3になって、お金がないから進学できませんだと、悲しすぎるから・・・」
そして、晃はFC部に入った経緯を話した
「っで、特待生になったけど、どうやら部長もちょっとウソを混ぜてたようでさ・・・ただ活動するだけだとダメで、結果を出さないといけないらしい」
「結果って・・・?」
「夏の大会の、優勝」
それは、まだFCを始めて1ヶ月かそこらの人間に求める結果としては、あまりにも高すぎるものだった
しかし、晃は一成との試合に勝って特待生になったので、それだけ期待もされているのだ
「やっぱり、あんまり面白くなかったね。別の話をしよう」
「・・・じゃあ・・・」
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日が落ちたあたりで、莉佳が目覚めたので、2人は帰ることにした。莉佳の両親はまだ帰ってきていないが、これ以上は時間的にマズイと晃が判断したからだ
「じゃあ市ノ瀬さん、なんかあったら、連絡してくれていいから」
「私にも、寂しかったら電話してきてね」
「うん、ありがとう」
2人は入ってきた窓からグラシュを起動させて飛び出る
「じゃあ、また明日」
「バイバイ、莉佳ちゃん」
2人が窓から離れて路地に降りる。本来は停留所で飛んだり降りたりをしないといけないので、ここから改めて停留所まで歩いて、そこから飛び直すのだ
「それじゃ、送ってくよ」
「ありがとう」
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近くの停留所に着いて、そこから飛び始めた2人、莉佳の住む新住宅地から、真白が住む旧住宅地までは、歩くと遠いがグラシュならすぐに着く、あっという間に2人は到着した
「こんこを送ってくれてありがとね、晃君」
「いえ、誘ったのは自分なんで・・・」
真白の母親が出迎えてくれて、晃にお礼を言った
「晃君は気遣いできて優しいし、莉佳ちゃんがうらやましかろ、こんこ?」
「お、お母さんっ?!」
真白の母親の言葉に真白が真っ赤になった
「えっと・・・俺と市ノ瀬さん、付き合ってるとかそういう関係じゃないですよ?」
「え?」
「あら?」
そう、晃と莉佳はそういう関係ではない。ないったらない
元々2人は、真白と再会した時点では、まだ知人くらいの関係だったのだ。今日のことがあって、やっと友達になれた、っと晃は思ってるくらいだった
それに、たとえ晃に恋愛感情があったとしても、夏の大会に向けて余裕がないこの状況で、誰かと付き合うことなど無理なのである
「じゃ、失礼します」
少し気まずい空気になったので、晃は帰ることにした
晃が去って、真白は母親に抱きついた
「どうしたんね、こんこ?」
「ううん、なんでもない・・・ただ、いつもありがとう、お母さん」
次の日、莉佳の風邪も治り、真白の特訓の最終日
莉佳が病み上がりということで、今日は晃が主導で行うことになった
「今日は最終日だし、今までのおさらいかな?それでいいかな、市ノ瀬さん?」
「うん、いいと思う」
今まで指導してきた莉佳に確認をとり、特訓に入った
晃はシザーズでコースを左右に振って、追ってくる真白を揺さぶった
「有坂さんは小柄だから、俺と同じスピードなら俺より小さく、俺と同じ旋回半径なら俺より速く回れるはずだよ!大会までに自分の限界をしっかり把握しておくこと!」
「うん!わかった」
次にローヨーヨーで加速し高速飛行に入る
「高速飛行はバランスが重要になる。体に無駄に力が入ってるとバランスを崩しやすい。水に浮かぶように力まず、走り込みや屋内トレーニングで鍛えた体幹部の筋肉に任せる感じ!」
「なんか言ってることが難しい!」
「簡単に言えば度胸!スピードにビビって力んだら負け!」
「なるほど、わかりやすい!」
莉佳の指導していた内容に、晃が自分なりの考えを混ぜて解説する
晃はスゥッと進路を上に向け、ローヨーヨーで失った高度を取り戻し始める
「ピッチは急に変えないこと、高速飛行中は特に気をつけて。ただ、ドッグファイト中でスピードに余裕がある場合は・・・」
上昇で程よくスピードが落ちたところで、晃はマニューバを繰り出す
水平飛行から急に頭を下にして、背面を進行方向に向けた。空気抵抗が増えて減速して真白が晃を追い越し、列の前後が入れ替わった。追い越された晃は水平飛行に戻っている
「こんな感じで、あえて急にピッチを変えることで、スピードを落として相手の後ろに出ることもできる。今はやらなかったけど、上手くいけば抜かされるときに相手の背中にタッチもできる」
「すごい・・・」
そんな感じで特訓の時間も過ぎていった
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「2人とも、本当にありがとう。これで部活の練習にもついていけるよ」
ましろうどんの店の前、帰る晃と莉佳の2人を、真白が見送る
「ううん、私も楽しかったから」
「夏の大会まであと2週間とちょっと、練習もきつくなるだろうけど、お互い頑張ろう」
『じゃあ・・・』っと帰ろうとする2人を、『ちょっと待って!』っと真白が引き止めた
真白は自身が集めている『邪神ちゃん』ぬいぐるみを差し出し、腹話術のように話した。内容は簡単に言えば『お礼でこのぬいぐるみをあげる』というものである。晃と莉佳はそれぞれぬいぐるみを受け取った
「それじゃ・・・」
「ちょっと待って!もう1つ!」
再び帰ろうとする2人を三度止めた真白
しかし今度は『あ、えと、その・・・』っと晃を気にして、なかなか話せない
「明石君、先に行っててくれる?」
「あ、うん。じゃあ停留所で待ってる」
真白の気持ちを察した莉佳は、晃を先に行くように言って、莉佳と真白の2人だけになる
「あのさ・・・莉佳は、晃のこと、どう思ってるの?」
「真白・・・?」
顔を赤くさせながらも、真っ直ぐと莉佳を見て真白は問う
莉佳は真白からもらったぬいぐるみに視線を移し、そして答える
「・・・真白と、同じかな」
そう言って、少し顔を赤らめ、ちょっとだけ困ったような表情を真白に向けた
ウソをつくことならできた。しかし、莉佳はそれをしたくはなかった。やっとできた自分の素を見せることができる友達に、そんなことはしたくなかったのだ
「負けないよ」
「私だって」
そして2人は同時に、真面目な空気に耐え切れず笑い出したのだった
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晃の待っている停留所に、莉佳がやってくる
「ごめんね、待った?」
「ううん。2人で何話してたの?」
「秘密だよ」
妙にニコニコとして莉佳が答えたため、晃はそれ以上聞けなかった
「それじゃ、送ってくよ」
「ありがとう、晃」
莉佳の家庭環境の勝手な設定について
・一人っ子で両親共働き→親の仕事が忙しくて、構ってもらえない
・優等生で生真面目な性格→両親に褒めてもらいたいが、自分から甘えることができない
・趣味ブログ→誰かに自分のことを見てもらいたい
という感じです
キャラ紹介にも『強がり』『意地っ張り』『素の自分を見せられない』とあるので、辛くても我慢しちゃうんじゃないかなって・・・
3話の合同合宿の時期については、日程が3日間以上にわたっているし、土日+祝日を入れないと組めないだろうということで
話の内容としては、アニメの4話を中心に恋愛の方面にスポットを当ててみた
続きはアニメの続き次第。もしかしたらないかも
ゲーム版のサイトのキャラ紹介の覆面選手が気になる・・・覆面ってルール上OKなのか・・・?髪の毛や顔を覆えたら空気抵抗の軽減とかできるだろうし・・・