蒼の彼方のフォーリズム 速さより技でしょ!   作:rockless

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サブタイは経験談
今時のはわからないけど、昔の鳥かごって対策されてないから洗濯ばさみで止めてたりしてた思い出


鳥って意外と賢いから鳥かごの扉を自分で開けちゃうよね

「えっと、じゃあ次の準決勝だけど・・・」

 

「海凌学園の乾沙希・・・スタイルはドの付くほどのスピーダー」

 

 4回戦が終わり、晃と莉佳は次の試合に向けての打ち合わせをしている

 大会1回戦からの試合データを見ながら、ましろうどんの冷やしぶっかけうどんをズルズルと食べている

 

「冷たいのもうまいな・・・」

 

「そうだね・・・って、じゃなくて!」

 

 机をバンッと叩く莉佳

 

「作戦はあるの?あのスピード相手だと、どうドッグファイトを仕掛けても、スピードで振り切られちゃいそうに見えるけど・・・」

 

「うーん、そうなんだよなぁ・・・正直ドッグファイトする気ない相手が1番やりづらいんだよね・・・にしてもあの人のグラシュって規格通ってんのってくらいハイスペックだな・・・特に加速と最高速が・・・」

 

「確かに、その分初速が低くなってるとはいえ・・・総出力で見ると私たちのより多く見える・・・」

 

 競技用のグラシュには大会の区分けごとに規格が存在する。晃たちが参加している高校生クラスにももちろんあり、グラシュの出力規定が設けられていて、選手はその出力を個々の自分のスタイルに合わせて初速・加速・最高速に振り分けるようになっている

 

「パッと見の感じだと、最高速に8か9くらい?加速は5、いや6かな?でもそうなると初速に振れる値がよくて2・・・」

 

「プロ用の小数点以下まで振り分けられるグラシュなのかな・・・?」

 

 高校生クラスの競技用グラシュの総出力は15。それを先の3つの項目に振り分ける形である。一般の販売店で購入できるレベルの競技用グラシュでは、製造段階で振り分け済みであることが多いが、希望があれば購入時に販売店で調整し直してもらえる。しかし、それでもそれぞれの項目の最低出力は決まっていて、それ以下に設定することはオーダーメイドでもできないことになっている。なぜなら、そんなピーキーな出力特性のグラシュを高校生に与えて、万が一にも事故を起こされたら製造元にも責任がいくからである

 

「なんか飛行の端々を見ると、スピード以外もなんかありそうだな・・・これはもしかすると『能ある鷹作戦』を捨てないといけないかな・・・」

 

 

『これより、準決勝第1試合、高藤学園1年明石晃選手対海凌学園2年乾沙希選手の試合を行います』

 

「晃、セコンドが昨日のあの人だよ」

 

「あぁ、って本場を知ってる人と組んでるってことは・・・」

 

「まさか、乾さんも・・・」

 

「かもしれんよ?」

 

 イリーナと組んでいる沙希が、もしかしたらイギリスでのプレー経験がある可能性を晃は莉佳に告げた

 

「勝てる、よね?」

 

「わからないけど、ブラフがどうとかは言ってる余裕がなさそうってのはわかった。今はそれだけわかれば十分」

 

「頑張って」

 

 パンッと手を打ち合わせるルーティンをして、晃を送り出す莉佳

 晃は空に上がり、スタート位置に着く

 

「よろしくお願いします」

 

「・・・よろしく」

 

 スタート位置で晃と沙希が挨拶と礼を交わす

 同時にセコンドの莉佳とイリーナも同様に挨拶と礼を交わしていた

 

「それでは試合を始める!セット!」

 

 開始のブザーが鳴り、試合が始まり、スタート位置から飛び出していく2人

 2人はそれぞれ、今までの試合と同じように・・・晃はショートカットをし、沙希は2番ブイに向かった

 沙希のスピードを目の当たりにして、晃は改めてブラフを止めて100%のグラシュの性能を発揮させる。今までの試合で見せた最高速の1.5倍のスピードまで加速した晃がセカンドラインに向かっていく

 

「ポイント乾!1-0」

 

「さてさて、どうなることか・・・」

 

 2番ブイをタッチした沙希が真っ直ぐとセカンドラインにいる晃に向かってくる

 晃の数メートル前で、沙希は真上に進路を変えた

 

「上?ま、いいか」

 

 晃は垂直エアキックで初速を稼いで上昇し、とりあえず沙希に追いついて背中にタッチする

 

「ポイント明石!1-1」

 

 タッチで沙希はさらに上に弾かれるが、体勢を立て直すとさらに上に向かっていく

 スピードでは敵わないので、晃は追う選択肢しかとることができない

 

「なんだってんだ?」

 

「もうすぐ高度300メートルを越えるよ」

 

 上昇を続ける沙希に晃が疑問を募らせていると、沙希が急に反転して降下を始めた

 『おわっ!』っと驚いたような声を上げつつ、晃は沙希のブイへのタッチを防ぐべく先回りを始める

 

「速いくせにドッグファイトもやるとは・・・これが本場モノの実力ってか・・・」

 

 高度を下げつつも辛うじて沙希の前に出続けている晃

 高速で前後左右に揺さぶられている中での言葉で、莉佳に届く声は若干辛そうだった

 

「あ、あぁ~・・・困ったな・・・」

 

 順調に沙希の前に出続けられていたかと思うと、晃は突然そんなことを口にする。そして莉佳も、晃の状況を理解する

 高度を下げていく沙希の前に出続けるということは、沙希よりも早く降下するということ、つまり先に海面に着くのは晃だ

 

「なるほど、イヤらしい戦法だなぁ」

 

「どういうこと?」

 

「ドッグファイトを振り切れるほどのスピードがありながら、あえてドッグファイトに付き合って、相手をコントロールする・・・そんなところ」

 

 海面に追い詰められた晃は、沙希の戦法に気付いて莉佳に説明した

 事実、海面に追い詰められた晃は、追いかけていたはずの沙希に逆に追いかけられている

 

「まったく、やり辛い相手だことで」

 

 海面スレスレを飛んでいる晃は、海面に向かって、両手を叩きつけた。海面に当たる直前で手の辺りのメンブレンを厚くして水柱を上げる。晃の後方少し上を飛んでいた沙希は、水柱で一瞬晃の姿が隠れるも、気にせず水柱に突っ込む

 

「なっ・・・」

 

 ・・・しかし、水柱を抜けた先で彼女が見たものは、まるで逆立ちをしているかのような晃の姿だった。晃は水面に両手を叩きつけた反動で上体を起こしてクルビットに入っていたのだ

 このままでは晃の真下を通り抜けてしまい、背中にタッチを受けると思った沙希。しかし高速で飛んでいたために今更回避行動に移っても遅かった

 

「~~~クソッ!」

 

 ・・・っが、晃はそんな絶好のチャンスを見逃した。一言毒づいてから、背中へのタッチを諦めて3番ブイに向かう

 自分の予想とは違った行動を取った晃に、沙希の頭に疑問が生まれる

 

「沙希!」

 

 疑問に一瞬競技への集中を欠いた沙希は、イリーナの言葉で我に帰った。晃への疑問を捨て置いて3番ブイを先に取るべく晃を追う

 2人が一直線に3番ブイに向かう。当然沙希のほうがスピードが速いため、あっという間に晃に追いついた

 

「晃!」

 

 追いついた直後、晃は以前真白との練習で見せたマニューバを繰り出す

 進行方向に背中を向け、空気抵抗で減速しながら、抜かされる一瞬のタイミングで沙希の背中にタッチする

 

「ポ、ポイント明石!2-1」

 

 高速飛行にマニューバを混ぜたドッグファイトに、審判ですら一瞬呆気に取られる

 晃は加速し直して3番ブイに向かうも、タッチから体勢を立て直した沙希が先にブイに着く

 

「ポイント乾!2-2」

 

 沙希はそのまま上昇を始め、晃がそれをセカンドラインのときと同様に追う

 

「晃・・・頑張って・・・」

 

 両手を胸の前で組み、祈るように晃を応援する莉佳

 晃と沙希はセカンドラインのときと同じようにドッグファイトをしながら降下してくる、セカンドライン以上の激しいドッグファイトを繰り広げながらも、やはり晃が海面に追い詰められた

 

「あぁ・・・まーた追い詰められた」

 

 セカンドラインでやられたクルビットを警戒した沙希は、前より距離を詰めて晃を追う

 それに気付いた晃は、海面スレスレを今度はクルクルとロールした

 

「・・・?」

 

 意味がわからない・・・っと沙希が晃の行動にさらに疑問を持った次の瞬間、沙希の目に何かが入った。驚きと反射で目を閉じた沙希、晃を目で追えなくなり飛行スピードも著しく下がり、晃が海面スレスレから脱出する

 

「沙希!何やってるの?!」

 

「・・・海水が目に入っただけ・・・問題ない」

 

 晃はただロールをしていたわけではなかった。ロールとともに海水を巻き上げていたのだ。その海水がすぐ後ろを飛んでいた沙希の目に入ったのである

 海上の2人から距離のあるイリーナは、沙希が見逃したかのように見え、沙希を叱責し、それに返す沙希も、苛立ってきている

 

「・・・また見逃した」

 

 スピードではこちらに分があるはずで、ドッグファイトでしか点が取れないはずなのに、ドッグファイトで折角隙を作ったのに、その隙をわざわざ見逃している・・・沙希は晃の行動がわからなくなる

 単純に、タッチをすると沙希が海面に叩きつけられてしまうから・・・っという晃の気遣いにまるで気が付かない沙希は、遊ばれていると勘違いをしてさらに苛立つ

 

「なんか、目付きが怖くなってきた気がする・・・」

 

「モニターで見てるけど、私もそう思う、かな?」

 

 無表情だった沙希の表情に、怒りの色が見え始め、晃が冷や汗を垂らす

 沙希が減速したために2人の距離が開き、晃は垂直エアキックで上昇を始めて4番ブイを狙いに行った

 

「沙希、終わらせなさい」

 

 もうすぐ試合時間の10分間が終わろうとしているため、イリーナは沙希に決勝点を取るように指示し、沙希も4番ブイに向かって飛び始めた

 しかし、晃に気付かれ、コースを妨害されてしまう

 

「・・・っ!」

 

「早く振り切りなさい!」

 

 今までの相手に付き合わせてコントロールするような飛行ではない、本気の逃げる飛行

 しかし、沙希は晃を振り切ることができず、タイムアップが刻々と迫る中でイリーナは焦る

 結局、タイムアップまで沙希は晃に抑えられてしまった

 

「晃、そのまま延長戦に入るよ」

 

 試合時間の10分間が終わり、同点による未決着のため、そのまま5分間の延長戦に突入した

 

 

『えー、準決勝第1試合・・・まさかまさかの大延長戦になっております。同点による延長戦を重ねに重ねて試合時間はもうすぐ30分に達しようとしています』

 

 実況の言葉に、会場中がジッと試合に注目し続けている。別コートで行われた準決勝第2試合は既に一成の勝利で終わっている

 試合の展開は概ね始めの10分間と同様で、急上昇からの降下しつつのドッグファイト、その過程で晃が沙希の背中にタッチをし、沙希がポイントを取り返すためにブイにタッチする、それの繰り返しである

 

『現在ポイントは7-7。未だ両者アドバンテージは得られていません』

 

 今も晃と沙希はフォースライン上でドッグファイトを続けている

 両者とも表情に疲労の色がくっきりと現れていて、肩で息をしているような有様である

 

「くそ・・・この一番暑い時間帯になんでこんなに・・・」

 

「晃、頑張って・・・」

 

 現在時刻は午後2時少し前。1日で最高気温を記録する時間帯である

 直射日光に晒される中、ルールがないために休憩もなければ水分補給もない。大会運営側の想定を超えた延長戦に、選手の体調を心配する声が上がり始める

 

『えーただ今、大会運営より発表がありました。選手の体調を考え、現在の延長戦でも決着が付かない場合、試合を一時中断し、5分間のインターバルの後に試合を再開させるとのことです』

 

 大会運営は、ルールがないことを逆に捉えて、給水と休憩のためのインターバルを入れることを決めた

 

「晃、聞こえた?」

 

「あぁ、聞こえた。準備よろしく」

 

「大丈夫、副部長がもう動いてくれてるよ」

 

「そりゃ頼もしい」

 

 その1分後、4回目の延長戦が終わり、晃と沙希は一度、それぞれのセコンドのいるブースに降りた

 晃も沙希も降りてすぐの行動は同じだった。とにかく飲み物を口に含み、飲み干す。すでに2人とも中度の域に達しそうなほどの脱水症状と熱中症になっていた

 晃はインカムとサングラスを外して莉佳に渡すと、もう1本飲み物が入ったペットボトルを取り、思いっきりその中身を頭から浴びるようにかけた

 

「バケツがあれば海水でザバーッとできるんだけどなぁ・・・」

 

「大丈夫?」

 

「うん、大丈夫」

 

 タオルを渡しながら心配する莉佳に、しっかりと答える晃

 髪を拭きながら相手側の2人のほうを見る

 

「あの人、たぶん部長以上に強いと思う」

 

「そうだね・・・」

 

 一方、海凌学園側のブース

 給水をしながら、冷やした濡れタオルを脇に挟んで体温を下げている沙希。さすがに晃のように頭から水を被るのは女の子としてできなかった

 

「沙希、遊びは終わりよ。次で決めなさい」

 

「・・・はい」

 

 イリーナの厳しい言葉に沙希は短く返して頷く

 沙希としては遊んでいるつもりは欠片もなかったが、ここで反論する気力があるのなら試合で使わないと晃には勝てない、と沙希は感じていた

 やがて、インターバルの5分間が終わり、再びコートに上がろうとする沙希。そんな彼女の耳元にイリーナは顔を寄せる

 

「あなたの得る、これからの数々の勝利に、アヴァロンは多額の出資をしていること、忘れてはいませんよね?」

 

「はい」

 

「なら、わかるでしょう・・・?こんなところで躓くことは許されないことですよ・・・絶対に」

 

「・・・はい」

 

 囁くような小声でイリーナは沙希を『激励』する

 沙希は返事をしたあと、奥歯を噛み締めて飛び立つ

 

「よし、行ってくる」

 

「晃、頑張って」

 

 一方高藤学園側の2人

 笑顔でルーティンをこなして晃はコートに上がるために飛び立ち、莉佳はセコンドの位置に着く

 

「試合を再開する。選手はスタート位置に」

 

「もしかして、普通に試合を始める感じで再開するのかな?」

 

「そうみたいだね。まずいね・・・」

 

 審判の指示に 晃と莉佳は困った表情を浮かべる

 このまま普通の試合同様に再開をされてしまうと、ファーストラインの接触禁止のルールで沙希が自動的に1ポイント得られるからだ。これが本当に普通の試合ならば、まだ試合時間が残っているのでどうとでもできるのだが、今回は延長戦のため本来の半分の5分間しかないのだ

 

「ま、上の決定だ。やるしかないか」

 

 腹を決めた晃はスタート位置に着く

 

「セット!」

 

 再び開始のブザーが鳴る

 前と同じように晃はショートカットして2番ブイは沙希がタッチした

 

「ポイント乾!8-7」

 

「バードケージ、今度こそちゃんと相手を支配しなさい」

 

「・・・はい」

 

 セカンドラインに入った沙希は、改めてイリーナから作戦を伝えられた。晃を見据え、真っ直ぐ距離を詰めながら急上昇のタイミングを計る。今回は逃げ切るだけで試合に勝てるので、前のようにタッチを受けたくはない・・・っと沙希は考えていた

 

「すぅ~はぁ~・・・よし」

 

 セカンドライン中央にいる晃は、向かってくる沙希を視界に収めながら呼吸を整えた。そして相撲の仕切りのように腰を落とし、拳を下ろした

 

「っ!」

 

 エアキックの加速を使い、向かってくる沙希に猛然と突っ込んでいく

 突っ込んでくる晃の勢いに、沙希は早すぎるタイミングで急上昇に移ってしまう。沙希を追いかけるように片足でエアキックをして前方斜め上に軌道を変える晃。この大会で初めて使う片足でのエアキックに会場中から驚きの声が上がる

 晃は沙希と交差すると、さらに片足で壁を蹴るかのようにエアキックをして真上に軌道を修正し、あっという間に沙希の後ろをとって、背中にタッチした

 

「ポイント明石!8-8」

 

 ポイントを取られた沙希は降下に転じて、時間の消耗を狙って晃を海面に誘導し始める

 

「まーたこれか・・・ま、付き合ってやるけどさ」

 

 正確には付き合わない選択肢がとれない晃は、もう何度目かの海面に誘導されて追い込まれる

 残り時間が1分を切り、決勝点を取るべく沙希が目標を晃から3番ブイに変えようとしたとき、晃が動いた

 晃は最初のセカンドラインのときと同様に海面を両手で叩いて水柱を上げた

 

「また・・・」

 

 クルビットを警戒して少し高度を上げて水柱を突破する沙希

 だが、水柱を抜けた先に、晃の姿はなかった

 

「いない?!」

 

「真下よ!」

 

 イリーナに教えられて沙希が真下を向くと、そこにはすでに膨大な水飛沫を上げながら真上に加速した晃がいた

 晃は水柱を上げると同時に体を丸めながら、手足を海に付けて水の抵抗で急減速をした。そして沙希が真上に来るタイミングで海面ごと垂直エアキックで蹴り出して加速をしたのだ

 晃の手は沙希のグラシュにかかり、反発で沙希はバランスを崩した

 

「~~っ!」

 

「もらったぁ!」

 

 沙希が必死に晃の姿を目で追うが、バランスを崩した状態ではまともに抵抗はできない。ただ決勝点を取る晃の姿を自分の目に焼き付けただけだった

 

「ポイント明石!9-8」

 

 タッチを受けた沙希が立て直してブイを狙う

 もはやそれが間に合わないことがわかっている晃は追いかけなかった

 

「ゲームセット!9-8で明石晃選手の勝利!」

 

 沙希がブイまであと10メートルと迫ったところで無常にも試合終了のブザーが鳴った

 

『決着!壮絶な延長戦を制したのは高藤学園1年、明石選手だーっ!っと?』

 

 試合終了に会場が沸く中、沙希がポチャンっと海に落ちた

 長時間の試合で体に異常が出たのかと審判や晃が、慌てて海面に浮いている沙希の元に向かう

 

「おーい、大丈夫ですかーっ?!」

 

「・・・大丈夫」

 

 試合をしていた晃が一番近かったこともあり、最初に沙希の元に着いて状態の確認をした

 沙希がしっかりと返事をして、晃はホッと胸を撫で下ろした

 

「負けた・・・だけど、不思議と満足感がある」

 

「そりゃ、こんだけ飛んでたら・・・勝っても負けても悔いは残らないでしょう?」

 

「確かに・・・そうかも」

 

 まるで下が地面かのように海面に立ってしゃがむ晃に沙希が話す

 普段無口で感情を表に出さない沙希。しかし、不思議と今は自然と言葉が出て、表情に笑みが浮かんでいた

 仰向けで浮いていた沙希が、立ち泳ぎに体勢を変えた。髪に付いた海水を2,3回頭を振って飛ばすと、色々とスッキリした表情で晃に手を差し出す

 

「次は負けない」

 

「お手柔らかに」

 

 晃は少し困ったような苦笑いをしつつ、沙希の手を握った




最後のシーン、沙希のグラシュは完全水没で機能停止してますので、沙希はメンブレンを纏ってません。だから晃と握手ができる・・・ということで。なんか少し沙希ルートの扉が開いてきてる気がしないでもない

イリーナさんヤバイわぁ・・・悪い顔にゾックゾクする
イリーナさんは試合のあとに更衣室とかで、負けた沙希を無表情で平手打ちして『あなたにはガッカリしました。さようなら』っと見切りをつける、1周回って清々しいくらいの悪であってほしい
あの顔を出しちゃったからには、下手に沙希を慰めて『次また頑張りましょう』とか言ったり、自分の考えを改めて『また2人で1から一緒に頑張りましょう』とか言わないでほしいね

イリーナと沙希の関係は想像です。だってゲームサイトのキャラ紹介にもイリーナが沙希のパトロンとしか書かれてないし。でもパトロンとある以上は金銭的な支援をしているのは明らか・・・でもそれはイリーナやアヴァロン家が私的に出しているのか、それともアヴァロン社が出しているのか・・・自分は後者で考えました。だって沙希が勝っていけばアヴァロン社も注目されていって、利益に繋がっていくわけだし
でも沙希が勝ちたい理由がわからない・・・イリーナのため?ならなぜそこまでイリーナのために動く?支援してくれている恩?契約によるもの?だとしたら2人はどう出会って、どういう流れでパートナー関係になった?

グラシュの性能の設定は割りと適当
サイトの4コマのスピーダー向けとファイター向けのグラシュの性能が初速と加速と最高速が3:5:7とか7:5:3に見えたから合わせて15か、と・・・ぶっちゃけ初速と加速って被ってる気がする。まとめて加速にして別に旋回性とか入れたほうが・・・
FCはスポーツだけど、グラシュの性能が影響する割合が大きいと思うので規格だの何だのとあるんだろうな・・・と
ちなみに晃のグラシュは2:6:7という設定、初速はエアキック頼りの高速ファイター仕様。沙希は1.5:5.5:8と想像・・・いや、下手したら最高速は8以上?1.2:5.3:8.5とか?

延長戦は6話で明日香がグッタリしていたので休憩無しでそのまま突入するのかなと・・・トーナメントである以上は決着が付くまで延々といくんだろうなと・・・

アニメは夏の大会がまさかの2日間?2日目午前中に2回戦をやって、昼食シーンを入れてるということは午後から3回戦以降を?決勝の2人は午後だけで4試合?ハードだなぁ・・・
作中時期は夏休み終わって2学期になっちゃったけど、スポコンものから恋愛ものにシフトしてしまうのだろうか?秋の大会で明日香が沙希に勝って終わるのか・・・?そして覆面さんはいつ出てくるのか・・・
そしてこの短編集は続くのか?
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