1話 間違えた一歩
笑いあえるってすごく幸せなこと──。
それを君から教えてもらったんだよ──。
アタシには幼馴染がいた。
小さい頃からずっとずっと一緒にいて、キミのことは何でも知っていた。例えば趣味や得意なこと、苦手なことだったり、性格だったりと。例を挙げだしたらきりがないくらいたくさんのことを。
そしてアタシは、ようやく、最近になって気づいたことがあった。
──『キミのことが好きなんだと』
恋の一歩として、また一つ、アタシはキミにこう問いかけてみた。
「ねぇ、理想の女の子ってどんなタイプ?」
えっ!? っと驚いた顔でアタシを見ると、キミは校門の前だというのに立ち止まってしまった。
まずいこと聞いちゃったかな? もしそうだとしたなら、適当に話題を変えないと!! 朝のニュースは見てないし……、昨日学校であったことも話しちゃったし……。
キミは急に動き出すとアタシの手を引きながら、壁に背中を張り合わせて──。
「あんな感じの…」
指さす方向にいる人物は、学校ではちょっぴり有名なくらい、綺麗な先輩。
「年上の綺麗な女性」
「そ、そうなんだぁ……」
先輩のような女性にはなれない。あんな先輩に追いつけない。
でも、キミにアタシを見てほしい。お前が好きだよ、って言ってほしい。けれどキミのタイプを無理矢理捻じ曲げるような魅力はアタシにはない。そんなことは分かっている。身長は低くて、子供っぽい顔立ち。そして、同級生。
だけど、まだ可能性ならある。年上になることでアタシはを意識してくれる可能性。
その可能性を見出すことのできる唯一の方法──
過去へとタイムリープし、そこでまたキミと出会い、また恋をするんだ!! そうすれば、子供のキミから見たアタシは年上の女性となっているはずだ。
アタシの足元から放たれる光の玉は、徐々に増えていき、年期を感じる校門、鮮やかな桃色の花を散らす桜、登校中の生徒達、綺麗な先輩、キミすらも薄めていき、やがて、全てを呑み込んだ。
◇ ◆ ◇ ◆
──ここはアタシとキミが、子供の頃によく遊んでいた場所だった。そこの木々はさっきと同じように桜の花を咲かせ、散散らしていた。
そして、そんな中を駆ける1人の少年がいた。僅かに距離はあるものの、アタシは一目で分かってしまった。少年はキミなんだと。
アタシは抑えきれない程高ぶった気持ちをどうにか抑えて、キミの様子を観察をすることに──様子がおかしい。
キミはボロボロと涙を零しながら、私の名前を叫ぶ。
この時代のアタシはいない。その代わりとして、アタシが今ここにいるのだから。キミからすればきっと、私が目の前からいきなりいなくなったのだろう。
その、アタシの面影を泣きながら探しているのだ。
キミのあんな泣き顔は見たことなかった。かなり胸が苦しい。締め上げられてるような最悪の気分だ。
早く帰ろう……。
さっきまで時代へとタイムリープをしよう──と、するものの